Zephyrプロジェクトは、10周年を迎え、10年にわたるオープンなコラボレーションで、組込みデバイスやIoTデバイスの構築方法を変革してきました。小型のリアルタイム・オペレーティング・システム (RTOS) として始まったものが、インダストリアル、民生機器、スマートホーム市場の製品に採用される信頼できるプラットフォームになりました。
Zephyrは、当初から、オープン・ソース、ベンダ・ニュートラル、グローバル・コミュニティによる開発という、他とは一線を画すビジョンを掲げていました。そのビジョンに共感したNXP Semiconductorsなどの企業は、プロジェクトの形成を支援するために早期に投資することを選択しました。
NXPがZephyrに投資した理由
NXPでは、イノベーションはオープンな世界でより速く進むことができると考えています。組込みシステムの接続性と複雑性が高まる中、開発者は柔軟かつ安全で、単一のベンダに縛られないプラットフォームを必要としており、Zephyrはまさにそれを提供します。
NXPは、異なる製品ファミリに対して個別のソフトウェア・スタックを提供するのではなく、Zephyrを、ポートフォリオ全体で共通のソフトウェア基盤を構築する手段として捉え、お客様が長い製品ライフサイクルを通じて新しい要件に適応しながら利用できるようにしています。
Zephyrをサポートすることで、マイクロコントローラやプロセッサと統合した最新のスケーラブルなRTOSを提供することができています。これにより、複数のRTOS、ベンダ独自のソフトウェア開発キット (SDK)、互換性のないワークフローを管理する代わりに、共通のオープン・プラットフォームに集約し、再利用可能なアプリケーション・ソフトウェアと標準化された開発フローを通じて市場投入までの時間を短縮し、共通の基盤の上にセキュリティとコネクティビティを構築することで、組込み開発の世界に蔓延している断片化を軽減できます。
その結果、開発者にとってより広範なエコシステムが生まれ、多くの企業からの貢献が組み合わさることで、単一の組織が単独で達成できるよりもはるかに強力なものが生まれます。NXP、お客様、およびオープンソース・コミュニティによる貢献を通じて構築されたNXPプラットフォームでのZephyr OSのサポートをご確認ください。Zephyrプロジェクトのサポートされているボード、リリース・サイクル、ソース・コードを通じて最新情報を追いかけましょう。
NXPが創設メンバーになった理由
Linux Foundationの下でZephyrプロジェクトが立ち上げられたときに、NXPは自社独自のRTOSソリューションに代わるコミュニティ主導の中立的なソリューションの開発を支援するために、プラチナ創設メンバーとして参加しました。
当時の組込み業界は非常に分断化されていました。開発者は、閉じられたプラットフォーム、制限された移植性、またはカスタムの社内ソリューションのいずれかを選択することを余儀なくされていました。NXPと他の創設メンバーは、これを、リソースを単一のオープン・プラットフォームに集約することでその状況を変えることができる機会として捉えました。
そのときに掲げた目標は以下のとおりです。
- 多くの互換性のない基盤の代わりに1つの統合基盤を作成する
- ネットワーク、セキュリティ、ドライバ開発に共同で投資する
- 製品のニーズの変化に応じて、お客様がNXPのハードウェア・プラットフォームの垣根を越えてアプリケーションを拡張できるようにする
NXPとZephyrでよりスマートなエッジ・デバイスを強化。
この判断により、Zephyrは今日、最も広くサポートされている組込みオペレーティング・システムの1つに成長しました。
Zephyrを使う理由
開発者がZephyrを選ぶ理由は、それが真の問題を解決するからです。軽量かつ効率的であるため、メモリと電力のバジェットが限られているリソース制約の厳しいデバイスに適していますが、ジュール型設計により、チームはシステムをいつでも拡張することができます。Zephyrはまた、広範なハードウェア・サポートを提供しています。Arm®、RISC-V、その他のアーキテクチャで動作し、数百のボードでサポートされているため、ハードウェア・プラットフォームが変わってもコードを再利用できます。
セキュリティはこのプラットフォームのもう1つの要です。セキュア・ブートなどの機能、暗号化サービス、安全な開発手法への強いこだわりにより、Zephyrは最初から安全なコネクテッド・デバイスの構築を支援します。
主な利点は、Zephyrの事前統合ミドルウェアの幅広いポートフォリオです。ネットワーク・スタック、Bluetooth、USB、デバイス管理、ファイル・システム、セキュリティ・サービスは、特別な設定なしで連携するよう設計されているため、統合の手間が軽減され、開発者はコンポーネントをつなぎ合わせることにではなく、アプリケーションの差別化に注力できます。
同様に重要なポイントは、Zephyrがそのオープンソース・エコシステムのおかげで活発に発展し続けていることです。グローバル・コミュニティがドライバ、プロトコル、ミドルウェア、および開発ツールに貢献しており、それによって、同じようなものを各社が独自に開発することが減り、業界全体のイノベーションが加速します。
Zephyr OSのブロック図。 ブロック図をダウンロードすると、拡大図がご覧いただけます。
Zephyrは、次世代のコネクテッド製品を構築するチームに、堅実で将来を見据えた基盤を提供します。
次の10年
10年を経てZephyrは、単なるオペレーティング・システムではなく、長期的なイノベーションの基盤となりました。NXPと広範なコミュニティからの継続的な支援により、インテリジェントで、より安全、よりコネクテッドなデバイスの基盤であり続けます。最初の10年では、オープンなコラボレーションで何を達成できるかを証明しました。次の10年はさらに心躍るものになるでしょう。
使用を開始する
NXPハードウェアでZephyrを使って構築する準備はできましたか?NXPのボードはアップストリームでサポートされており、すぐに実行できるサンプル、ドライバ、ドキュメントが揃っているため、電源投入から短時間でコードを実行できます。Zephyrをダウンロードし、NXPのボードを入手し、構築を開始しましょう。