2022年の排出パフォーマンスのスナップショット

カーボン・ニュートラルに向けたNXPのロードマップには、パリ協定の目標に沿って排出量を削減するために明確に定義された、スコープ1および2の目標が含まれています。

カーボン・フットプリント

NXPでは、GHG(温室効果ガス)排出量の算定と報告に関する国際的に認められた基準であるGHGプロトコルに従って、カーボン・フットプリントを測定しています。プロトコルで定義された3つすべてのカテゴリ、スコープ1(直接排出)、スコープ2(自社による間接排出)、およびスコープ3の一部(出張や製品の輸送)について報告しています。NXPのカーボン・フットプリントの多くを占めているのは、購入電力からの排出、およびパーフルオロ化合物(PFC等ガス)と熱媒体 (HTF) の使用です。

スコープ1の排出量

GHGプロトコルでは、スコープ1の排出を企業が所有および管理する資源からの直接排出と定義されており、これには自社製造プロセスや定常燃焼(燃料、加熱源など)からの排出が含まれます。

NXPのスコープ1の排出には、PFC、HTF、化石燃料の消費からの排出のほか、京都議定書の対象ガスである一酸化二窒素 (N2O) や六フッ化硫黄 (SF6) などの排出が含まれます。

2022年にはNXP製品の需要が増大しました。その結果、スコープ1の排出に分類される加工用化学薬品の使用量が増えました。2021年以降、NXPのスコープ1の総排出量は3%増加しましたが、一方で2012年以降のスコープ1の総排出量は18%減少しています。

2012年以降、プロセスの最適化、ツールのアップグレード、排ガス処理装置の設置などの取り組みにより、スコープ1の排出量(原単位)は32%減少しました。さらに、スコープ1の排出量(原単位)は2021年と比べて6%減少しています。

スコープ2の排出量

GHGプロトコルでは、スコープ2の排出はユーティリティ・プロバイダより購入したエネルギーの発電に伴う間接排出と定義されています。現時点でNXPは、スコープ2のエネルギーとしてすべて電気を使用しています。スコープ2の排出量を算定する際には、エネルギー・プロバイダの実際の市場ベースの排出量データを使用しています。

NXPのスコープ2の排出量(原単位)は2021年と比べて12%減少し、2012年に比べて34%減少しています。この改善は、省エネルギーおよび再生可能エネルギーの利用に重点を置いた取り組みによるものです。

2022年にはNXPの製品需要が2021年と比較して9%増大し、それに伴い全体の電力使用量も上昇しましたが、スコープ2の総排出量は4%減少しました。2012年以降、NXPのスコープ2の総排出量は21%減少しています。

スコープ3の排出量

GHGプロトコルでは、スコープ3の排出は報告事業者のバリュー・チェーン内で発生する、スコープ2には含まれない間接排出として定義されています。NXPのスコープ3の排出量は現在、出張と製品輸送に限定されています。今後、サプライ・チェーンとともに、スコープ3の排出のさらなる算定に引き続き取り組んでいきます。

非温室効果ガス排出量

窒素酸化物 (NOx)、硫黄酸化物 (SOx)、揮発性有機化合物 (VOC) を含む温室効果ガス (GHG) 排出量は、主にはフォトリソグラフィ・プロセスでの化学溶媒の使用などの製造工程から排出されていますが、ボイラーや非常用発電機からの排出も含まれています。

NOx、SOx、およびVOC

2011年以降、NXPによる非温室効果ガスの排出量は大幅に減少しています。これには、2021年のレベルと比較したNOx、SOx、VOC関連の排出量の減少が含まれます。一方で、シンガポールのSSMC (Systems on Silicon Manufacturing Company) が拡張されたこともあり、2012年に比べてVOCは増加しています。