MIMXRT1060-EVKのスタート・ガイド

最終更新日時: 2019-03-21 10:21:00サポート i.MX RT1060評価キット

1. 接続

MIMXRT1060-EVK/EVKBの動作テストをしてみましょう。ショート・ビデオで手順を視聴するか、以下に記載された詳細な手順を参考にして、作業を進めてください。下の図はMIMXRT1060-EVKの画像を示していますが、手順はMIMXRT1060-EVKBの場合も同じです。

1.1 ブート・モードの設定

デバイスには4つのブート・モードがあります(1つはNXP用に予約済みです)。ブート・モードは、内部BOOT_MODEレジスタに格納されているバイナリ値に基づいて選択されます。MIMXRT1060-EVK/EVKB/MIMXRT1064-EVKボードのブート・モードの選択にはスイッチSW7が使用されます。

QSPIフラッシュからブートするには、SW70010に設定されていることを確認してください。

GS-MIMXRT1060-EVK-STEP1-1

1.2 USBケーブルを接続する

iMX-RT1060-USB

1.3 クイック・スタート・デモを実行する

MIMXRT1060-EVKには、オンボードLEDを使用する「LEDの点滅」デモが搭載されています。ボードの電源がオンになると、緑色のLEDが断続的に点滅します。

iMX-RT1060-LED

2. ソフトウェアの入手

MIMXRT1060-EVK/EVKB用ソフトウェアのインストール。

2.1 MCUXpresso SDKですぐに設計を開始する

MCUXpresso SDKは無償で利用することができ、オープンソースのライセンスに基づいて、すべてのハードウェア抽象化およびペリフェラル・ドライバ・ソフトウェアのソース・コード全体が提供されます。オンラインのSDK Builderにアクセスし、提供されているSDKビルダを使用してMIMXRT1060-EVK/EVKB用のカスタムSDKパッケージを作成することもできます。

下のボタンをクリックして、MIMXRT1060-EVK/EVKB用に事前設定済みのSDKリリースをダウンロードしてください。SDKについて詳しく知る

MCUXPRESSO-SDK-TN MCUXpresso SDKを入手する

2.2 ツールチェーンをインストールする

NXPは、MCUXpresso IDEというツールチェーンを無償で提供しています。

MCUXpresso IDE

MCUXpresso IDEを入手する

別のツールチェーンを使用したい場合問題ありません。MCUXpresso SDKは、IARKeilコマンドラインGCCなどの他のツールをサポートしています。

GS Tool Logos

2.3 PCを設定する

サンプル・アプリケーションの多くは、マイクロコントローラのUARTを介してデータを出力するため、ボードの仮想COMポート用のドライバがインストールされているか必ず確認してください。ドライバのインストーラを実行する前に、ボードをPCに接続しておく必要があります。

ドライバをダウンロード

シリアル・ポート・ドライバをインストールした状態で、お好きなターミナル・アプリケーションを実行し、マイクロコントローラのUARTからのシリアル出力を確認します。ターミナルをボーレート115200、8データ・ビット、パリティなし、1ストップ・ビットに設定します。MIMXRT1060-EVK/EVKBの仮想COMポートのポート番号を確認するには、デバイス・マネージャを開き、[Ports(ポート)]の下にあるグループを探します。

FRDM-K64F-GS-configuration

ターミナル・アプリケーションの使用方法がわからない場合は、次のいずれかのチュートリアルをお試しください。

3. ビルドと実行

3.1 MIMXRT1060-EVKでのSDKデモのビルドと実行

3.2 MCUXpresso SDKサンプル・コードを確認する

MCUXpresso SDKには、サンプル・アプリケーション・コードが豊富に用意されています。利用可能なコードを確認するには、SDKをインストールしたフォルダの「SDK boards」フォルダを参照し、ボードMIMXRT1060-EVK

/boards/evkmimxrt1060

またはMIMXRT1060-EVKBを選択します。

/boards/MIMXRT1060EVKB.

特定のサンプル・コードの詳細については、サンプルのディレクトリにあるreadme.txtファイルを開いてください。

3.3 ビルド、実行、デバッグ

興味のあるデモ・アプリケーションやドライバのサンプルがいくつかあれば、それをビルドおよびデバッグする方法を知りたくなることでしょう。MCUXpresso SDKのスタート・ガイドでは、SDKでサポートされているすべてのツールチェーンのデモを設定、ビルド、およびデバッグする方法について、わかりやすく手順に沿って解説しています。

以下のガイドを参照し、MCUXpresso IDEでサンプル・アプリケーションを開いてビルドやデバッグを行う方法を習得してください。

MCUXpresso IDEを使用してデモを実行する

MCUXpresso SDKのインポート

  1. MCUXpresso IDEを開きます
  2. コンピュータでワークスペースのディレクトリを選択します。GS-FRDM-K64F-MCUXPRESSO-DIRECTORY
  3. MCUXpresso IDEウィンドウ内のビューを[Installed SDKs(インストール済みSDK)]に切り替えます。GS-FRDM-K64F-MCUXPRESSO
  4. Windowsエクスプローラを開き、EVK-MIMXRT1060 SDKのzipファイルを[Installed SDKs(インストール済みSDK)]ビューにドラッグ・アンド・ドロップします。
  5. 次のプロンプトが表示されます。[OK]をクリックしてインポートを続行します。GS-FRDM-K64F-MCUXPRESSO-2
  6. インストールされたSDKは、以下に示すように[Installed SDKs(インストール済みSDK)]ビューに表示されます。GS-FRDM-K64F-MCUXPRESSO-3

サンプル・アプリケーションのビルド

  1. 左下隅にある「Quickstart Panel(クイックスタート・パネル)」を確認します

    GS-FRDM-K64F-MCUXPRESSO-4
  2. その中の[Import SDK example(s)...(SDKサンプルのインポート)]をクリックします。

    GS-FRDM-K64F-MCUXPRESSO-5
  3. サンプルをインポートして実行させるボードとして「evkmimxrt1060ボード」をクリックして選択し、[Next(次へ)]をクリックします。

    GS-FRDM-K64F-MCUXPRESSO-6
  4. 矢印ボタンを使用して[demo_apps]カテゴリを展開し、hello_worldの横にあるチェックボックスをクリックしてそのプロジェクトを選択します。[SDK Debug Console(SDKデバッグ・コンソール)]として[UART]が選択されていることを確認してください。次に、[Finish(完了)]をクリックします。

    GS-FRDM-K64F-MCUXPRESSO-7
  5. ここで、プロジェクト名をクリックし、[Build(ビルド)]アイコンをクリックして、プロジェクトをビルドします。

    GS-FRDM-K64F-MCUXPRESSO-9
  6. ビルドの進捗状況は[Console(コンソール)]タブで確認できます。

    GS-FRDM-K64F-MCUXPRESSO-10

サンプル・アプリケーションの実行

  1. プロジェクトがコンパイルされたので、ボードにフラッシュしてプロジェクトを実行できます。
  2. MIMXRT1060-EVKのOpenSDAデバッグ・コネクタにUSBケーブルが接続されていることを確認し、「Quickstart Panel(クイックスタート・パネル)」の[Debug(デバッグ)]をクリックします。GS-FRDM-K64F-MCUXPRESSO-11
  3. MCUXpresso IDEは接続されたボードを検出します。MIMXRT1060-EVKに統合されたOpenSDA回路の一部であるCMSIS-DAPデバッグ・プローブが検出される必要があります。[OK]をクリックして続行します。

    GS-FRDM-K64F-MCUXPRESSO-12
  4. ファームウェアがボードにダウンロードされ、デバッガが起動します。

    GS-FRDM-K64F-MCUXPRESSO-13
  5. ターミナル・プログラムを開き、ボードが列挙したCOMポートに接続します。ボーレート115200、8データ・ビット、パリティなし、1ストップ・ビットを使用します。

  6. [Resume(再開)]ボタンをクリックすると、アプリケーションが開始されます。

    GS-FRDM-K64F-MCUXPRESSO-14
  7. hello_worldアプリケーションが実行され、ターミナルにバナーが表示されます。表示されない場合は、ターミナルの設定と接続を確認してください。

    GS-FRDM-K64F-IAR-IMG9
  8. 命令の一時停止、ステップ・イン、ステップ・オーバーを行うにはメニュー・バーのコントロールを使用します。デバッグ・セッションを停止するには、[Terminate(終了)]アイコンをクリックします。

    GS-FRDM-K64F-MCUXPRESSO-15

別のツールチェーンを使用する場合:

ブート・オプション

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Tera Termチュートリアル

Tera Termチュートリアル

Tera Termは、広く利用されているオープン・ソースのターミナル・エミュレーション・アプリケーションです。このプログラムを使用して、NXP開発プラットフォームの仮想シリアル・ポートから送信された情報を表示できます。

  1. SourceForgeからTera Termをダウンロードします。ダウンロードしたら、インストーラを実行し、このウェブページに戻って手順を続行します。
  2. ダウンロード
  3. Tera Termを起動します。初めて起動する際には、次のダイアログが表示されます。シリアル・オプションを選択します。ボードが接続されている場合は、COMポートが自動的にリスト内に表示されます。
  4. Tera-Term-Connection
  5. 事前に確認したCOMポート番号を使用して、シリアル・ポートをボーレート115200、8データ・ビット、パリティなし、1ストップ・ビットに設定します。この設定は[Setup(セットアップ)]>[Serial Port(シリアル・ポート)]から行うことができます。
  6. 接続が確立されているか検証します。確立されている場合、Tera Termのタイトル・バーに次のように表示されます。
  7. Tera-Term-Console
  8. 以上で設定は完了です

PuTTYチュートリアル

PuTTYチュートリアル

PuTTYは、広く利用されているターミナル・エミュレーション・アプリケーションです。このプログラムを使用して、NXP開発プラットフォームの仮想シリアル・ポートから送信された情報を表示できます。

  1. 下のボタンをクリックしてPuTTYをダウンロードします。ダウンロードしたら、インストーラを実行し、このウェブページに戻って手順を続行します。
  2. ダウンロード
  3. 選択したダウンロードのタイプに応じて、ダウンロードした*.exeファイルをダブルクリックするか、[Start(スタート)]メニューから選択して、PuTTYを起動します。
  4. 表示されたウィンドウで設定を行い、[Serial(シリアル)]ラジオ・ボタンを選択して、事前に確認したCOMポート番号を入力します。ボーレートもあわせて指定します。今回は「115200」を入力します。
  5. PUTTY-Configuration
  6. [Open(開く)]をクリックして、シリアル接続を確立します。ボードが接続されていて、正しいCOMポートが入力されていれば、ターミナル・ウィンドウが開きます。設定が正しくない場合は、アラートが表示されます。
  7. 以上で設定は完了です

サポート

設計のヒントやトレーニング・ドキュメント、さらにNXPコミュニティを通じて、RT1060についての知識を深めることができます。不明な点がある場合は、NXPサポートにお問い合わせください。

設計のヒント

i.MX RTクロスオーバーMCU向けハードウェア設計のヒント - 初めてのi.MX RT1060の設計を順調に開始するために役立つヒント。パワー・マネジメント・ユニット、さまざまなブート・モード、設定オプションの使用などを含みます。

トレーニング

  • MCUXpressoソフトウェアおよびツールの概要 - MCUXpresso SDK、IDE、およびConfig Toolsのスタート・ガイド。
  • i.MX RT1060での機械学習 - 開発環境としてMCUXpressoを使用し、i.MX RT1060クロスオーバー・プロセッサにトレーニング済みのニューラル・ネットワーク・モデルを実装して、エンド・ツー・エンドのユース・ケースを実現します。
  • 今日のセキュリティ要件を満たす:クロスオーバー・プロセッサでエンド・ツー・エンドのセキュリティを実現 - IoTのエンド・ノードとエッジ・ノードが満たすべき共通のセキュリティ目標と、エンド・デバイスで信頼の基点を実現するために必要な手順やツールについて説明します。
  • i.MX RTでモータを回転させる - このプレゼンテーションでは、BLDCモータ、PMSMモータ、ACIMモータを回転させるためのMCUの要件、モータ制御の基本およびフレームワーク、i.MX RTでのモータ制御の実装方法をご紹介します。
  • i.MX RTでのグラフィックの作成方法 - i.MX RTでのグラフィックス開発の方法について説明しています。i.MX RTは、GUI向けの高度なマルチメディアを使用した製品設計と、拡張されたヒューマン・マシン・インターフェース (HMI) エクスペリエンスをサポートします。
  • i.MX RTでの音声ソリューション - MCUのAlexa音声ソリューションの機能、アーキテクチャ、コスト、および使いやすさの利点についてご紹介します。このセッションでは、Wi-Fiを使用したオンボードAlexaの実際の使用方法、ならびにコスト効率の高い遠距離実装を使用したAlexaとのやり取りについて紹介します。
  • i.MX RTでの初めてのZephyrアプリケーションのビルド - i.MX RTでZephyrプロジェクトを開始する方法を学びます。Zephyrビルド環境で実践的体験を得て、初めてのZephyrアプリケーションをボードにプログラムします。

コミュニティ

NXPのいずれかのコミュニティ・サイトで、他のエンジニアとつながり、i.MX RTクロスオーバーMCUを使用した設計に関する専門的なアドバイスを受けることができます。