SBTiによる検証

2024年、NXPはScience Based Targets initiative (SBTi) の検証プロセスを完了するという、重要な節目に到達しました。これは、NXPの気候変動対策へのコミットメントを表しています。検証には以下の目標が含まれます。

  • 2030年までにスコープ1と2の総排出量を55%削減(2021年比準)- これは1.5℃目標の達成を目的としたものです
  • 2033年までにスコープ3の総排出量を35%削減(2022年比)- これは2℃未満目標の達成を目的としたものです

2024年における排出削減パフォーマンス

排出ガスを効果的に削減し、NXPの責任あるエネルギー使用に関する野心的目標を実現するには、多様なエネルギー源の管理から低地球温暖化係数 (GWP) ガスへの転換まで、半導体製造の複雑さに対応することが不可欠です。

NXPでは、GHG(温室効果ガス)排出量の算定と報告に関する国際的に認められた基準であるGHGプロトコルに従って、カーボン・フットプリントを測定しています。NXPの報告書は、プロコトルで定義されているスコープ1(企業が所有および管理する資源からの直接排出)、スコープ2(自社による間接排出)、スコープ3(バリューチェーン全体での上流および下流の排出)の3つのカテゴリを網羅しています。

  • 39%
    スコープ1と2の総排出量の減少率(2021年比)2
  • 47%
    スコープ3の総排出量の減少率(2022年比)2

スコープ1

GHGプロトコルでは、スコープ1の排出を企業が所有および管理する資源からの直接排出と定義されており、これには自社製造プロセスや定常燃焼(燃料、加熱源など)からの排出が含まれます。スコープ1の排出量については、非製造業による影響はごくわずかであることから、製造拠点のデータのみが含まれています。

NXPのスコープ1の排出には、PFCの排出、HTFの排出、化石燃料の消費からの排出のほか、京都議定書で特定されている一酸化二窒素 (N₂O) や六フッ化硫黄 (SF₆) などの排出が含まれます。

実績

2024年のスコープ1とスコープ2の総排出量は、2023年と比べて31%減少しました。2015年以降、プロセスの最適化、ツールのアップグレード、排ガス処理装置の設置などの取り組みと工場の稼働率低下が相まって、スコープ1の総排出量は68%減少しました。

スコープ2

GHGプロトコルでは、スコープ2の排出はユーティリティ・プロバイダより購入したエネルギーの発電に伴う間接排出と定義されています。現時点でNXPは、スコープ2のエネルギーとしてすべて電気を使用しています。スコープ2の排出量には、製造拠点および非製造拠点のデータが含まれています。

実績

過去10年間における省エネルギー、再生可能エネルギーの入手、プロセス・ツールの最適化に向けた取り組みにより、プロセス・ステップがより複雑化して電力の使用量が増大しているなかでも、スコープ2の排出量を順調に下げることができました。2015年以降、NXPのスコープ2(市場ベース)の総排出量は40%減少しています。2024年のスコープ2の総排出量は、2023年と比べて13%減少しました。

スコープ3

2023年は、スコープ3の15のカテゴリの排出量について、GHGプロトコルに合わせた包括的かつ詳細な調査を初めて実施するという大きな節目を迎えました。GHGプロトコルが定める15のカテゴリのうち、3つのカテゴリがNXPのスコープ3の排出量全体の約97%を占めています。これに該当するのは、割合が高い順に、カテゴリ11 - 販売した製品の使用、カテゴリ1 - 購入した製品・サービス、カテゴリ2 - 資本財です。


実績

製品における低消費電力化の推進、算出手法の若干の更新、工場の稼働率の低下により、2024年におけるスコープ3の総排出量は2022年、2023年よりも減少しました。2024年のスコープ3の総排出量は9,756,145 tCO₂eで、これはカーボン・フットプリント全体の93%を占めています。