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ビル・オートメーションの世界は急速に進化しています。かつてはレガシー・フィールドバスに縛られ、閉じられた独自のシステムが、IPネイティブ、セキュア・バイ・デザイン、ワイヤレス対応で、オープンソースを利用できる組込みプラットフォームへと移行しつつあります。今年のLight + Buildingでは、KNX Associationと緊密に協力して取り組んでいるNXPが、この移行の主要な進展をクローズアップします。
NXPとKNX Associationが、KNX IoTスタックをZephyrリアルタイム・オペレーティング・システム (RTOS) およびFreeRTOSに移植し、組込みファームウェア開発者のグローバル・コミュニティがKNX IoTにアクセスできるようにするための新しい取り組みをご紹介します。この取り組みにより、最新のIPベースのインフラストラクチャの開発、保護、統合が容易な、新世代のビル・オートメーションおよびエネルギー管理デバイスへの扉が開かれます。
NXPのような業界をリードするIoTイネーブラのサポートを受け、KNX IoTは最新の組込みプラットフォーム全体へと拡大を続けています。KNX IoTをZephyrとFreeRTOSに対応させることで、開発者層を広げ、相互運用可能でセキュアなビル・オートメーションの未来を強化しています。
— KNX AssociationのCEO、Heinz Lux氏
NXPとKNXが次世代のビル・オートメーションおよびエネルギー管理デバイスに備えるために協力している理由をさらに詳しく説明するために、この移行の詳細な側面を以下に示します。
KNX IoTは、Thread、Wi-Fi、シングル・ペア・イーサネット、イーサネット・インターネット・プロトコル・バージョン6 (IPv6) で動作しますが、標準化されたルータを介して従来のKNXインストールとの完全な互換性も保っています。インテグレータは、お客様に丸ごと交換を強制することなく最新化でき、数十年にわたるKNXへの投資を維持しながら、次世代の機能を実現できます。
KNX IoTは、Constrained Application Protocol (CoAP)/Concise Binary Object Representation (CBOR) を介したObject Security for Constrained RESTful Environments (OSCORE) を使用したエンドツーエンドのセキュリティ、認証付きのオンボーディング、およびライフサイクルを考慮したデバイス管理を義務付けています。これらの原則は、セキュア・バイ・デザインの開発、脆弱性の対処、および長期サポートに関する新たなサイバー・レジリエンス法 (CRA) の期待に直接合致しています。
KNXのエコシステムは、業界で最も広く採用されている設定ツールであるETSに引き続き依存しています。KNX IoTを導入すると、ETSはツイスト・ペア (TP)、無線周波数 (RF)、およびIPv6を介してデバイスを設定できるため、ただ動くマルチベンダーの相互運用性というKNXの約束が守られます。
KNX IoTをZephyrとFreeRTOSに対応させることで、開発者は活発なコミュニティ、広範なミドルウェア、実績のあるセキュリティ・モデルから成る最新のオープンソースRTOSエコシステムにアクセスできるようになります。これにより、開発作業が削減され、市場投入までの時間が短縮されます。
ビル・オートメーションの未来を発見しましょう。Light + Buildingで、ZephyrおよびFreeRTOS上で稼働するKNX IoTのデモをご確認ください。
KNXはすでに、ライティング、HVAC、遮光、その他のサブシステムを連携させることで、エネルギー効率の高いビルにおいて中心的な役割を果たしています。KNX IoTを導入すると、デバイスはIPv6を介してネイティブに通信するため、リアルタイムのデータの収集、エネルギー使用量の最適化、最新のエネルギー管理システム (EMS) との統合が容易になります。この統一的なアプローチにより、ビルのエネルギー性能と規制要件に対する高まる期待に応えます。
NXPはZephyrプロジェクトの創設メンバーであり、業界で最も充実したZephyr対応ポートフォリオを提供しています。NXPの貢献はWi-Fi 6、Bluetooth® Low Energy (LE)、Thread、およびZephyr対応の豊富な開発ボードにわたっており、Zephyrはリソースに制約のある低消費電力のワイヤレスKNX IoTデバイスの第一級のRTOSとなっています。
この経験があったため、自然な流れでNXPがKNX Associationのパートナーとなって、KNX IoTをZephyrに、そして今ではFreeRTOSにも対応させています。
これらのプラットフォームは、KNX IoTデバイスに必要なコネクティビティ、セキュリティ、コンピューティングを、住宅、商業、産業環境に提供します。
Light + Buildingでは、KNX AssociationのブースにてNXPが新しいKNX IoTのデモを行います。Light + Buildingに参加して、KNX IoT、Zephyr、NXPのワイヤレスMCUが、次世代のビル・オートメーションとエネルギー管理の課題に取り組むうえでどのように役立つかをご確認ください。
Neal Kondelは現在、NXPのコネクテッド・エコシステム&アプリケーション部門のリーダーを務めています。全NXP製品のMatterのサポートから、電力管理、センシング、その他のインテリジェント・アプリケーションなどの重要テクノロジの実現、さらにインダストリアル分野、IoT分野、オートモーティブ分野のエコシステムまで、幅広く担当しています。ソフトウェア業界と半導体業界における製品管理、マーケティング、エンジニアリングで25年以上の経験を持ち、ワイヤレスIoT、セキュリティ、電力&エネルギー管理など、さまざまな分野に取り組んできました。また、NXPではリーダーとしてWi-Fi Alliance、Thread Group、Bluetooth SIGなど多様な標準化活動に携わり、CSAの理事も務めています。電気工学と経営学の分野で学部課程と大学院の学位を持っています。
Anibal Castilloは、セキュア・ソリューション、ワイヤレスMCU、スマート・インフラストラクチャ・テクノロジに関する豊富な経験を持つ製品マーケティング・リーダーです。現在はNXP Semiconductorsで製品マーケティング・マネージャを務め、ビルディング&エネルギー分野の戦略を推進し、お客様が持続可能で安全かつ高品質なソリューションを提供できるようサポートしています。NXPに入社する前は、STMicroelectronics社でSTM32ワイヤレスMCUポートフォリオの製品マーケティングを統括し、Thales社、Gemalto社、Trusted Logic社では製品管理、セキュア・ドキュメント、戦略的マーケティングなど、複数のリーダーシップ職を歴任しました。エレクトロニクス・エンジニアとしてトレーニングを積んだAnibalは、企業が将来のグローバルな課題に対応するソリューションを構築するのを支援することに情熱を注いでいます。
タグ: ビル&ホームオートメーション, インダストリアル