お客様の素早い設計とより早い製品化を実現する、技術情報と専門知識をご紹介します。
クリーン・エネルギー・システムには時間に関連した基本的な課題があります。需要が最も高いときに太陽が輝いているとは限りません。太陽光発電は正午にピークを迎えますが、エネルギー使用量は一般に夕方から増加します。電力会社がより多くの再生可能エネルギーを利用しようと取り組む中で、信頼性の高い手頃な価格の電力を確保するために、需要と供給のマッチングがますます重要となっています。
この不均衡に対する答えはすでにあなたの家や道路上などにあるかもしれません。それは常に利用可能である一方、その価値を高めるには適切な技術を必要とするタイプのエネルギーです。EnphaseはNXPと提携し、インテリジェントなシステムによってエネルギーの独立性を高める方法を示しています。
私たちはEnphaseのグローバル・エネルギー・マーケット責任者兼チーフ・マーケティング・オフィサーであるMarco Krapels氏に話を聞き、このパートナーシップが、よりインテリジェントで安全なエネルギーへの移行をどのように加速しているのかを探りました。
Marco:私たちの第4世代のエネルギー・システムでは、太陽光発電、蓄電、EV充電、インテリジェント制御がすべてリアルタイムで連携して動作します。それによって住宅を独自のクリーン・エネルギー発電施設に変えることができます。
重要な追加となるのが、もうすぐ発売されるIQ双方向EVチャージャです。このチャージャはISO 15118のようなオープン規格に基づいて構築されているため、ほぼすべてのEV、すべてのグリッド・プロファイル、すべてのタイプの住宅で動作するよう設計されています。
この製品が強力なのは、高い柔軟性を備えているためです。このテクノロジをEnphase Energy Systemと組み合わせることで、クリーンで手頃な価格のソーラー電力を使用して自動車を充電できるようになります。また停電の際には、住宅用の電力も供給できます。さらに、電力網からの供給が逼迫した場合は、電力を送り返してコミュニティをサポートすることができます。自動車は大半の時間が駐車状態であるため、双方向のEV充電は、使われていないバッテリーの電力を有意義なエネルギー源へと変えます。それによって電力網が強化され、住宅所有者に新たな価値がもたらされます。
私たちは全世界で500万台のホーム・エネルギー・システムを導入しました。NXPと協力して構築されたこのチャージャは、これらの各住宅をリアルタイムで応答できる分散グリッド資産へと変えます。
Marco:このチャージャにはNXPのi.MX 93アプリケーション・プロセッサが搭載され、EV、バッテリー、クラウド間のリアルタイム通信を管理しています。
また、セキュリティ、Wi-Fi、NFCとUSBのコネクティビティ、パワー・マネジメント、そしてリアルタイム・クロックなどのアナログ要素にも、NXPのチップを使用しました。
しかし、コラボレーションはシリコンに留まるものではありませんでした。Enphaseのエンジニアリング・チームとNXPの設計サービス・チームの間の連携が、大きな違いを生み出しました。デジタル・ハードウェアとセキュアな通信に関するNXPのシステムレベルの専門知識と、パワー・エレクトロニクス、セーフティ、EV充電におけるEnphaseのリーダーシップが組み合わされることで、製品開発がスピードアップされました。NXPのチームは私たちと密接に連携し、課題が発生したときにはサポートに直接アクセスすることができました。すばやく回答を得られることが、大きな違いにつながりました。
そのようなレベルのコラボレーションは、単に開発を加速するだけでなく、私たちが何を提供できるかに大きな影響を与えます。このソリューションには、そのような深いパートナーシップが反映されています。
Marco:データ・センターは2030年までに米国の電力の12%を消費すると予測されており、これは現在のレベルのほぼ3倍です。従来型の発電所は、建設するのに10年以上かかります。太陽光発電とバッテリーの組み合わせなら、化石燃料や原子力発電所の10倍の速さで導入でき、わずか数か月で稼働を開始できます。
Enphaseのシステムはすでに107テラワット時に及ぶクリーン・エネルギーを生成しており、今日では100メガワット以上の夜間ピーク電力をサポートできます。双方向EV充電は、さらに大きな影響をもたらします。お客様の半数がバッテリーとインテリジェント充電を導入すれば、コミュニティ全体に分散された約5ギガワットもの電力を柔軟に供給できるようになります。
グリッドは、よりスマートで応答性の高いものになる必要があります。それには、リアルタイムのセキュアなインテリジェンスを実現するシリコンから始まり、エネルギーの流れを調整するソフトウェア、そして住宅がグリッドに接続する方法に至るまで、あらゆるレベルでのコラボレーションが必要となります。私たちがNXPとともに構築しているソリューションは、そのようなコラボレーションが適切に行われたときに何が起こるかを示しています。
カリフォルニア州フリーモントに拠点を置くグローバルなエネルギー技術企業であるEnphase Energyは、マイクロインバーター・ベースの太陽光発電および蓄電システム、EVチャージャ、ホーム・エネルギー管理システム、仮想発電所(Virtual Power Plant:VPP)ソリューションの大手サプライヤです。Enphaseの製品を使用すると、ユーザーが太陽エネルギーを利用して独自の電力を生成、使用、保存、販売することが可能になり、それらすべてをEnphaseのアプリを通じて制御できます。同社はマイクロインバーター・ベースの技術でソーラー業界に革命をもたらしており、これまでに約8,480万台のマイクロインバーターを出荷し、160か国以上で500万台を超えるEnphaseベースのシステムを導入しています。
Enphaseの詳細はこちら
Senior Director, Power and Energy + Data Center, NXP Semiconductors
Alexandra Dopplinger, P.Eng., is the Senior Director, Power and Energy + Data Center, with more than 18 years of experience in the semiconductor industry, 10 years in telecom, and a patent for a redundant network solution. Her B.Eng. Electrical Engineering, from Memorial University of Newfoundland (Canada), has led to roles ranging from hardware and system design, product management and marketing. Today, she leverages her extensive knowledge of industrial automation and control technology to grow NXP's industrial business.