ワイヤレス・コネクティビティは、現代のスマートホームや産業用システムの基礎となるものであり、数え切れないほど多くのスマートで自律的なデバイスの運用を支えています。NXPでは、ワイヤレスでの相互運用性に重点を置き、エコシステム内のすべてのデバイスがシームレスに連携するために不可欠な機能を確保しています。
ワイヤレス・コネクティビティにおける相互運用性について
今日のワイヤレス・システムは、Wi-Fi、Bluetooth®、Bluetooth Low Energy (LE)、ZigbeeやThreadで使用されているIEEE 802.15.4などのさまざまな通信プロトコルに基づいて構築されており、それぞれのプロトコルは独自の目的を持っています。相互運用性とはプロトコルに関係なくデバイスが連携して動作することを意味し、プラットフォームやベンダーを問わずデバイス同士が確実に通信できるようにします。
相互運用性における課題は、無線仕様や標準規格が実装の面で必ずしも明確ではないこと、そして一部の領域ではより裁量の余地が大きくなることに起因します。たとえば、各ベンダーがそれぞれの方法で仕様を解釈して機能を実装することがあります。その結果、各ベンダーのデバイスがそれぞれの方法で通信することになり、デバイス間やベンダー間で動作に一貫性がなくなるという問題が発生します。
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プロトコルの相互運用性におけるMatterの役割
スマートホームのコネクティビティを統一するために設計されたMatterプロトコルは、Wi-FiやThreadなど複数のトランスポート・レイヤにまたがるため、複雑さが増します。しかし、Matterではデバイス間の連携方法が複数存在し、デバイス・タイプと接続回線のネットワークが構築されています。MatterはWi-FiとThreadの両方をサポートしているため、デバイスはこれらのレイヤをまたいで連携を管理する必要があります。Matterの仕様への準拠を確保するには、厳格なテスト、認証、そして共有環境における各種プロトコルの挙動に関する深い理解が求められます。
NXPは相互運用性に重点を置いているため、開発者はデバイスがプラットフォームを問わずに確実に動作するという確信が得られ、摩擦が軽減され、市場投入までの時間が短縮されます。
RW612トライラジオ・ワイヤレスMCU:相互運用性のゲームチェンジャー
RW612 Wi-Fi 6トライラジオ・ワイヤレス・マイクロコントローラ・ユニット (MCU) により、NXPは相互運用性を向上させる汎用性の高いソリューションを開発者に提供しています。特に、RW612は共存性を重視した設計になっており、Wi-Fi、Bluetooth LE、802.15.4をサポートする複数の無線機能をシングルチップ・ソリューションに統合しています。さらに、高度な共存機能により、これらの無線機能は互いに干渉することなく動作します。
また、RW612はMatterボーダ・ルータ向けの独自の最適なソリューションも提供し、Wi-FiとThreadの両方をサポートしているため、開発者はこのワイヤレスMCUだけで包括的なMatterエコシステムを構築できます。
FRDM-RW612ボードでは、RW612ワイヤレスMCUを使った迅速かつ柔軟で低コストのプロトタイプ作成が可能です。