TEA2376DB1602デモ・ボードのスタート・ガイド

最終更新日時: Mar 27, 2024サポート TEA2376DB1602

このドキュメントの内容

  • 1

    パッケージの内容
  • 2

    ハードウェアの入手
  • 3

    ソフトウェアの入手
  • 4

    ハードウェアの構成

1. パッケージの内容

NXPのアナログ製品開発ボードは、NXP製品の評価を目的とした使いやすいプラットフォームです。さまざまなアナログ・ソリューション、ミックスド・シグナル・ソリューション、パワー・ソリューションに対応しています。実績のある大容量テクノロジを使用したモノリシック集積回路およびシステム・イン・パッケージ (SiP) デバイスを搭載しています。NXP製品は、最先端システムへの電源供給において、より長いバッテリー寿命、より小さいフォーム・ファクタ、より少ない部品数、より低いコスト、より優れたパフォーマンスを実現します。

このページでは、TEA2376DB1602 300 WインターリーブPFCデモ・ボードをセットアップして使用する手順について説明します。

1.1 キットの内容と同梱物一覧

TEA2376DB1602キットには以下のものが含まれています。

  1. TEA2376DB1602 300 WインターリーブPFCデモ・ボード
TEA2376DB1602 Perspective

1.2 追加ハードウェア

このキットの作業をする際は、キットの内容物のほかに以下のハードウェアが必要になるか、または使用すると役立ちます。

RDK01DB1563 USB-I²Cプログラミング・インターフェース

1.3 必要な機器

  • AC主電源
  • 電源品質アナライザ(省略可)
  • 電子負荷(500 V、1 A)
  • オシロスコープ(動作観察用)
  • USBポート搭載Windows PC(ソフトウェアとインターフェースを使用してパラメータを変更します)
  • USB-I²Cプログラミング・インターフェース(RDK01DB1563キット、省略可)

1.4 Windows PC

  • Windowsオペレーティング・システムを搭載したPC
  • Ringo TEA2376ソフトウェア

2. ハードウェアの入手

2.1 ボードの説明

TEA2376DB1602v2デモ・ボードは、90 V (RMS)~264 V (RMS)(ユニバーサル電源)の電源入力電圧で動作します。

TEA2376DB1602v2デモ・ボードには、2つのサブ回路が組み込まれています。

  1. アクティブ・ブリッジ整流器
  2. インターリーブPFCコンバータ

このデモ・ボードの目的は、標準的な設計における各種動作モードをはじめ、単一出力電源でのTEA2376DTとTEA2209Tの動作を実証および評価することです。最新の低負荷およびスタンバイ要件を含む一般的な標準をサポートする性能を備えています。TEA2376およびTEA2209コントローラICを使用した電源開発の起点として活用できます。

アクティブ・ブリッジ整流器付きインターリーブPFCの利点を示すために、TEA2376DB1602V2ボードの設計は、標準的なタイプのMOSFETを使用したヒートシンクなしの片面銅PCB上で行われました。

記号 説明 条件 単位
Vi 入力電圧 AC 90~264 V (RMS)
Fi 入力周波数 - 47~63 Hz
Pi(no load)_mains 無負荷入力電力 230 V/50 Hz時 < 35 mW
Pi(no load)_VCC 無負荷入力電力 VCC = 16 V (DC) 時 < 15 mW
Vo 出力電圧 通常モード 395 V
Vo(min, max) 出力電圧変動 負荷ステップ応答 < 10 %
lo 出力電流 連続 0~0.76 A
lo 出力電流 公称Voでのピーク > 1 A
tstart 起動時間 115 V/60 Hz、lo = 0.76 A 100 ms
PF 力率 lo = 0.76 A 0.99 -
η 効率 115 V/60 Hz lo = 0.76 A > 96 %
η 効率 230 V/50 Hz lo = 0.76 A > 98 %

2.2 TEA2376 RingoソフトウェアとUSB-I²Cインターフェース

TEA2376DB1602v2ボードでは、TEA2376DT (SO14) バージョンが使用されています。このバージョンには、パラメータの変更に使用できるI²C通信用の2本の専用ピンが備えられ、製品開発に役立ちます。電源の動作中に、設定の変更や動作ステータス情報の監視が可能です。

電源開発時には、USB-I²Cインターフェースを搭載したWindows OS PC上でRingoソフトウェアを使用してICと通信を行うことができます(RDK01DB1563キットの一部としてTEA2016DB1514を利用可能)。GUIを備えたTEA2376 Ringoソフトウェアが正しいプロトコルを提供し、ICの設定変更やステータス情報の読み取りのためのいくつかのオプションとツールも利用できます。

TEA2376DB1602 Setup

2.3 インターフェース・ボード

TEA2016DB1514インターフェース・ボードは、TEA2376コントローラのパラメータをコンピュータから設定するための開発ツールです。付属のRingo TEA2376開発ソフトウェアは、コンピュータにインストールできるグラフィカル・ユーザー・インターフェース (GUI) を備えています。

このインターフェースとソフトウェアは、電源開発の際にラボ環境でのエンジニアリング作業に使用することを想定して設計されています。民生用途やインダストリアル用途には適していません。

TEA2376DB1602 Interface TEA2376DB1602 Presentation

3.ソフトウェアの入手

3.1 ソフトウェアのインストール

Ringo TEA2376ソフトウェアを含むzipファイルをコンピュータ上のフォルダにダウンロードし、ファイルを解凍します。

Ringoソフトウェアを動作させるには、USB-I²Cプログラミング・インターフェース用のFT232Hドライバをインストールする必要があります。このインストールは、USB経由で初めてインターフェースを接続すると自動的に行われます。ドライバが自動的にインストールされない場合は、付属のドライバを使用して手動でインストールできます。

重要:FT232Hドライバがインストールされていない場合、Ringoソフトウェアは機能しません。

Ringoプログラムのインストール操作は必要ありません。Ringo.exeをダブルクリックすると起動できます。Ringoソフトウェアから使用できるよう、その他のファイルやフォルダは同じディレクトリに置いておきます。

4. ハードウェアの構成

4.1 電源のセットアップ

TEA2376DB1602デモ・ボードには、動作中にI²C経由で通信できるTEA2376DT ICサンプルが含まれています。これは3ピン接続でインターフェースに接続されます。

TEA2376DB1602 Setup

ケーブル付きI²C-USBインターフェース(RDK01DB1563キット)は、MTPに設定が格納されている最近のいくつかのNXP電力変換コントローラICに使用できます。

サポート

Ringoソフトウェア

Q:Ringo.exeが起動しません。

  • A1:Ringoソフトウェアを動作させるには、USB-I²Cインターフェース・ドライバ (FT232) をコンピュータにインストールする必要があります
  • A2:互換性のある32ビット・バージョンまたは64ビット・バージョンを使用していることを確認してください
  • A3:Ringoは、Windowsオペレーティング・システム用に開発されています。それ以外のオペレーティング・システムでも、Windowsエミュレータを介して実行できます

Q:インターフェースを接続しない状態でRingoを操作できますか?

  • A1:USB-I²Cインターフェース・ドライバ (FT232) がインストール済みであれば可能です
  • A2:まず、USB-I²Cインターフェース・ドライバ (FT232) をコンピュータにインストールして、Ringoソフトウェアが動作できるようにする必要があります。このドライバをインストールするために、インターフェースを(1回)接続する必要があります。

Q:USB-I²Cインターフェースを接続しても動作しません。

  • A1:FT323モジュールを動作させるにはドライバが必要です。ほとんどの場合、ドライバは自動的にインストールされますが(プラグ・アンド・プレイ)、手動でのインストールが必要になることがあります。NXPのWebサイトで「USBドライバを手動でインストールする」ビデオをご覧ください。ドライバの最新のアップデートについては、FTDIのWebサイトでご確認ください
  • A2:ドライバをインストールしても動作しない場合は、ドライバを完全に削除し([delete the driver software for this device(このデバイスのドライバ・ソフトウェアを削除する)] )、FTDIチップのWebサイトにアクセスしてドライバの最新バージョンの詳細情報を確認します。

USB - I²Cインターフェース

Q:ICと通信できません。

  • A1:インターフェースのスイッチが正しい位置(3ピンまたは6ピン)にあるかどうかを確認します。
  • A2:正しいケーブルが接続されているか確認します(プログラミング・ボードの使用中であれば両方を確認します)
  • A3:信号の乱れによって通信が途切れていないか確認します

Q:ボードの改造や修理を行いたいのですが、回路図はありますか?

  • A1:回路図はユーザー・マニュアルUM11235に含まれています。このドキュメントはRingoソフトウェアの[Help(ヘルプ)]タブでも参照できます

Q:ボード上のLEDにはどのような機能がありますか?

  • A1:RingoソフトウェアはLEDを使用して、I²C接続が正常であることを示します。Ringoのバージョンによって表示が異なります。一般的に、ゆっくりと点滅している場合はICと通信していない状態です。速く点滅している場合は、ICとの正常な通信が行われています

Q:RDK01DB1563キットを購入する必要がありますか?または自分でインターフェースを構築することもできますか?

  • A1:RDK01DB1563はガルバニック絶縁による接続が容易で、他のNXP製品にも使用できます。Ringoソフトウェアの動作は、UM232Hモジュールのドライバに基づいています。FTDIから別途UM232Hモジュールを入手して使用することも可能です。その場合、TEA2016DB1514v2ボードで使用する場合と同等の方法で適用してください(UM11235に回路図があります)