EK-5744Pのスタート・ガイド

最終更新日時: 2019-03-24 00:18:00サポート MicroSys Miriac™ EK5744 Funcional Safety Evaluation Kit

このドキュメントの内容

  • 1

    セットアップ
  • 2

    ソフトウェアの入手
  • 3

    作成、ビルド、デバッグ

1. セットアップ

Miriac™-EK5744機能安全キットのスタート・ガイド。

Miriac™-EK5744は、NXPのMPC5744Pベースの機能安全キットで、Microsysとのパートナーシップにより開発されました。このキットは安全志向の設計アプローチを特長としており、ハードウェア冗長性やフェイルセーフ・メカニズムなどが含まれます。このハードウェア設計を独自のセーフティ・システムに活用できます。Miriac-EK5744を実際に使ってみましょう。ショート・ビデオで手順を視聴するか、以下に記載された詳細な手順を参考にして、作業を進めてください。

1.1 キットに電源を接続する

Miriac-EK5744のプロセッサとSBCは、下図に示すポートを介して給電されます。マイナス・ドライバーを使用して、2本のリード線を端子に固定します。グランドは左側、12~24 V入力電源は右側になります。完全に機能させるのに最適な供給電圧は20 Vです。電源アダプタまたはDC電源を使用できます。

GS-EK5744-1.1

1.2 UARTを接続する

USBアダプタをUARTターミナルに接続し、USBをコンピュータに接続します。この接続により、Miriac-EK5744がコンピュータにコンソール・メッセージを表示できるようになります。

GS-EK5744-1.2

1.3 イーサネットを接続する

Miriac-EK5744には、DHCP(動的ホスト構成プロトコル)接続が必要です。ネットワーク対応イーサネット・アダプタをイーサネット・ポートに接続します。IPアドレスが検出されると、すぐに使用できるファームウェアがロードされます。

GS-EK5744-1.3

1.4 CANポートを配線する

2つのCANポートをともに接続します。図に示すように、CAN_LCAN_Lに、CAN_HCAN_Hに接続してください。また、CAN端子の隣にあるCANスイッチがONになっていることを確認してください。

GS-EK5744-1.4

1.5 COMポートを確認する

デバイス・マネージャを起動し、お使いのコンピュータでMiriac-EK5744に割り当てられているCOMポートを確認します。COMポート番号はそれぞれのPCによって異なります。

GS-EK5744-1.5

GS-EK5744-1.5

1.6 UARTターミナルにCOMポートを接続する

COMポートをPuTTYやTera TermなどのUARTターミナルに接続します。ボーレートは115200を使用します。インストール手順に関するチュートリアルについては、Tera TermチュートリアルPuTTYチュートリアルを参照してください。

1.7 出力を確認する

Miriac-EK5744の出力ステータス・メッセージを確認します。すぐに使えるファームウェアは、IP接続のチェック、CANポートのテスト、SBCの温度報告など、さまざまなテストを行います。ファームウェアのテストは無限に繰り返されます。

GS-EK5744-1.7

2. ソフトウェアの入手

2.1 Miriac-EK5744クイック・スタート・パッケージをダウンロードしてすぐに設計を開始する

すばやく設計を開始するために、クイック・スタート・ガイドとサンプル・ソフトウェアをダウンロードします。

Miriac-EK5744クイック・スタート・パッケージを入手する

2.2 ツールチェーンをインストールする

NXPでは、S32 Design Studio (S32DS) というツールチェーンを無償で提供しています。S32 Design StudioはEclipseベースのIDEで、包括的なソフトウェア書き込みとデバッグ機能を提供します。GDBやLauterbachなど、複数のデバッガをサポートしています。

S32 Design Studio IDEを入手する

3. 作成、ビルド、デバッグ

簡単なサンプル・コードを実行し、S32 Design Studio IDE for Power Architectureで新しいプロジェクトを作成したり、独自のコードを作成したりする方法を確認します。

3.1 ウォッチドッグを無効にする

下の図に示すデバッグ・ジャンパを短絡させます。これにより、Miriac™-EK5744がウォッチドッグ・リクエストを無視するようになります。

GS-EK5744-3.1

3.2 デバッガを接続する

Miriac-EK5744は、JTAGによるデバッグをサポートしています。図に示す向きでJTAGコネクタをJTAGポートに接続します。NXPでは、P&E Micro USB MultilinkまたはLauterbachを推奨しています。

GS-EK5744-3.2

3.3 アプリケーションを作成、ビルド、デバッグする

クイック・スタート・パッケージに含まれているソフトウェア統合ガイド (SWIG) では、プロジェクトを作成、ビルド、およびデバッグする方法について、わかりやすく手順に沿って解説しています。あるいは、以下のリンクからSWIGをダウンロードすることもできます。

ソフトウェア統合ガイド

3.4 サンプル・コードを活用する

お客様の便宜のために、NXPではS32 Design Studio for Power Architectureにサンプル・コードを統合しています。これらはクイック・スタート・パッケージにも含まれています。これについても、ソフトウェア統合ガイド (SWIG) で使用方法を手順に沿って解説しています。

Tera Termチュートリアル

Tera Termチュートリアル

Tera Termは、広く利用されているオープン・ソースのターミナル・エミュレーション・アプリケーションです。このプログラムを使用して、NXP開発プラットフォームの仮想シリアル・ポートから送信された情報を表示できます。

  1. 下のリンクからTera Termをダウンロードします 。ダウンロードしたら、インストーラを実行し、このウェブページに戻って手順を続行します。
  2. ダウンロード

  3. Tera Termを起動します。初めて起動する際には、次のダイアログが表示されます。シリアル・オプションを選択します。ボードが接続されている場合は、COMポートが自動的にリスト内に表示されます。
  4. MIRIAC-MODAL-2
  5. 事前に確認したCOMポート番号を使用して、シリアル・ポートをボーレート115200、8データ・ビット、パリティなし、1ストップ・ビットに設定します。この設定は[Setup(セットアップ)]>[Serial Port(シリアル・ポート)]から行うことができます。
  6. MIRIAC-MODAL-3
  7. 接続が確立されているか検証します。確立されている場合、Tera Termのタイトル・バーに以下のように表示されます。
  8. 以上で設定は完了です。

PuTTYチュートリアル

PuTTYチュートリアル

PuTTYは、広く利用されているターミナル・エミュレーション・アプリケーションです。このプログラムを使用して、NXP開発プラットフォームの仮想シリアル・ポートから送信された情報を表示できます。

  1. 下のボタンをクリックしてPuTTYをダウンロードします。ダウンロードしたら、インストーラを実行し、このウェブページに戻って手順を続行します。
  2. ダウンロード

  3. 選択したダウンロードのタイプに応じて、ダウンロードした*.exeファイルをダブルクリックするか、[Start(スタート)]メニューから選択して、PuTTYを起動します。
  4. 表示されたウィンドウで設定を行い、[Serial(シリアル)]ラジオ・ボタンを選択して、事前に確認したCOMポート番号を入力します。ボーレートもあわせて指定します。今回は「19200」を入力します。
  5. MIRIAC-MODAL-1
  6. [Open(開く)]をクリックして、シリアル接続を確立します。ボードが接続されていて、正しいCOMポートが入力されていれば、ターミナル・ウィンドウが開きます。設定が正しくない場合は、アラートが表示されます。
  7. 以上で設定は完了です。