高出力48 Vアプリケーション向けS32K344モータ制御開発キットのスタート・ガイド

最終更新日時: Aug 13, 2025サポート S32K344 Motor Control Development Kit for High-Power 48 V Applications

このドキュメントの内容

  • 1

    パッケージの内容
  • 2

    ソフトウェアの入手
  • 3

    接続
  • 4

    ビルドと実行

1. パッケージの内容

1.1 MC_XTM4CK344開発キットの概要

MCDXTM4CK344 Devkit

MCDXTM4CK344 Devkit

MC_XTM4CK344 Callouts

MC_XTM4CK344 Callouts

MC_XTM4CK344 Kit Content

MC_XTM4CK344 Kit Content

MC_XTM4CK344の内容:

  • 3-6PH48VHCPS(-H) パワー・ステージ・ボード
  • 3-6PHMLBHCHV(-H) アダプタ・ボード
  • S32K344PMC48VSCコントローラ・ボード
  • 取り付けネジ

2. ソフトウェアの入手

資格情報を使用してNXPにサインインします 。

2.1 IDEのダウンロードおよびインストール

S32 Design Studio for S32 Platform v.3.5をダウンロードしてインストールします

S32DS 3.5 Download 1

S32DS 3.5 Download 1

S32DS 3.5 Download 2

S32DS 3.5 Download 2

2.2 S32K3xx開発パッケージのダウンロード

S32DS用のS32K3開発パッケージはS32DSから直接更新されますが、場合によっては手作業でダウンロードしてインストールする必要があります

S32DS V3.5用のS32K3開発パッケージをダウンロードするには、S32K3標準ソフトウェア・パッケージにアクセスしてください

Download S32K3 Development Package 1

Download S32K3 Development Package 1

Download S32K3 Development Package 2

Download S32K3 Development Package 2

Download S32K3 Development Package 3

Download S32K3 Development Package 3

2.3 S32K3開発パッケージのインストール

  1. S32DSで、トップメニューから[Help(ヘルプ)]→[S32DS Extensions and Updates(S32DSの拡張と更新)]の順に進み、[S32DS Extensions and Updates(S32DSの拡張と更新)]ダイアログを開くと、[Add Update Sites(サイト更新を追加)]リンクが表示されます

    Add Update Sites

    Add Update Sites
  2. ダウンロードしたSW32K3_S32DS_3.5.13_D2407.zipファイルを選択します
  3. S32K3開発パッケージをインストールします

    Install S32K3 Development Package

    Install S32K3 Development Package

2.4 RTDドライバのダウンロード

S32K3およびS32M27xバージョン4.0.0に対応するRTDをダウンロードします。Automotive SW - S32K3/S32M27x - Real-Time Drivers for Cortex-Mパッケージを選択して、サイト更新ファイルをダウンロードします

S32K3 Standard Software - S32K3 RTD

S32K3 Standard Software - S32K3 RTD

S32K3 RTD 4.0.0 HF01 Download 1

S32K3 RTD 4.0.0 HF01 Download 1

S32K3 RTD 4.0.0 HF01 Download 2

S32K3 RTD 4.0.0 HF01 Download 2

2.5 S32DSへのRTDドライバのインストール

  1. S32DSで、トップメニューから[Help(ヘルプ)]→[S32DS Extensions and Updates(S32DSの拡張と更新)]の順に進み、[S32DS Extensions and Updates(S32DSの拡張と更新)]ダイアログを開くと、[Add Update Sites(サイト更新を追加)]リンクが表示されます
  2. Add Update Sites

    Add Update Sites
  3. ダウンロードしたSW32K3_S32M27x_RTD_R21-11_4.0.0_HF01_D2401_DS_updatesite.zipという名前のファイルを選択します
  4. リストからRTD 4.0.0 HF01をインストールしますが、RTD 4.0.0がリストに複数表示される場合があるため、必ずサポート対象にS32K344が含まれるバージョンを選択してください
  5. S32K3 RTD 4.0.0 HF01 Installation

    S32K3 RTD 4.0.0 HF01 Installation

2.6 FreeMASTERアプリケーション・ツールの入手

リアルタイム・デバッグ用のFreeMASTERアプリケーション・ツールをダウンロードしてインストールします

ヒント:このセットアップでは(アクティベーション・コードが必要となる)Liteサービスのインストールを省略しても構いません

FreeMASTER Installer

FreeMASTER Installer

2.7 S32K3向け車載用モータ制御ライブラリ (AMMCLib) の入手

AMMCLib for S32K3(バージョン1.1.41以上)をダウンロードしてインストールします

S32K3 AMMCLib Download

S32K3 AMMCLib Download

ヒント:可能であれば、AMMCLibのパスを簡単に変更できるように、デフォルトのパスにインストールしてください

2.8 MC_XTM4CK344モータ制御アプリケーションの入手

MC_XTM4CK344モータ制御アプリケーション・ソフトウェア (MC_XTM4CK344_SW.exe) をダウンロードしてインストールします

MC_XTM4CK344_SW Installer

MC_XTM4CK344_SW Installer

3. 接続

MC_XTM4CK344キットには48 Vのモータや電源は含まれませんが、適切な三相モータと24/48 V電源を使用できます。

3.1 デフォルトのジャンパ

コントローラ・ボードのデフォルトのジャンパ位置を確認します

Controller Jumpers

Controller Jumpers
ジャンパ 状態 備考
J3 OpenSDA 5 Vから接続されたFS26_VDEBUG信号
J8 FS26_VLDO1からルーティングされた5 Vパワー・ドメイン
J9 FS26_VLDO2からルーティングされた3V3パワー・ドメイン
J10 1-2 FS26_VTRK1からルーティングされたVDDAパワー・ドメイン (5 V)
J11 1-2 TJA1101 CONFIG0ピン、プルアップ接続 – PHYをマスタとして設定

アダプタ・ボードのデフォルトのジャンパ位置を確認します

Adapter Jumpers

Adapter Jumpers
ジャンパ 状態 備考
J2、J5..J9 M1電流検知アンプのゲイン = 50(MCSXTM4CK344には適用されません)
J10..J15 M2電流検知アンプのゲイン = 50
J16 2-3 M1 FOC構成、AN1信号にルーティングされたI_PHA(MCSXTM4CK344には適用されません)
J17 2-3 M1 FOC構成、AN3信号にルーティングされたI_PHB(MCSXTM4CK344には適用されません)
J18 2-3 M1 FOC構成、AN5信号にルーティングされたI_PHC(MCSXTM4CK344には該当しません)
J19 2-3 M2 FOC構成、AN29信号にルーティングされたI_PHF
J20 2-3 M2 FOC構成、AN27信号にルーティングされたI_PHE
J21 2-3 M2 FOC構成、AN25信号にルーティングされたI_PHD
J23 1-2 MCU制御のファン
J24 1-2 過電流および過電圧異常ロジック:VREF由来のリファレンス電圧V-TH
J25 1-2 内部HWロジックによるM1安全状態の有効化:安全な開状態(MCSXTM4CK344には適用されません)
J26 外部ECUによるM1安全状態の有効化:安全な開状態 - 無効(MCSXTM4CK344には適用されません)
J27 1-2 内部HWロジックによるM2安全状態の有効化:安全な開状態
J28 外部ECUによるM2安全状態の有効化:安全な開状態 - 無効
J37 1-2 M1_RESET:モータ1の降圧UVラッチ故障のリセット(MCSXTM4CK344には適用されません)
2-3 M2_RESET:モータ2の降圧UVラッチ故障のリセット

3.2 組立キット

ヘッダ・コネクタを使用してアダプタ・ボードをパワー・ステージ・ボードに接続します

取り付け穴 (6) を使って位置を合わせます

プラスチックのネジを使用して、アダプタ・ボードとパワー・ステージ・ボードを固定します

Adapter Board Assembly

Adapter Board Assembly

コントローラ・ボードをアダプタ・ボードのPCIeコネクタに挿入します

Controller Board Assembly

Controller Board Assembly

3.3 モータの接続

適切なM4ネジを使用して、モータM2(およびM1)相配線をパワー・ステージ・ボードに接続します

Motor Phase Wires

Motor Phase Wires

必要に応じてレゾルバまたはエンコーダ/ホール位置センサを接続します(センサ・ベースのソフトウェア・アプリケーションでのみ使用)

Rotor Position Sensor Connection

Rotor Position Sensor Connection

3.4 デバッガの接続

micro USBケーブルをS32K3のオンボード・デバッガに接続するか、デバッグ用の外部10ピンJTAGインターフェースを使用してPCと接続します

Plug Debug Interface

Plug Debug Interface

3.5 電源の接続

12 V電源をアダプタ・ボードに接続し、24 V/48 V電源をM4ネジでバッテリ入力に接続します

Connect Power Supply

Connect Power Supply

4. ビルドと実行

MC_XTM4CK344モータ制御キットの動作テストを行いましょう。

4.1 アプリケーションの選択とプロジェクトのインポート

インストール・ディレクトリで適切なモータ制御アプリケーションを選択します

NXP\MC_DevKits\MC_XTM4CK344\sw

インストールされているアプリケーション・ソフトウェア・プロジェクトをS32 Design Studio IDE for S32 Platformにインポートするには、次の手順に従います。

  • S32DS for S32 Platformを起動します
  • [File(ファイル)]>[Import(インポート)]に移動し、[General(全般)]>[Existing Projects into Workspace(既存プロジェクトをワークスペースへ)]を選択します
Import Project

アプリケーションのインストール・ディレクトリ (NXP\MC_DevKits\MC_XTM4CK344\sw) に移動し、適切なプロジェクトを選択して[OK]をクリックし、[Finish(完了)]をクリックします

Import MC_XTM4CK344 Project

4.2 設定ツールの使用

*.mexファイルをダブルクリックして下位レベルのドライバが含まれるプロジェクトの構造を展開し、設定ツールのプロジェクト設定を開きます

MEX File

適切なプロジェクトを設定していることを確認し、[Update Code(コードの更新)]ボタンをクリックして設定ファイルを生成します

Update Code

4.3 ソフトウェアのアップロードとデバッグ

S32DSで、C/C++の画面に戻ります

C_Cpp Perspective

[Debug Configuration(デバッグ設定)]メニューに移動し、ソフトウェアをビルドしてマイクロコントローラ・ユニット (MCU) にアップロードするための定義済みデバッグ設定を選択します

Debug Menu Debug Configuration

S32DSがデバッグ画面に切り替わるので、[Resume(再開)]をクリックして(またはF8を押して)コードを実行し、[Disconnect(切断)]を選択してS32DS IDEデバッガとFreeMASTERツール間の干渉を回避します

Let Code Run Disconnect

4.4 デバッグ・ツールの設定

FreeMASTERアプリケーションを起動します

*.pmpx FreeMASTERプロジェクト\FreeMASTER_controlを開くには、[File(ファイル)]>[Open Project(プロジェクトを開く)]の順にクリックします

FreeMASTERアプリケーションを起動します

FreeMASTER Project

通信を有効にするには、FreeMASTERツールバーで[Go(実行)]をクリックします(またはCtrl+Gを押します)

通信が成功すると、下部のステータス・バーに次のように表示されます。

「RS-232 UART Communication;COMn;speed = 115200」

FM Start

アプリケーション制御

MC_XTM4CK344モータ制御ボードの動作テストを行いましょう。

モータ・パラメータ

これで、接続されているBLDC/PMSMモータに合わせてモータ・パラメータを編集できます。モータ制御アプリケーション・チューニング (MCAT) ツールの[Parameters(パラメータ)]タブを開き、左側の値を編集します。

Motor Parameters

完了したら[Store Data(データを保存)]をクリックし、[Output File(出力ファイル)]タブに切り替えて、[Generate static configuration file(静的設定ファイルを生成)]をクリックします。

Generate Static Configuration

手順4.3を再度実行し、プロジェクトをビルドしてコードをMCUにアップロードします。

モータを回転させる

モータ制御アプリケーション・チューニング (MCAT) ツールのメニューで[App Control(アプリケーション制御)]タブをクリックして、アプリケーション制御ページを表示します。

モータの回転数を設定し、モータ・ドライブをオンにします。

FM App Control

保留中の障害の確認

保留中の障害(障害状態 - LED点滅)がある場合は、FreeMASTER MCATの制御ページで[Clear FAULT(障害をクリア)]をクリックするか、アダプタ・ボードのSW4とSW5(M2の場合)(M1の場合はSW2とSW3)を同時に長押しします。

FM App Control - Clear FAULTS

アプリケーションの起動

制御ページで[ON/OFF]をクリックするか、ボードのSW4/SW5を押すかSW6を切り換えると(M2の場合)(M1の場合はSW2/SW3を押すかSW1を切り換え)、ロータの時計回り/反時計回りの回転が開始されます。点灯し続けるLEDが駆動中であることを表します。速度を設定します。

速度を設定するには、Speed Required変数を変更します。[Variable Watch(変数監視)]ウィンドウを開き、Speed Required変数を変更するか、スピード・ゲージをクリックするか、SW4/SW5 (SW2/SW3) スイッチを押します。

アプリケーションの停止

アプリケーションを停止するには、FreeMASTER MCATの制御ページで[ON/OFF]ボタンをクリックするか、アダプタ・ボードのSW6(M1の場合はSW1)を切り換えます。準備状態になると、LEDが消灯します。

サポート

フォーラム

NXPのいずれかのコミュニティ・サイトで、他のエンジニアとつながり、MCSXTM4CK344/MCDXTM4CK344を使用した設計に関する専門的なアドバイスを受けることができます。(スタート・ガイド:GS-MCSPTE1AK344)