PCF85053ATK-ARD評価ボードのスタート・ガイド

最終更新日時: Mar 23, 2023サポート PCF85053ATK-ARD – PCF85053ATK評価ボード

このドキュメントの内容

  • 1

    パッケージの内容
  • 2

    ハードウェアの入手
  • 3

    ソフトウェア・ツールのインストールと構成
  • 4

    ハードウェアの構成

1. パッケージの内容

NXPのアナログ製品開発ボードは、NXP製品の評価を目的とした使いやすいプラットフォームです。さまざまなアナログ・ソリューション、ミックスド・シグナル・ソリューション、パワー・ソリューションに対応しています。実績のある大容量テクノロジを使用したモノリシック集積回路およびシステム・イン・パッケージ (SiP) デバイスを搭載しています。NXP製品は、最先端システムへの電源供給において、より長いバッテリ寿命、より小さいフォーム・ファクタ、より少ない部品数、より低いコスト、改善されたパフォーマンスを実現します。このページでは、PCF85053ATK-ARDボードをセットアップして使用する手順について説明します。

1.1 キットの内容/同梱物一覧

PCF85053ATK-ARDキットには以下のものが含まれています。

  • 組立て済み/テスト済みの評価ボード(静電気防止バッグ入り)

1.2 前提条件

I2Cバスの知識があると役立ちますが、必須ではありません。

1.3 静電気処理要件

注意:

このデバイスは静電気放電 (ESD) に敏感です。したがって、輸送および取り扱いの際には注意が必要です。ハードウェアの開梱または取り扱い前には、グランド・ストラップを使用するか、PCケースまたはその他の接地された箇所に触れてください。

1.4 最小システム要件

  • Windows 10を搭載したコンピュータ
  • 1つのUSBポート(3.0、2.0、または1.1互換)
  • 3つのEVKボード(MIMXRT1050-EVK、LPC55S69-EVK、MIMXRT685-EVK)のいずれか1つと、関連するファームウェア/GUIソフトウェア
  • PCとEVKボード間の電源およびデータ接続用USBケーブル(EVKのパッケージに含まれていない場合)

2. ハードウェアの入手

2.1 ボードの特長

  • Arduino互換のMCU EVKに直接接続するためのArduino Uno R3互換ヘッダを搭載
  • I2Cバス/アラート/CLKOUTの外部アクセスおよび監視用オンボード・コネクタ
  • 1.8 V/3.3 Vの選択可能な電源
  • オンボードのバックアップ・バッテリ・セル
  • MIMXRT1050-EVKボードとの完全な互換性、GUIを含む (Windows 10)
  • LPCXpresso55S69開発ボードとの完全な互換性、GUIを含む (Windows 10)
  • MIMXRT685-EVKボードとの完全な互換性、GUIを含む (Windows 10)

2.2 ボードの説明

PCF85053ATK-ARD評価ボードは、PCF85053ATK ICのテストと設計を容易にするArduinoヘッダを備えた拡張ボードで、アラーム機能付きリアルタイム・クロック/カレンダー、バッテリ切り替え、タイムスタンプ機能を備え、2つのファストモードI2Cバスを介して制御されます。

このボードは、MIMXRT1050-EVKB、LPCXpresso55S69、MIMXRT685-EVKと完全に互換性があり、GUIソフトウェア制御にも対応しています。ボードはArduinoヘッダを搭載した任意のデバイスに取り付けることができます。

2.3 ボードのコンポーネント

PCF85053ATK-ARDボードの概要

PCF85053ATK-ARD Evaluation Board, Top View PCF85053ATK-ARD Evaluation Board, Bottom View

3. ソフトウェア・ツールのインストールと構成

3.1 ソフトウェア・ツールのインストールと構成

PCF85053ATK-ARD評価ボードは、Arduinoヘッダを搭載したマザーボードと連携して動作する拡張ボードとして設計、構築されています。このボードは、以下のNXP評価 (EVK) ボードと完全に互換性を持つように設計されています。

  • MIMXRT1050-EVKボード
  • LPCXpresso55S69開発ボード
  • i.MX 8M Mini LPDDR4 EVKボード

上記の各評価/開発ボードには、NXPのサイト (www.nxp.com) からダウンロードできるファームウェアのサポートがあります。起動する前に、対応するファームウェア・パッケージを使用してEVKマザーボードをプログラミングする必要があります。

さらに、NXPのサイトからGUIアプリケーション (Windows 10) をダウンロードでき、上記のいずれかのEVKを使用してPCF85053ATK-ARD拡張ボードの迅速なテストと操作が可能になります。GUIアプリケーションは、3つのEVKすべてに共通です。EVKファームウェアとGUIホスト・ソフトウェアのPCへのインストールに関する詳細については、「UM11581 – ArduinoシールドのGUIとファームウェアのインストール」(https://www.nxp.com/docs/en/userguide/UM11581.pdf) をダウンロードしてください

ソフトウェアをインストールしたら、最初のステップとして、EVKとPCF85053ATK-ARD拡張ボードの正しい組み合わせを選択します。それにより、ボードをGUIインターフェースから制御できるようになります。

4. ハードウェアの構成

4.1 PCF85053ATK-ARDをMIMXRT1050-EVKボードとともに使用

図3は、MIMXRT1050-EVKを使用したPCF85053ATK-ARD拡張ボードの動作に必要なハードウェアを示しています。以下のものが必要となります。

  • MIMXRT1050-EVKボード x 1
  • PCF85053ATK-ARD拡張ボード x 1
  • USB-A/USB Micro-Bケーブル x 1
  • Windows 10オペレーティング・システムを搭載したPC

MIMXRT1050-EVKマザーボードには、次の3つの方法のいずれかを使用して電源を供給できます。

  • 外部の5 VDC電源をボード上のバレル電源コネクタ (J2) に接続する
  • PCからボード上のMicro-B USBコネクタ (J9) にUSBケーブルを接続する
  • PCからボード上のUSBコネクタ (J28) にUSBケーブルを接続する

USBコネクタJ9およびJ38を使用してPCに接続した場合は、EVKへの電源供給と同時にPCとのデータ交換を行うことができます。

(PC上の)古いUSBポートからは、必要な電流 (500mA) を供給することができません。通信を確立する前に、外部電源(J2に接続)を使用してください。

EVKボードのJ1(図3を参照)を使用して、マザーボードの電源構成を選択できます。詳細については、MIMXRT1050 EVKBボードのハードウェア・ユーザー・ガイドを参照してください。

PCF85053ATK-ARD Expansion Board and MIMXRT1050-EVK Board

ハードウェアとワークステーションを構成するには、以下の手順を実施します。

  1. EVKの適切な電源構成を設定します (J1)。電源にJ28を使用する場合は、J1ジャンパを5-6の位置に配置する必要があります。外部電源(J2に接続)を使用する場合は、ジャンパJ1を1-2の位置に配置します
  2. J12のジャンパを1-2/3-4の位置(デフォルト)に配置します
  3. PCF85053ATK-ARD拡張ボードをEVKのArduinoコネクタに挿入します(図3と図4を参照)
  4. USBコネクタJ9を使用して、EVKボードをコンピュータのUSBポートに接続します
  5. MIMXRT1050のターゲット・ファームウェアをインストールします(NXPのサイトからダウンロードし、「UM11581 – ArduinoシールドのGUIとファームウェアのインストール」マニュアルに記載された手順を参照)
  6. GUIアプリケーションをインストールします(「UM11581 – ArduinoシールドのGUIとファームウェアのインストール」マニュアルを参照)
  7. GUIアプリケーションを開き、PCからデバイスを操作します

図4は、動作中のボードを示しています。

PCF85053ATK-ARD Expansion Board / MIMXRT685-EVK Board Operation

4.2 PCF85053ATK-ARDをLPCXpresso55S69開発ボードとともに使用

図5は、PCF85053ATK-ARDおよびLPCXpresso55S69 EVKボードの動作に必要なハードウェアを示しています。以下の内容で構成されます。

  • LPCXpresso55S69 EVKボード x 1
  • PCF85053ATK-ARD拡張ボード x 1
  • USB-A/USB Micro-Bケーブル x 1
  • Windows 10オペレーティング・システムを搭載したPC

LPCXpresso55S69開発ボードには、4つのUSB Micro-BコネクタP5P6P9P10が搭載されています。ボードには任意のUSBポートから電源を供給できます。P6 USBコネクタを使用してボードをPCに接続すると、P6がデバッグ用に指定され、USBケーブルによってボードへの電源供給と同時にEVKボードとPC間のデータ・リンクが確立されるため、起動操作が簡単になります。LPCXpresso55S69開発ボードの電源投入と操作の詳細については、こちらのLPCXpresso55S69/LPCXpresso55S28開発ボード・ユーザー・マニュアルを参照してください。

PCF85053ATK-ARD Expansion Board and LPCXpresso55S69 Motherboard

次の手順では、図5に示す構成を組み立て、プログラミングし、操作する方法について説明します。

  1. PCF85053ATK-ARD拡張ボードをLPCXpresso55S69開発ボードにあるP16P19コネクタに差し込みます(図5でマークされたP16P19のピンを参照)
  2. J12のジャンパを1-2/3-4の位置(デフォルト)に配置します
  3. PCのP6 USBポートを使用して、開発ボードを接続します
  4. LPCXpresso55S69のターゲット・ファームウェアをインストールします(NXPのサイトからダウンロードし、EVK_Firmware_And_GUI_Install_Guide_For_Arduino_Boards.pdfファイルの説明を参照)
  5. GUIアプリケーションをPCにインストールします(前の手順で示したファイルの説明を参照)
  6. GUIアプリケーションを開き、PCからデバイスを操作します

図6は、動作中の2つのボードを示しています。

PCF85053ATK-ARD Expansion Board R/eLv.P1C—Xp2r0eMssaorc5h52S06293 Motherboard Operation

4.3 PCF85053ATK-ARDをMIMXRT685-EVKボードとともに使用

PCF85053ATK-ARDボードとともに使用できる3番目のEVKボードはMIMXRT685-EVKです。図7は、組み立ておよび操作前の2つのボードを示しています。ボード・アセンブリのテストと操作には以下のものが必要です。

  • MIMXRT685-EVKボード x 1
  • PCF85053ATK-ARD拡張ボード x 1
  • USB-A/USB Micro-Bケーブル x 1
  • 2本のジャンパ線
  • Windows 10オペレーティング・システムを搭載したPC

MIMXRT685-EVKボードの電源投入には、リンクUSB (J5)、外部電源USB (J6)、ターゲットUSB (J7) の3つの方法があります。バレル・コネクタJ24はデジタル・アンプ部への電源供給用に設計されているため、MIMXRT685-EVKボードへの電源供給には使用できません。PCワークステーションとEVKの間のデータリンクは、ターゲットUSB (J7) 経由で実現されます。コネクタJ7とUSBケーブルを使用すると、MIMXRT685-EVK/PCF85053ATK-ARDアセンブリへの電源供給と同時にPCとの接続が確立され、GUIアプリケーションから操作できるようになります。

MIMXRT685-EVKのUM11159ユーザー・マニュアルには、アセンブリの電源投入と操作に関する詳細が記載されています。PDFファイルをwww.nxp.comからダウンロードできます。

The Assembly PCF85053ATK-ARD Expansion Board and MIMXRT685-EVK

アセンブリを構成して操作するには、次の手順に従います。

  1. PCF85053ATK-ARDをMIMXRT685-EVKボードに挿入します
  2. J12ジャンパ・ヘッダを次のように設定します。2本のジャンパ線を使用して、ピン3をピン6に、ピン4をピン5に接続します(図8を参照)
  3. ポート2に接続したUSB Type Cケーブルを使用して、EVKボードの電源を入れます
  4. J7ターゲットUSBコネクタに接続したUSB Micro-Bケーブルを使用して、EVKをPCに接続します
  5. MIMXRT1050のターゲット・ファームウェアをインストールします(UM11581 – ArduinoシールドのGUIとファームウェアのインストール・マニュアルをNXPのサイトからダウンロード)
  6. GUIアプリケーションをPCにインストールします(前の手順で示したファイルの説明を参照)
  7. GUIアプリケーションを開き、PCからデバイスを操作します
PCF85053ATK-ARD Expansion Board / MIMXRT685-EVK Board Operation

4.4 PCF85053ATK-ARDを他のデバイスとともに使用

PCF85053ATK-ARD拡張ボードは、Arduinoヘッダを備えた他のEVKボードでも動作できます。ボードを接続するには、Arduinoヘッダを搭載した他のEVKを使用する場合と、Arduinoヘッダを搭載していないEVKを使用する場合の2つのオプションがあります。最初のケースでは、PCF85053Aの仕様に従ってファームウェアを作成してから、EVKにPCF85053ATK-ARD拡張ボードを取り付けてボードを操作します。2番目のケースでは、Arduinoコネクタのピン・チャートを使用して、必要な電気的接続(電源、I2Cバス、および制御ライン)を行い、ICの仕様に準拠して必要なファームウェアを作成します。PCF85053Aデータ・シートを参照し、DUT ICの内部レジスタの詳細、および内部コントローラとEVK間のデータ交換の詳細を確認してください。ICの損傷を防止するために、電気的接続を確実に正しく行い、信号線でのデータ競合を回避します。