NXPにとって、未来とは備えるだけのものではありません。私たちの存在意義は、未来を築くことにあります。マイクロコントローラのイノベーションに対するNXPのコミットメントは、近年のいわゆるピボットでもなければ、短期的な戦略でもありません。それは1980年代に始まった数十年にわたる投資であり、現在もより大きな決意となって継続されています。
焦点が移ったり、業界から撤退したりする企業もある中で、NXPはその決意をさらに深めています。私たちは、組込みテクノロジが持つ改革の力を強く信じています。これほど粘り強く信念を抱き続けている企業はほとんどありません。私たちのたゆまぬ取り組みは、お客様そしてインテリジェント・システムの未来を築く次世代のエンジニアに対する強い責任感によって突き動かされています。それがサイバー・レジリエンス法 (CRA) への備えであれ、マイクロコントローラでのTinyMLの実現であれ、NXPはこれからのことに力を注ぎ続けます。
画期的なMotorola 68Kプロセッサから、業界初のフラッシュ内蔵Armベース・マイクロコントローラ・ユニット (MCU)、さらにはセキュリティ、ワイヤレス、低消費電力設計の飛躍的な発展まで、NXPはマイクロコントローラで何を実現できるのかを証明してきました。NXPは、立ち止まることなく、開発者の声に耳を傾け、彼らが最も必要としているものを進化させ、提供することで、市場のリーダーであり続けています。
今日においては、未来に向けて構築された統合プラットフォームであるMCXによって業界をリードしていることを誇りに思っています。この製品は、さまざまなアプリケーションの拡張、開発の簡素化、そしてエンジニアが制限なく設計できるようにすることを目的に開発されています。MCXは、スマート・センサ、セキュアな産業用コントローラ、次世代のコネクテッド・デバイスなど設計の対象を問わず、開発プロセスをサポートするように設計されています。
MCXは、単なる製品ラインナップではありません。NXPが掲げるイノベーション、明確さ、開発者の自由に対するコミットメントを具現化したものです。
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LPC（少ないピン数）からKinetisまで、NXPは常に、業界の方向性を決定づけるマイクロコントローラのイノベーションを実現してきました。以下に一例を示します。
これらはテクノロジの面で偉業を成し遂げただけではなく、組込みの世界のあり方を変える抜本的な転換でした。NXPは、10億個を遥かに上回る出荷数と1000品種以上のデバイスの発売実績を誇り、信頼の遺産を築き上げています。
MCXは、あらゆる組込み領域での統合、拡張、イノベーションの加速を実現するように設計されており、MCUの次章の幕開けを示しています。
MCXはスケーラブルでセキュア、かつソフトウェアを統合したポートフォリオであり、複雑さを取り除くことを目的に構築されています。エッジ向けに設計され、インテリジェンスのために構築された、将来を見据えた製品であり、2024年に新しいプラットフォームが登場して以来急成長を遂げています。デバイスの数は、2025年の終わりまでには数百にも達し、2026年にはさらに倍増することが見込まれています。
このMCXの勢いは、それぞれが特定の市場ニーズを満たすように設計された、多様なデバイス・ラインナップによって牽引されています。シリーズの構成を以下にご紹介します。
MCX Nは現在、エッジ・インテリジェンスが極めて重要となる高性能なアプリケーションに採用されています。このフラグシップMCUは、以下の特長を備えています。
Nシリーズは、性能、セキュリティ、および統合が必要不可欠であるデータ・センター、産業用制御、電気メーター、ビル・オートメーションなどで際立ったパフォーマンスを発揮します。
MCX Aは、たちまち最も人気の高いマイクロコントローラとなりました。急速に拡大するロードマップでの主力となる製品です。この製品には以下の特長が備わっています。
Aシリーズは、スマート・センシングからモータ制御まで幅広いアプリケーションの設計で既に採用されており、オートメーションや一般的な組込みシステムを実現します。MCX Aには今後、さらに高度な制御システム向けのより優れた性能、インテリジェント・センシング向けにアップグレードされたペリフェラル、高度なセキュリティ、拡張メモリが備わり、パッケージング・オプションが追加されます。
MCX Wは、Matter、Bluetooth® Low Energy (BLE) およびBluetoothチャネル・サウンディングに対応することを目的に設計されており、以下の特長を備えています。
Wシリーズは、スマートホーム、資産追跡、およびコネクテッド産業機器などのアプリケーションを再定義します。
インダストリアル業界のお客様のニーズに直接対応するために、MCX Eにより、実績のある車載グレードの知的財産 (IP) をMCXポートフォリオに採り入れました。
MCX Eは、以下の特長を備えています。
産業用途向けに民生用グレードのシリコンを改良している企業もありますが、NXPでは、初めから産業グレードの堅牢性と信頼性を備えたマイクロコントローラを設計するという逆のアプローチを取っています。
信頼性が高く、手頃な価格で、産業用および民生用のエントリレベル・アプリケーションで幅広く採用されている、実績のあるプラットフォームをベースに構築されています。主な特長は以下のとおりです。
上記はMCX Cのロードマップへの投資の始まりにすぎず、新しいIPと画期的な機能がまもなく導入される予定です。このプラットフォームは進化し続けますが、妥協することなくコスト効率に優れたイノベーションを実現することに引き続き重点が置かれます。
長期的な戦略の一環として、MCX Lシリーズは、常時オンのセンシングおよびバッテリー駆動の設計向けに最適化された超低消費電力シリーズとして発売される予定です。主な特長は以下のとおりです。
MCX Lシリーズは、産業用メータリングや計測からウェアラブルや環境センサまで、あらゆる用途に最適です。
MCXを差別化しているものとして、開発者に対するNXPのコミットメントが、シリコンのみならず、MCUXpresso開発者エクスペリエンスおよびエコシステムを通じて反映されている点が挙げられます。
MCUXpresso for Visual Studio Code (VS Code) は、組込みエンジニア向けに最適化された最新の開発エクスペリエンスを提供します。これは、人気の高いMicrosoft VS Codeプラットフォームをベースに構築されており、NXPのMCUXpressoソフトウェア開発キット (SDK) とZephyrリアルタイム・オペレーティング・システム (RTOS) に緊密に統合されたパワフルな編集ツールを組み合わせています。
MCX、LPC、Kinetis、i.MXリアルタイム (RT) のいずれのデバイスで作業している場合でも、MCUXpresso for VS Codeは以下の機能を提供します。
MCUXpresso for VS Codeを使用することで、開発者は確実かつ効率的に組込みアプリケーションを構築、デバッグ、スケーリングできるようになります。組込みのGit統合とFreeRTOS、Azure RTOS ThreadX、Zephyrのサポートを備えています。
NXPは、リソースに制約のあるエッジ接続デバイス向けに構築されたオープンソースのリアルタイム・オペレーティング・システムであるZephyr RTOSの発展に全力で取り組んでいます。NXPは、2015年以来のZephyrプロジェクトの設立メンバーおよびプラチナ・メンバーとして、このプロジェクトを進化させるための中心的な役割を果たしています。
Zephyrは単なるカーネルではありません。ネットワーク、ワイヤレス通信、デバイス管理、およびテスト向けの豊富なミドルウェアが含まれています。モジュール型アーキテクチャおよびクロスプラットフォームのサポートにより、シンプルなセンサ・ノードから複雑なIoTシステムまで、あらゆるデバイスに最適です。
NXPのMCXポートフォリオは、Zephyrをすぐに使えるようサポートし、開発者が次のことをできるようにします。
NXPは、デバイスのサポートといった範囲を超えて、アップストリーム・コードにも積極的に貢献しており、Bluetooth Classicなどの主要機能の維持者としての役割を担うとともに、プロジェクトのロードマップの指針を定めるワーキング・グループにも参加しています。Zephyrプロジェクトの2025年3月のリリースでは、NXPはトップ3の貢献者にランクされており、コミュニティおよびオープンソースの組込み開発に深く関わっていることが浮き彫りになりました。
Zephyrは、柔軟性、拡張性、およびベンダーに縛られない自由を提供するとともに、ソフトウェア・スタックに対する長期にわたる自信を確保することで、開発者に力を与えます。これは、エッジに対するNXPのソフトウェア戦略の基盤となるものです。
NXPのFRDM開発ボードは、コンパクトで低コストのプラットフォームであり、プロトタイプ作成を容易にし、市場投入までの時間を短縮するように設計されています。柔軟性を考慮して設計されており、幅広いMCUおよびマイクロプロセッサ・ユニット (MPU) に対応し、モジュール型ハードウェア、ソフトウェア、ツールの豊富なエコシステムとコミュニティ・サポートによって支えられています。
各FRDMボードは、以下の特長を備えています。
ハードウェアを補完するために、NXPのアプリケーション・コード・ハブ (ACH) では、NXPとパートナーが開発したソフトウェア・サンプル、Zephyrアプリケーション、デモを集約したリポジトリを提供しています。ACHは、直感的なフィルタリング、GitHubの統合、IDEの直接インポートにより、以下のことを容易に行えるようにします。
FRDMボードとアプリケーション・コード・ハブを組み合わせることで、開発者は、数週間もかけることなく数時間で、アイデアをプロトタイプへと具現化できます。
MCXは単なる製品ラインナップではなく、イノベーションのためのプラットフォームです。
MCXは、スマート・センサ、セキュアな産業用コントローラ、ワイヤレスIoTデバイス、次世代のAI対応システムなど、設計の対象を問わず、必要なものを必ず備えています。
NXPは単にシリコンを提供しているだけではありません。私たちは、以下のものをもたらします。
これは、すべての開発者、エンジニア、イノベーターへの招待状です。
MCXポートフォリオを確認し、FRDMボードを手に取る、またはVS CodeでMCUXpressoを起動して、自由に、自信を持って、制限なく開発を始めましょう。
Justin Mortimer is a Senior Director responsible for Technical Marketing and Sales Enablement for our Secure Connected Edge Products at NXP. A graduate with honors from the University of Minnesota with a Bachelors of Science degree in Physics, you'll find Justin spending time outdoors in Austin, Texas. Justin was also a former member of the United States National Swim Team.