MR-BMS771のスタート・ガイド

最終更新日時: 2025-06-26 15:06:00サポート MR-BMS771

このドキュメントの内容

  • 1

    パッケージの内容
  • 2

    ハードウェアの入手
  • 3

    ハードウェアの構成

1. パッケージの内容

NXPのアナログ製品開発ボードは、NXP製品の評価を目的とした使いやすいプラットフォームです。さまざまなアナログ・ソリューション、ミックスド・シグナル・ソリューション、パワー・ソリューションに対応しています。実績のある大容量テクノロジを使用したモノリシック集積回路およびシステム・イン・パッケージ (SiP) デバイスを搭載しています。NXP製品は、最先端システムへの電源供給において、より長いバッテリー寿命、より小さいフォーム・ファクタ、より少ない部品数、より低いコスト、より優れたパフォーマンスを実現します。

このページでは、MR-BMS771ボードをセットアップして使用する手順について説明します。

1.1 キットの内容

  • 組立て済み/テスト済みのMR-BMS771(静電気防止バッグ入り)
  • コントローラ・エリア・ネットワーク (CAN) バス終端抵抗 (DRONE-CAN-TERM)
  • 8S~14S用の未実装セル・コネクタ(圧着済みワイヤ付き)
  • 日本圧着端子製造 (JST) 製の4ピンGHコネクタを両端に備えた300 mmケーブル (CAN)
  • 電源入力および電源出力コネクタ
  • ケーブル付き外付けサーミスタ
  • 小型のSSD1306有機発光ダイオード (OLED) ディスプレイ
  • クイック・スタート・ガイド
  • 少数セル用セレクタ・インターポーザ・ボード(7セル~14セル)
  • 近距離無線通信 (NFC) アンテナ

1.2 追加ハードウェア

このキットの作業をする際は、キットの内容物のほかに以下のハードウェアが必要になるか、または使用すると役立ちます。

  • 電圧範囲15 V~59 V、電流制限30 A DC(最大30 A DCでテスト済み)のバッテリー・パック(7S~14S、セル・バランシング・コネクタ付き)
  • バッテリーに適した充電器
  • ボード構成用のはんだごて
  • PEmicro Multilink UniversalまたはSEGGER J-Link Miniデバッガ、または他の適切なデバッガ
  • DCD-LZアダプタ(オプション)

1.3 ソフトウェア

このリファレンス・デザインで作業するには、ソフトウェアのインストールが必要です。記載されているすべてのソフトウェアは、MR-BMS771のリファレンス・デザイン情報ページから入手できます。

  • Arm®ベースMCU向けのS32 Design Studio (DS)(推奨)
  • モデルベース設計ツールボックス (MBDT) のサンプル(推奨)
  • NuttX RTOS(リアルタイム・オペレーティング・システム)によるCベースのBMSサンプル・アプリケーション

2. ハードウェアの入手

2.1 ボードの特長

  • 7S~14Sのバッテリーをサポート(スタック電圧は15 V~59 V)
  • バッテリーのスタック電圧とセル電圧を測定、最大30 A DCのバッテリー充電/放電電流をテスト済み
  • セルあたり約66 Ωのバランス抵抗によるパッシブ・セルバランシング・オプション
  • リーク電流の少ないディープ・スリープ・モード(輸送および保管用)と、バッテリー駆動時の低消費電流を実現する自動スリープ・モードを用意
  • CAN、I²C (Inter-Integrated Circuit)、およびNFC通信が可能
  • SWD (Serial Wire Debug) およびJTAG (Joint Test Action Group) デバッグ・インターフェースを実装し、標準のJ-Linkおよびその他のデバッガと連携
  • PX4 DronecodeおよびHoverGamesプラットフォームで使用するDCD-LZ複合デバッグ・コンソール・インターフェースを実装

2.2 ボードの説明

MR-BMS771は、7~14セルのバッテリーをサポートするドローンやローバーなどのモバイル・ロボティクスに適した、スタンドアロンBMSリファレンス・デザインです。

このデバイスは、セルの差動電圧および差動電流に対してアナログ・デジタル変換を実行します。バッテリー充電の正確なクーロン・カウントやバッテリーの温度測定も可能です。また、DroneCAN/CyphalCANやSMBus (System Management Bus) を介してフライト・マネジメント・ユニット (FMU) と通信することもできます。

2.3 ボードのコンポーネント

Figure 1. Featured Component Placement (Top)

Figure 1. Featured component placement (top)

Figure 2. Featured component placement (Bottom)

Figure 2. Featured component placement (bottom)

3. ハードウェアの構成

3.1 電源コネクタ

MR-BMS771ボードはバッテリーのセットアップごとに対応することを想定しているため、電源およびバッテリー・セル端子コネクタはプリント基板 (PCB) に事前に実装されていません。ユーザーがコネクタを使用してボードを構成できます。

リファレンス・デザインの電源コネクタのフットプリントは、DFRobot FIT0588コネクタに対応しています。これらのフットプリントは、一般的な絶縁型ヘビーゲージ電源ワイヤのはんだ付けにも対応しています。TE Connectivityから、特にプロフェッショナルな高電力モバイル・システム向けにラインUMP (Unmanned Power) コネクタが提供されています。

3.2 セル端子接続

MR-BMS771ボードは、7S~14Sのバッテリー・パックに適合するよう構成できます。

目的の構成に応じて、ボード上でいくつかの調整を行う必要があります。

  • 適切なセル端子コネクタを上側のジャンパ位置1 (JP1) としてはんだ付けする必要があります(キットには7S~14Sコネクタが用意されています)。
  • 適切な少数セル用セレクタ・インターポーザ・ボードをはんだ付けすることで、セル端子回路への接続が行われます。

3.3 シャント抵抗

シャント抵抗 (R1) は、SJ13およびSJ14ジャンパを開くことにより、過電流保護回路およびバッテリー制御回路 (BCC) から切り離すことができます。ジャンパはどちらもデフォルトでは閉じています。

3.4 外部NFCアンテナ

外部アンテナはデフォルトで選択されています。

オンボードNTAG 5チップは、アクティブ・アンテナのマッチングと増幅を行うよう設計されており、バッテリーが存在して電力を供給しているときに性能を向上させます。ただし、長距離動作の場合は、PCBアンテナを外部NFCアンテナで置き換えることができます。

PCBアンテナを使用するには、次の手順に従ってボードを再構成する必要があります。

  • 0.75 Ω抵抗R93とR94の両方を配置します。
  • キャパシタC72 (56 pF) を82 pFのキャパシタおよびキャパシタC116 (680 pF) で置き換えます

最初のバッチでは、NTAG 5チップは実装されていません。

3.5 オプションのコンポーネント

ヒートシンク

用途に応じて、MR-BMS771ボードにオプションのヒートシンクを追加することができます。ヒートシンクとして使用する推奨部品は、HSB30-373710です。

BMS771とヒートシンクの間には、電気的に絶縁された高品質の熱伝導層(特殊な粘着テープなど)を使用することを推奨します。それにより、熱伝導率が向上します。

3.6 一般的なハードウェア構成

Figure 3. Board components (Top)

Figure 3. Board components (top)

Figure 4. Board components (Bottom)

Figure 4. Board components (bottom)