MCSPTR2AK396開発キットのスタート・ガイド

最終更新日時: 2025-09-30 15:59:00サポート S32K396 BLDC/PMSM開発キット

このドキュメントの内容

  • 1

    パッケージの内容
  • 2

    ソフトウェアの入手
  • 3

    接続
  • 4

    ビルドと実行

1. パッケージの内容

NXPのMCSPTR2AK396低電圧モータ制御開発キットは、S32K396車載マイクロコントローラを使用した低電圧モータ制御アプリケーションの開発向けに設計されています。

このガイドでは、S32K396 (MCSPTR2AK396) を使用した3相永久磁石同期モータ制御開発キットをセットアップして使用する手順について説明します。

このガイドは、リビジョン 2.0のMCSPTR2AK396モータ制御アプリケーション・ソフトウェアMCSPTR2AK396-SW.exeのソフトウェア (SW) のインストールもカバーしています。MCSPTR2AK396-SWバージョン 2.0については、ソフトウェア・セットの「MCSPTR2AK396のスタート・ガイド」のウェブページを参照してください。

1.1 MCSPTR2AK396の概要

このセクションでは、この開発キットの内容について紹介します。

MCSPTR2AK396 Development Kit
  • S32K396-PCIe (Peripheral Component Interconnect Express) コントローラ・ボード
  • 3相永久磁石同期モータ/ブラシレス直流
  • MC33937Aプリドライバ集積回路に基づくPMSM/BLDC低電圧パワー・ステージ
  • マイクロUSBケーブル
  • +24 VDC電源
  • ユニバーサル・アダプタ
  • PSE電源コード
  • 3相PMSMモータ、レゾルバ付き、1相あたり30 V、3000 RPM、0.32 Nm、95 W、5.2 A
MCSPTR2AK396 Callouts MCSPTR2AK396 Motor Control Application Block Diagram

1.2 ボードの概要

MCPTR2AK396 Controller Board MCPTR2AK396 Power Stage Board

2. ソフトウェアの入手

資格情報を使用してNXPにサインインします 。

2.1 車載ソフトウェア・パッケージ・マネージャからソフトウェア・パッケージを選択

Automotive Software Package Manager(車載ソフトウェア・パッケージ・マネージャ)を開き、「S32K3」デバイスを選択します。

S32DS3.5 Download 1

[FRDM Automotive Board Installation Package(FRDM車載ボード・インストール・パッケージ)]バンドルを展開し、[S32 Design Studio]、[Real-Time Drivers(リアルタイム・ドライバ)]、[FreeMASTER]ソフトウェアの各チェックボックスをオンにします。その他のSWパッケージはオプションです。

S32DS3.5 Download 2

ページの最後にある[Generate Bundle Installer(バンドル・インストーラの生成)]ボタンをクリックします。

GS-MCSPTR2AK396-IMG51.1.

輸出管理およびソフトウェア・ライセンス規約のウィザードの指示に従ってください(同意するには、テキスト全体を最後までスクロールする必要があります)。その後、ウィンドウを閉じることができます。しばらくすると、インストーラとインストーラのユーザー・マニュアルのダウンロードが自動的に開始されます。

GS-MCSPTR2AK396-IMG51.2

FRDM車載ボード・インストール・パッケージ・バンドルでは、何も操作しなくてもソフトウェアのインストールと設定が自動で行われます。それにより、インストール手順が簡素化されます。

GS-MCSPTR2AK396-IMG51.3

2.2 GCCツールチェーン・バージョン10.2の追加

S32 Design Studioの最新バージョンには、バージョン11.4のGCCツールチェーンのみが含まれています。RTDとの完全な互換性を実現するために、バージョン10.2のGCCもインストールする必要があります。

S32 Design Studioで、トップメニューから[Help(ヘルプ)]→[S32DS Extensions and Updates(S32DSの拡張と更新)]の順に進み、[S32DS Extensions and Updates(S32DSの拡張と更新)]ダイアログを開くと、GCCバージョン10.2をインストールできます。

S32K3 RTD Download 1 S32K3 RTD Download 2

2.3 eTPU SWのダウンロード

S32K3 ETPU SW RFP 2.0.1をダウンロードします。

Add Update Site file Install S32K3 RTD GS-MCSPTR2AK396-IMG54.1

2.4 eTPU SWのインストール

S32DSで、トップメニューから[Help(ヘルプ)]→[S32DS Extensions and Updates(S32DSの拡張と更新)]の順に進み、[S32DS Extensions and Updates(S32DSの拡張と更新)]ダイアログを開きます。

[Add Update Sites(更新サイトを追加)]をクリックし、ダウンロードしたeTPU SW更新サイト・ファイルを参照します。または、ドラッグ&ドロップ・オプションを使用することもできます。ダウンロードした更新サイト・ファイルを[S32DS Extensions and Updates(S32DSの拡張と更新)]メニューにドラッグ&ドロップしてください。追加されたソフトウェア・パッケージも、以下のインストールのために自動的に選択されます。

S32K3 RTD Download 2 eTPU SW Download 2

2.5 リアルタイム・デバッグ用FreeMASTERアプリケーション・ツールの入手

リアルタイム・デバッグ用のFreeMASTERアプリケーション・ツールをダウンロードしてインストールします。

Add Update Site file

2.6 車載用演算/モータ制御ライブラリ (AMMCLib) セットの入手

S32K3xx用AMMCLibをダウンロードしてインストールします。

GS-MCSPTR2AK396-IMG59.1N GS-MCSPTR2AK396-IMG59N.1.

2.7 開発キットのアプリケーション・ソフトウェアのダウンロード

MCSTR2AK396モータ制御アプリケーション・ソフトウェア・パッケージをダウンロードしてインストールします。

Get AMMCLib for S32K3 GS-MCSPTR2AK396-IMG60.1N

3. 接続

3.1 デフォルトのジャンパ位置の確認

3PHLVPWBRDPCIEパワー・ステージ・ボードのデフォルトのジャンパ位置の確認

3PHLVPWBRDPCIE Jumpers

3PHLVPWBRDPCIE Jumpers
3PHLVPWBRDPCIEのデフォルトのジャンパ設定
ジャンパ 状態 備考
J5 2-3 レゾルバS4の出力をオペアンプにルーティング
J6 2-3 レゾルバS3の出力をオペアンプにルーティング
J7 2-3 PCIeコネクタのTM5信号からのレゾルバ励起信号
J9 1-2 オペアンプを介してDC BUS電流検出信号を測定
J10 2-3 過電流しきい値ポテンショメータの電圧源としてのVREF
J11 1-2 外部過電流故障のコンパレータ
J16 ゼロ・クロス検出切断
J17 ゼロ・クロス検出切断
J18 ゼロ・クロス検出切断
J19 1-2 A相の電流信号をPCIeコネクタのAN1信号にルーティング
J20 1-2 B相の電流信号をPCIeコネクタのAN3信号にルーティング
J21 1-2 C相の電流信号をPCIeコネクタのAN5信号にルーティング

S32K396-PCIE-MCコントローラ・ボードのデフォルトのジャンパ位置を確認します

S32K396-PCIE-MC Jumpers

S32K396-PCIE-MC Jumpers
S32K396-PCIE-MCのデフォルトのジャンパ設定
ジャンパ 状態 備考
J11 2-3 CAN0トランシーバSTB信号をプルダウン
J13 FS26_VDEBUG信号を生成 - FS26がデバッグ・モードで起動
J14 FS26_VDEBUG信号をVBOS信号から派生
J15 RESET SW2をRESET_B信号に接続
J16 外部ウェイクアップ信号をMCUに接続
J17 2-3 CAN3トランシーバSTB信号をプルダウン
J18 1-2、3-4 CAN0_TXおよびCAN0_RX信号をオンボードCANトランシーバにルーティング
J19 機能安全信号FS0BおよびFS1Bを接続
J20 1-2、3-4 CAN3_TXおよびCAN0_RX信号をオンボードCANトランシーバにルーティング
J22 RESET_B信号をウェイクアップ信号としてFS26に接続
J23 2-3 VHREF_H電圧をVDD_HV_Aに接続
J24 RESET_B信号を20ピンJTAGコネクタに接続
J26 20ピンJTAGコネクタにVDD_JTAG信号が存在
J28 2-3、5-6、8-9、11-12 JTAG信号をS32K3オンボード・デバッガにルーティング
J29 外部RESET信号ピン
J30 LPUART2_TX信号をS32K3オンボード・デバッガに接続
J31 1-2 LPUART2_RX信号をS32K3オンボード・デバッガに接続
J32 1-2 正弦波発生器1をPCIeコネクタのTM5信号にルーティング
J33 2-3 V15電圧を外部NMOSトランジスタで調整
J35 PTB11をPCIeコネクタのTM3信号に接続
J37 CAN0トランシーバSTB信号はMCUに非接続
J38 1-2 CAN3トランシーバSTB信号はMCUに非接続

J20コネクタを介して外部JTAGデバッグ・プローブを使用する場合は、J28の設定を1-2、4-5、7-8、10-11に変更します。

External Debugger

External Debugger

3.2 ボードの組み立て

コントローラ・ボードをパワー・ステージ・ボードに取り付けるには、micro USBケーブルを使用してボードをPCに接続します

S32K396 Motor Control Kit

S32K396 Motor Control Kit

必要に応じて、機械的堅牢性を高めるために支柱を使用します

S32K396 Motor Control Kit

S32K396 Motor Control Kit

3.3 USBと電源の接続

  1. マイクロUSBケーブルでボードをPCに接続します
  2. Connect the kit USB and Power Supply

    Connect the kit USB and Power Supply
  3. パワー・ステージ・ボードに24 V電源を接続します
  4. Connect the kit USB and Power Supply

    Connect the kit USB and Power Supply

4. ビルドと実行

MCSTR2AK396モータ制御キットを実際に使ってみましょう。

4.1 アプリケーションの選択とMCUプログラミング

インストールしたディレクトリNXP\MC_DevKits\MCSPTR2AK396\swから適切なPMSMまたはBLDCモータ制御アプリケーションを選択します。

インストールされているアプリケーション・ソフトウェア・プロジェクトをS32 Design Studio IDE for S32 Platformにインポートするには、次の手順に従います。

  1. S32DS for S32 Platformを起動します。
  2. [File(ファイル)]>[Import(インポート)]に移動し、[General(全般)]>[Existing Projects into Workspace(既存プロジェクトをワークスペースへ)]を選択します。
  3. Import Project
  4. インストールしたアプリケーション・ディレクトリNXP\MC_DevKits\ MCSPTR2AK396\swに移動し、適切なプロジェクトを選択したら、[OK]をクリックします。[Finish(完了)]をクリックします
  5. Import MCSPTR2AK396 Project

4.2 設定ツールの使用

  • M7_0_0プロジェクトの構造を展開し、*.mexファイルをダブルクリックして「S32設定ツール」のプロジェクト設定を開きます
  • Mex File
  • M7_0_0プロジェクトを設定していることを確認してから、[Update Code(コードの更新)]ボタンをクリックして設定ファイルを生成します。次に、S32設定ツールで、プロジェクト名の横にあるポップダウン・ボタンをクリックし、M7_0_2プロジェクト用の*.mexファイルを選択します。それに応じて[Update Code(コードの更新)]をクリックします
  • Update Code

4.3 ソフトウェアのアップロードとデバッグ

  1. S32DSで、C/C++の画面に戻ります
  2. C_Cpp Perspective
  3. [Debug Configuration(デバッグの構成)]メニューを使用して、ソフトウェアをMCUにアップロードします
  4. Debug Menu
  5. 次に[Launch Group(起動グループ)]を展開し、最初の起動設定をクリックします。この設定によって、M7_0_0プロジェクトとM7_0_2プロジェクトの両方がMCUにアップロードされます。[Debug(デバッグ)]をクリックすると、ソフトウェアがビルドされ、MCUにアップロードされます
  6. Debug Configuration
  7. S32DSがデバッグ画面に切り替わり、[Resume(再開)]をクリックする(またはF8キーを押す)と、この画面でコードを実行させることができます。
  8. Resume
  9. [Disconnect(切断)]をクリックすると、S32DS IDEデバッガとFreeMASTERツールの間の干渉を回避できます
  10. Confirm Perspective Switch

4.4 デバッグ・ツールの設定

FreeMASTERアプリケーションを起動します。

*.pmpx FreeMASTERプロジェクト\FreeMASTER_controlを開くには、[File(ファイル)]>[Open Project(プロジェクトを開く)]の順にクリックします。

FreeMASTER Project

通信を有効にするには、FreeMASTERツールバーで[Go]をクリックします(またはCtrl+Gを押します)。通信が成功すると、下部のステータス・バーに次のように表示されます。

RS-232; port=COMn; speed = 115200

FM Start

アプリケーション制御

アプリケーションの設定(オプションの手順)

変更されたハードウェア・プラットフォームまたは独自のハードウェア・プラットフォームでMCSPTR2AK396ソフトウェアを実行する場合は、ハードウェアのスケールや障害トリガの編集が必要になる場合があります。モータ制御アプリケーション・チューニング (MCAT) ツールで[Application Setup(アプリケーション設定)]ページに移動し、ページの左側の値を編集します。

GS-MCSPTR2AK396-IMG6.1

完了したら、[Save config(設定の保存)]をクリックして静的設定ファイルを生成します。[Output file(出力ファイル)]ページでファイルの内容を確認できます。

ここで、「ソフトウェアのアップロードとデバッグ」セクションの手順を繰り返して、プロジェクトをビルドし、コードをMCUにアップロードします。

モーターのパラメータ化と制御ループの自動調整

モーターを変更する場合は、MCAT 2.0の新機能であるモーターのパラメータ化と制御ループの自動調整を利用できます。

[Motor Parameters(モーターのパラメータ)]ページで、自動検出されない4つの基本的なモーター・パラメータを入力します。

  • 極ペアの数
  • 公称電流
  • 公称速度
  • 最大速度

[Update Target(ターゲットの更新)]ボタンをクリックして、モーター・パラメータの推定と制御ループの自動調整を開始します。パラメータは通常1分以内に自動的に更新されます。

GS-MCSPTR2AK396-IMG6.2

モーターの自動パラメータ化と制御ループの自動調整の詳細については、MCSPTR2AK396\docフォルダのAN15061アプリケーション・ノートをお読みください。デフォルトのパス:c:\NXP\MC_DevKits\MCSPTR2 AK396\doc\ApplicationNotes\AN15061 MCAT 2.0 - Motor Control Application Tuning Tool for PMSM FOC.pdf

モーターを回転させる

たとえば[Speed Loop(速度ループ)]ページに移動します。[Speed Control(速度制御)]タブで必要な速度を設定し、モーター・ドライブをオンにします。

GS-MCSPTR2AK396-IMG6.3

プロジェクト・ツリーで定義済みのスコープまたはレコーダーのいずれかを選択して、アプリケーション変数をリアルタイムで監視します。スムーズなランタイム・デバッグのために、スコープとレコーダーを作成または変更できます。

GS-MCSPTR2AK396-IMG6.4
  • 保留中の障害の確認
  • 保留中の障害がある場合は、[MCAT Control(MCATの制御)]タブで[CLEAR(クリア)]ボタンをクリックするか、またはボードのSW2SW3を同時に押し続けます。

    GS-MCSPTR2AK396-IMG6.5 GS-MCSPTR2AK396-IMG6.6
  • アプリケーションの起動
  • 制御バーで[On/Off]をクリックするか、ボードのSW2/SW3を押して、ロータの時計回り/反時計回りの回転を開始します。

  • 速度の設定
  • 制御バーの[Required Speed(必要な速度)]フィールドを変更するか、[Variable Watch(変数監視)]ウィンドウで[Speed Required(必要な速度)]を変更します。あるいは、SW2またはSW3スイッチを押して速度を制御します。

    GS-MCSPTR2AK396-IMG6.7
  • アプリケーションの停止
  • MCATの制御ページで[On/Off]をクリックするか、On/Off変数をクリアするか、または3PHLVPWBRDPCIEボードの[On/Off]スイッチを使用して、モーターを停止します。