RDGD3160I3PH5EVBリファレンス・デザインのスタート・ガイド

最終更新日時: 2022-12-26 12:57:00サポート RDGD3160I3PH5EVB

このドキュメントの内容

  • 1

    パッケージの内容
  • 2

    ハードウェアの入手
  • 3

    ソフトウェアのインストール
  • 4

    ハードウェアの構成

1. パッケージの内容

NXPのアナログ製品開発ボードは、NXP製品の評価を目的とした使いやすいプラットフォームです。さまざまなアナログ・ソリューション、ミックスド・シグナル・ソリューション、パワー・ソリューションに対応しています。実績のある大容量テクノロジを使用したモノリシック集積回路およびシステム・イン・パッケージ (SiP) デバイスを搭載しています。NXP製品は、最先端システムへの電源供給において、より長いバッテリー寿命、より小さいフォーム・ファクタ、より少ない部品数、より低いコスト、より優れたパフォーマンスを実現します。

このページでは、RDGD3160I3PH5EVBボードをセットアップして使用する手順について説明します。

1.1 キットの内容と同梱物一覧

RDGD3160I3PH5EVBには以下のものが含まれています。

  • 組立て済み/テスト済みのRDGD3160I3PH5EVBボード(5.0 V互換ゲート・ドライバ・デバイスを搭載した三相インバーター)、静電気防止バッグ入り
  • クイック・スタート・ガイド

1.2 追加ハードウェア

このリファレンス・ボードの作業をする際は、キットの内容物のほかに以下のハードウェアが必要になるか、または使用すると役立ちます。

  • SPI通信用マイクロコントローラ
  • Infineon HPドライブIGBTモジュールFS820R08A6P2B
  • IGBTモジュールFS820R08A6P2Bに対応するDCリンク・キャパシタ
  • 保護シールドと聴覚保護機能を備えたHV電源
  • 各相の電流のモニタリング用電流センサ
  • 12 V、1.0 A DC電源
  • 高サンプル・レートのデジタル・オシロスコープ(プローブ付き)
  • 高電圧差動プローブ

1.3 Windows PCワークステーション

このリファレンス・デザインには、Windows PCワークステーションが必要です。この評価ボードで作業する際は、これらの最低限の仕様を満たすことで良好な結果が得られます。

  • Windows 8またはWindows 10を搭載したUSB対応のコンピュータ

1.4 ソフトウェア

このリファレンス・デザインで作業するには、ソフトウェアのインストールが必要です。記載されているすべてのソフトウェアは、RDGD3160I3PH5EVBの情報ページから入手できます。

  • S32S Design Studio IDE for Power Architecture
  • 車載用演算/モータ制御ライブラリ (AMMCLib)
  • FreeMASTER 2.0ランタイム・デバッグ・ツール
  • モータ制御アプリケーション・チューニング (MCAT)
  • サンプル・コード、GD3160デバイス・ドライバ・ノートおよびGD31xxデバイス・ドライバ・リファレンス

2. ハードウェアの入手

2.1 ボードの特長

  • 完全な三相の評価および開発のためにHPドライブIGBTモジュールに接続する機能
  • デイジー・チェーンSPI通信(3つのハイサイド・ゲート・ドライバと3つのローサイド・ゲート・ドライバ)
  • マイナスVEEまたはGNDリファレンス用に設定可能な電源ジャンパ
  • 電源、グランド、信号テスト・ポイントへのアクセスが容易
  • MCU制御インターフェース用の2 x 32 PCIeソケット
  • DCバス電圧モニタリング用の接続オプション
  • MPC5777C-DEVBMPC5775BE-EVBMPC5744Pに対応

2.2 ボードの説明

RDGD3160I3PH5EVBは、6つのGD3160ゲート・ドライバを実装し、フォルト・マネジメントとサポート回路を備えた、フル機能の三相インバーター評価ボードです。このボードは、3つのハイサイド・ゲート・ドライバと3つのローサイド・ゲート・ドライバを個別にプログラミングするためのSPIデイジー・チェーン通信をサポートします。

2.3 ボードのコンポーネント

RDGD3160I3PH5EVBボードの概要

3. ソフトウェアのインストール

3.1 ソフトウェア開発ツール

NXPでは、NXP MPC5777C開発ボード (DEVB) とともに使用するためのソフトウェア開発ツールを提供しています。この開発ボードは、お客様がMPC5777Cマイクロコントローラを簡単に評価できるプラットフォームを提供すること、およびハードウェアやソフトウェアの開発を容易にすることを目的としています。パワートレイン、インバーター、BMS、車載用イーサネットなどに使用できます。最新の製品情報はMPC5777Cでご覧いただけます。

開発ソフトウェア一覧:

  • S32S Design Studio IDE for Power Architecture:S32S Design Studio for Power Architecture IDEをWindows PCワークステーションにインストールすると、ソース・コードの設計を編集、コンパイル、デバッグできます。SDKは、MPC5777Cを含むいくつかのデバイスをサポートしています。詳細については、S32SDK-PAにある「S32DS- PA SDK for Power Architecture」を参照してください
  • 車載用演算/モータ制御ライブラリ (AMMCLib):車載用演算/モータ制御ライブラリ (AMMCLib) は、幅広いモータ制御および一般的な演算アプリケーション向けのビルディング・ブロックを含む、コンパイル済みソフトウェア・ライブラリです。詳細およびAMMCLibのダウンロードについては、AUTOMCLIBにある「MPC577xC向け車載用演算/モータ制御ライブラリ・セット」を参照してください
  • FreeMaster 2.0ランタイム・デバッグ・ツール:FreeMASTERランタイム・デバッグ・ツールは、別途ダウンロードが必要です。このツールは、S32DSとともに開発されたMCUコードと組み合わせて、アプリケーション開発や情報管理向けにユーザー・フレンドリーなリアルタイム・デバッグ・モニタ、グラフィカル・コントロール・パネル、データ可視化ツールとして使用できます。Freemasterにある「FreeMASTERランタイム・デバッグ・ツール」を参照してください
  • モータ制御アプリケーション・チューニング (MCAT):モータ制御アプリケーション・チューニング (MCAT) は、PMSM FOCおよびBLDCモータ制御アプリケーションの開発向けのFreeMASTERプラグイン・ツールです。詳細およびMCATのダウンロードについては、MCATを参照してください
  • サンプル・コード、GD3160デバイス・ドライバ・ノート、GD3160デバイス・ドライバ・リファレンス・ノート:GD3160デバイス・ドライバ・サンプル・コードREV1.2は、対象とするモータ制御のソフトウェア開発を開始するための基礎を提供します。GD3160-DRIVERにある「GD3160デバイス・ドライバ・サンプル・コード(REV 1.2以降)」を参照してください

4. ハードウェアの構成

4.1 ハードウェアの構成

次の図は、一般的なハードウェア構成を示しています。

ハードウェアを構成するには、以下の手順を実施します。

  • 必要に応じてIGBTモジュールに水冷ジャケットを取り付け、U相、V相、W相にわたってDC Linkキャパシタのプラスとマイナスの高電圧電源接続部に適切に取り付けます
  • RDGD3160I3PH5EVBをIGBTモジュールに取り付けます。すべてのボード・ソケット接続ピンがIGBTピン接続部に正しく取り付けられていることを確認してください。ボードのソケット・ピンは、IGBT接続ピンを傷つけずにIGBTモジュールに容易に着脱できるように設計されています
  • モータの接続:
    • IGBTモジュールのU相、V相、W相の出力を、対象の三相モータのU相、V相、W相の接続部にそれぞれ接続します
    • クローズド・ループ・モータ制御でモータを作動させる場合、モータのレゾルバ接続部からのレゾルバ信号をRDGD3160I3PH5EVBのレゾルバ・ピン接続部に接続します。RDGD3160I3PH5EVBボードのJ50ヘッダ信号接続の回路図を参照してください
    • クローズド・ループ・モータ制御でモータを作動させる場合、U相、V相、W相の電流センサ(RDGD3160I3PH5EVBには電流センサは含まれていません)を接続し、各電流センサからの信号をRDGD3160I3PH5EVBの相電流フィードバック・ピン接続部にそれぞれ接続します。RDGD3160I3PH5EVBボードのJ40ヘッダ信号接続の回路図を参照してください
  • DC電源の接続:
    • 低電圧DC電源をRDGD3160I3H5EVBのVSUP接続端子に接続します(12 V DC/最小1.0 A)。J100ジャンパが所定の位置に取り付けられていることを確認してください
    • 低電圧DC電源をMCUコントローラ・ボードに接続し、MCUコントローラからのUSBケーブルを任意のコンピュータに接続して、ソフトウェア駆動のモータ制御を行います
    • (対象のモータの推奨電圧と電流を使用して)高電圧/大電流DC電源をDCリンク・キャパシタのマイナスとプラスの接続部に接続し、三相モータのDCリンク電圧を供給します
  • キットに付属の2本の32 PCIeケーブル (S32SDEV-CON18) をRDGD3160I3PH5EVBおよびMCUコントローラ・ボード(MPC5777C-DEVBなど)に接続します。このケーブルはキー付きで、MPC5777C-DEVBのインターフェース・ポートに対応しています

設計・リソース

その他の参考情報

GD3160:SiC MOSFET/IGBT用の高度なシングル・チャネル高電圧絶縁車載ゲート・ドライバのページに加えて、次のページもご覧ください。

ゲート・ドライバ・ページ

ツール・ページ

ハードウェア・ページ

サポート

フォーラム

NXPのいずれかのコミュニティ・サイトで、他のエンジニアとつながり、RDGD31603PHSEVMを使用した設計に関する専門的なアドバイスを受けることができます。

パワーマネジメント・コミュニティ