FRDM-RW612のスタート・ガイド

最終更新日時: 2024-08-28 12:55:00サポート FRDM-RW612 | MCUXpresso | Wi-Fi 6 | トライラジオ

このドキュメントの内容

  • 1

    接続
  • 2

    ソフトウェアの入手
  • 3

    ビルドと実行
  • 4

    作成
  • 5

    MCUXpresso開発者エクスペリエンス

1. 接続

FRDMボードを実際に使ってみましょう。ショート・ビデオで手順を視聴するか、以下に記載された詳細な手順を参考にして、作業を進めてください。

1.1 ボードの概要

FRDM-RW612ボードには、Wi-Fi CLIによる点滅LEDのデモが事前にプログラム済みです。これは、開梱したデバイスが正常に動作することを検証するための動作確認用に使用できます。

FRDMRW612-IMG1

1.2 ボードの接続

USB Type-CケーブルをコネクタJ10からホスト・コンピュータまたは電源に接続して、ボードに電源を供給し、デモ・プログラムを実行します。この時点で、RGB LEDが一定の周期で点滅しているのが確認できるはずです。

FRDMRW612-IMG2

2. ソフトウェアの入手

2.1 ツールチェーンのインストール

NXPは、MCUXpresso IDEというツールチェーンを無償で提供しています。MCUXpresso v11.9.0以上をダウンロードしてください。

ツールチェーンを比較する MCUXpresso IDE

MCUXpresso IDEを入手する

Visual Studio Code

VS Codeを入手する

以下のチュートリアルでは、ホストPCにVS Codeをインストールする方法を説明しています。別のツールチェーンを使用したい場合も、問題ありません。MCUXpresso SDKは、IAR 、Keil 、コマンドラインGCCなどの他のツールをサポートしています。GS Tool Logos

2.2 MCUXpresso SDKですぐに設計を開始する

MCUXpresso SDKは無償で利用することができ、オープンソースのライセンスに基づいて、すべてのハードウェア抽象化およびペリフェラル・ドライバ・ソフトウェアのソース・コード全体が提供されます。MCUXpresso SDKは、MCUXpresso SDKのウェブサイト (mcuxpresso.nxp.com) から直接インストールできます。下のボタンをクリックすると、このボードのSDKビルダが開きます。

MCUXPRESSO-SDK-TN

MCUXpresso SDKを入手する

2.3 MCUXpresso Config Tools

MCUXpresso Config Toolsは、ユーザーがMCUXpresso SDKプロジェクトを新規に作成するための構成ツールの統合スイートであり、カスタム・ボード・サポート用の初期化Cコードを生成するためのピンとクロックのツールも備えています。MCUXpresso IDEの一部として完全に統合されており、別のIDEを使用する場合は独立したツールとしても使用できます。

以下の[MCUXpresso Config Toolsを入手する]をクリックして、Config Toolsインストーラを入手してください。

MCUXpresso Config Tools

MCUXpresso Config Toolsを入手する

2.4 プログラミング・ツールとプロビジョニング・ツール

MCUXpressoセキュア・プロビジョニング (SEC) ツールは、NXPのMCUデバイスでブート可能な実行ファイルを簡単に生成およびプロビジョニングできる、GUIベースのアプリケーションです。いずれのユーザーも、試験運用および量産に向けてMCUXpressoセキュア・プロビジョニング (SEC) ツールから始めることをお勧めします。このツールは、生産段階におけるNXPのマイクロコントローラでのセキュア・プログラミングとデバイス・プロビジョニングをサポートします。

ツールをダウンロードすると、[Help( ヘルプ)]タブの下にユーザー・ガイドが表示されます。「プロセッサ固有のワークフロー」の章に記載されている、ボードに関する指示に従ってください。

SEC

SECのインストール

3. ビルドと実行

興味のあるデモ・アプリケーションやドライバのサンプルがいくつかあれば、それをビルドおよびデバッグする方法を知りたくなることでしょう。MCUXpresso SDKのスタート・ガイドでは、SDKでサポートされているすべてのツールチェーンのデモを設定、ビルド、およびデバッグする方法について、わかりやすく手順に沿って解説しています。

3.1 MCUXpresso IDEを使用したアプリケーションのビルドと書き込み

次の手順では、Cortex-M33アプリケーション向けにMCUXpresso IDEを使用したhello_worldデモ・アプリケーションについて説明します。MCUXpresso IDEのインストール手順およびRWシリーズのSDKについては、このスタート・ガイドの「ソフトウェアの入手」セクションを参照してください。

  1. 左下隅にある「Quickstart Panel(クイックスタート・パネル)」を確認します
  2. FRDMRW612-IMG3

    FRDMRW612-IMG3
  3. その中の[Import SDK example(s)...(SDKサンプルのインポート)]をクリックします
  4. FRDMRW612-IMG4

    FRDMRW612-IMG4
  5. FRDM RWシリーズのボードをクリックして、そのボードで実行できるサンプルを選択し、[Next(次へ)]をクリックします
  6. FRDMRW612-IMG5

    FRDMRW612-IMG5
  7. 矢印ボタンを使用して[demo_apps]カテゴリを展開し、hello_worldの横にあるチェックボックスをクリックしてそのプロジェクトを選択します。出力用にデフォルトのセミホスティングではなくUARTを使用するには、[Project Options(プロジェクト・オプション)]にある[SDK Debug Console(SDKデバッグ・コンソール)]のチェック・ボックスで[UART]を選択します。[Finish(完了)]をクリックします
  8. FRDMRW612-IMG6

    FRDMRW612-IMG6
  9. プロジェクトを選択し、画面上部のショートカットにある[Build(ビルド)]アイコンをクリックするか、「Quickstart Panel(クイックスタート・パネル)」の[Build(ビルド)]をクリックして、プロジェクトをビルドします
  10. FRDMRW612-IMG7

    FRDMRW612-IMG7
  11. プロジェクトは、コンソールにエラーや警告が表示されることなくビルドされる必要があります
  12. FRDMRW612-IMG8

    FRDMRW612-IMG8
  13. micro USBをJ10「MCU-LINK」ポートに挿入し、ボードをコンピュータに接続します
  14. FRDMRW612-IMG9

    FRDMRW612-IMG9
  15. 画面上部の[Debug(デバッグ)]アイコンをクリックするか、「Quickstart Panel(クイックスタート・パネル)」の[Debug(デバッグ)]をクリックして、アプリケーションをボードにダウンロードします
  16. FRDMRW612-IMG10

    FRDMRW612-IMG10
  17. MCU-Link J-Linkデバッグ・プローブを選択します
  18. FRDMRW612-IMG11

    FRDMRW612-IMG11
  19. シリアル・ターミナルを開いて、アプリケーションの出力を確認できるようにします。[Terminal(ターミナル)]ウィンドウを選択し、[New Terminal(新規ターミナル)]アイコンをクリックします
  20. FRDMRW612-IMG12

    FRDMRW612-IMG12
  21. [Serial Terminal(シリアル・ターミナル)]を選択したら、UARTの設定をボーレート115200、データ・サイズ8ビット、パリティなし、1ストップ・ビットに設定します。[OK]をクリックします
  22. FRDMRW612-IMG13

    FRDMRW612-IMG13
  23. [Run(実行)]アイコンをクリックしてアプリケーションを実行します。ターミナルに表示される出力を確認します
  24. FRDMRW612-IMG14

    FRDMRW612-IMG14

3.2 代替ツールチェーンを使用したアプリケーションのビルドと書き込み

MCUXpresso for Visual Studio Code (VS Code) は、コードの編集と開発向けに最適化された組込み開発者エクスペリエンスを提供します。VS Codeでアプリケーションをビルドし、フラッシュに書き込む方法を習得しましょう。

別のツールチェーンを使用する場合:

IARおよびKEILでのデモも提供しています。

4. 作成

4.1 MCUXpresso IDEからのサンプル・プロジェクトのクローン作成

次の手順では、汎用出力の操作方法について説明します。このサンプルでは、PWM信号を生成して2つのLEDを切り替えるためのCTimerを設定します。

  1. 左下隅にある「Quickstart Panel(クイックスタート・パネル)」内の[Import SDK example(s)...(SDKサンプルのインポート)]をクリックします
  2. FRDMRW612-IMG15

    FRDMRW612-IMG15
  3. サンプルをインポートして実行させるボードとして「FRDM-RW612ボード」をクリックして選択し、[Next(次へ)]をクリックします
  4. FRDMRW612-IMG16

    FRDMRW612-IMG16
  5. 矢印ボタンを使用してdriver_examplesカテゴリを展開し、次にctimerサンプルを展開したら、ctimer_match_interrupt_exampleの横にあるチェックボックスをクリックしてサンプルを選択します。出力用にデフォルトのセミホスティングではなくUARTを使用するには、[Project Options(プロジェクト・オプション)]にある[SDK Debug Console(SDKデバッグ・コンソール)]のチェック・ボックスで[UART]を選択します。[Finish(完了)]をクリックします
  6. FRDMRW612-IMG17

    FRDMRW612-IMG17
  7. [Project Explorer(プロジェクト・エクスプローラ)]ビューで「frdmrw612_ctimer_match_interrupt_example」プロジェクトをクリックし、前のセクションに記載されている方法でデモをビルド、コンパイル、および実行します
  8. FRDMRW612-IMG18

    FRDMRW612-IMG18
  9. 緑色と赤色のLEDが交互に点灯するはずです
  10. デバッグ・セッションを終了します

4.2 サード・パーティ製IDE向けMCUXpresso Config Toolsを使用してサンプル・プロジェクトのクローンを作成する

次の手順では、汎用出力の操作方法について説明します。このサンプルでは、PWM信号を生成してLEDの輝度を変更するためのSCTimerを設定します。

  1. MCUXpresso Config Toolsを開きます
  2. 表示されるウィザードで、[Create a new configuration based on an SDK example or hello world project(SDKサンプルまたはhello worldプロジェクトに基づいて構成を新規作成する)]ラジオ・ボタンを選択し、[Next(次へ)]をクリックします
  3. FRDMRW612-IMG19

    FRDMRW612-IMG19
  4. 次の画面で、MCUXpresso SDKの場所を選択します。SDKパッケージは事前に解凍しておく必要があります。次に、使用中のIDEを選択します。SDKのビルド時にオンラインのSDKビルダで選択されたIDEのみが利用可能になることに注意してください。[clone select example(選択したサンプルのクローン)]をクリックします。次に、クローンを作成するプロジェクトを選択します。この例では、gpio led outputプロジェクトを使用します。フィルタのボックスに「ctimer」と入力してプロジェクトを絞り込み、「ctimer_match_interrupt_example」サンプル・プロジェクトを選択します。また、プロジェクトのクローンの作成先と名前を指定することもできます。その後、[Finish(完了)]をクリックします
  5. FRDMRW612-IMG20

    FRDMRW612-IMG20
  6. クローンの作成後、選択したディレクトリに移動し、IDEでプロジェクトを開きます。前のセクションで行ったように、プロジェクトをインポート、コンパイル、および実行します
  7. 赤色と緑色のLEDが交互に点灯するはずです
  8. デバッグ・セッションを終了します

4.3 MCUXpresso IDEのピン・ツールを使用する

  1. ファイル・エクスプローラ・ウィンドウの右上の[ConfigTools(設定ツール)]を選択し、次に[Open Pins(ピンを開く)]を選択することで、ピン・ツールを開きます
  2. FRDMRW612-IMG21

    FRDMRW612-IMG21
  3. これで、ピン・ツールにCTimerプロジェクトのピン構成が表示されます
  4. FRDMRW612-IMG22

    FRDMRW612-IMG22

4.4 ピン・ツールを使用して、LEDがルーティングされたピンを変更する

  1. 以降の手順ではMCUXpresso IDEを使用しますが、サード・パーティ製IDE向けMCUXpresso Config Toolsの場合も同じ手順で実行できます。[Pins(ピン)]ビューの[Show dedicated pins(専用ピンを表示)]および[Show not routed pins(ルーティングされていないピンを表示)]のチェックボックスのチェックを外し、ルーティングされているピンのみを表示させます。ルーティングされたピンには、ピンの名称の横に緑色のボックスが表示されます。ルーティングされた各ピンに選択された機能は、緑色にハイライト表示されます
  2. FRDMRW612-IMG23

    FRDMRW612-IMG23
  3. 現在の設定では、GPIO_12_LED_GREENがCTimerの出力としてルーティングされています。緑色LEDを有効にするためにピン構成を追加しましょう
  4. [Show not routed pins(ルーティングされていないピンを表示)]を選択し、他のすべてのオプションを表示させます。緑色LEDを有効にするには、「GPIO_12」を検索し、GPIO列で「GPIO_12, 0」を選択します
  5. FRDMRW612-IMG24

    FRDMRW612-IMG24
  6. 次に、[Routing Details(ルーティング詳細) ]ウィンドウでGPIOピンを出力として構成します
  7. 次に、ピン・ツールによって生成された、新たに更新されたpin_mux.cファイルとpin_mux.hファイルをエクスポートして、これらの変更をプロジェクトに実装します。メニュー・バーの[Update Project(プロジェクトの更新)]をクリックします
  8. FRDMRW612-IMG25

    FRDMRW612-IMG25
  9. ポップアップ画面に変更するファイルが表示されます。[diff]をクリックすると、現在のファイルとピン・ツールで生成された新しいファイルとの違いを確認できます。[OK]をクリックして、新しいファイルをプロジェクトに上書きします
  10. FRDMRW612-IMG26

    FRDMRW612-IMG26
  11. ポップアップ画面に変更するファイルが表示されます。[diff]をクリックすると、現在のファイルとピン・ツールで生成された新しいファイルとの違いを確認できます。[OK]をクリックして、新しいファイルをプロジェクトに上書きします
  12. FRDMRW612-IMG27

    FRDMRW612-IMG27
  13. サンプルにいくつかのコードを追加してみましょう。simple_match_interrupt.cファイルを開き、3番目のctimer出力に以下のマクロを追加します
  14. FRDMRW612-IMG28

    FRDMRW612-IMG28
  15. 実装される追加のコードは3番目のctimerのコールバックになります。これはctimer_match1_callbackからコピーして、match1の部分をmatch2に変更します。新しいctimerであることを視覚的に確認できるように、図に示しているように以前のctimerのいずれか1つを削除します
  16. FRDMRW612-IMG29

    FRDMRW612-IMG29

    FRDMRW612-IMG30

    FRDMRW612-IMG30
  17. main関数には、CTimerの初期化と設定を含める必要があります
  18. GS-FRDMRW612-IMG32

    GS-FRDMRW612-IMG32
  19. 前のセクションで行ったように、プロジェクトをビルドしてダウンロードします
  20. アプリケーションを実行します。これにより緑色、青色、赤色のLEDが交互に点灯するはずです
  21. デバッグ・セッションを終了します
  22. 5. MCUXpresso開発者エクスペリエンス

    以下の各セクションで、柔軟なプロトタイピングと開発のために提供されているエコシステムについてご覧ください。以下のビデオでは、FRDMプラットフォーム、フル機能のEVK、および拡張機能向けの互換シールドをご紹介しています。さらに、NXPのGitHubを通じて多数のアプリケーション・サンプルを提供するアプリケーション・コード・ハブ・ポータルについて詳しく説明します。

    5.1 FRDMプラットフォーム、フル機能のEVK、シールド

    NXPでは、迅速なプロトタイピングのためのプラットフォーム向けに、低コストのFRDMプラットフォームとフル機能のEVKの両方を提供しています。

    FRDM開発ボードは、標準のフォーム・ファクタとヘッダ、MCU I/Oへの簡単なアクセス、オンボードMCU-Linkデバッガ、USB-Cケーブルを備えています。フル機能の評価キットには、I/Oおよびインターフェースへの拡張アクセス、拡張可能なWi-Fiのほか、追加のMCU-Link機能が含まれます。互換性のあるClickボードやArduinoシールドも多数あります。Open CMSIS Packでサポートされるものについては、ACHでサンプルが提供されている場合がありますが、そうでない場合でも、その多くがI2C、SPI、UARTなどのシリアル・インターフェースを利用して容易に使用でき、MCUXpresso SDKでドライバのサンプルが提供されています。

    5.2 アプリケーション・コード・ハブ

    アプリケーション・コード・ハブは、開発者がソフトウェアをすばやく見つけることができるインタラクティブなダッシュボードを提供することで、NXPのMCUXpressoの開発者エクスペリエンスをさらに向上させます。ACH に今すぐアクセスして、この新しいインタラクティブなアプリケーション・コード・ハブの詳細やその利点について確認しておきましょう。

    アプリケーション・コード・ハブからアクセス可能なソフトウェアはNXPのGitHubリポジトリ に置かれているため、その場所に直接アクセスして簡単にクローンを作成することができます。

    5.3 デモのご紹介

    次のデモでは、モータ制御シールドと低コストLCDを備え、FRDMプラットフォームを基盤とするシステムを使用して、ACHからプロジェクトをインポートする方法を示しています。評価ボードがこのシステムと異なる場合でも、以降の手順はサポート対象のすべてのプラットフォームで同じように実施できます。

    システム設計ガイド

    ターミナル・アプリケーション

    ツールチェーン

    デバッガ・ファームウェア

    ドキュメントとビデオ

    MCUXpresso for VS Codeを使用した開発に不可欠なすべての手順がわかる一連の詳細なビデオを提供しています。

    ツールとリファレンス

    インストール手順の開始から、Zephyr、Cmakeプロジェクト、OpenCMSISパック、デバッグ解析ツールの操作に至るまで役立つ、ステップ・バイ・ステップのリファレンス・ガイド。

    サポート

    フォーラム

    NXPのコミュニティ・サイトで、他のエンジニアとつながり、FRDM-RW612評価ボードを使用した設計に関する専門的なアドバイスを受けることができます。