汎用車載向けFRDM S32K356開発ボードのスタート・ガイド

最終更新日時: Jun 5, 2026サポート 車載向けFRDM S32K356開発ボード

このドキュメントの内容

  • 1

    パッケージの内容
  • 2

    ソフトウェアの入手
  • 3

    接続

1. パッケージの内容

NXP FRDM-A-S32K356は、ロックステップ・モードで構成されたArm® Cortex®-M7コア2基と240 MHzで動作するArm Cortex-M7コア1基を搭載するほか、ASIL-Dセーフティ・ハードウェア、8 MBフラッシュ、ハードウェア・セキュリティ・エンジンB (HSE B)、OTAサポート、高度なコネクティビティ、浮動小数点演算ユニット (FPU) を備え、低消費電力を実現しています。

FRDM-A-S32K356 Top View

FRDM-A-S32K356 Top View

FRDM Automotive S32K356 Development Board

FRDM Automotive S32K356 Development Board

1.1 キットの内容/同梱物一覧

キットには以下のものが含まれています。

  • 組立て済み/テスト済みの開発ボード(静電気防止バッグ入り)
  • クイック・スタート・ガイド
  • USB Type-Cケーブル

1.2 最小システム要件

ボードの評価には、Windows PCが必要です。最良の結果を得るには、USBに対応し、Windows 7、10、11のいずれかが実行されているPCを使用する必要があります。

1.3 ソフトウェア

さらに、ボード評価用のソフトウェアをインストールする必要があります。挙げられているソフトウェアはすべて、 FRDM-A-S32K356開発ボードの情報ページまたはオートモーティブ・パッケージ・マネージャで入手できます。

2. ソフトウェアの入手

2.1 ボードの特長

  • NXPシステムベーシス・チップ (SBC) FS26
  • USB Type-C Cポート
  • オンボードのK26マイクロコントローラ (MCU) を使用したオープン・シリアル・デバッグ・アダプタ (OpenSDA) によるデバッグ
  • 20ピンJTAG (Joint Test Action Group) コネクタ x 1
  • プッシュ・ボタン x 2
  • ポテンショメータ x 1
  • RGB LED x 2
  • 64 MB Hyper-RAMメモリ x 1
  • SDカード・コネクタ x 1

2.2 ボードの説明

NXP FRDM-A-S32K356は、ロックステップモードで構成されたArm Cortex-M7コア2基と、40 MHzで動作するArm Cortex-M7を1基搭載しています。さらにこのボードにはASIL-Dセーフティ・ハードウェア、6 MBフラッシュ、ハードウェア・セキュリティ・エンジンB (HSE B)、OTAのサポート、高度な浮動小数点演算ユニット (FPU) が搭載され、低消費電力も実現しています。NXP SBC FS26を搭載し、安全性が極めて重要なアプリケーション向けに+5.0 Vおよび+3.3 Vの電源レールを用意しています。FRDM-A-S32K356にはNXP PTN5110 USB Power Delivery (PD) 物理レイヤ (PHY) が統合されているため、1つのUSB Type-Cポートを経由して高電圧と大電流、そしてデータを供給することができます。

2.3 ボードのコンポーネント

FRDM-A-S32K356はOpenSDAデバッグ機能、オンボードのK26マイクロコントローラ・ユニット (MCU)、さらに複数のデバッグ・インターフェースをサポートするUSB Type-Cポートを備えているほか、外部ツールやさまざまな接続に使用できる20ピンJTAGコネクタも用意されています。

その他にも、プッシュ・ボタン2個、ポテンショメータ、RGB LED 2個、64 MBのHyper-RAMメモリを備えるほか、プロトタイピング用に選択されたMCU入出力 (I/O) ピンを利用できます。

RJ45コネクタの100BASE/Tイーサネット、5 Mbit/sのコントローラ・エリア・ネットワーク・フレキシブル・データ・レート (CAN FD)、2.1/SAEJ2602 PHYのローカル・インターコネクト・ネットワーク (LIN) に対応し、TJA1043およびTJA1425トランシーバを搭載することで、車載アプリケーションおよびインダストリアル・アプリケーション向けの信頼性の高い通信機能を実現します。車載グレードのNXP FXLS8961加速度センサとNXP P3T1750温度センサを搭載し、リアルタイムの環境フィードバックを提供します。

2.4 ソフトウェアのインストール

  1. FRDM Automotive Bundleのリンクからソフトウェア・バンドルへ移動します
  2. [Generate(生成)]をクリックしてダウンロードします
  3. NXP Multi Installerを実行します
  4. 「Launch executable after download(ダウンロード後に実行可能ファイルを起動する)」と「Installation and configuration without any interaction(操作を一切行わずにインストールおよび構成する)」を選択すると、FRDMバンドルと利用可能なすべてのコンポーネントが一緒にインストールされます。

    NXP Multi Installer

    NXP Multi Installer

    すべてのソフトウェアが自動でインストールおよび構成されました。

  5. デスクトップに作成されたショートカットからS32 Design Studio for S32 Platform 3.6.5を起動します

3. 接続

3.1 接続

FRDM-A-S32K356は、S32K3x8EVB-Q289をベースにした、迅速なプロトタイプ作成のためのボードです。このボードは本番環境での使用を目的としていないため、主な電源供給方法はUSB PD経由となり、FS26 SBCに接続します。この構成の詳細については表1を参照してください。さらなる詳細については、UM12542、FRDM-A-S32K356開発ボード・ユーザー・マニュアルを参照してください。

モード サポートされる最大電圧/電流 説明
USB Type-CコネクタによるPD 標準入力:+5 V/3
サポート上限:+20 V/3 Aまで
注:実際に供給される電流は、接続されるUSB Type-C電源の能力によって決まります
デフォルトでは、FRDM-A-S32K356はJ11 USB Type-Cコネクタを介して給電されます。ボードのすべての機能を正常に使用するために、パッケージに同梱されているUSB Type-Cケーブルか、USB PDをサポートする別のケーブルを使用することをお勧めします。代替品のケーブルを使用すると、供給される電流が制限され、性能が低下する恐れがあります。
ボードに適切に給電するには、USB-C PD充電器やPD対応のノートパソコンなど、USB-C PDに対応する電源が必要です。最近のノートパソコンのほとんどはUSB PDに対応していますが、ご使用前にお使いのノートパソコンの仕様を確認してください。代替品のケーブルを使用すると、供給される電流が制限され、性能が低下する恐れがあります。
FRDM-A-S32K356は20 Vまでの入力電圧に対応していますが、FS26 SBCの推奨事項に基づき、9 V、12 V、15 Vのいずれかの電圧範囲内で、1 A以上で動作させることが推奨されます。この大きさの電圧と電流を確保するには、USB PD電源とPD PHY (PTN5110) の間で適切なネゴシエーションと通信が行われる必要があります。S32K356でこのネゴシエーションを実装する方法については、最寄りのNXPのフィールド・アプリケーション・エンジニア (FAE) にお問い合わせいただくか、NXPアプリケーション・コード・ハブ (ACH) ウェブサイトで公開されているコードを参照してください。
FS26は電力調整を管理し、VBAT入力をS32K356のパワー・ドメインで求められる安定した電圧レールに変換します。
注:USB Type-AをUSB Type-Cに変換するケーブルを使用してボードに電源を供給する場合、電源供給を制御するケーブル制御ラインがないため、統合スイッチを使ってボードの電源をオフにできなくなります。この問題を回避するために、必ず付属ケーブルを使用してください。
FRDM-A-S32K356に電源を供給するもう1つの方法は、外部の+12 V/2 A電源をバレル・ジャック・コネクタ (J10) に接続する方法です。
バレル・コネクタによる運用 +12 V/2 A この方法はデフォルトで無効になっています。有効にするには、次のコンポーネントを手作業ではんだ付けする必要があります。J10:バレル・コネクタ
C1、C9:入力キャパシタ
D1:保護ダイオード
以上のコンポーネントを取り付けると、USB Type-C PDの代わりにJ10を使用してボードに電力を供給できます。
手順 説明
1. USB Type-CケーブルをJ11コネクタに接続し、ボードに電源を供給します
2. ボードの電源を入れるには、SW5スイッチの位置を設定2-3に変更します
3. ボード上のすべての電源インジケータLEDが点灯していることを確認します
インターフェース FRDM-A-S32K356 リファレンス/信号 デフォルト設定 説明/コメント
MCU U2 S32K356 MCU S32K356 Arm Cortex-M7、240 MHz、8 MBフラッシュ、CAN FD、HSE Bセキュリティ、289モールド・アレイ・プロセス・ボール・グリッド・アレイ (MAPBGA)
電源ペリフェラル・ジャンパ JP4 1 - 2 ペリフェラル入力電源を選択します
JP5 1 - 2
MCU電源 VDD_HV_A +3.3 V +3.3 Vの基準電圧はFS26低ドロップ・アウト1 (LDO1) レギュレータによって供給され、S32K356のVDD_HV_Aパワー・ドメインに送られます(R806 [FS26_VTRK1] を使用して5 VをVDD_HV_Aに供給できます)
VDD_HV_B +3.3 V +3.3 Vの基準電圧はFS26 LDO2 レギュレータによって供給され、S32K356のVDD_HV_Bパワー・ドメインに送られます。
V15 +1.5 V +1.5 Vの基準電圧はFS26コア電圧 (VCORE) レギュレータによって供給され、S32K356のV15コア・パワー・ドメインに送られます。(S32K358によって制御される外部トランジスタからV15レールに給電することもできます。この構成を有効にするには、トランジスタQ5と回路を導入し、はんだジャンパSJ4を適切な位置に取り付ける必要があります)
V11 +1.1 V コア・ロジックの供給は内部的に生成されます
オンボード・デバッグOpenSDA J11 有効 USB Type-Cコネクタはデフォルトで、デバッグ用のプライマリ・インターフェースとして設定されています
JP11 1 - 2 JP11はデフォルトでOpenSDA電圧を有効にするように配置されています
PTA15 – LPUART6_RX 有効 PCシリアル通信用
PTA16 – LPUART6_ TX 有効
JTAG J9 無効 S32K356 MCUのJTAGインターフェースには、20ピンのCortexデバッグ + 組込み型トレース・マクロセル (ETM) コネクタを介してアクセスできます。(このインターフェースを有効にするには、ジャンパJP11 [OpenSDA電圧] を取り外す必要があります)
USB Type-C PD J11 有効 デフォルトで、USB Type-CコネクタがUSB PD用のプライマリ・インターフェースとして設定されています(付属ケーブル、またはPDをサポートする任意のUSB Type-Cケーブルを使用して、ボードに電力を供給できます)
SW5 1 - 2 ボードに接続された電源がUSB Type-C通信をサポートしている場合に、スイッチSW5はCCラインが接続されたときにボードの電源をオンにし、切断されたときに電源をオフにします。そのため、デフォルトではボードの電源がオフになっています。
VBUS_IN +5.0 V デフォルトでは、VBUS_INラインの電圧は+5.0 Vです。(USB PD経由でさらに高い電圧を要求するには、PTN5110コントローラを使用して集積回路 (I²C) インターフェースで有効な電圧ネゴシエーションを開始する必要があります。このボードでは最大20 Vまでサポートされますが、一般的な動作に関しては9 V、12 V、15 Vのいずれかが推奨されます。)
PTC7–LPI2C_SCL 有効 PTC7 LPI2Cシリアル・クロック (SCL) はデフォルトでPTN5110およびNX20P3483にルーティングされます
PTC6–LPI2C_SDA 有効 PTC6 LPI2Cシリアル・データ (SDA) はデフォルトでPTN5110およびNX20P3483にルーティングされます
イーサネット U14 有効 デフォルトでは、イーサネット・インターフェースはRMII モードでKSZ8091RNDIA 100BASE-TイーサネットPHYにルーティングされ、さらにそのイーサネットPHYがRJ45コネクタ (J7) に接続されます。
QUADローカル・インターコネクト・ネットワーク (LIN) インターフェース J14 J14-2 LIN1 LPUART9によって設定する場合、電圧レベルはVSUP電圧までに制限されます(一般的に、VBATで5 Vの場合には11.5 V)
J14-3 LIN2 LPUART12によって設定する場合、電圧レベルはVSUP電圧までに制限されます(一般的に、VBATで5 Vの場合には11.5 V)
J14-4 LIN3 LPUART4によって設定する場合、電圧レベルはVSUP電圧までに制限されます(一般的に、VBATで5 Vの場合には11.5 V)
J14-5 LIN4 LPUART8によって設定する場合、電圧レベルはVSUP電圧までに制限されます(一般的に、VBATで5 Vの場合には11.5 V)
コントローラ・エリア・ネットワーク (CAN) インターフェース J15 J15-1–CANH S32K356は、CAN0_RXおよびCAN0_TX信号ラインを介してTJA1043CANトランシーバに接続されます。電圧レベルはVSUP電圧までに制限されます(一般的に、VBATで5 Vの場合には11.5 V)
J15-2–CANL
ユーザー用RGB LED D16 PTG29 赤 [アクティブ・ハイ]
PTG30 緑 [アクティブ・ハイ]
PTG31 青 [アクティブ・ハイ]
D22 PTF21 赤 [アクティブ・ハイ]
PTF22 緑 [アクティブ・ハイ]
PTF23 青 [アクティブ・ハイ]
ユーザー用プッシュ・ボタン SW3 PTH3 WKUP15を使用
SW2 PTH1 WKUP0を使用
SW3 DNP PTC31 WKUP49を使用
ADコンバータ・ポテンショメータ R370 PTA17 ADC2_S19を使用
R370 DNP PTC23 ADC2_S23を使用
HyperRAMメモリ U27 有効 IS66WVH8M8FBLLPSRAM—擬似スタティック・ランダム・アクセス・メモリ (SRAM)—メモリ集積回路 (IC) 64メガビットHyperBus 166 MHz 24シン・ファインピッチ・ボールグリッド・アレイ (TFBGA)
SDカード・コネクタ J16 有効 S32K356はセキュア・デジタル・ホスト・コントローラ (uSDHC) ラインを使用してSDカード・コネクタに接続されています
加速度センサ FXLS8961AF 有効 ±2 g/±4 g/±8 g/±16 g、低消費電力12ビット・デジタル加速度センサ(動きに応じて起動する超低消費電力ウェイクアップ機能付き、デフォルトでAEC-Q100、PTC7、PTC6 I²Cラインがルーティング済み)
温度センサ P3T1750 有効 -40 °C~+125 °Cで動作する温度-デジタル12ビット・コンバータ(精度1 °Cのデジタル温度センサ、デフォルトでAEC-Q900、PTC7、PTC6 I²Cラインがルーティング済み)
ARDUINOヘッダ - - このボードは、ARDUINOUNO、DEVKIT-MOTORGD、DEVKIT-COMMの各ボードとの互換性を備えています(ピンのルーティングの詳細については、回路図を参照してください)

サポート

フォーラム

NXPのコミュニティ・サイトで、他のエンジニアとつながり、FRDM-A-S32K344開発ボードを使用した設計に関する専門的なアドバイスを受けることができます。