最新のテクノロジ、トレンド、製品が紹介されるCESで新年を迎えるのは毎年の楽しみですが、今年も例外ではありません。NXPは、Brighter Together(より明るい未来をともに)というテーマを体現する各種のスマート・ソリューションを紹介しました。
NXPのパビリオンでは、Brighter Journeys(より明るい旅路)、Brighter Places(より明るい場所)、Brighter Lives(より明るい生活)という3つのセクションで展示を行いました。このブログでは、ワイヤレス・コネクティビティがどのようにして、より明るい生活に向けたソリューションを提供するための基盤となるかについて、概要を説明します。シームレスなコネクティビティ、セキュリティ、エッジ処理の進歩により、スマートホームから自律的なインテリジェント・ホームへの変化が急速に進んでいます。Brighter Lives(より明るい生活)の分野では、Matter対応機器、AIを活用したヘルスケア、シームレスなアクセス制御、自律的なエネルギー体験など、さまざまな最新のソリューションと業界でのコラボレーションについて紹介しました。
自律的なエネルギー体験を提供するエネルギ―・インテリジェント・ホーム
NXPは12社以上のパートナーと協力し、シームレスなコネクティビティのバックボーンとしてMatterを活用したインパクトのある体験を提供しました。geo (Green Energy Options, Ltd) は、Matter認証済みのホーム・エネルギー管理システム(Home Energy Management Systems:HEMS)デバイスやスマート・サーモスタットを含むSeeZero製品のデモを行いました。これらの製品は、冷暖房空調設備 (HVAC) ユニット、EV充電器、給湯器、スマート・ドライヤーなどエネルギー消費の大きな家庭用機器に特に焦点を当てて、エネルギーの把握と使用量の調整を行います。NXPのシステム・レベルのソリューションにより、さまざまなエネルギー・イベントと各イベント発生時に自動的に実行される処理についてシミュレーションを行いました。たとえば、悪天候イベントのシミュレーションでは、geoのSeeZero HEMSデバイスを介して住民に通知を送信した後、冷暖房空調設備 (HVAC) の温度設定の変更や弱運転への切り替え、EV充電器のオフ、給湯器のオフ、乾燥機の一時停止などによってエネルギー使用量を削減します。これらの処理では、住民ごとの好みも考慮に入れています。悪天候状況が終了すると、システムはグリッドが過負荷にならないようスケジュールを設定しながら、自律的にデバイスを元の状態に戻します。このデモに含まれるさまざまなデバイスは、Matter、AI、その他NXPの各種テクノロジを実装しています。
geoのSeeZeroエネルギー・コントローラがシミュレートされたスマートホームでのエネルギー使用を調整。
自律型エネルギー・システム・ソリューションのプラットフォーム
NXPは、Matter対応デバイス向けの包括的なシステム・レベルのソリューションを提供することで、製品メーカーがより容易にコネクティビティを導入して技術革新に集中できるようにします。このデモでは、Matterおよびアプリケーションの開発にNXPのFRDM開発プラットフォームとソフトウェア・アクセラレーション・ツールを使用して、最新のMatter仕様でサポートされているデバイス・タイプを含めた各種エネルギー関連デバイスに焦点を当てます。これらのソリューションには、サーモスタット、スマート・エネルギー・メーター、EV充電ステーションなどのデバイスが含まれており、これらすべてが、NXPのプロセッシング、コネクティビティ、アナログ、セキュリティのテクノロジを組み込んだEasyEVSEと呼ばれる包括的なリファレンス・ソリューションを構成しています。
NXPは、IoT製品の開発を合理化するために、Matter FRDMボードに基づく複数の開発プラットフォームを提供。
自律型セキュア・アクセス
NXPは、簡単でセキュアなアクセス制御のための高度に統合されたソリューションの一端を紹介しました。NXPの長年にわたる専門知識とハンズフリー・カーアクセスにおけるリーダーシップに根差したこのソリューションは、セキュアなアクセスと自律型テクノロジを統合し、開発を合理化しながら、モバイル・エコシステムにも対応しています。このデモでは、UWBとBluetooth Low Energyを使用し、自分の位置に基づいてドアのロックを開閉するセキュアなハンズフリー体験を提供します。NXPのソリューションは、ハードウェアやソフトウェア、信頼性を提供するサービスといった必須の構成要素に加え、さまざまなコネクティビティ・オプション(車載UWB、NFC、Bluetooth Low Energy)を組み合わせています。このソリューションは、Connectivity Standards Allianceによって開発された、アクセス・リーダーとユーザー・デバイス間に標準の通信プロトコルを確立する新しい規格であるAliroもサポートしています。NXPは積極的な貢献者として、このテクノロジを深く理解しています。今後数か月にわたって市場に投入する予定のこのソリューションについては、引き続き詳細情報にご注目ください。また、NXPのソリューションを活用した顧客からの最終製品も紹介しました。XthingsによるUltraloqドアロックのほか、ミネベアミツミのドアロックはMatter over Wi-Fiとともに、Aliroや同様のソリューションに必要となるUWBとNFCによるハンズフリー・サポートも備えています。
NXPはCES 2025でBrighter Lives(より明るい生活)の展示を行いました。詳細については、CESのページをご覧ください。
ThreadおよびBluetooth LE対応ワイヤレス無線にUWB、NFC、セキュリティ・チップを統合した、MCX W MCUに基づくNXPの自律型セキュア・アクセス・ソリューション。
ヘルス・インサイト用AIコントローラ (AICHI)
ヘルスケアは、コストの増加、スタッフの不足、個別化されたケアのニーズの高まりなど、前例のないさまざまな課題に直面しています。NXPは、この変革の最前線に立ち、自宅で直接パーソナライズされたケアを受けられるようにするための最先端のテクノロジとソリューションを提供しています。
NXPのヘルス・インサイト用AIコントローラ(AI Controller for Health Insights:AICHI)は、マルチモーダルな健康データをリアルタイムでセキュアに収集、分析するエッジAIプラットフォームを実現します。このAIコントローラは、Matter対応スマートホームに組み込まれた環境センサや、血圧計、携帯心電計 (ECG) パッチ、グルコース・パッチ、医療用スマートウォッチなどの非侵襲的なヘルスケア機器からの情報を使用します。それらのセンサ・データに対してAIモデルを使用して予測を行い、外部の認定医療従事者に実用的なヘルス・インサイトを提供します。
CESで紹介したAICHIシステムは、次世代のインテリジェント・ホーム・ヘルスケアの先駆けとなる技術。
NXPでより明るい生活を
NXPがCESで紹介した、インテリジェント・エネルギー、Matter、アクセス制御、ヘルスケア関連のソリューションは、IoT業界を進歩させるだけでなく、エンド・ユーザーの生活向上にも役立ちます。インテリジェント・エネルギーはエネルギー料金の節約と二酸化炭素排出量の削減につながり、ヘルスケア分野のAIは患者が必要とするケアを受けられるよう支援します。また、MatterやAliroなどの標準は相互運用性を確保しながら、2025年に期待される魅力的なイノベーションへの扉を開きます。