S32N車載超統合プロセッサ

拡張性に優れたS32Nファミリは、安全に関する処理、リアルタイム処理、アプリケーション処理の機能を備え、SDVセントラル・コンピューティング・アプリケーションに対応します。S32Nプロセッサには高度なハードウェア・セキュリティ・エンジンとマルチポート・イーサネット・スイッチが搭載され、さらにイーサネット・パケット・アクセラレーション、AI/MLアクセラレーション、コスト効率に優れたインターコンピューティングPCI Expressサービスにも対応できます。

拡張性に優れたS32Nプロセッサ・ファミリ

シリーズ	製品	プロセッサ・コア	メモリ	特長	パッケージ	ISO 26262	AEC-Q100
S32N5 量産開始前	S32N55	16 x Cortex-R52 + 2 x ロックステップCortex-M7	48 MB SRAM	XRDC HW分離、HSE2ハードウェア・セキュリティ・エンジン、NETC3 TSNイーサネット・スイッチ、CANハブ、CAN FD、CAN XL、LIN、PCIe、LPDDR4X/5/5X、Octal NOR、eMMC/SD NANDフラッシュ	FBGA798	ASIL Dまで対応	グレード2 （-40 °C～105 °C）

S32Nファミリの詳細

「車載超統合プロセッサ」とは何ですか？

車載超統合プロセッサは、スケーラブルなリアルタイム処理とアプリケーション処理に、ハードウェアの分離・仮想化テクノロジを組み合わせることで、車両セントラル・コンピューティング・アプリケーションにおける車両全体の電子制御ユニット (ECU) の統合をサポートします。

車載超統合プロセッサが一般的に使用されるのはどのような用途ですか？

車載超統合プロセッサは、自動車のセントラル・コンピューティング・アプリケーションで使用されます。セントラル・コンピューティングは、ソフトウェア・デファインド・ビークル (SDV) アーキテクチャにおける車両制御、管理、サービスの処理を1箇所に統合したものです。セントラル・コンピューティングには、リアルタイム・アプリケーションに特化したセントラル・ビークル・コントローラと、アプリケーションの処理機能を担うセントラル・ビークル・コンピュータが含まれます。

OEMがセントラル・コンピューティング処理を必要としているのはなぜですか？

セントラル・コンピューティングによって、自動車メーカーは一貫した方法で車両の機能を安全かつセキュアに統合、更新、カスタマイズ、再構成できるようになります。さらに車両全体に分散したECUを統合することで、車両の複雑さ、コスト、重量を軽減できます。

S32Nファミリによって対応できるマクロ・トレンドとしては、どのようなものがありますか？

S32Nファミリは、ECUボックスを省略し、車載機能をシステム・オン・チップ (SoC) に統合することで配線を削減するという、車載E/Eアーキテクチャのシフトに対応します。このシフトによって、自動車がハードウエア・デファインドからソフトウエア・デファインドへと移行し、自動車メーカーの開発がアジャイル化され、消費者にとっても利益が生まれます。S32Nファミリは、車両全体の機能をセントラル・コンピューティングECUに超統合するという重要なニーズに対応します。このECUがSDVの頭脳となり、将来の車両のゾーン・コントローラやエンド・ノードと連携して機能します。