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水を製品の製造生産プロセスの重要な一端と捉え、地球の良き管理人として、水の使用量削減や再利用に取り組む必要があることを理解しています。現時点では、製造プロセスで使用される水の量を劇的に削減することは技術的に実現不可能なため、代わりに水のリサイクル率を向上させることで供給量を減らすことに注力しています。
NXPのグローバルな水管理戦略には、廃水の処理と排出に関する保全、リサイクル、および高い基準への重点的な取り組みが含まれます。
NXPのサステナビリティ・プログラムは、ツールの効率化や水のリサイクル率の向上など水の保全に重点を置いています。
半導体の製造プロセス、特にウェハの製造では、水が大量に使用されます。弊社では、供給される水の消費を削減するために、2027年までに水のリサイクル率を60%まで上昇させるという中期目標の達成に注力しています。
NXPの製造拠点では、主に近隣の自治体施設から水が供給されています。製造拠点のうちナイメーヘンとオーク・ヒルの施設でのみ地下水が利用されており、弊社の水総消費量の6%を占めています。
2022年の弊社の水総使用量のうちリサイクルされた水の割合は48%を占めており、非リサイクルの水とほぼ同量が使用されています。
半導体テクノロジの進化に伴い、製造プロセスはますます複雑化しています。より小型で高速化された半導体を製造するには、より多くの処理工程が必要となり、製品の品質とプロセスの安全性を確保するために洗浄に使用される水の量が増加します。
水の保全に重点を置いた10年間の取り組みでは、より効率的なツールの使用、機会を捉えた水のリサイクル率の向上、およびプロセスの最適化方法の追求に注力してきました。
水消費量(原単位)は2021年から1%減少しました。
2022年には弊社製品の需要が2021年に比べて9%増大しました。需要が増大した結果、水の総使用量は2021年に比べて8%増加しました。
2012年以降、水のリサイクル率は16%上昇しました。現在、弊社では水の48%をリサイクルしており、新たに水をリサイクルできる機会を特定するためのタスクフォースを立ち上げています。
水ストレス指数 (WSI) 評価ツールは、水の使用と水の使用可能量の関係を研究するために、国連やその他の機関によって用いられています。WSIのスコアは、極めて高い(0.0~2.5)、高い(2.5超~5.0)、中程度(5.0超~7.5)、低い(7.5超~10.0)の4つのリスク・カテゴリに分類されます。
ウェハ・ファブ | 組み立ておよびテスト | ||
---|---|---|---|
米国テキサス州オースティン、ATMC | 5.7 | タイ、バンコク | 5.3 |
米国アリゾナ州チャンドラー | 0.0 | 台湾、高雄市 | 4.2 |
オランダ、ナイメーヘン | 7.9 | マレーシア、クアラルンプール | 3.4 |
米国テキサス州オースティン、オーク・ヒル | 5.8 | 中国、天津市 | 0.0 |
シンガポール、SSMC | 2.8 |
この指標は年間の平均水ストレスに基づいているため、水ストレスの季節性を捉えてはいません。各国は、それぞれの指標における相対的な位置によってランク付けされています。
NXPでは、水を調達時と同等かそれ以上に清浄な状態に浄化してから環境に戻すことにコミットしています。放出される廃水を処理するための水処理施設を敷地内に併設し、廃水に含まれる化学成分によって環境が汚染されることがないように徹底しています。施設チームが、地方当局の要求に従って水を継続的にモニタリングおよびテストしており、放出される廃水を地域の規制要件よりも清浄な水質にすることを目指しています。
弊社の総排水量は、一定量の水が蒸発や景観灌漑、無害の汚泥処理の一環として喪失されるため、総供給量よりも少なくなっています。
2022年において、廃水に関連してNXPが受けた逸脱の指摘や罰金、罰則はありませんでした。2022年現在の排水量については、企業サステナビリティ・レポートにて公表しています。弊社の総排水量は、一定量の水が蒸発や景観灌漑、無害の汚泥処理の一環として喪失されるため、総供給量よりも少なくなっています。
排水量 | 単位 | 2022 |
---|---|---|
総排水量 | m3 | 8,753,231 |
オースティンとオーク・ヒルの2つの製造拠点は、2021年の実績に基づき、ともに市の2022年廃水前処理優秀賞を受賞しました。オースティンにとって8年連続、オーク・ヒルにとって7年連続での受賞となります。
国連の持続可能な開発目標 (SDGs) に合わせてNXPの製品開発、経営、企業姿勢を修正し、経済、社会および環境の持続可能性に関連する地球規模の課題に取り組んでいます。
EHSや製品の環境コンプライアンスなど、NXPのサステナビリティへの取り組みに関するお問い合わせはこちらにお寄せください。