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Monica Cid
Mónica Cid has worked in Mass Market Marketing for 3 years, focus on developer journey for industrial and consumer processors and microcontrollers. She is based in Guadalajara, Jalisco, Mexico.
お客様の素早い設計とより早い製品化を実現する、技術情報と専門知識をご紹介します。
マイクロコントローラの評価は、ゼロから始めようとすると困難が伴います。開発者はコーディング前の段階で、使用するペリフェラルについて理解している必要があります。異なる製品に対して同じように作業することは可能なのでしょうか?移植性はどれくらい信頼できるのでしょうか?移植可能なコードを作成するということは、一見不可能な作業のように思われることが多くあります。
先を見越すと、コードを透過的に再利用する方法が存在します。抽象化レイヤを追加することで、特定のペリフェラルをいつでも簡単に構成したり、使用したりすることが可能になります。残念ながら、製品は必ずしもピン互換ではないため、物理的な違いを乗り越えることはできません。しかし、より高次に、抽象化レイヤをペリフェラル・レベルで設けることで、コードの移植が可能になります。これがCMSISドライバの利点です。
マイクロコントローラ間で同様かつ再利用可能な方法で作業するには、Arm®が開発したCMSISドライバの標準APIを使用して透過的な相互運用性を確保します。これは、CMSISドライバをベースに開発を行う際は、物理的な差異としてのピンを構成するだけで、ペリフェラルのコードを変更せずにデバイス間で移植できることを意味します。これにより開発者は、モジュール型のアプリケーションを設計し、CMSISドライバを使用して製品間でコードを移行したり、複数のアプリケーションで使用される共通の機能(小型ディスプレイでのデータの表示やインジケータ・ランプの点灯など)でコードのモジュールを再利用したりできるようになります。開発者は、異なるアプリケーション向けに異なる方法で繰り返し作業を行う代わりに、時間を無駄にすることなくアプリケーションを差別化するコーディングに集中し、モジュール型ソフトウェアの設計につなげることができます。
CMSISドライバは、NXPのソフトウェア・イネーブルメントの一環としてソフトウェア開発キット (SDK) に含まれており、ユーザーはNXPの従来のペリフェラル・ドライバを使用するか、CMSISドライバを使用するかを選択できます。その優れた設計により、開発者は将来の製品の開発を簡素化できます。CMSISドライバは、NXPのデバイスでの移植性を提供するのみならず、Armコア間の相互運用性も拡張します。さらに、CMSISドライバと組み合わせて、各種FRDM開発ボードで実行される、SPIまたはI2C CMSISペリフェラル・ドライバを使用してOLEDディスプレイ 、ロータリー・エンコーダ、リレーなどを制御するデモも提供されています。開発者は、NXPの最新のMCXマイクロコントローラでサポートされているデモを利用することができます。評価を容易にするために、これらのデモは、サポートされているマイクロコントローラとボードがリストされたアプリケーション・コード・ハブ (ACH) で提供されています。製品間での容易なコードの再利用性の背後には、魔法があるわけではなく、スマートなエンジニアと優れたソフトウェア・アーキテクチャが新たな世代のアプリケーションのベースラインを確立しています。先を見据えて計画することは、生産的な開発と価値の高いアプリケーションの構築につながります。
CMSISドライバ・ベースのデモについて知り、これからのプロジェクトで再利用可能なコードの可能性を解き放ちましょう。アプリケーション・コード・ハブ をご覧ください。
MCXマイクロコントローラとトライラジオ内蔵RW612ワイヤレスMCUをベースにしたFRDM開発ボードは、SPIおよびI2C CMSISドライバ・ベースの複数のデモでサポートされています。拡張ボードとFRDM開発ボードをつなげることで、開発者は以下のデモを容易に取り入れることができます。
要約すると、NXPのFRDM開発プラットフォームを介してCMSISドライバを使用することは、マイクロコントローラ用の移植可能かつ再利用可能なコードの作成に大きな利点をもたらします。CMSISドライバで提供されている標準APIを活用することで、開発者は異なるデバイス間で透過的な相互運用性を確保し、これにより開発プロセスを簡素化して、生産性を向上させることができます。このアプローチにより、モジュール型ソフトウェアの設計が可能になり、開発者は反復的な作業に煩わされることなく、アプリケーションに独自性を持たせることに集中できるようになります。NXPがSDKにCMSISドライバを含めたことは、さまざまなFRDM開発ボードでのデモの提供とあいまって、開発者によるこれらのドライバの効果的な評価および実装をさらに後押しするものです。
CMSISドライバの背後にあるスマートなアーキテクチャおよび設計原則は、やがては新しい世代のアプリケーションへの道を切り拓き、コードの再利用性を単なる可能性ではなく現実的なものにします。開発者は、先を見据えてこれらのツールを活用することで、市場で抜きんでた、価値が高く革新的なアプリケーションを開発できるようになります。アプリケーション・コード・ハブ にアクセスし、提供されているCMSISドライバ・ベースのデモを確認して、再利用可能なコードの潜在的な力を引き出しましょう。
Product Marketer at NXP Semiconductors
Mónica Cid has worked in Mass Market Marketing for 3 years, focus on developer journey for industrial and consumer processors and microcontrollers. She is based in Guadalajara, Jalisco, Mexico.