FRDM-MCXA156のスタート・ガイド

最終更新日時: Jul 24, 2024サポート FRDM-MCXA156 | MCUXpresso開発者エクスペリエンス

このドキュメントの内容

  • 1

    接続
  • 2

    ソフトウェアの入手
  • 3

    ビルドと実行
  • 4

    作成
  • 5

    MCUXpresso開発者エクスペリエンス

1. 接続

FRDMボードを実際に使ってみましょう。ショート・ビデオで手順を視聴するか、以下に記載された詳細な手順を参考にして、作業を進めてください。

1.1 ボードの概要

FRDM-MCXA156ボードには、LEDの点滅デモが事前にプログラム済みです。これは、開梱したデバイスが正常に動作することを検証するための動作確認用に使用できます。

FRDM-MCXA153 Get Familiar with the Board

FRDM-MCXA153 Get Familiar with the Board

1.2 ボードの接続

USB Type-CケーブルをコネクタJ21からホスト・コンピュータまたは電源に接続して、ボードに電源を供給し、デモ・プログラムを実行します。この時点で、RGB LEDが一定の周期で点滅しているのが確認できるはずです。

FRDM-MCXA153 Plug In the Board

2. ソフトウェアの入手

2.1 ツールチェーンをインストールする

NXPは、MCUXpresso IDEというツールチェーンを無償で提供しています。MCUXpresso v11.8.1以上をダウンロードしてください。

ツールチェーンを比較する

MCUXpresso IDE

MCUXpresso IDEを入手する

Visual Studio Code

MCUXpresso for VS Codeを入手する

以下のチュートリアルで、ホストPCにVSコードをインストールする方法を説明しています。

別のツールチェーンを使用する場合:

問題ありません。MCUXpresso SDKは、IARKeilコマンドラインGCCなどの他のツールをサポートしています。

GS Tool Logos

2.2 MCUXpresso SDKですぐに設計を開始する

MCUXpressoソフトウェアSDKは無償で利用することができ、オープンソースのライセンスに基づいて、すべてのハードウェア抽象化およびペリフェラル・ドライバ・ソフトウェアのすべてのソース・コードが提供されます。MCUXpresso SDKは、MCUXpresso SDKのウェブサイト(MCUXpresso SDK Builder)から直接インストールできます。下のボタンをクリックすると、このボードのSDKビルダが開きます。

MCUXPRESSO-SDK-TN

MCUXpresso SDKを入手する

2.3 MCUXpresso Config Tools

MCUXpresso Config Toolsは、ユーザーがMCUXpresso SDKプロジェクトを新規に作成するための構成ツールの統合スイートであり、カスタム・ボード・サポート用の初期化Cコードを生成するためのピンとクロックのツールも備えています。MCUXpresso IDEの一部として完全に統合されており、別のIDEを使用する場合は独立したツールとしても使用できます。

以下の[MCUXpresso Config Toolsを入手する]をクリックして、Config Toolsインストーラを入手してください。

MCUXpresso Config Tools

MCUXpresso Config Toolsを入手する

2.4 プログラミング・ツールとプロビジョニング・ツール

NXPでは、量産試作および量産用にMCUXpressoセキュア・プロビジョニング (SEC) を提供しています。このツールは、生産段階におけるNXPのマイクロコントローラでのセキュア・プログラミングとデバイス・プロビジョニングをサポートします。MCUXpressoセキュア・プロビジョニング (SEC) ツールは、NXPのMCUデバイスでブート可能な実行ファイルを簡単に生成およびプロビジョニングできる、GUIベースのアプリケーションです。

セキュア・プロビジョニングSDK (SPSDK) はオープンソースの開発キットであり、そのソース・コードはGitHubおよびPyPIでリリースされています。このコマンドライン・ツールは、カスタムまたはパートナーのプログラミング・ツールを操作する場合に役立ちます。

SEC

SECのインストール

3. ビルドと実行

興味のあるデモ・アプリケーションやドライバのサンプルがいくつかあれば、それをビルドおよびデバッグする方法を知りたくなることでしょう。MCUXpresso SDKのスタート・ガイドでは、SDKでサポートされているすべてのツールチェーンのデモを設定、ビルド、およびデバッグする方法について、わかりやすく手順に沿って解説しています。

3.1 MCUXpresso IDEを使用したアプリケーションのビルドとフラッシュ

次の手順では、Cortex-M33アプリケーション向けにMCUXpresso IDEを使用したhello_worldデモ・アプリケーションについて説明します。MCUXpresso IDEのインストール手順およびMCXAシリーズのSDKについては、このスタート・ガイドの「ソフトウェアの入手」セクションを参照してください。

  1. 左下隅にある「Quickstart Panel(クイックスタート・パネル)」を確認します
  2. FRDM MCXA156 SW Quickstart Panel

    FRDM MCXA156 SW Quickstart Panel
  3. その中の[Import SDK example(s)...(SDKサンプルのインポート)]をクリックします
  4. FRDM MCXA156 SW Import SDK Example
  5. FRDM MCX-A156ボードをクリックして、そのボードで実行できるサンプルを選択し、[Next(次へ)]をクリックします
  6. FRDM MCXA156 SW Select Board

    FRDM MCXA156 SW Select Board
  7. 矢印ボタンを使用して[demo_apps]カテゴリを展開し、hello_worldの横にあるチェックボックスをクリックしてそのプロジェクトを選択します。出力用にデフォルトのセミホスティングではなくUARTを使用するには、[Project Options(プロジェクト・オプション)]にある[SDK Debug Console(SDKデバッグ・コンソール)]のチェック・ボックスで[UART]を選択します。[Finish(完了)]をクリックします
  8. FRDM MCXA156 SW Demo Apps
  9. プロジェクトを選択し、画面上部のショートカットにある[Build(ビルド)]アイコンをクリックするか、「Quickstart Panel(クイックスタート・パネル)」の[Build(ビルド)]をクリックして、プロジェクトをビルドします
  10. FRDM MCXA156 SW Build

    FRDM MCXA156 SW Build
  11. プロジェクトは、コンソールにエラーや警告が表示されることなくビルドされる必要があります
  12. FRDM MCXA156 SW Console
  13. micro-USBをJ21「MCU-LINK」ポートに挿入し、ボードをコンピュータに接続します
  14. FRDM-MCXA153 Plug In the Board
  15. 画面上部の[Debug(デバッグ)]アイコンをクリックするか、「Quickstart Panel(クイックスタート・パネル)」の[Debug(デバッグ)]をクリックして、アプリケーションをボードにダウンロードします
  16. FRDM MCXA156 SW Debug

    FRDM MCXA156 SW Debug
  17. MCU-Link CMSIS-DAPデバッグ・プローブを選択します
  18. FRDM MCXA156 SW CMSIS-DAP
  19. シリアル・ターミナルを開いて、アプリケーションの出力を確認できるようにします。[Terminal(ターミナル)]ウィンドウを選択し、[New Terminal(新規ターミナル)]アイコンをクリックします
  20. FRDM MCXA156 SW Terminal

    FRDM MCXA156 SW Terminal
  21. [Serial Terminal(シリアル・ターミナル)]を選択したら、UARTの設定をボーレート115,200、データ・サイズ8ビット、パリティなし、1ストップ・ビットに設定します。[OK]をクリックします
  22. FRDM MCXA156 SW Choose Terminal
  23. [Run(実行)]アイコンをクリックしてアプリケーションを実行します。ターミナルに表示される出力を確認します
  24. FRDM MCXA156 SW Run

3.2 代替ツールチェーンを使用したアプリケーションのビルドとフラッシュ

MCUXpresso for Visual Studio Code (VS Code) は、コードの編集と開発向けに最適化された組込み開発者エクスペリエンスを提供します。VS Codeでアプリケーションをビルドし、フラッシュする方法を習得しましょう。

別のツールチェーンを使用する場合:

IARおよびKeilでのデモも提供しています。

4. 作成

4.1 MCUXpresso IDEからのサンプル・プロジェクトのクローン作成

次の手順では、汎用出力の操作方法について説明します。このサンプルでは、PWM信号を生成して2つのLEDを切り替えるためのCTimerを設定します。

  1. 左下隅にある[Quickstart Panel(クイックスタート・パネル)]内の[Import SDK example(s)...(SDKサンプルのインポート)]をクリックします
  2. FRDM MCXA156 SW Import SDK Example
  3. サンプルをインポートして実行させるボードとしてFRDM-MCXA156ボードをクリックして選択し、[Next(次へ)]をクリックします
  4. FRDM MCXA156 SW Select Board

    FRDM MCXA156 SW Select Board
  5. 矢印ボタンを使用してdriver_examplesカテゴリを展開し、次にCTimerサンプルを展開したら、ctimer_match_interrupt_exampleの横にあるチェックボックスをクリックして選択状態にします。出力用にデフォルトのセミホスティングではなくUARTを使用するには、[Project Options(プロジェクト・オプション)]にある[SDK Debug Console(SDKデバッグ・コンソール)]のチェック・ボックスで[UART]を選択します。[Finish(完了)]をクリックします
  6. FRDM MCXA156 SW CTimer
  7. [Project Explorer(プロジェクト・エクスプローラ)]ビューでfrdmmcxa156_ctimer_match_interrupt_exampleプロジェクトをクリックし、前のセクションに記載されている方法でデモをビルド、コンパイル、および実行します
  8. FRDM MCXA156 SW Build Debug

    FRDM MCXA156 SW Build Debug
  9. 緑色と赤色のLEDが交互に点灯するはずです
  10. デバッグ・セッションを終了します

4.2 サード・パーティ製IDE向けMCUXpresso Config Toolを使用してサンプル・プロジェクトのクローンを作成する

次の手順では、汎用出力の操作方法について説明します。この例では、赤と緑のLEDが交互に点灯するようにCTimerを設定します。

  1. MCUXpresso Config Toolsを開きます
  2. 表示されるウィザードで、[Create a new configuration based on an SDK example or "hello world" project(SDKサンプルまたはhello worldプロジェクトに基づいて構成を新規作成する)]ラジオ・ボタンを選択し、[Next(次へ)]をクリックします
  3. FRDM MCXA156 SW Create

    FRDM MCXA156 SW Create
  4. 次の画面で、MCUXpresso SDKの場所を選択します。SDKパッケージは事前に解凍しておく必要があります。次に、使用中のIDEを選択します。SDKのビルド時にオンラインのSDKビルダで選択されたIDEのみが利用可能になることにご注意ください。「Clone the selected example for a board or kit(ボードまたはキットに対して選択したサンプルをクローンする)」をクリックします。次に、クローンを作成するプロジェクトを選択します。この例では、CTimer match interruptプロジェクトを使用します。フィルタのボックスに「ctimer」と入力してプロジェクトを絞り込み、「ctimer_match_interrupt_example」サンプル・プロジェクトを選択します。また、プロジェクトのクローンの作成先と名前を指定することもできます。[Finish(完了)]をクリックします
  5. FRDM MCXA156 SW SDK Path

    FRDM MCXA156 SW SDK Path
  6. クローンの作成後、選択したディレクトリに移動し、IDEでプロジェクトを開きます。前のセクションで行ったように、プロジェクトをインポート、コンパイル、および実行します
  7. 赤色と緑色のLEDが交互に点灯するはずです
  8. デバッグ・セッションを終了します

4.3 MCUXpresso IDEのピン・ツールを使用する

  1. ファイル・エクスプローラ・ウィンドウの右上の[ConfigTools(設定ツール)]を選択し、次に[Open Pins(ピンを開く)]を選択することで、ピン・ツールを開きます
  2. FRDM MCXA156 SW Open Pins
  3. これで、ピン・ツールにCTimerプロジェクトのピン構成が表示されます
  4. FRDM MCXA156 SW Pin Configuration

    FRDM MCXA156 SW Pin Configuration

4.4 ピン・ツールを使用して、LEDがルーティングされたピンを変更する

  1. 以降の手順ではMCUXpresso IDEを使用しますが、サード・パーティ製IDE向け MCUXpresso Config Toolsの場合も同じ手順で実行できます。[Pins(ピン)]ビューの[Show dedicated pins(専用ピンを表示)]および[Show not routed pins(ルーティングされていないピンを表示)]のチェックボックスのチェックを外し、ルーティングされているピンのみを表示させます。ルーティングされたピンには、ピンの名称の横に緑色のボックスが表示されます。ルーティングされた各ピンに選択された機能は、緑色にハイライト表示されます
  2. FRDM MCXA156 SW Show Pins
  3. 現在の設定では、PIO3_12PIO3_13がCTimerの出力としてルーティングされています。ピン構成を変更して青色LEDを追加しましょう
  4. GS FRDM-MCXA156 Image 31
  5. CTimer出力ピンPIO3_12をGPIOおよびoutput Logical 1に変更して、赤色LEDを無効にします

    CTimer出力ピンPIO3_13をGPIOに変更して、緑色LEDを点灯します

  6. GS FRDM-MCXA156 Image 32
  7. [Show not routed pins(ルーティングされていないピンを表示)]を選択し、他のすべてのオプションを表示させます。青色LEDを有効にするには、P3_0を検索し、GPIO列で「GPIO3,0 」を選択します
  8. GS FRDM-MCXA156 Image 33
  9. 次に、[Routing Details(ルーティング詳細) ]ウィンドウでGPIOピンを出力として構成します
  10. GS FRDM-MCXA156 Image 34
  11. 次に、ピン・ツールによって生成された、新たに更新されたpin_mux.cファイルとpin_mux.hファイルをエクスポートして、これらの変更をプロジェクトに実装します。メニュー・バーの[Update Project(プロジェクトの更新)]をクリックします
  12. FRDM MCXA156 SW Update Code FRDM MCXA156 SW Update Files
  13. サンプルにいくつかコードを追加してみましょう。simple_match_interrupt.cファイルを開き、次のマクロを追加して青色LEDと緑色LEDを初期化します
  14. GS FRDM-MCXA156 Image 35
  15. CTimerコールバック・アレイを次のように変更します
  16. GS FRDM-MCXA156 Image 36
  17. CTIMER出力の代わりにLEDを使用できるようにするマクロを追加すると、ボード上の動作を簡単に視覚化できます
  18. GS FRDM-MCXA156 Image 37
  19. メイン機能でGPIO3ペリフェラルをリセットし、すぐに使用できる状態にします
  20. FRDM MCXA156 SW GPIO3
  21. 前のセクションで行ったように、プロジェクトをビルドしてダウンロードします
  22. アプリケーションを実行します。これにより緑色と青色のLEDが交互に点灯するはずです
  23. デバッグ・セッションを終了します

5. MCUXpresso開発者エクスペリエンス

以下の各セクションで、柔軟なプロトタイピングと開発のために提供されているエコシステムについてご覧ください。以下のビデオでは、FRDMプラットフォーム、フル機能のEVK、および拡張機能向けの互換シールドをご紹介しています。さらに、NXPのGitHubを通じて多数のアプリケーション・サンプルを提供するアプリケーション・コード・ハブ・ポータルについて詳しく説明します。

5.1 FRDMプラットフォーム、フル機能のEVK、シールド

NXPでは、迅速なプロトタイピングのためのプラットフォーム向けに、低コストのFRDMプラットフォームとフル機能のEVKの両方を提供しています。

FRDM開発ボードは、標準のフォーム・ファクタとヘッダー、MCU I/Oへの簡単なアクセス、オンボードMCU-Linkデバッガ、USB-Cケーブルを備えています。フル機能の評価キットには、I/Oおよびインターフェースへの拡張アクセス、Wi-Fi拡張機能のほか、追加のMCU-Link機能が含まれます。互換性のあるClickボードやArduinoシールドも多数あります。Open CMSIS Packでサポートされるものについては、ACHでサンプルが提供されている場合がありますが、そうでない場合でも、その多くがI²C、SPI、UARTなどのシリアル・インターフェースを利用して容易に使用でき、MCUXpresso SDKでドライバとサンプルが提供されています。

5.2 アプリケーション・コード・ハブ

アプリケーション・コード・ハブは、開発者がソフトウェアをすばやく見つけることができるインタラクティブなダッシュボードを提供することで、NXPのMCUXpressoの開発者エクスペリエンスをさらに向上させます。ACH に今すぐアクセスして、この新しいインタラクティブなアプリケーション・コード・ハブの詳細やその利点について確認しておきましょう。

アプリケーション・コード・ハブからアクセス可能なソフトウェアはNXPのGitHubリポジトリ に置かれているため、その場所に直接アクセスして簡単にクローンを作成することができます。

5.3 デモのご紹介

次のデモでは、モータ制御シールドと低コストLCDを備え、FRDMプラットフォームを基盤とするシステムを使用して、ACHからプロジェクトをインポートする方法を示しています。評価ボードがこのシステムと異なる場合でも、以降の手順はサポート対象のすべてのプラットフォームで同じように実施できます。

システム設計ガイド

ターミナル・アプリケーション

ツールチェーン

MCUXpresso for VS Code

デバッガ・ファームウェア

サポート

フォーラム

NXPのいずれかのコミュニティ・サイトで、他のエンジニアとつながり、FRDM-MCXA156を使用した設計に関する専門的なアドバイスを受けることができます。