米国コロラド州に本社を置くWavelynx Technologiesは、セキュアで相互運用可能なアクセス制御ソリューションの大手サプライヤです。2023年、同社は世界で初めて、iOSとAndroidデバイスの両方でアクセス管理にMIFAREを使用するNFCベースのウォレット・ソリューションをサポートしました。施設の管理者にとって、すべてのユーザーを対象に含めることができるソリューションはゲーム・チェンジャとなります。
「両方のプラットフォームで利用可能ということは、デバイスの種類を問わず、誰もがNFCウォレットのクレデンシャルを利用できることを意味します。」
Robert Lydic氏、Wavelynx社長
NFCはBluetoothを超えたセキュリティと拡張性を実現
この新しいNFCベースのモバイル・クレデンシャルなら、従業員、学生、教員、スタッフ、居住者など全員に、使い慣れたデバイスに紐づけられ、使い慣れた方法で最初から最後まで利用できるクレデンシャルが付与されます。
「アクセスにNFCモバイルウォレットを使用することで、クレデンシャルに関するユーザー・エクスペリエンス全体が大きく変わります。利便性の面では、他に並ぶものはありません。ユーザー・エクスペリエンスの面で言えば、処理が速く手軽に利用でき、高い信頼性を備えています。セキュリティ面については、ユーザーのデータがデバイス自体に直接格納されるため、非常に高い安全性があります。 」
Robert Lydic氏、Wavelynx社長
モバイル・コーポレートIDで施設へのセキュアなアクセスを確保
Bluetoothを超える
デバイス・メーカーがNFCを導入できるようになるまでは、Wavelynxを含む多くのデベロッパーはBluetoothを使用したモバイル・クレデンシャルを開発していました。しかし、Bluetoothは本来アクセス制御を目的とした規格ではないため、モバイル・アクセスに使用した場合、スケーラビリティ、セキュリティ、ユーザー・エクスペリエンスの一貫性に関して多くの制限があることが明らかになっていました。
Lydic氏は、WavelynxがBluetoothよりもNFCを推奨していることについて、次のように説明しています。「単純なドアロック解除のみの用途に使用する中小企業のお客様向けに、Bluetoothもオプションとして提供しています。しかし、モバイルでの幅広い拡張性を備えたソリューションを求めている場合には、NFCが最適です。 」
セキュリティは、WavelynxがBluetoothよりもNFCを推奨するもう1つの理由です。Lydic氏は次のように語ります。「ユーザーが求めているのは、セキュアで使いやすく、管理が容易で、かつグローバルな規格に準拠したアクセス・ソリューションです。また、強固なセキュリティと使いやすさの両立も求められています。MIFARE 2GOのモバイル・クレデンシャルなら、これを両立できます。NFC対応のモバイル・ウォレットは最も実用的な個人向けソリューションであり、日常生活におけるさまざま場面で信頼を得ています。ウォレットはシンプルなユーザー・エクスペリエンスを実現し、第三者機関からの信頼も厚く、ユーザーが所有するモバイル・デバイスのその他のユーザー・エクスペリエンスとの一貫性もあります。 」
「弊社も企業として、施設にモバイル・ソリューションを導入する場合に、NFCがよりセキュアで、より拡張性に優れ、よりユーザー・フレンドリーな選択肢であると認識しています。NFCは、ユーザー・エクスペリエンス、利便性、セキュリティ、スケーラビリティの点で、最適なソリューションです。」
Robert Lydic氏、Wavelynx社長
MIFAREでセキュアなNFCアクセスを可能に
2014年にWavelynxは、NFCに対応したNXPのMIFARE DESFire製品で、自社のアクセス制御ソリューションを標準化することを決定しました。それにはいくつかの理由がありました。
MIFARE DESFireはセキュリティ性に優れ、クレデンシャルの複製や共有を防止する保護機能を備えており、AES暗号化機能によってセキュアな認証と通信の暗号化を実現し、スニッフィングやリレー・アタックなどの攻撃を抑止します。
また、MIFARE DESFireはマルチアプリケーション、マルチサイトのソリューションをサポートしているため、従業員、教員、学生はMIFARE DESFireのクレデンシャルを単なるドアロック解除だけでなく、本人確認、商品の購入、公共交通機関の乗車などに利用することができます。さらに、MIFARE DESFireはISO 14443-Aで定められたNFCの仕様に完全に適合しているため、MIFARE DESFireのクレデンシャルによって、物理的なスマート・カードから、スマートフォンやウェアラブルなどのNFC対応モバイル・デバイスにシームレスに移行できます。
現在ではすべてのモバイル機器にNFCチップが搭載されているため、MIFAREでのクレデンシャルの発行と管理のためのクラウドベース・サービスであるNXPのMIFARE 2GOを活用して、企業が信頼でき、またエンド・ユーザーが安心して利用できるアクセス制御デバイスを開発することができます。Rob Lydic氏は、「NXPのMIFARE 2GOクラウド・サービスは、弊社がMIFAREとNXPとともに成長してきた自然な流れの中で完成しました。」と語ります。
NFCとMIFAREへの簡単なアップグレード
Lydic氏は、このインフラを導入するだけでウォレットベース・アクセスに容易に移行できると指摘しています。「Wavelynxのリーダーには、Proximityのような低周波数RFIDソリューションから、MIFAREベースおよびNFCベースのスマート・カードやモバイル・クレデンシャルに容易に移行できるようにするための、さまざまな技術が搭載されています。お客様やエンド・ユーザーにとって最善な結果が得られるよう、徐々に移行することも、一挙に移行することもできます。」
未来に向けて
Wavelynxにとって現在は、NFCウォレットの可能性が見え始めたばかりの段階です。Wavelynxはアクセス制御に関連する幅広い垂直市場で事業を展開しており、商用、企業、集合住宅、高等教育など、幅広いユースケースに対応していく予定です。
Lydic氏にとって、可能性は無限大です。「ウォレットは、これまでアクセス制御の分野では決して得られなかった、優れたエクスペリエンスをもたらします。弊社が事業を展開している垂直市場のあらゆる下位分野で、驚異的な速さで普及が進んでいます。」
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