NXP、車載HMIと車内センシングを進化させる AI対応i.MX 952アプリケーション・プロセッサを発表

  • 2025年10月21日
  • 9:00 AM
  • 投稿者 NXP Semiconductors
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i.MX 952アプリケーション・プロセッサに内蔵されたeIQ® Neutron NPUがセンサ入力をインテリジェントに取り込み、ドライバー・エクスペリエンスを向上

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NXP Semiconductorsは、i.MX 9シリーズのアプリケーション・プロセッサ「i.MX 952」を発表しました。i.MX 952アプリケーション・プロセッサは、AIを活用したビジョン、ヒューマン・マシン・インターフェース（HMI）、車内センシング・アプリケーション向けに設計されており、内蔵されたeIQ Neutronニューラル・プロセッシング・ユニット（NPU）のセンサ・フュージョンにより、ドライバー・モニタリング、子供の存在検出などを実現します。i.MX 952 SoCはi.MX 95ファミリとのピン互換性があるため、開発者にとっては単一プラットフォームでさまざまな価格帯に対応するハードウェア、ソフトウェア設計を容易に拡張できます。これにより、コストを抑えつつ、市場投入までの期間を短縮することが可能になります。

背景

車内センシング・システムは、Euro NCAPなどの国際的な法規制や規格により、ドライバーの注意レベルの把握、エアバッグの正確な調整、子どもが車内に取り残されていないかの検知など、さらなる高度化が求められています。i.MX 952アプリケーション・プロセッサは、AIによって複数センサのデータを統合し、堅牢性、拡張性、コスト効率に優れた車内センシングを実現。安全性と利便性を向上させ、次世代車両の規制要件にも対応します。

「センサ・フュージョンにAIを活用することにより、車内や周囲の状況を正確かつ有用な形でドライバーに表示できるようになりました。i.MX 952 SoCはカメラ、UWB、超音波、その他のセンサからのデータを統合することにより、それぞれのシステムのインテリジェンスが向上し、ドライバーは直感的に車両を操作できるようになります。そのため、自動車メーカーやTier 1サプライヤは、安全性にとどまらず、体調管理やパーソナライズなどの付加価値を提供できます。また、i.MX 95ファミリが持つ拡張性により、ハードウェアとソフトウェアの総所有コストの削減と市場投入期間の短縮を実現します。」

NXP Semiconductors、エッジ・マイクロプロセッサ担当副社長兼ゼネラル・マネージャー、Dan Loopは

i.MX 952は車載用アプリケーションに加え、AIを活用した監視や環境センシング、HMIシステムなど、産業用アプリケーション全体で使用することができます。現代の産業環境では、24時間365日稼働を前提とした運用が求められ、設備故障や物流のボトルネック、安全上の問題などを迅速に特定し、それに対応するとともに、生産環境の変化に合わせて柔軟に適応できることも必要です。i.MX 952アプリケーション・プロセッサは、AIを活用することで工場フロア全体のリアルタイム分析と異常検知を実行し、低消費電力かつコスト効率の高い方法で中央管理拠点から複数拠点の監視と制御を実現します。

詳細

i.MX 952アプリケーション・プロセッサは、NXPのeIQ AIソフトウェア開発環境でサポートされており、ビジョン処理やセンサ・フュージョンに適したコスト効率の高い低消費電力ソリューションです。複数のカメラ・センサに対応したeIQ Neutron NPUを内蔵しており、最大500メガピクセル/秒の処理が可能な統合イメージ・シグナル・プロセッサを搭載、RGB-IRセンサにも対応しています。また、i.MX 9シリーズの製品であるi.MX 952 SoCは、i.MX 95ファミリとのピン互換性があります。そのため、開発者は性能とコストの両面で拡張性を持たせた設計が可能となり、特定要件に対応しつつ、設計作業を迅速に開始することができます。

i.MX 952 SoCは、最大4基のArm® Cortex®-A55コアを備えたマルチコア・アプリケーション・ドメインにより、低消費電力で高性能のリアルタイム処理を実現するとともに、Arm Cortex-M7とCortex-M33 CPUから成る独立したセーフティ・ドメインを搭載しています。i.MX 952ファミリは、ISO 26262 ASIL Bに準拠したプラットフォームとSIL2/SIL3準拠プラットフォームをサポートしており、安全性が重視される産業分野での迅速な導入を可能にします。

視認性とエネルギー効率を向上させるローカル・ディミングをサポート

i.MX 952 SoCは、車載用、産業用プロセッサとしては世界で初となるローカル・ディミングを搭載するプロセッサです。これにより、車内のLCDパネルやヘッドアップ・ディスプレイ（HUD）の低消費電力化と高コントラスト化を実現するとともに、屋外用HMIパネルの輝度を動的に調整することで、厳しい照明条件下でも最適な視認性を確保します。その結果として、消費電力が抑制され、追加部品も不要になります。さらに、直射日光下でも画面の見やすさが損なわれないため、二輪車やオープンカー、屋外のHMIパネルの視認性改善にも貢献します。

先進のセキュリティで量子攻撃を阻止

i.MX 952アプリケーション・プロセッサは、EdgeLockセキュア・エンクレーブ（Advanced Profile）を統合しており、ISO 21434やIEC 62443などのセキュリティ規格や欧州サイバー・レジリエンス法などの規制要件に対応するよう設計されています。組み込まれたEdgeLockセキュア・エンクレーブはハードウェアの信頼の基点（Root of Trust）として機能し、セキュア・ブート、セキュア・アップデート、デバイス認証、セキュア・デバイス・アクセスなどの重要なセキュリティ機能の実装を簡素化します。また古典暗号とポスト量子暗号（PQC）の両方をベースとしており、将来にわたって安全性を確保します。NXPのEdgeLock 2 GOの鍵管理サービスと組み合わせることで、自動車メーカーはSoCベースのi.MX 952ファミリ製品を認証情報で安全にプロビジョニングし、安全なOTA（Over-The-Air）など、使用されているデバイスの安全なリモート管理を実現することが可能です。

システム・ソリューションでデベロッパーをサポート

i.MX 952アプリケーション・プロセッサは、システム全体を開発しやすいように設計されています。これには、NXPの機能安全対応PMIC「PF09」や、電源管理用のコア電源レギュレータ「PF53」によるイネーブルメントが含まれます。車内センシングやその他の車載アプリケーションについては、安全性と精度の高い次世代リアルタイム位置特定機能と短距離レーダーを統合した、完全統合型車載単一チップUWBファミリ「Trimension NCJ29D6」で実現可能です。なお、i.MX 952ファミリはNXPの広範でスケーラブルなワイヤレス・ソリューション製品ラインナップとシームレスに統合できます。これには、高集積のIW693とAW693 SoCが含まれ、Wi-Fi 6/6E同時デュアルWi-Fi（CDW）、Bluetooth®/Bluetooth Low Energy、およびBLE Audioによる拡張コネクティビティを提供するよう設計されています。

i.MX 952アプリケーション・プロセッサは2026年上半期にサンプル供給を開始する予定です。

i.MX 952アプリケーション・プロセッサの詳細については、NXP.com/iMX952をご覧ください。

NXP Semiconductorsについて

NXP Semiconductors N.V. NXP Semiconductorsは車載、インダストリアル& IoT、モバイル、通信インフラ市場における革新的ソリューションの信頼あるパートナーです。NXPでは「Brighter Together」アプローチにより、最先端のテクノロジとパイオニア精神を持つ人材の両方を活用し、より良く、安全・安心なコネクテッド・ワールドを実現するシステム・ソリューションを開発しています。現在、NXPは30か国以上で事業を展開しており、2024年の売上高は126億1,000万米ドルとなりました。詳細はWebサイトwww.nxp.comをご覧ください。

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