8ビット・マイクロコントローラから32ビット・マイクロコントローラへのアップグレードを検討中でしょうか?ここでは、移行すべき5つの理由に加えて、優れた性能、豊富なペリフェラル、堅牢なツールを備えたNXP MCX Cシリーズによっていかにその移行が容易になるかをご紹介します。手頃な価格のスケーラブルなソリューションで、将来を見据えた設計を実現できます。
もう何十年にもわたって、シンプルな組込みシステムには8ビット・マイクロコントローラ・ユニット (MCU) が使用されてきました。時代が変わり、アプリケーションがより複雑でコネクテッドなものになり、8ビット・マイクロコントローラではもはや対応できない要求も見られるようになりました。そのため、より優れた性能、スケーラビリティ、機能を備えた32ビット・マイクロコントローラに移行する開発者が増えています。今では、32ビットは8ビットと同価格帯、あるいはより低価格で入手できるようになっています。開発者にとっては、いかなる変化にも課題がつきものです。そこで、今切り替えるべき5つの理由と、NXP MCXシリーズによって開発者はどのように自信を持って移行を進めることができるのかについて以下に説明します。
より優れた性能で最新のアプリケーションに対応
8ビットMCUは基本的なタスクをこなすには十分ですが、リアルタイムの処理やマルチタスク処理、高度な制御アルゴリズムには対応しきれません。対照的に、32ビットMCUは、より高いクロック速度、より幅広いデータ・パス、より効率的な命令セットにより、大幅に優れた性能を発揮します。
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豊富なペリフェラルを統合
高度な機能には外部コンポーネントが必要となることが多い8ビットMCUとは異なり、MCX Cシリーズは幅広いペリフェラルを1つのチップ上に統合しています。これには次のものが含まれます。
- 高分解能アナログおよびデジタル・インターフェース
- 複数の通信プロトコル
- シンプルなモータ制御アプリケーションやLEDドライバ向けのセグメント液晶ディスプレイ (SLCD) およびパルス幅変調 (PWM)
この統合により、高度なアプリケーションに対応すると同時に、ボードの小型化、設計の簡素化、システム全体のコスト削減のすべてを実現します。
MCX Cシリーズは、開発者のために、開発、統合、実装を迅速化し、市場投入までの時間を短縮します。
8ビットMCUに匹敵する低価格
32ビットMCUにまつわる神話の1つとして、価格がより高額だと信じられています。実際のところ、価格差は大幅に縮まっています。開発者は、同等あるいはそれ以下のコストで、部品表 (BOM) を増加させることなく、32ビットMCUの大幅に優れた性能と機能を手に入れることができます。この事実から、MCX Cシリーズは8ビット・アプリケーションからのコスト効率の高いアップグレード・パスといえます。
優れた開発ツールとエコシステム
8ビットから32ビットへの移行はひるむほど難しそうに思われるかもしれません。しかし、NXPは以下のような堅牢なエコシステムを提供することで、移行を容易にしています。
- MCUXpresso for Visual Studio Code。これは、関連するSDKに直接統合されている軽量でカスタマイズ可能な環境であり、開発者はサンプル・プロジェクトをインポートしたり、SDKコンポーネントを管理したり、簡単にデバッグしたりすることができます
- ZephyrのRTOSサポート。これにより、開発者は、複数のハードウェア・プラットフォームにわたって実行される移植可能で拡張性が高いコードを作成できます。他のNXP MCXデバイスも含め、Zephyrはペリフェラルへのアクセスを容易化し、開発を加速します
- 包括的なSDK。これには、ビルド済みドライバ、ミドルウェア、サンプル・プロジェクトが含まれています。
- 32ビットへの移行を容易化するというNXPの取り組みの一環として、FRDM MCX C開発プラットフォーム(FRDM-MCXC041、FRDM-MCXC242、FRDM-MCXC444)は、開発者のためのパワフルで低コストのエントリ・ポイントを提供します。これらのボードは、MCX Cマイクロコントローラの性能とペリフェラルの豊富さを際立たせることを目的に設計されており、実世界のアプリケーションを評価するのに最適です
- コミュニティとサポート 。これは、フォーラム、ドキュメント、トレーニング・リソースへのアクセスを提供し、ソリューションを迅速に見つけたり、スキルを強化したり、最新の開発に関する情報を入手したりするのに役立ちます
このエコシステムは、8ビット・プラットフォームからの移行に際して、開発者がすばやく対応できるよう後押しし、習熟にかかる時間を短縮します。
将来を見据えた設計へ
現在ではIoT、AI、およびコネクティビティが組込みシステムにおける標準となっており、8ビットMCUではそれらに対応することが困難です。しかし、32ビットに移行することで、設計をスケーラブルで将来の需要に対応可能なものにすることができます。
MCX CはMCXマイクロコントローラ・ポートフォリオのシリーズの一部であり、このMCUポートフォリオのその他のシリーズと同様に、長期の使用を念頭に置いて構築され、スケーラブルな性能、高度なセキュリティ機能、超低消費電力での動作を備えています。これらのデバイスは、スマートホーム機器から産業オートメーションまで多岐にわたるアプリケーションに最適です。
32ビット・マイクロコントローラで新たな可能性を解き放つ
8ビットから32ビット・マイクロコントローラへのアップグレードは、もはや単に性能に関してのみならず、コストや複雑さを増大させずに新たな可能性を解き放つことを意味します。MCX MCUにより、NXPはシームレスな移行を実現するパワフルで手頃な価格の開発者視点のプラットフォームを提供します。
次世代の製品を開発している場合であっても、既存の設計を最新化している場合であっても、今こそ32ビットMCUの可能性を探るのに最適なタイミングです。