ソフトウェア・デファインド・ビークル (SDV) が急速に進化する中で、安定したデータ・フローを維持、管理しながらシームレスな車載用コネクティビティを確保することが重要な課題となっています。自動車業界ではSDVをきっかけに、分析や機械学習を利用して知見を獲得、活用する方法に変革が起きています。
OEMは継続的な変革に対応していくために、車載コネクティビティの可能性を引き出し、OTA (Over-The-Air) ソフトウェア更新やデータ収集によって運転体験を向上させ、収益化を可能にするためのツールを必要としています。
NXP Semiconductorsは、ExcelforeおよびTessolveと連携してこの課題に取り組み、ExcelforeのSDVconnectフレームワーク、TessolveのTERAプラットフォーム、S32Gベースのシステム・ソリューションを統合するという、AUTOSARおよび非AUTOSARアプリケーション向けの革新的なアイデアを実現しました。その際に目指したのは、クラウドと車両を接続するSDVconnectソリューションとクラウドベースのデバイス管理アプリケーションに、センサとクラウドを接続するTERA、CAN、Ethernetを統合し、さらにストレージ機能を加えることでした。
その一方で、SDVconnectによってセキュアな規格を利用したクラウドとエッジ間のデバイス管理が可能になり、加えて、包括的なエッジとクラウド間の接続ソリューションが実現します。このソリューションには、車載エッジにおける高性能マネージドEthernetコネクティビティの先駆者であるExcelforeの経験が生かされています。
他方では、Tessolveのエンジニアリングに関する専門知識とエンドツーエンドのイノベーションを生かし、データで大規模なリアルタイム予測を行うためのTERAアプリケーション・サービス指向ゲートウェイによって、4G/5Gインターフェースを経由した車両データとクラウド間の接続を構築します。
このパートナーシップを結ぶ前まで、ExcelforeのSDVconnectソフトウェアでは、ハードウェア・コンピューティング・プラットフォームとネットワーク・スイッチを1つの統合ソリューションで確保することが困難でした。TessolveのTERAプラットフォームは、CANデータをクラウドに接続するコンピューティング、ストレージ、ネットワーク、コネクティビティのソリューションを含む包括的なシステム・プラットフォームであり、この問題を解決できました。NXPのS32G2/G3チップは、このソリューションの基盤となり、新しい車両E/Eアーキテクチャ向けの堅牢なシステム・ソリューションを支える機能を備えています。
お客様の車両データを変革。ExcelforeとTessolveはNXPのS32G3を活用して、安全かつセキュアなOTA SW更新の実現に取り組みます。
車両とクラウド間のコラボレーションにより、Excelfore eSync OTAソリューションとeDatXデータ集約ソリューションが完全に統合されます。さらに、TERAシステム・プラットフォームは新たにAWS IoT Greengrassと統合されます。Greengrassはオープン・ソースのエッジ・ランタイムおよびクラウド・サービスであり、インテリジェント・デバイス・ソフトウェアの構築、展開、管理に役立ちます。
このコラボレーションにより、短期間での開発、メーカーとの統合が実現します。NXPソフトウェア開発キット (SDK) が提供されるため迅速な評価と導入が可能になり、お客様の導入が促進され、大きな成功が得られます。
NXP、Excelfore、Tessolveは、課題への対処や顧客価値の向上に取り組みながら、さまざまな分野向けにスケーラブルなソリューションを提供する態勢を整えています。このパートナーシップの成功は、コラボレーションにオートモーティブ・テクノロジを変革する力があることの証です。これによって車載コネクティビティの可能性が、ますます引き出されます。
Excelforeはシリコン・バレーに本社を置き、上海、フランクフルト、東京、バンガロールに営業所を構えています。Excelforeの顧客には、自動車業界のトップクラスのグローバルOEMとサプライヤが含まれ、同社のソリューションは世界中の何百万台もの車両に搭載されています。ExcelforeのSDVconnectスイートの製品は、エッジ・システムをクラウドに統合することで、車両データ・サービスを高速化します。Excelforeの革新的なソリューションには、eSync OTA、eDatXデータ集約、eLearn分析プラットフォーム、車載ネットワーキング・プロトコル・スタックなどがあります。eSync OTAプラットフォームは、コネクテッド・カー、電気自動車、自律走行車を実現するeSync Alliance規格に基づいています。
Tessolveは、米国、ヨーロッパ、アジア太平洋地域の21か国で事業を展開する大手システム製品化およびシリコン・エンジニアリング・ソリューション・プロバイダであり、内製インフラストラクチャと世界クラスのラボ施設を擁し、全世界で3,000人ものエンジニアを雇用しています。
Tessolveは、自動車、産業、航空電子機器の市場分野に重点を置き、ODMとしてコンセプトから製造に至るまでの製品開発を提供しています。各分野の深い専門知識、革新的なアイデア、プロセス指向のアプローチに加え、サプライ・チェーンやポストプロダクションのライフサイクル管理を含む確立されたエコシステム・パートナーシップを利用して、すぐに使えるシステム・オン・モジュールとアプリケーション・システム・ソリューションによって市場投入までの期間を短縮します。
Tessolveは、革新的な車載プラットフォームであるTERAを、ホワイトラベルの製品ファミリとして提供しています。TERAには、サービス指向の高性能ゲートウェイ、TCU、ゾーン/ドメイン・コントローラ・プラットフォーム、OBDドングルが含まれており、同社のパートナーであるExcelforeのFOTAサービスとともに独自のカスタマー・エクスペリエンスを提供することで、ソフトウェア・デファインド・ビークルのアーキテクチャを強化しています。
TERAの基盤となるのは、エッジ・コンピューティング機能を備えたNXPのS32G車載ネットワーク・プロセッサです。
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