Author
Monica Cid
Mónica Cid is a Product Marketing Engineer at NXP, helping developers innovate with the FRDM ecosystem, MCX microcontrollers, and edge computing technologies.
お客様の素早い設計とより早い製品化を実現する、技術情報と専門知識をご紹介します。

FRDMエコシステムが、エッジでAI/MLアプリケーションを構築および拡張する開発者をどのように支援しているかをご覧ください。MCUベースのスマート・センシングやTinyMLから、Linuxで動作するエッジAIまで、FRDMはスケーラブルなハードウェア、eIQ®ソフトウェア・ツール、GoPointデモ、アプリケーション・コード・ハブ (ACH) のリソースを組み合わせて、コンセプトから展開までにわたる開発プロセスを迅速化します。
AIとMLは、データが生成される場所へと急速に近づいてきています。産業用、民生用、IoTといったさまざまな設計において、ますます多くのインテリジェンスがクラウドからエッジに移行し、デバイスがリアルタイムで検出、判断、応答することを可能にしています。レイテンシの短縮、プライバシーの強化、エネルギー効率の向上、常時コネクティビティへの依存度の低下が、この動きの推進要因となっています。最近の業界分析では、アーキテクチャの分割が進んでいることも指摘されています。モデル・トレーニングが多くの場合にクラウドに留まる一方で、推論は組込みデバイスやエッジ・デバイスへの移行が進んでいます。
開発者にとって、このような動きは複雑さが増す原因ともなります。あるプロジェクトはマイクロコントローラ (MCU) 上でのスマート・センシング、異常検知、モーション認識から始まる一方、別のプロジェクトはLinuxベースのプロセッサ上でのキーワード・スポッティング、画像分類、オブジェクト検知、音声対応ユーザー・インターフェースを必要とする場合もあります。課題は、適切なハードウェアを選択するだけでなく、チームが迅速に作業を開始し、実際のユース・ケースを評価しながら、要件が増えるたびにプロセスをやり直すことなく高度なAIワークロードへと拡張できるようにする、開発プラットフォームを見つけることです。
FRDMのハードウェア、AIツール、リソースをご覧ください。詳細はこちらです。
FRDM開発プラットフォーム・ソリューションは、エッジAI/MLワークロードから生じる複雑さを管理します。NXPのFRDMエコシステムは、MCUとアプリケーション・プロセッサの両方を対象とした低コストでコンパクトな開発ボードのファミリとして設計されており、モジュール型ハードウェア、ソフトウェア・ツール、ソリューション主導型のアプリケーション・サンプルによってサポートされています。FRDMは単なるボード・ファミリではなく、プロトタイプ作成を簡素化し、開発を加速し、エンジニアがコンセプトから実際の組込みインテリジェンスへと効率的に移行できるよう支援するために設計されたエコシステムです。
FRDMプラットフォームの最も貴重な利点の1つは、開発者が今日必要な実際のAIワークロードに基づいて出発点を選択しながら、将来のより高機能なデバイスへの移行パスも確保できることです。FRDMポートフォリオは、スマート・センシングやTinyMLスタイルの開発に適したMCUベースのボードから、高度なビジョン、オーディオ、エッジ・コンピューティングのワークロード向けのAIアクセラレーションを統合したLinuxベースのマイクロプロセッサ (MPU) プラットフォームにまで及んでいます。
エントリレベルでは、FRDM MCX A156がスマート・センシングおよび組込み制御アプリケーション向けの実用的な基盤を提供します。Arm® Cortex®-M33をベースとするMCXA156を中心に構築されたこのボードは、16ビットADコンバータ (ADC)、CANフレキシブル・データ・レート (CAN FD)、FlexIO、USB、フレキシブル・センサおよびペリフェラル拡張などの機能により、コネクテッド制御、スマート・センシング、産業用ヒューマン・マシン・インターフェース (HMI) などのユース・ケースをサポートします。インテリジェント・センシング、データ・モニタリング、単純な組込みパターン認識など、より軽量なAI隣接ワークロードから始める開発者にとって、このクラスはアクセスしやすい低コストの出発点となります。
より高性能なAI推論をMCU上で直接実行したい開発者にとっては、FRDM MCX N947が次の大きな一歩となります。このボードは、デュアルArm Cortex-M33コアと、ニューラル・プロセッシング・ユニット (NPU)、PowerQuad、SmartDMAなどのオンチップ・アクセラレータを統合した、MCX N947をベースにしています。また、カメラ、オーディオ、ディスプレイ拡張もサポートしており、エッジでの異常検出、低解像度ビジョン、オブジェクト分類、オーディオ・インテリジェンスなどのリアルタイムのユース・ケースに最適です。
アプリケーションにLinux®、より豊富なマルチメディア、または要求の厳しいAIモデルが必要である場合、FRDMのポートフォリオはアプリケーション・プロセッサにまで広がっています。FRDM i.MX93は、NXPで初めてi.MXアプリケーション・プロセッサをベースに構築されたFRDM開発プラットフォームであり、LinuxベースのエッジAIに向けた低コストのエントリ・ポイントとなります。デュアルArm Cortex-A55コア、Arm Cortex-M33コア、Arm Ethos-U65マイクロNPUを搭載したi.MX 93アプリケーション・プロセッサに加え、MIPI-CSI (Mobile Industry Processor Interface Camera Serial Interface) カメラ入力、各種ディスプレイ・インターフェースとコネクティビティを備えています。これにより、アプリケーション処理とMLアクセラレーションの両方を必要とする、スマートHMI、エントリ・ビジョンAI、エッジ・ゲートウェイ、産業用IoTアプリケーションのための強力なプラットフォームとなります。
より高性能なマルチメディアおよびビジョン・ワークロードに対しては、FRDM i.MX 8MPLUSが、AI機能、コネクティビティ、システム統合の強力な組み合わせをバランスよく提供します。このボードはi.MX 8M Plusアプリケーション・プロセッサをベースとしており、クアッドArm Cortex-A53コア、Arm Cortex-M7、HiFi4デジタル・シグナル・プロセッサ (DSP)、統合NPUに加えて、デュアルMIPI-CSIカメラ・インターフェース、HDMI、LVDS (Low-Voltage Differential Signaling)、オーディオ、幅広いコネクティビティ・サポートを組み合わせています。
FRDMファミリのハイエンド製品であるFRDM i.MX 95は、高度なAIアクセラレーション、豊富なマルチメディア、産業用グレードのコネクティビティを必要とする次世代のエッジ・システム向けに設計されています。このボードはi.MX 95アプリケーション・プロセッサをベースにしており、Arm Cortex-A55、Arm Cortex-M7、Cortex-M33、NXP eIQNeutron NPUとともにカメラおよびディスプレイ・インターフェース、デュアル・イーサネットおよび拡張機能を備えた、ヘテロジニアス・コンピューティング・アーキテクチャを統合しています。FRDM-IMX95は、AIカード用のM.2 Key-Mスロットを備えており、より高性能なアクセラレーションAI構成にも対応できます。
FRDMファミリの中心にある目的は、単なる評価用ハードウェアだけでなく、実用的なエッジAIを利用可能にすることです。デバイス上で直接AI推論を実行すると、レイテンシを短縮し、プライバシー保護を強化し、帯域幅要件を軽減できるほか、クラウド接続が制限されているか利用できない場合でもアプリケーションを引き続き機能させることができます。これらの利点は、時間に制約のあるセンシング、産業用モニタリング、ビジョン・パイプライン、および応答性の高いデターミニスティックな動作を必要とする音声またはHMIエクスペリエンスにとって特に重要です。
ハードウェア・アクセラレーションは、オンデバイスAIを実用化するための重要な要素です。FRDM MCX N947などのプラットフォームは、ニューラル・ネットワーク推論で使用される負荷の重い数学的演算を統合NPUにオフロードするよう設計されており、CPUのみでの実行よりも効率が向上します。FRDM i.MX 93、FRDM i.MX 8MPLUS、FRDM i.MX 95などのLinuxベースのプラットフォームでは、統合AIアクセラレーションにより、オブジェクト検出、セグメンテーション、音声関連処理、インテリジェントなビデオやHMI機能など、より高度なワークロードを組込みハードウェアで直接評価できるようになります。
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AI/ML開発への取り組みをより容易なものにするには、適切なプロセッサ以上のものが必要です。また、開発者は、モデルの作成、最適化、展開を連携させて統合作業にかかる時間を削減できるソフトウェア・ワークフローを必要としています。eIQ AIソフトウェア開発環境は、NXPのMCUとMPU全体を対象としたAI/ML開発のためのソフトウェア基盤を提供します。この合理化されたシステムレベルのAIアプリケーション開発環境には、ワークフロー・ツール、推論エンジン、ニューラル・ネットワーク・コンパイラ、最適化されたライブラリが含まれています。
ニューラル・ネットワーク・ベースのアプリケーションに対して、eIQ Toolkitはエンド・ツー・エンドのモデル開発と展開をサポートします。開発者は、独自のデータやモデルを使用しながら、TensorFlow、PyTorch、またはONNX (Open Neural Network Exchange) 関連のフローからモデルをインポートして最適化し、NXPターゲット用のランタイム対応ソフトウェア・パイプラインにエクスポートできます。
センサ中心のワークロードでは、eIQ Time Series Studio (TSS) がさらに重要な機能を追加します。これは、データ・キュレーション、モデルの生成、最適化、エミュレーション、展開などのワークフローをサポートするエンド・ツー・エンドの時系列データ用エッジAI開発ツールです。また、異常検出、分類、回帰もサポートしています。
これらのツールを組み合わせることで、FRDMの価値が高まります。開発者は、ボードを選択し、さまざまなレベルのエッジAIの複雑さに応じて、データ収集、モデルの準備、最適化、展開、デバイス上の推論をサポートできるワークフローを選択できます。これは、アイデアから概念実証へと迅速に移行し、特定のターゲット・アプリケーション向けに調整と最適化を行う必要があるエンジニアリング・チームにとって特に有益です。
LinuxベースのFRDMプラットフォームでは、すぐに使用できる重要な支援ツールとして、i.MXアプリケーション・プロセッサ用GoPointが提供されています。開発者は直感的なインターフェースを通じてi.MXプロセッサ向けのアプリケーション固有のデモに簡単にアクセスできるため、プラットフォームの機能を迅速に評価し、基盤となるハードウェアに対して特定のユース・ケースがどのようにマッピングされるのかを理解することができます。
GoPointはNXPのi.MX Linuxサポート・フローに含まれており、ボード・サポート・パッケージ (BSP) のリリース・プロセスの一環として更新されるため、1回限りのデモ・パッケージではなく迅速に開始できる開発基盤としての役割が強化されています。GoPointを使用すると、開発者は完全なソフトウェア・スタックを手動で組み立てたり、完全なアプリケーションをゼロから構築したりすることなく、事前に構築されたデモをすばやく見つけて実行できるため、AI/ML開発に最適です。
GoPointがLinuxベースのi.MXプラットフォームの機能を迅速に評価するのに理想的である一方、ACHは再利用可能な実装レイヤーを提供し、開発者がNXPポートフォリオ全体にわたって拡張を進められるよう支援します。ACHは、NXPのエキスパートやパートナーが開発したソフトウェア・サンプル、コード・スニペット、アプリケーション・ソフトウェア・パック、およびデモを含む一元化されたリポジトリであり、エンジニアは検索とフィルタリングのオプションを利用して、製品ファミリ、カテゴリ、アプリケーションのユース・ケースごとにサンプルをすばやく見つけることができます。また、MCUXpresso統合開発環境 (IDE) およびMCUXpresso for Visual Studio (VS) Codeを通じてアクセスでき、互換性のあるアプリケーションに対してプロジェクトを直接インポートできます。
AI/ML向けの貴重な開発リソースとして、ACHではプロジェクトをAI/ML、ビジョン、音声、異常検知などのカテゴリ別に検索できます。これにより、開発者は作業中のプロジェクトを自身の環境で調査、実行、カスタマイズすることができます。ACHは、AIのデモを個別のマーケティング・サンプルとして扱うのではなく、実際の製品開発ワークフローに適応できる、再利用可能でソースも明示された実装資産として提供します。
eIQ、GoPoint、ACHは、それぞれが独自の機能を持ち、組み合わせることで特に強力なツールとなります。
FRDMエコシステムのもう1つの重要な利点は、エッジAIシステムに対する幅広い開発パスです。開発者は、低消費電力センシングや組込みMLのためのMCUベースのプラットフォームから始めて、Linux、マルチメディア、より豊富なAIパイプラインなどに適したMPUベースのボードに移行し、アプリケーションの要求が高まるにつれてパフォーマンスをさらに向上させることができます。
さらに多くのAIコンピューティングを必要とする設計に対しては、NXPはAra240などのアクセラレータを通じた拡張パスも提供しています。Ara240は、ボードのM.2 Key-Mスロットを介してFRDM i.MX 95およびFRDM i.MX8 MPLUSと接続され、ランタイム・ソフトウェア開発キット (SDK) も提供されているため、開発者がモジュール検出を検証し、アクセラレーションAI環境での作業を開始するのに役立ちます。これは、スケーラブルなFRDMプロトタイピングから、より広範なNXPエコシステム内での高性能エッジAI実装へと至る、魅力的な移行パスを提供します。
最初に手掛けるアプリケーションがスマート・センシング、予知保全、音声対話、画像分類、オブジェクト検出、高度なエッジAIのいずれであっても、開発者は開発プロセスを合理化するプラットフォームを必要としています。FRDMは、スケーラブルなMCU/MPUハードウェア、統合されたソフトウェア・ツール、最適化されたAIワークフロー、各種の開発支援リソースを組み合わせることで、評価から実装までのギャップをスムーズに埋めます。
インテリジェントな組込みシステムの可能性、アクセス性、スケーラビリティを高めることができるFRDMは、AI/ML開発用の強力なプラットフォームとなります。今日のアプリケーションに適合するハードウェア・レベルから始まり、eIQを使用してモデルの構築と展開を行い、GoPointでさまざまな機能をすばやく活用し、ACHを通してカスタマイズと再利用を進める、そのような開発過程のすべてを、1つのコネクテッド・エコシステム内で完結させることができます。組込み製品に多くのインテリジェンスをもたらすことを目指すエンジニアリング・チームにとって、FRDMは、よりスマートなシステムをエッジで構築するための実用的で柔軟な方法を提供します。
その他のリソース:
Product Marketer at NXP Semiconductors
Mónica Cid is a Product Marketing Engineer at NXP, helping developers innovate with the FRDM ecosystem, MCX microcontrollers, and edge computing technologies.