構成の複雑さを排除して生産性を向上することを目的に開発された、緊密に統合されたスイートを活用しましょう。
新しい組込みアプリケーションの導入を始める際の基本的なステップは同じです。つまり、ピンの割り当ての定義、安定したクロック構成の確立、ペリフェラル・ドライバの設定、適切なセキュリティ境界の決定です。
MCUXpresso Config Toolsでは、構成の必須要素が1つの一貫性のある環境に統合されるため、信頼性を確保しながら開発期間を短縮することができます。さらにこのスイートは、汎用、クロスオーバー、ワイヤレスのマイクロコントローラ・ユニット (MCU) およびマイクロプロセッシング・ユニット (MPU) をサポートし、 MCUXpresso for Visual Studio (VS) Codeのプロジェクトからもアクセスできます。デスクトップ・アプリまたはWebアプリとして使用できます。
このスイートに含まれるツール:
- Pins Tool:高精度のピン多重化、推測に頼る必要性を排除
- Clocks Tool:クロック・アーキテクチャを制御
- Peripherals Tool:SDKドライバの設定を簡単に
- 専用ペリフェラル:PLUおよびSCTimer
- Trusted Execution Environment Tool:セキュリティ構成を視覚化
- Device Configuration Tool:GUIを使用してハードウェアを初期化
Pins Tool:高精度のピン多重化、推測に頼る必要性を排除
ピンの多重化はプロジェクトの初期段階における大きな課題であり、大型パッケージや複数の機能代替品を備えたデバイスでは特に問題となります。開発者はPins Toolを使用することでデバイスのすべてのピン機能を把握できるほか、競合を即座に検出する機能や、エラーを強調表示する機能を利用できます。さらに、完全なANSI C初期化コードとレジスタ値を即座に生成できます。
Pins Toolの機能:
- パッケージ・レベルでのグラフィック表示と、すべてのピンおよび信号の一覧表示(並べ替え可能)
- 自動競合検証、クロスビュー強調表示、ピン/信号のルーティング
- 電気特性の制御(方向、プルアップ/ダウン、駆動強度、またはスルー・レート)
- 代替構成向けの機能グループ
- デフォルト・ルーティングの生成と拡張ヘッダのマッピング
ピンの多重化と信号ルーティングが表示されているPins Toolインターフェース。
Clocks Tool:クロック・アーキテクチャを制御
クロック設定はシステムの挙動に影響する基本設定ですが、多くの場合は複雑な作業になります。Clocks Toolはそれに応えるもので、クロック・ツリー全体がインタラクティブに表示され、そのような複雑さを理解し管理するために役立ちます。
Clocks Toolの機能:
- 詳細なダイアグラム、テーブル、クロック・コンシューマーを表示
- 設定変更時にリアルタイムで周波数を再計算
- ターゲット周波数をロックするツール、有効値に近い値の検索ツール、制約の自動解決ツール
- ソフトウェア開発キット (SDK) に対応する初期化コードとレジスタ値の自動生成
クロック・アーキテクチャの構成と検証を実施できるClocks Toolの画面。
Peripherals Tool:SDKドライバの設定を簡単に
ピンとクロックを設定した後の主なステップは、ペリフェラル・ドライバの設定です。Peripherals Toolは、ガイドに従って構築的に手順を進められるため推測に頼る必要性がなくなり、MCUXpresso SDKとの整合性も確保されます。
開発に役立つ機能:
- ユニバーサル非同期レシーバ・トランスミッタ (UART)、シリアル・ペリフェラル・インターフェース (SPI)、ADコンバータ (ADC)、パルス幅変調 (PWM)、USBなど、幅広いペリフェラルをサポート
- 複数インスタンスの管理とカスタマイズ可能な機能グループ
- グローバル/コンポーネント単位のプリセットとコンポーネントの自動移行
- スニペットとユースケース・テンプレートがあらかじめ用意されているサポート対象ペリフェラル
- クイック修正のサジェスト機能を備えたエラー解決機能を搭載
複数のツールを連携させた修正 – Peripherals toolからクロックを有効化
専用ペリフェラル – PLUおよびSCTimer
NXPのMCUの中には、標準的な通信ペリフェラルや制御ペリフェラルだけでなく、外部ロジックを大幅に削減したり、高度なタイミング・パターンを可能にしたりする先進的なハードウェア・ブロックを搭載したものもあります。MCUXpresso Config Toolsは、こうした機能を集中的にサポートしています。
プログラマブル・ロジック・ユニット (PLU)
PLUは、MCU内部の構成性の高い小型の独立論理ブロックです。グルー・ロジック、組み合わせ機能、低遅延の信号処理を、外部コンポーネントの追加やプロセッシング・パワーの消費なしに実装するために役立ちます。
PLUツールが可能にする設計向け機能:
- 直接ルックアップ・テーブル (LUT) の構成
- 回路図形式のロジック・ゲート・モデル
- 合成と信号マッピングに対応するVerilogベースのワークフロー
カスタムLUTを使用したPLUの構成
状態設定可能タイマ (SCTimer)
SCTimerは、複雑なPWMパターンやマルチステージのイベント駆動型シーケンスなど、高度なタイミング・タスクや制御タスクに対応します。
SCTimerの構成をサポートするためのPeripherals Toolの機能:
- イベント、状態、マッチの構成を明確に把握可能
- 波形生成、モータ制御、高精度タイミングのサポート
- SDKドライバの統合により初期化の一貫性を確保
SCTimerの構成
Trusted Execution Environment (TEE) Tool:セキュリティ構成を視覚化
セキュリティ要件は組込みアプリケーション全般で増え続けており、特にコネクテッド・デバイスや安全性が極めて重視されるデバイスでその傾向が顕著です。TEE Toolは複雑なシステム構成を視覚化することで、選択した設計内容を検証しやすくし、レジスタ設定を見ただけでは気付きにくいミスを避けるために役立ちます。
TEE Toolでサポートされる機能:
- 詳細なサブビューを使用したセキュリティ・アクセス構成:セキュリティ・アトリビューション・ユニット (SAU)、メモリ・プロテクション・ユニット (MPU)、メモリ・プロテクション・チェッカ (MPC)、割り込み、ピン、トリガー、ドメインなど
- ビジュアルメモリ・アトリビューション・マップとアクセス概要、構成エラーのライブ・ハイライト機能付き
- 拡張リソース・ドメイン・コントローラ、第2世代 (XRDC2)、ペリフェラル・アクセス・コントローラ (PAC)、メモリ領域コントローラ (MRC)、メモリ・セキュリティ・コントローラ (MSC) に対応するドメインベース・テンプレート
TEE Toolに表示されているセキュリティ構成とメモリ・アクセス構成。
実際の開発ワークフローに対応
Config Toolsスイートは、MCUXpresso for VS Code、IAR、Keil、GCCをシームレスに統合します。さらに機能グループを使用すると、複数の構成を維持することができます。一方で、ピン、クロック、ペリフェラル、TEEに対してライブ・エラー検出を同時に実行でき、システム全体の正確性を確保します。
メモリのテストとConfig Tools for i.MX
開発時の価値をさらに高めるのが、VS Code専用の拡張機能であるSerial Memory Toolです。これにより、リアルタイムのハードウェア検証とワンクリックで実行できるフラッシュ構成ブロック (FCB) 生成を使用して、柔軟なシリアル・ペリフェラル・インターフェース (FlexSPI) シリアル・メモリの構成と検証を実行し、ワークフローを拡張できます。
VS Code用シリアル・メモリ・ツールのインターフェースに表示されているFlex SPIメモリ構成。
さらに、この構成ツール・スイートはConfig Tools for i.MXという名前でi.MXのバリエーションでも使用できます。これにはDDR ToolとSystem Manager Configuration toolが含まれます。
DDR Tool - データ・アイ・グラフ
このようなツールは少ない労力で堅牢な設計を実現するために役立ち、DDRの最適化、システム・レベル・リソースの管理、外部メモリの統合などの目的に使用できます。
MCUXpresso Config Toolsを使用して、開発をスピードアップ
MCUの構成は手作業だと数日はかかりますが、MCUXpresso Config Toolsスイートでは、ガイドに従いながら検証済みのコード対応ワークフローを進められるため、わずか数分間で済ませることができます。高性能アプリケーションでも、低消費電力アプリケーションでも、セキュア・アプリケーションでも、短期間で着実に製品化を進めるために必要な明快さと精度を、MCUXpresso Config Toolsは備えています。