PCA85263ATL-ARD評価ボードのスタート・ガイド

最終更新日時: 2022-02-19 13:55:47サポート PCF85263ATL-ARD

このドキュメントの内容

  • 1

    パッケージの内容
  • 2

    ハードウェアの入手
  • 3

    ソフトウェアの入手
  • 4

    ハードウェアの構成

1. パッケージの内容

NXPのアナログ製品開発ボードは、NXP製品の評価を目的とした使いやすいプラットフォームです。さまざまなアナログ・ソリューション、ミックスド・シグナル・ソリューション、パワー・ソリューションに対応しています。実績のある大容量テクノロジを使用したモノリシック集積回路およびシステム・イン・パッケージ (SiP) デバイスを搭載しています。NXP製品は、最先端システムへの電源供給において、より長いバッテリー寿命、より小さいフォーム・ファクタ、より少ない部品数、より低いコスト、より優れたパフォーマンスを実現します。

このページでは、PCF85263ATL-ARDボードをセットアップして使用する手順について説明します。

1.1 キットの内容と同梱物一覧

PCF85263ATL-ARDには以下のものが含まれています。

  • 組立て済み/テスト済みの評価ボード(静電気防止バッグ入り)
  • クイック・スタート・ガイド

1.2 前提条件

I²Cバスの知識があると役立ちますが、必須ではありません。

1.3 静電気処理要件

1.4 最小システム要件

この評価ボードにはWindows PCワークステーションが必要です。この評価ボードで作業する際は、これらの最低限の仕様を満たすことで良好な結果が得られます。

  • Windows 10を搭載したコンピュータ
  • 1つのUSBポート(3.0、2.0、または1.1互換)
  • 3つのEVKボード(MIMXRT1050-EVK、LPC55S69-EVK、8MMINILPD4-EVK)のいずれか1つと、関連するファームウェアおよびGUIソフトウェア
  • PCとEVKボード間の電源およびデータ接続用USBケーブル(EVKのパッケージに含まれていない場合)

2. ハードウェアの入手

2.1 ボードの特長

2.2 ボードの説明

この評価ボードはPCF85263A ICをベースに構築され、Arduinoポート経由でさまざまなArduino互換(オリジナルのArduino Uno R3を含む)ボードに接続できるドータ・カードとして機能します。このボードは、NXP Semiconductorsが製造する、アラーム機能とタイムスタンプ入力を備えた小型低消費電力のリアルタイム・クロック/カレンダーICであるPCF85263Aの特性をテストおよび測定することを目的としています。

2.3 キットの主なコンポーネント

PCF85263ATL-ARDボードの概要

GS-PCF85263ATL-ARD-image4

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GS-PCF85263ATL-ARD-image5

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3. ソフトウェアの入手

3.1 ソフトウェア・ツールのインストール

PCF85263ATL-ARD評価ボードは、Arduinoポートを搭載したマザー・ボードと連携して動作するドータ・ボードとして設計、構築されています。このボードは、以下のNXP評価 (EVK) ボードと完全に互換性を持つように設計されています。

  • i.MX RT1050 EVKボード
  • LPCXpresso55S69開発ボード
  • i.MX 8M Mini LPDDR4 EVKボード

各評価ボードと開発ボードでは、NXPからダウンロードできるファームウェアがサポートされます。起動する前に、対応するファームウェア・パッケージを使用してEVKマザーボードをプログラミングする必要があります。さらに、NXPのサイトからGUIアプリケーション (Windows 10) をダウンロードでき、上記のいずれかのEVKを使用してPCF85263ATL-ARDドータ・ボードの迅速なテストと操作が可能になります。GUIアプリケーションは、3つすべてのEVK、およびNXP製RTC開発ボード・ファミリ(PCF85063TP-ARD、PCF85063AT-ARD、PCF85263ATL-ARD)に共通です。

EVKのファームウェアとPCのGUIホスト・ソフトウェアのインストールの詳細については、EVK_Firmware_And_GUI_Install_Guide_For_Arduino_Boards.pdfをダウンロードしてください。ソフトウェアをインストールしたら、最初のステップとして、EVKとPCF85263ATL-ARDドータ・カードの正しい組み合わせを選択します。それにより、ボードをGUIインターフェースから制御できるようになります。

4. ハードウェアの構成

4.1 IMXRT1050 EVKボードの使用

図1は、IMXRT1050 EVKとともに使用する場合のPCF85263ATL-ARDドータ・ボードの動作に必要なハードウェアを示しています。以下のものが必要となります。

  • IMXRT1050-EVKボード x 1
  • PCF85263ATL-ARDドータ・ボード x 1
  • USB-A/USB Micro-Bケーブル x 1
  • Windows 10オペレーティング・システムを搭載したPC

i.MX RT1050 EVKマザーボードには、次の3つのいずれかの方法で給電できます。

  • 外部の5 VDC電源をボード上のバレル電源コネクタ (J2) に接続する
  • PCからボード上のMicro-B USBコネクタ (J9) にUSBケーブルを接続する
  • PCからボード上のUSBコネクタ (J28) にUSBケーブルを接続する。このようにPCを接続すると、USBポートを同時にデバッグ・インターフェースとして機能させることができます。そのため、J28に接続された1本のUSBケーブルを使用することで、EVKに給電できると同時に、PCとリンクさせてデータ交換を行うことができます

旧規格のUSBポート(PC側)からは、必要な電流 (500 mA) を供給できません。通信を確立させる前に、外部電源(J2に接続)を使用してください。

EVKボードのJ1(図1を参照)を使用して、マザー・ボードの電源構成を選択できます。詳細については、MIMXRT1050 EVKボードのハードウェア・ユーザー・ガイドを参照してください。

GS-PCF85263ATL-ARD-image7

GS-PCF85263ATL-ARD-image7

ハードウェアとワークステーションを構成するには、以下の手順を実施します。

  1. EVKの適切な電源構成を設定します (J1)。電源にJ28を使用する場合は、J1ジャンパを5-6の位置に配置する必要があります。外部電源(J2に接続)を使用する場合は、ジャンパJ1を1-2の位置に配置します
  2. EVKのArduinoコネクタにPCF85263ATL-ARDドータ・カードを挿入します(図2参照)
  3. USBコネクタJ28を使用して、EVKボードをコンピュータのUSBポートに接続します
  4. IMXRT1050のターゲット・ファームウェアをインストールします(NXPのサイトからダウンロードし、ArduinoシールドのGUIとファームウェアのインストール・マニュアルに記載された手順を参照)
  5. GUIアプリケーションをインストールします
  6. GUIアプリケーションを開き、PCからデバイスを操作します

図2に、動作中のボードを示します。

GS-PCF85263ATL-ARD-image8

GS-PCF85263ATL-ARD-image8

4.2 LPCXpresso55S69開発ボードの使用

図3は、PCF85263ATL-ARDおよびLPCXpresso55S69 EVKボードの動作に必要なハードウェアを示しています。以下の内容で構成されます。

  • LPCXpresso55S69 EVKボード x 1
  • PCF85263ATL-ARDドータ・ボード x 1
  • USB-A/USB Micro-Bケーブル x 1
  • Windows 10オペレーティング・システムを搭載したPC

LPCXpresso55S69開発ボードには、4つのUSB Micro-BコネクタP5P6P9P10が搭載されています。ボードには任意のUSBポートから電源を供給できます。P6 USBコネクタを使用してボードをPCに接続すると、P6がデバッグ用に指定され、USBケーブルによってボードへの電源供給と同時にEVKボードとPC間のデータ・リンクが確立されるため、起動操作が簡単になります。LPCXpresso55S69開発ボードの電源投入と操作の詳細については、LPCXpresso55S69/LPCXpresso55S28開発ボード・ユーザー・マニュアルを参照してください。

GS-PCF85263ATL-ARD-image9

GS-PCF85263ATL-ARD-image9

次の手順では、図3に示す構成を組み立て、プログラミングし、操作する方法について説明します。

  1. PCF85263ATL-ARDドータ・カードをLPCXpresso55S69開発ボード上のP16P19コネクタに差し込みます(図3でマークされたP16P19のピンを参照)
  2. ポートP6を使用して、開発ボードをPCのUSBポートに接続します
  3. LPCXpresso55S69のターゲット・ファームウェアをインストールします(NXPのサイトからダウンロードし、Arduinoボードのインストール・ガイドを参照)
  4. GUIアプリケーションをPCにインストールします(前の手順で示したファイルの説明を参照)
  5. GUIアプリケーションを開き、PCからデバイスを操作します

図4は、動作中の2つのボードを示しています。

GS-PCF85263ATL-ARD-image10

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4.3 i.MX 8M Mini LPDDR4 EVKボードの使用

PCF85263ATL-ARDボードをi.MX 8M Mini LPDDR4 EVKボードと組み合わせて使用する場合、EVKとドータ・ボード間の相互接続用に特別に設計および構築されている3番目のボード(IMX8MMINI-IARDインターポーザ・ボード)を使用する必要があります。i.MX 8M Mini LPDDR4のEVKボードにはArduinoポートが搭載されていません。代わりに、2 x 20ピン拡張コネクタ(J1003、i.MX 8 M Mini LPDDR4 EVKユーザー・マニュアル参照)が搭載されています。J1003は、専用のI²CバスやSPIバスなどのさまざまなデジタルI/Oラインを備えた多目的ポートです。Arduinoポート・インターポーザ・ボードは拡張コネクタ・ピン・チャートに基づき、i.MX 8M Mini LPDDR4 EVKの2 x 20コネクタ・ピンと、PCF85263ATL-ARDドータ・ボードにあるArduinoポートの相手側コネクタとの間で信号間ブリッジとして機能します。

セットアップを行うには、EVKとドータ・ボードに加え、3番目のボードをセットアップ・アセンブリに含める必要があります。図5に、必要なボードとこれらのボードの接続方法を示しています。以下の内容で構成されます。

  • i.MX 8M Mini LPDDR4 EVKボード x 1
  • PCF85263ATL-ARDドータ・ボード x 1
  • IMX8MMINI-IARDインタポーザ・ボード x 1
  • USB-A/USB Micro-Cケーブル x 1
  • USB-A/USB Micro-Bケーブル x 1
  • Windows 10オペレーティング・システムを搭載したPC

まずはPCF85263ATL-ARDをIMX8MMINI-IARDインターポーザ・ボードのArduinoコネクタに取り付けてから、それをi.MX 8M Mini LPDDR4 EVKに接続することをお勧めします。この接続を行うには、インターポーザ・ボード上のJ1コネクタをEVKのJ1003コネクタに差し込みます。

EVKに電源を投入するには、EVKのポート2に接続されたUSB Type-Cケーブルを使用します。EVKボードの電源スイッチSW101をONポジションに設定して電源を投入します。データ通信は、別のUSB(Micro-Bタイプ)ケーブルをPCのUSBポートとEVKのデバッグ・ポート (J901) に接続することで行います(図5および図6参照)。

8MMINILPDDR4-EVKユーザー・マニュアルおよびIMX8MMINI-IARDユーザー・マニュアルに、セットアップ・アセンブリの電源投入と操作に関する詳細が記載されています。

GS-PCF85263ATL-ARD-image11

GS-PCF85263ATL-ARD-image11

セットアップを構成して操作するには、次の手順に従います。

  1. PCF85263ATL-ARDをIMX8MMINI-IARDインターポーザ・ボードの上面にあるArduinoコネクタに挿入します
  2. ボードの下部にあるIMXMMINI-IARDコネクタ・プラグJ1を、i.MX 8M Mini LPDDR4 EVKの上面にあるJ1003拡張ボードに取り付けます(図6参照)
  3. USB Type-Cケーブルをポート2に接続して、EVKボードに電力を供給します
  4. J901デバッグ・ポートに接続したUSB Micro-Bケーブルを使用して、EVKをPCに接続します
  5. SW101をONポジションにしてボードの電源を投入します
  6. MIMXRT1050のターゲット・ファームウェアをインストールします(ArduinoシールドのGUIとファームウェアのインストール・マニュアルをNXPのサイトからダウンロード)
  7. GUIアプリケーションをPCにインストールします(前の手順で示したファイルの説明を参照)
  8. GUIアプリケーションを開き、PCからデバイスを操作します

GS-PCF85263ATL-ARD-image12

GS-PCF85263ATL-ARD-image12

4.4 別のデバイスの使用

PCF85263ATL-ARDドータ・ボードは、Arduinoポートを備えた他のEVKボードと一緒に動作させることができます。ボードの接続方法としては、Arduinoポートを搭載した他のEVKを使用する方法と、Arduinoポートを搭載していないEVKを使用する方法の2つがあります。1つ目の方法を使う場合、PCF85263Aの仕様に従ってファームウェアを作成してから、EVKにPCF85263ATL-ARDドータ・ボードを取り付け、ボードを操作します。2つ目の方法を使う場合、Arduinoコネクタのピン・チャートを使用して、必要な電気的接続(電源、I²Cバス、および制御ライン)を行い、ICの仕様に準拠して必要なファームウェアを作成します。PCF85263Aデータ・シートを参照し、DUT ICの内部レジスタの詳細、および内部コントローラとEVK間のデータ交換の詳細を確認してください。ICの損傷を防止するために、電気的接続を確実に正しく行い、信号線でのデータ競合を回避します。

設計・リソース

その他の参考情報

「PCF85263A:アラーム機能付き小型リアルタイム・クロック/カレンダー、バッテリー・スイッチオーバー、タイムスタンプ入力、I²C-bus」のページに加えて、以下も参照してください。

Freedomのページ:

ハードウェアのページ

ソフトウェア関連ページ