セキュリティに優れたNXPのアプリケーション・プロセッサを搭載したPHYTECの量産対応システム・オン・モジュール (SOM) が、どのようにして組込みシステムを設計時点からセキュアにするかをご覧ください。ブートからライフサイクル管理まで、このプラットフォームはハードウェアに基づく堅牢な保護を提供し、現在および将来のサイバーセキュリティの要求に対応します。
コネクテッド・デバイスの数が増えるにつれて、組込みシステム開発者は、ますます巧妙化するサイバー脅威から製品を保護しなければならないというプレッシャーを強く感じています。そこで、PHYTECとNXPは互いに連携し、開発者が安心してゼロから製品を構築できるようにする、スケーラブルかつデフォルトでセキュアなプラットフォームを開発しました。
これらのセキュア・プラットフォームの中心となるのは、 NXPのEdgeLock®アプローチです。これは、シリコン・レベルで組み込まれた包括的なセキュリティ・フレームワークです。NXPは、セキュア・エンクレーブ、ディスクリートのセキュア・エレメント、暗号化アクセラレーションなどを通して、データのプライバシー、デバイスの整合性、ライフサイクル全体にわたるレジリエンスを確保します。これらの機能に基づくPHYTECのSOM は、NXPのコア・セキュリティ機能を保持しながら、ハードウェアの信頼の基点、暗号化ストレージ、セキュアなアップデートなどを提供するよう設計されています。
セキュア・ブートと信頼チェーン
PHYTECのSOMは、NXPのセキュア・ブート・テクノロジを活用して、ブートローダからOSおよびアプリケーション・レイヤに至るまでの堅牢な信頼チェーンを確立します。検証されたソフトウェアのみが実行され、悪意のあるコードや改ざんからデバイスを保護します。
組込みセキュリティの基盤:phyCORE-i.MX 8M Plus SOMは、NXP EdgeLock®の機能を統合することで量産対応のセキュアなパフォーマンスを実現し、信頼チェーンの確立に役立ちます。
スケーラブルなハードウェア・セキュリティ
PHYTECは、トラステッド・プラットフォーム・モジュール (TPM) や各種のセキュア・エレメント(NXPのSE051など)をSOMまたはキャリア・ボードに統合するといった柔軟なセキュリティ構成により、開発者がアプリケーションのニーズに基づいてセキュリティ体制を自由に調整できるようにします。これらのソリューションは、産業用オートメーション、ヘルスケア、IoT (Internet of Things) ゲートウェイなど、さまざまな分野で長きにわたって使用できるよう設計されています。
ライフサイクル保護の組込み
セキュリティは導入時点で終わるものではありません。PHYTECのソフトウェア・ライフサイクル管理(Software Lifecycle Management:SLCM) および共通脆弱性識別子(Common Vulnerabilities and Exposures:CVE)監視サービスは、継続的な脆弱性パッチとアップデートを提供します。NXPの製品セキュリティ・インシデント対応チーム(Product Security Incident Response Team:PSIRT)およびEdgeLock Assuranceプログラムによるサポートとあわせて、サイバー・レジリエンス法(Cyber Resilience Act:CRA)などの厳しい規制要件を容易に満たすことができます。
シームレスな統合のためのソフトウェア・ツール
PHYTECは、NXPの検証済みブートローダとカーネルを統合したLinuxボード・サポート・パッケージ (BSP) や、セキュア・ブート、暗号化されたファイル・システム、RAUC (Robust Auto-Update Controller) を介したOTA (Over-the-Air) アップデートなどのリファレンス実装によって、開発者をサポートしています。securiPHY SOM バンドルなどのオプションのツールは、初日から安全な開発を迅速に進めるために役立ちます。
セキュリティは基盤となる要素の1つであり、後から考えるものではありません。NXPのセキュア・シリコンとPHYTECの量産対応プラットフォームにより、開発者は最高のセキュリティ基準を満たしながら、組込みシステムをより迅速に市場に投入できるようになります。