ステークホルダー・エンゲージメント

エンゲージメント・プロセス

外部ステークホルダー

ステークホルダー・グループ エンゲージメント方法 エンゲージメントの目的 成果の説明
市民社会組織/非政府組織 (CSO/NGO) 対話、マルチステークホルダー・プロジェクトおよびコンファレンス。 サステナビリティ・デューデリジェンスに関する市民社会の期待に応える方法で事業を展開し、影響を受けるステークホルダーの支援のために連携します。 影響を受けるステークホルダーにとって有益なベスト・プラクティスが含まれるよう、NXPのポリシーとアクションを更新します。
お客様 コンファレンス、お客様向け製品発表、展示会、サステナビリティまたは事業に特化したレビュー・ミーティング。顧客満足度調査およびお客様のESGドキュメントのレビュー。 お客様の期待を理解し、それに応えます。より持続可能な製品の開発のために連携します。 お客様の要件を満たし、それに応えることで、顧客監査の必要性を減らします。
政府/公共セクター マルチステークホルダー・プロジェクト、ミーティング、およびコンファレンス。業界団体のミーティング。 関連規制がNXPおよびステークホルダーに与える影響について企業/業界に認識してもらい、適切に対応できるようにします。 規制の要件に準拠するように、報告方法とプロセスを更新します。
業界団体 ワークグループおよびミーティングへの参加またはその主導。 同業者間でベスト・プラクティスを共有し、業界への期待に応じられるようにします。 関連する業界コードと規格に合わせて、NXPの事業および計画を更新します。
株主/投資家 株主総会、投資家向け業績発表、およびコンファレンス。 投資家の期待や優先順位に合わせて、投資家のイニシアチブとNXPの活動に付加価値をつけます。 改善が必要な場合にはフィードバックを集約し、関連チームと共有します。
サプライヤ サプライヤのデューデリジェンス監査およびサーベイ。サプライヤ・レビュー・ミーティング。 サプライチェーン全体で協力を促すことにより、温室効果ガス (GHG) の排出量やパフォーマンスなどのサステナビリティ・インパクトを高めます。 サプライヤのデューデリジェンス監査の実施、是正処置の確認、イニシアチブの調整を行います。スコープ3の削減活動を実施します。

内部ステークホルダー

ステークホルダー・グループ エンゲージメント方法 エンゲージメントの目的 成果の説明
NXPのチームメンバー さまざまなツールを介してチームメンバーとエンゲージ。四半期ごとのパルス・ミーティング、アンケート、従業員リソース・グループ (ERG)、対話型ミーティング、Innovation Summit、Growth Weekを実施します。 NXP社内でイノベーションに注目を促し、その功績を称えます。NXPのチームメンバーの優先事項、関心事、提案を調査して、成功とイノベーションの文化を醸成すること、優良雇用主および責任ある社会市民として認められることに役立てます。 チームメンバーからのフィードバックをまとめ、取締役によるレビューを実施します。取締役は、特定されたニーズや優先事項に基づいて調整方法や改善方法を選択します。
NXPのサステナビリティ分野の専門家 (SME) 定期ミーティング。ワーキング・グループ、アンケート、プロジェクト。 NXP社内のサステナビリティ実践者のノウハウを活用して、ESGプログラム全体の改善を図ります。 サステナビリティSMEの実現可能な提案を取り入れ、必要に応じてESGマネジメント委員会にエスカレーションします。

2023年のエンゲージメント

下記の表は、2023年における内部および外部のステークホルダーとのエンゲージメントの例を示したものです。エンゲージメントの頻度やタイプはステークホルダー・グループによって異なり、ステークホルダーによる要求に合わせたものになっています。

ステークホルダー エンゲージメント フィードバック 成果およびフォローアップ
お客様 コンファレンス、お客様向け製品発表、トレード・ショーのほか、定期的なビジネス・レビュー・ミーティングおよびサステナビリティ・レビュー・ミーティングに参加しました。ネット・プロモータ・スコア手法を用いた顧客満足度調査を実施し、ESG要件に焦点を当てた顧客調査も別途実施しました。教育イベントとトレーニング・イベントを主催しました。コンプライアンス、法律、規制の問題に関する質問や要望、およびサステナビリティに関する一般的な質問に回答しました。 新たな規制要件に関してお客様にとっての優先度が高いものに対応しました。気候変動および製品のライフサイクルやカーボン・フットプリントに重点を置いた、より詳細なサステナビリティ・レポートが求められていました。 NXPの中期および長期ESG/サステナビリティ目標をお客様と共有し、サステナビリティ/ESGロードマップの最新情報を提供しました。サステナビリティ協定に署名し、サステナビリティ・サーベイに回答しました。再生可能エネルギーの利用拡大を含む、カーボン・ニュートラル・プロジェクトの取り組みを継続しました。スコープ3の報告および製品のカーボン・プリント報告システムの立ち上げに向けた取り組みを継続しました。
European Partnership for Responsible Minerals (EPRM) メンバー・ミーティング、コンファレンス、政府や当局とのアウトリーチ・ミーティングに参加しました。ガバナンス委員会に情報を提供しました。 デューデリジェンスのべスト・プラクティス、鉱山および鉱物サプライ・チェーンの実状へのより深い理解を、その状況改善のためのアイデアとともに共有しました。 紛争の影響を受けた高リスク地域 (CAHRA) の鉱山地域を「地上の」プロジェクトに資金提供して支援しました。ケース・スタディに関する情報を提供しました。
European Semiconductor Industry Association (ESIA) ESIAの責任ある調達ワークグループの議長を務め、環境、安全衛生に関する複数のワークグループ、EUタクソノミ・ワークグループ、EU人権デューデリジェンス・ワークグループに積極的に参加しました。 さまざまなEUのイニシアティブと提案規制に関する見識を共有しました。 サステナビリティと人権をめぐる新しい規制に関するEU委員会のいくつかの協議に参加しました。提案された規制のビジネスへの影響について評価を実施しました。
Global Business Initiative (GBI) GBI主催の2回のメンバー向けピアラーニング・ミーティング、各種アドホック・ミーティング、電話会議に出席しました。NXPのコミュニティ・エンゲージメント活動の一環として、インドネシア農村部の職業訓練校を訪問し、出稼ぎ労働者の権利に関する意識を高めました。 複数の業界における人権とビジネスに関するベスト・プラクティス。 今後必須となる規制に備えた、NXPのバリュー・チェーン全体にわたる人権デュー・デリジェンスを拡充し、強化しました。マルチ・セクタの状況下での国連の指導原則の実施における成功と課題を引き続き学び、共有しました。
Organisation for Economic Co-operation and Development (OECD) 責任ある鉱物調達実施プログラムのマルチステークホルダー・ステアリング・グループ (MSG) に参加しました。 責任ある鉱物調達に関する課題。 OECDの責任ある鉱物調達実施プログラムの運用面に関するガイダンスと支援を提供しました。
Responsible Business Alliance (RBA) 役員およびRBA正規会員として月次および四半期の会合に出席しました。 労働および人権に関する顕著な問題について、業界企業および加盟企業との調整を行いました。 RBAとともに、Tier 1を超えたサプライ・チェーンのマッピングを支援するツールの開発に取り組みました。RBAのデューデリジェンス・スキームと、EUおよび米国で提案されている人権デューデリジェンス規制の違いを分析するためのデータを提供しました。サプライ・チェーンにおける気候変動と環境問題に対するRBAのアプローチを決定するための戦略セッションに参加しました。RBAの年次Responsible Business Conferenceで倫理的採用とESG報告に関する専門家パネル・ディスカッションに参加しました。
Responsible Labor Initiative (RLI) 月次ワークグループ・ミーティングに出席し、さらに役員代表として運営委員会の四半期ミーティングに出席しました。外部ステークホルダーとのエンゲージメントやミーティングでRLIをサポートし、RBAの年次Responsible Business Conferenceの小委員会に参加しました。 手数料の定義に関するガイダンス、各種ガイダンス基準におけるギャップ分析、人材紹介会社トレーニング、人材紹介会社による採用経路のマッピングを行いました。 RLIによって改訂された手数料の定義に従って監査基準を更新しました。RLI主催の各種フォーラムでNXPの取り組みを共有しました。RLIが主催する外部ステークホルダーとのエンゲージメント・プロセスに参加しました。
Responsible Mineral Initiative (RMI) RMI主催の年次メンバー・ミーティング、月次総会、精錬所エンゲージメント・チーム・ミーティング、および各種電話会議に出席しました。 鉱物調達に関する持続可能な決定を行うためのツールとリソース。業界内のベスト・プラクティスについて話し合いました。 新しい紛争鉱物報告テンプレート (CMRT) 用ツールのアップグレードと拡張鉱物報告テンプレート (EMRT) の更新を行いました。ベスト・プラクティスを確認しました。
SEMI半導体気候関連コンソーシアム (SCC) 半導体気候コンソーシアムの設立メンバーとしての現状の取り組みを継続しました。 温室効果ガス排出の削減に向けた半導体業界の取り組みを加速するベスト・プラクティスとイノベーションに協力して取り組みました。 サプライ・チェーンのさまざまな部分におけるノウハウとリソースを活用して、NXPのカーボン・フットプリントを削減するためのNXPの取り組みを引き続き拡大しました。特にスコープ1、スコープ2、基準設定と野心設定に焦点を当てた5つのワーキング・グループすべてに参加しました。業界全体として野心的な声明文を採択し、公表することを支持しました。今後は、共同学習を活用し、カーボン・ニュートラルに向けた取り組みを加速させることに注力します。
株主/投資家 取締役会の会長を始めとする取締役、最高サステナビリティ責任者を含む経営陣のメンバー、および投資家向け情報や企業サステナビリティなどの内部グループの代表者が一堂に会し、株主の皆様とESGの課題について話し合いました。活動的な主要株主にも積極的にアウトリーチし、ESGに関する具体的な要望を持つ方々と双方向の議論を行いました。 NXPのカーボンニュートラル・プログラム、Science Based Targetsイニシアティブ (SBTi) への取り組み、スコープ3排出量の適切なモニタリング能力、EUタクソノミや企業サステナビリティ報告指令 (CSRD) などの新たな規制要件への対応、男女間賃金格差に関する報告の透明性の向上、多様性、公正性、包摂 (DE&I) 指標のさらなる開示、ESG目標と代償の整合性に関する質問が寄せられました。 取締役会は中期および長期ESG目標を再確認し、2023年の年次イニシアチブ・プラン (AIP) とESGスコアカードを承認しました。スコープ3排出量の評価により、引き続きSBTiとの整合性を図りました。NXPの上流スコープ3排出量を算定できるようサプライヤへの質問票を更新し、新たな規制要件への対応準備に着手しました。また、DE&Iに関する追加情報をNXPのウェブサイトで公開しています。
サプライヤ サプライチェーンの社会的責任に関する監査を実施しました(すべて実地監査)。また、Responsible Business AllianceのValidated Assessment Program (VAP) を通じ、同業他社と連携して活動しました。 サプライヤ監査で違反が多かった項目の上位3つは、雇用の自由な選択、緊急事態への備え、労働時間でした。 サプライヤ是正処置計画の完了を継続しました。NXPの優先要件と、違反が多かった上位3項目に重点を置いて、サプライヤ・トレーニングを強化しました。
チームメンバー 毎年実施されているWinning Culture Surveyでは、チームメンバーのエンゲージメント深化に伴う心理面での変化を調査しています。2023年にはNXPのチームメンバー全員を対象に調査を行い、イノベーション、成長、倫理、サステナビリティの各分野で企業重点分野に合わせたカテゴリーと質問項目が追加されました。 2023年のWinning Culture Surveyには、NXPのチームメンバーの90%が回答しました。すべてのカテゴリで肯定の割合がテクノロジのベンチマークの75パーセンタイルを上回るという、非常にポジティブな結果が得られました。最も大きく上昇したカテゴリはエンゲージメントと成長で、チームメンバーの70%が非常にエンゲージしていると答えています。改善の余地がある分野として浮かび上がった、リスクテイキング、プロセスの有効性、チームメンバーの帰属意識でした。 2023年には、NXPチームメンバーからのフィードバックに対応するために複数の取り組みが開始されました。これには、新入社員受け入れプロセスの刷新、NXPのERGへの新たな章の追加、Growth Weekの実施(チームメンバーのエンゲージメントのウェブページをご覧ください)、Innovation Summitの開催などが含まれます。2024年上旬には、リスクテイキングとプロセスの有効性に関して、改善の余地がある場所を特定する予定です。
UN Global Compact (UNGC) 国連グローバル・コンパクトの10原則と持続可能な開発目標に関連する、企業活動とパフォーマンスの「コミュニケーション・オン・プログレス」の回答票を新たに作成しました。 サプライ・チェーン内での環境リスクのデュー・デリジェンスを強化しました。 持続可能な環境プログラムを導入するために、サプライ・チェーンとのエンゲージメント強化の取り組みを継続しました。国連の持続可能な開発目標 (SDGs) とNXPのESGプログラムを結びつけました。
Verité 協議と連携でサポートされた、社会的責任に関する第三者監査を実施し、NXPの社会的責任プログラムを検証しました。NXPの拠点およびサプライ・チェーンにおけるNXPの社会的責任プログラムで、能力向上を支援しました。出稼ぎ労働者の採用と出稼ぎ労働者のサプライチェーンに関するデューデリジェンス演習を実施しました。職業訓練校とのエンゲージメントをサポートし、出稼ぎ労働者の斡旋元となる学校の生徒に自己啓発訓練を実施できるよう支援しました。 サプライ・チェーンのコンプライアンスと能力向上を継続して改善する機会。出稼ぎ労働者サプライ・チェーンの透明性が向上しました。 サプライ・チェーンのコンプライアンスとサプライヤの能力構築を強化する一方で、社会的責任に関するNXPの監査可能な基準の拡充を継続しました。Cumulusデータベースのマッピング機能を使用して、サプライチェーンにおける多層的な人材採用の複雑性と、この種の採用に関連するリスクの軽減方法について詳細な情報が得られました。NXPはVeritéと連携し、インドネシアの村にある職業訓練校の卒業を前にした生徒に研修を実施しました。この研修では、今後出稼ぎ労働者となる生徒たちの権利に重点を置きました。このエンゲージメント活動は教員たちに歓迎されました。
World Semiconductor Council (WSC) 責任ある調達および健康と安全のワーク・グループの議長を務め、WSC会議と複数のワークグループ・ミーティングに出席し、さまざまな専門家要請に対応しました。 責任ある鉱物調達および健康と安全のベスト・プラクティス。パーフルオロ化合物 (PFC) 排出量の自主的削減プログラムをフォローアップする必要があります。ポリフルオロアルキル化合物 (PFAS) に関する業界全体の課題について、政府や当局と議論しました。 NXPの安全衛生プログラムを進化させるためのベスト・プラクティスの実施を継続しました。PFASに関してを含む法的動向を追跡し、他の業界のイニシアティブとの整合を図りました。WSC共同声明の更新を発表しました。