最新のスマートホームやモダン・ビルには、さまざまな無線規格を使用する接続デバイスが100個以上設置されます。NXPのRW61xは、簡単かつ効率的なワイヤレス接続を実現することでこのような要件に対する強力なソリューションを提供する、セキュリティ機能を備えた高集積トライラジオ・ワイヤレスMCUです。
RW61xはNXPのワイヤレスMCUポートフォリオの新製品であり、Matter over Thread、Matter over Wi-Fi、Matter over Ethernetなど、Matter標準のさまざまな実装に対するワイヤレス接続を可能にします。さらにRW61xは、シンプルさとデバイス・サイズが重視されるスタンドアロンまたはネットワーク・コプロセッサ (NCP) ホスト設計に適した、柔軟なアーキテクチャを実現します。
ターゲット・アプリケーションには次のものが含まれます。
- ビル・セキュリティ、照明、POS端末などのインダストリアル・アプリケーション
- 血圧計、フィットネス機器、体重計、血糖値計
- ホーム・セキュリティと監視機器、宅内電力ディスプレイ、大型家電製品、小型/中型家電製品
- インターネット接続用のマルチラジオハブ/スマート・デバイス・ゲートウェイ
- スマート電源ソケットと照明スイッチ
- ゲーム用アクセサリ
RW61xのMCUサブシステムには、260 MHzのArm® Cortex®-M33コア(Trustzone™-M搭載)、1.2 MBのオンチップSRAM、FlexSPIによる外部pSRAM のサポート、高帯域幅Quad SPIインターフェースが搭載され、オンザフライ復号化エンジンによってオフチップのXIPフラッシュに安全にアクセスできます。
RW612ブロック図 ブロック図をダウンロードすると、拡大図がご覧いただけます。
RW61xには、20 MHzチャネル帯域をサポートするフル機能のデュアルバンドWi-Fi 6無線機能が搭載されています。Wi-Fi 6 (802.11ax) は前世代のWi-Fi標準よりもスループットとネットワーク効率に優れ、レイテンシが低く、通信範囲も拡大されています。Bluetooth LE無線機能によって、2 Mbit/sの高速データ・レート、長距離通信、拡張アドバタイズをサポートします。RW612は802.15.4無線機能をオンチップで搭載し、ThreadとZigbeeの最新のメッシュ・ネットワーキング・プロトコルをサポートします。さらにRW612は、Matter over Wi-Fi、Matter over Thread、Matter over Ethernetをサポートするため、異なるエコシステムや製品を相互運用できる共通アプリケーション・レイヤを提供できます。
RW610ブロック図 ブロック図をダウンロードすると、拡大図がご覧いただけます。
先進的な設計が施されたRW61xは、緊密に統合された非常にセキュアな動作が可能です。スペース効率とコスト効率に優れたワイヤレスMCUであり、1つの3.3 V電源のみで動作できます。
インダストリアルIoTのイネーブルメント
RW61Xはセキュリティ・カメラや照明などのアプリケーションに最適
NXPとRW61Xが担うすべてのアプリケーションの中で、インダストリアル・イネーブルメントは依然として最も主要な用途であり、ビル・セキュリティ、照明、POS端末などで、このエコシステムに容易に組み込むことができます。
また、RW61XはNXPのEdgeLock 2GOサービスをサポートしているため、リモート・プロビジョニングの簡素化、デバイス・クレデンシャルの管理、製造、デバイス・ライフサイクル管理メカニズムなどに対応し、クレデンシャルが非常に重要で導入後は侵害が許されない用途に関するお客様の懸念の多くを解消します。RW61Xは簡略化された設計の開発に役立ち、新しいMatter標準のサポートの複雑さを軽減します。
次のコネクティビティ設計を計画しましょう。FRDM-RW612開発ボードの詳細については、こちらをご覧ください。
安全なスマートホームを実現するための強力な基盤
RW61Xは、さまざまな種類のスマートホーム機器でシームレスなコネクティビティを可能にする用途に最適
統合MCUを備えたトライラジオ・ソリューションであるRW61Xは、血圧計、フィットネス機器、血糖値計、ホーム・セキュリティと監視機器、宅内電力ディスプレイ、大型家電製品、インターネット接続用のマルチ無線ハブ/スマート・ゲートウェイ、小型/中型家電製品、スマート機能を備えた電源ソケットと照明スイッチ、体重計など、あらゆる種類のスマートホーム・アプリケーションおよびソリューションに最適です。RW61Xは、このような製品を手がけるスマート・デバイス・メーカーが次世代Matter製品を市場に投入する際に、幅広い用途に役立ちます。
オープンThreadボーダ・ルータに対応するシングルチップ・ソリューション
- Threadボーダ・ルータによってWi-FiとThreadネットワークを接続し、それをMatterアプリケーション製品デバイスに統合できます
- Threadではネットワーク内の複数のボーダ・ルータを利用して通信範囲と信頼性を改善できます
EdgeLock®セキュリティ・サブシステム
RW61xシリーズの重要な機能の1つが、EdgeLockセキュア・サブシステムです。サイバーセキュリティ攻撃に対抗する保護機能のニーズの高まりに対応できるよう、RW61xには最初からセキュリティ機能が組み込まれています。
EdgeLock®セキュア・サブシステムの構成図
EdgeLock®セキュリティ・テクノロジが組み込まれており、セキュア・ブート、セキュアなデバッグ、セキュアなファームウェア更新、セキュアなライフサイクル管理に加え、ハードウェア暗号化と物理複製困難関数 (PUF) によるセキュアな鍵管理を提供します。
EdgeLockセキュア・サブシステムの重要なメリットは、お客様がNXPのEdgeLock 2GOサービス・プラットフォームを利用してIoTデバイスのプロビジョニングと管理を行えることにあります。MatterワイヤレスIoTプロトコルは、実績のある強力なセキュリティ・フレームワークに基づいて構築されています。デバイスがMatterネットワークに参加するには、デバイスが自身のIDを検証し、組込みのデバイス認証証明書 (DAC) によってMatter認証を取得済みであることを証明する必要があります。
NXPはConnectivity Standards Alliance (CSA) の承認を受けた製品認証局 (PAA) であり、製品メーカーに対してMatterの認証とセキュリティ証明書をワンストップで提供し、Matter製品の開発と導入を後押ししています。
MCUXpresso開発エクスペリエンス
RW61xエクスペリエンスの中心を担うのが、ソフトウェアとツールのMCUXpressoスイートです。MCUXpressoスイートには、コアソフトウェア開発キット (SDK) と統合開発環境 (IDE)、および設定ツールが含まれています。
このSDKは柔軟性が高く、次のような各種のIDEと組み合わせて使用できます。
- MCUXpresso for Visual Studio Code (VS Code):迅速で柔軟な開発を実現する、NXPの拡張機能が追加されたVS Code
- MCUXpresso IDE:NXP MCU向けにカスタマイズされ、使いやすく最適化されたEclipseベースのIDE
- IAR Embedded Workbench:安全性が保証され、高度な最適化が可能なC/C++向けコンパイラおよび開発環境
RW61xではFreeRTOSとZephyr OSもサポートされます。
FRDM EVKを使用したハードウェア開発
RW61xのリリースに合わせて、RW612向けの低コストのFRDM開発ボードが用意されています。
プロトタイプの試作を迅速に行えるよう、NXPはFRDM開発ボードを提供
2024年のRW61x
次のコネクティビティ設計を開始できるよう、NXP.comのRW61xのページにアクセスして、詳細情報と最新のアップデートを入手してください。
NXPのコミュニティでも、RW61xの詳細を知ることができます。