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ビデオ・ネットワークはもはや世界を監視するだけでなく、その形成を支援しています。病院、小売店、工場、都市などでは、監視システムが、データを分析し、異常を検知してリアルタイムに意思決定を支援するインテリジェント・エッジ・システムへと進化し続けています。
しかし、こうしたシステムの自律性が高まり、コネクテッド化が進むにつれて、脆弱性も高まります。サイバー脅威はスピード、規模、そして巧妙さを増し続け、ファームウェアや認証情報からビデオ映像そのものまで、あらゆるものを標的にするようになっています。監視業界は今、重大な岐路に立たされており、よりスマートなシステムには組込み型のより強固な信頼性が求められています。
ネットワーク・ビデオのパイオニアであるAxis Communicationsは、この変化をいち早く察知しました。同社は、常に一歩先を行くために、NXPとの戦略的提携を活用して、ソフトウェアからシリコンに至るまで、システムのあらゆるレイヤにセキュリティを導入しています。
サプライヤーとして始まった関係は、長期的な協業関係へと発展しました。AxisとNXPは共にロードマップの足並みを揃え、複雑なサイバーセキュリティの課題を解決し、セキュアでインテリジェントな監視という共通のビジョンのもとで前進しています。
AI駆動型アプリケーションの台頭により、監視は新たな時代に入り、リスクも増大しています。システムは今やディープフェイク操作、リモート侵入、データ改ざんの標的となっています。攻撃対象領域は、コネクテッド化が進む車両、クラウド統合、サード・パーティ・エコシステムへと拡大を続けています。
その一方で、コンプライアンス要件も急速に増大しています。暗号ハードウェア・セキュリティの最高規格であるFIPS 140-3レベル3は、当初は北米市場を牽引役として始まったものの、それを求める声が連邦政府機関、産業、そして重要なインフラ・システムで急速に高まっており、今や世界的に認知されたベンチマークとなりつつあります。ポスト量子暗号 (PQC) に関する議論も、設計上の意思決定に影響を与え始めています。
Axisには、現在の規制に対応するだけでなく、将来を見据えて拡張も可能なハードウェアが必要でした。
ソリューション:EdgeLock® IoTセキュア・エレメント。これらの耐タンパ・チップは、ハードウェアベースの信頼の基点を提供し、暗号鍵の保護、デバイスIDの検証、通信チャネルのセキュリティ保護を実現します。Axisは、EdgeLock SE050、EdgeLock SE051、EdgeLock SE052Fと、新世代のEdgeLock®チップを次々と導入することにより、セキュリティを強化し、進化する脅威に対応できるアーキテクチャを構築し続けています。
のFIPS 140-3レベル3認定IoTセキュア・エレメント:EdgeLock SE052F
世代にわたるEdgeLock IoTセキュア・エレメントをAxisが導入
のAxis IoTデバイスにNXP EdgeLock IoTセキュア・エレメントが採用
協業が深まるにつれ、NXPの役割は単なるシリコンのサポートにとどまらず、Axisの開発サイクル全体のセキュリティ面に着目し、以下を行いました。
この協業を通じて、Axisは市場に大きな進歩をもたらしました。それは、ビデオ監視における組込み型の信頼性のマイルストーンとなる、初のFIPS 140-3レベル3準拠ネットワーク・カメラです。
この認証の取得は、通常、高度な暗号化技術、完全な改ざん防止機能、そして第三者機関による検証が求められる厳格なプロセスですが、EdgeLock SE052Fを採用することで、そのプロセスが簡素化されました。認証済みの堅牢なセキュリティを組み込むことで、Axisは開発期間を短縮し、テストを効率化し、市場投入までの時間を短縮することができました。
EdgeLock IoTセキュア・エレメントをベースとしたAxisの最新世代ネットワーク製品(カメラ、インターホン、スピーカなど)は、次のような機能を提供します。
これらのユース・ケースを組み合わせることで、より強力な保護が提供され、Axisは現在のコンプライアンス要求と将来の新たなリスクの両方に対応できます。
EdgeLock SE052Fの詳細をご確認ください。EdgeLock SE052Fは、セキュアなインダストリアルIoT運用のためのすぐに使えるプラットフォームです。ターンキー・ソリューションとして設計されており、暗号化機能を実行するだけでなく、最新バージョンのFIPS 140-3レベル3の認定を取得した初のハードウェア・セキュア・エレメントです。詳細はこちらをご覧ください
監視システムはますますインテリジェントになり、重要性を増すでしょう。デバイスも増え、データも増え、エッジにおける自律性も高まります。それはまた、最初から信頼性を重視した設計を行う責任が増すことを意味します。
AxisとNXPは未来を見据えています。セキュリティを最優先に考え、協業関係を基盤に、高度な暗号化からポスト量子耐性まで、監視の未来を支えるセキュアでスケーラブルなソリューションを提供し続けています。
私たちは力を合わせ、よりセキュアでインテリジェントな未来へと前進していきます。
Axisは、セキュリティ、安全性、運用効率、そしてビジネス・インテリジェンスを向上させることで、よりスマートで安全な世界を実現します。ネットワーク・テクノロジ企業であり業界リーダーでもあるAxisは、ビデオ監視、入退室管理、インターホン、オーディオ・ソリューションを提供しています。これらのソリューションは、インテリジェントな分析アプリケーションによって強化され、質の高いトレーニングによって支えられています。
Axis Communicationsの詳細
Product Manager, NXP Semiconductors
Giuseppe is product manager at NXP Semiconductors. As part of the Industrial IoT and NFC security team, he is driving NXP’s IoT secure element offering for Industrial IoT products making security more accessible. He works with customers and supports them in understanding security threats, cybersecurity trends and helps in the realization of their secure Industrial IoT solution. Giuseppe has experience in system engineering roles with a focus on IoT, edge and cloud architectures, standardizations and cybersecurity.
With more than 20 years’ experience in the semiconductors market, Antje leverages her understanding of security and mass market to drive NXP secure element solutions into the industrial and smart city markets.