MCU-Linkのスタート・ガイド

最終更新日時: 2020-11-18 11:50:00サポート MCU-Link Debug Probe

このドキュメントの内容

  • 1

    MCU-Linkのインストールとファームウェアのアップデート
  • 2

    MCUXpresso IDEでのMCU-Linkの使用
  • 3

    サード・パーティ製IDEでのMCU-Linkのセットアップ
  • 4

    他のシリアル・ターミナル・プログラムの使用

1. MCU-Linkのインストールとファームウェアのアップデート

MCU-Linkのセットアップは非常に簡単です。まず最初に、ドライバ情報ファイルとユーティリティをダウンロードして、ファームウェアをアップデートしてください。MCUXpresso IDE 11.2.1以降では、ドライバ情報ファイルは自動的にインストールされます。以下のWindowsでのインストール向けビデオをご覧いただくか、MCU-Linkのインストール手順に従ってください。

最初に、お使いのホストOS用のMCU-LINKインストーラをダウンロードします。ダウンロードしたら、インストーラを実行します。

MCU-Linkにはファームウェアがインストールされていますが、最新バージョンにアップデートすることをお勧めします。アップデートを実行するには、次の手順に従ってください。

  1. ジャンパJ3を取り付けます
  2. USB経由でMCU-Linkをホスト・コンピュータに接続します
  3. インストールされたソフトウェア・パッケージのスクリプト・ディレクトリに進み、program.cmd(Windowsの場合)またはprogram(Linux/MacOSの場合) スクリプトのファイルをダブルクリックして実行します。画面上の指示に従います
  4. [Ctrl]+[C]を押してスクリプトを終了します
  5. ホスト・コンピュータからMCU-Linkの接続を外し、J3を取り外してから、コンピュータに再接続します
  6. 他のOS固有のセットアップについては、Readme.txtを参照してください

MCU-Linkが完全にインストールされると、3つのデバイス(「HID」デバイス配下に「CMSIS-DAPデバイス」と「トレース・ポート」、加えて「Ports(ポート)」配下に「VCOMポート」)が列挙されます。

MCU-LINK-STEP-1-2

2. MCUXpresso IDEでのMCU-Linkの使用

MCUXpresso IDEは、サポートされている他のプローブの場合と同様に、MCU-Linkを自動的に検出します(IDEのバージョンは11.1以降がサポートされていますが、11.2.1以降の使用を推奨します)。MCU-LinkのVCOM機能はIDEから独立していますが、MCUXpresso IDEに内蔵されたシリアル・ターミナル機能をそのために使用することができます。

MCUXpresso IDEでのMCU-Linkの使用の概要については、以下のショート・チュートリアル・ビデオを参照してください。

3. サード・パーティ製IDEでのMCU-Linkのセットアップ

MCU-Linkは、Arm Keil uVISIONやIAR Embedded Workbenchなどのパートナー製IDEで使用できます。他のCMSIS-DAPプローブと同様に、セットアップは非常に簡単です。

提供されている最新バージョンのIARをインストールします。バージョンは、IAR Embedded Workbench IDE for Arm 8.40.2以降である必要があります。

  1. プロジェクトのワークスペースを開いた状態で、プロジェクトを右クリックします。MCU-LINK-EWARM-1
  2. ワークスペースの[Options(オプション)]が開いたら、[Debugger(デバッガ)]タブを選択し、[Setup(セットアップ)]の選択項目から[CMSIS-DAP Debugger(CMSIS-DAPデバッガ)]を選択します。MCU-LINK-EWARM-2
  3. [OK]をクリックしてダイアログ・ボックスを閉じます。これで、他のCMSIS-DAPプローブと同様にMCU-Linkを使用できます。

  1. プロジェクトのワークスペースを開いた状態で、[Options for target(ターゲットのオプション)]アイコンをクリックします。

    MCU-LINK-KEIL-1
  2. [Options for Target(ターゲットのオプション)]ダイアログが開いたら、[Debugger(デバッガ)]タブを選択し、[Use(使用)]の選択項目から[CMSIS-DAP ARMv8-M Debugger(CMSIS-DAP ARMv8-Mデバッガ)]を選択します。MCU-LINK-KEIL-2
  3. このプローブ・オプションを選択した後、[Settings(設定)]をクリックして[CMSIS-DAP ARMv8-M Target Driver set up(CMSIS-DAP ARMv8-Mターゲット・ドライバのセットアップ)]ダイアログを開きます。左側のプルダウン・メニューから[MCU-Link]を選択します。MCU-LINK-KEIL-3
  4. 次のような設定が表示されます。

    MCU-LINK-KEIL-4
  5. [OK]をクリックしてダイアログ・ボックスを閉じます。これで、他のCMSIS-DAPプローブと同様にMCU-Linkを使用できます。

4. 他のシリアル・ターミナル・プログラムの使用

MCU-LinkのVCOM機能は、PuTTYやTera Termなどのシリアル・ターミナル・エミュレーション・プログラムで利用できます。セットアップは類似のVCOMデバイスと同様です。ほとんどのMCUXpresso SDKサンプルでは、設定としてボーレート115200、8データ・ビット、パリティなし、1ストップ・ビットを使用します。MCU-Linkの仮想COMポートのポート番号を確認するには、デバイス・マネージャを開き、[Ports(ポート)]グループの配下を確認します(前述の図を参照)。

4.1 Tera Termチュートリアル

Tera Termは、広く利用されているオープン・ソースのターミナル・エミュレーション・アプリケーションです。このプログラムを使用して、NXP開発プラットフォームの仮想シリアル・ポートから送信された情報を表示できます。

  1. SourceForgeからTera Termをダウンロードします。ダウンロードしたら、インストーラを実行し、このウェブページに戻って手順を続行します。
  2. ダウンロード

  3. Tera Termを起動します。初めて起動する際には、次のダイアログが表示されます。シリアル・オプションを選択します。ボードが接続されている場合は、COMポートがMCU-Linkという名前で自動的にリスト内に表示されます
  4. MCU-LINK-TERA-TERM-1
  5. 前に確認したCOMポート番号を使用して、シリアル・ポートを、ボーレート115200、8データ・ビット、パリティなし、1ストップ・ビットに設定します。この設定は[Setup(セットアップ)]>[Serial Port(シリアル・ポート)]から行うことができます。
  6. 接続が確立されているか検証します。確立されている場合、Tera Termのタイトル・バーに以下のように表示されます。
  7. TERA-TERM-TURORIAL-2
  8. 以上で設定は完了です

4.2 PuTTYチュートリアル

PuTTYは、広く利用されているターミナル・エミュレーション・アプリケーションです。このプログラムは、お使いのNXP開発プラットフォームの仮想シリアル・ポートから送信された情報を表示するために使用できます。

  1. 下のボタンをクリックしてPuTTYをダウンロードします。ダウンロードしたら、インストーラを実行し、このウェブページに戻って手順を続行します。
  2. ダウンロード

  3. 選択したダウンロードのタイプに応じて、ダウンロードした*.exeファイルをダブルクリックするか、[Start(スタート)]メニューから選択して、PuTTYを起動します。
  4. 表示されたウィンドウで設定を行い、[Serial(シリアル)]ラジオ・ボタンを選択して、デバイス・マネージャで事前に確認したCOMポート番号を入力します。ボーレートもあわせて指定します。今回は「115200」を入力します。
  5. FRDM-K32L2B3-PUTTY-S2
  6. [Open(開く)]をクリックして、シリアル接続を確立します。ボードが接続されていて、正しいCOMポートが入力されていれば、ターミナル・ウィンドウが開きます。設定が正しくない場合は、アラートが表示されます。
  7. FRDM-K32L2B3-PUTTY-CERIFYCONN
  8. 以上で設定は完了です

設計・リソース

ボードに関するドキュメント

ソフトウェア

  • MCU-LINK CMSIS - Linuxパッケージ
  • MCU-LINK CMSIS - Macパッケージ
  • MCU-LINK CMSIS - Windowsパッケージ

サポート

フォーラム

設計のヒントやトレーニング・ドキュメント、さらにNXPコミュニティを通じて、MCU-Link についての知識を深めることができます。不明な点がある場合は、NXPサポートにお問い合わせください。

NXPのいずれかのコミュニティ・サイトで、他のエンジニアとつながり、MCU-Linkを使用した設計に関する専門的なアドバイスを受けることができます。