Varisciteは、システム・オン・モジュール (SoM) の大手グローバル・プロバイダであり、20年近くにわたり組込みソリューションの最前線に立ち続けています。NXPのプラチナ・パートナーであるVarisciteは、NXPの先進的プロセッサを活用してスケーラブルで高性能なSoMを提供しており、NXPとの強固で揺るぎない関係を構築しています。
このパートナーシップを通じて、VarisciteはNXPの品質とイノベーションへのコミットメントとの整合性を図りながら、すべての製品で最高水準の信頼性とパフォーマンスを確保することができます。Varisciteは、NXPのi.MX 6、i.MX 7、i.MX 8、i.MX 9シリーズ・プロセッサを搭載したSoMを含む多彩なポートフォリオを取り揃え、さまざまな業界向けに最先端のソリューションを絶え間なく提供しています。ISO 13485認証を取得したSoMサプライヤを選定することは、医療機器の製造プロトコルに始まる規格本来の対象範囲を遥かに超えた明確な運用上の利点をもたらします。ISO 9001がSoM業界における主流の品質マネジメントの枠組みであり続ける一方で、ISO 13485には、品質保証能力を大幅に向上させる妥当性確認プロトコルおよび管理体制が補足的階層として組み込まれています。これらの高度な拡張は、元々は医療機器の製造向けに考案されたものですが、信頼性の水準の向上が求められるあらゆるプロジェクトにわたって顕著な有効性を示します。顧客満足度と継続的改善が強調されているISO 9001とは異なり、ISO 13485はより具体的に、製品ライフサイクル全体を通じたリスク・マネジメント、包括的な文書化、厳格なプロセス管理に重点を置いています。
サプライヤ管理により、一貫した品質を実現
ISO 13485の枠組みにおけるサプライヤの監視は、包括的な評価プロトコルと継続的なモニタリング体制を網羅しており、サプライ・チェーン全体で一貫したコンポーネントの品質を維持するための強固な基盤を確立します。サプライヤの選定には、所定のパフォーマンス指標や業界標準に照らしてサプライヤの技術的能力、品質マネジメント・システム、生産能力を評価する、多角的な評価プロセスが伴います。承認されたサプライヤの詳細な記録とパフォーマンス評価により、信頼性の高いサプライ・チェーンが確保され、リスクが大幅に低減されます。これらの実践は医療機器の製造においては絶対に欠かせないものですが、他の分野でも普遍的な利益をもたらします。メーカーは、最初からコンポーネントの品質を確保することで、生産時に問題が発生する可能性を最小限に抑え、あらゆるアプリケーションで長期にわたり信頼性を高めることができます。
プロアクティブなリスク・マネジメントにより、問題が発生する前に対処
ISO 13485の包括的なリスク・マネジメントの枠組みは、概念の明確化から廃棄のサポートに至るまでのあらゆる段階を網羅しています。医療機器の製造の文脈において、この枠組みはあらゆる変更(ファームウェアのアップデートなど)に対する徹底的な分析と妥当性の確認を必要とし、実装前に複数の検証チェックポイントを設けることで潜在的な安全性の懸念を事前に特定して対処します。こういった体系的アプローチは、特にSoMが過酷な環境下で最適なパフォーマンスを維持する必要がある状況など、多様なアプリケーションにわたって大きな利点をもたらします。たとえば、温度性能、電磁環境適合性 (EMC)、および長期にわたる信頼性に関する厳格な妥当性確認は、多額の出費を伴うシステムの故障を防ぐのに役立ちます。こういったエビデンスに裏打ちされたアプローチにより、メーカーは開発中に潜在的な問題を検出して軽減し、よりスムーズな生産段階を確保することができます。
詳細な文書化により、トレーサビリティとアカウンタビリティを強化
ISO 13485は、製品ライフサイクル全体を通じた包括的な文書化プロトコルを義務付けており、概念の明確化から持続的な長期サポートまでのすべてを網羅しています。この体系的な記録管理のアプローチは、コンポーネントに関する包括的なトレーサビリティや変更履歴を確立し、製品の寿命全体を通じて品質の懸念に対処するうえで非常に重要な枠組みを提供します。たとえば、ファームウェアのアップデートやコンポーネントの調達先の変更などは文書化して妥当性を確認する必要があり、それによりメーカーは品質の問題に迅速に対応できるようになります。堅牢なトレーサビリティの仕組みを導入することで、不具合が特定された場合に適切なリコール手続きを取ることができるため、品質問題の迅速な解決を図りながら運用の中断を最小限に抑えることができます。この高度な文書化の枠組みは、医療用アプリケーションの枠を超えて、運用の完全性を維持するために体系的な追跡が不可欠となる複雑なシステムで有効性を示します。パフォーマンスの問題を調査する場合、エンジニアは、環境のテスト、コンポーネントの履歴、および過去のシステムの変更に関する詳細な記録を使用することで、より効果的に根本原因を追跡することができます。その結果として、より迅速なデバッグやメンテナンスの効率化につながります。
医療向けアプリケーションの枠を超えてISO 13485を拡張
ISO 13485認証を取得したSoMプロバイダとのパートナーシップは、従来のヘルスケア・アプリケーションにとどまらず、多様な産業分野にわたって運用上の大きな利点をもたらします。たとえば、この規格の認証を取得した数少ないSoMメーカーのうちの1社であるVarisciteは、以下によって優れた品質へのコミットメントを示しています。
- 幅広い条件での性能を確保する徹底したテスト
- トラブルシューティングやメンテナンスに役立つ完全なトレーサビリティ
- 生産の初期段階で問題に対応する厳格な品質管理措置
- 継続的なモニタリングに基づくデータ主導の意思決定
ISO 13485は、規制の遵守のみならず、卓越した品質を実現するための体系的なアプローチを提供します。ISO 9001の確立された枠組みをベースとしたこの認証は、ミッションクリティカルなアプリケーションにおいて特に有益となる、高い精度と信頼性の仕組みをもたらします。組込みシステムの開発に携わるエンジニアリング・チームは、Varisciteのような認定SoMプロバイダによる包括的な品質保証プロトコルを活用することで、製品ライフサイクル全体を通じてプロジェクトのリスクを最小限に抑えながら、高い水準の信頼性を達成できます。NXPのプラチナ・パートナーであるVarisciteは、i.MX 9、i.MX 8、i.MX 7、i.MX 6プロセッサを活用して、妥当性確認済みの品質基準に従いながら多様な処理能力を備えたSoMを提供しています。
NXPのi.MX 95 SoCを搭載したDART-MX95は、ISO 13485認定取得済みで、さまざまなアプリケーションに対応します。
イノベーションを推進するパートナーシップにより、ともに未来を切り拓く
このパートナーシップは、NXPのイノベーションへの取り組みにVarisciteが持つSoM設計のノウハウを統合することで、業界最先端の品質基準に裏打ちされた最先端のソリューションがお客様に確実に提供されるようにします。NXPは、長期サポートの提供、信頼性に関わる文書、およびセキュリティにより、VarisciteがISO 13485の要件を効率的に満たし、認証を取得することに貢献しています。主要な要素には以下のものが含まれます。
長期製品供給とライフサイクル管理
- NXPの製品はライフサイクルが長いため、医療機器メーカーは長期にわたって規制要件に準拠し続けることができます
- i.MXポートフォリオに含まれる多くのNXPプロセッサは、10~15年間の供給が確保されています。これは、長期的な安定性が求められる医療機器にとって極めて重要です
高い信頼性と安全機能
- NXPのシステム・オン・チップ (SoC) ソリューションは、医療アプリケーションに不可欠なハードウェア・セキュリティ機能、エラー訂正、冗長性を統合しています
- これらのプロセッサは、ISO 13485の要件との整合性がある厳格な電磁両立性 (EMC) 規格および安全規格を満たしています
妥当性確認済みのソフトウェアと文書のサポート
- NXPは、ソフトウェアの妥当性確認、医療用のリファレンス・デザイン、およびボード・サポート・パッケージ (BSP) のサポートを幅広く提供しています
- 故障モード影響解析 (FMEA)、リスク・アセスメント、妥当性確認報告書などの公式の適合性文書は、メーカーによるISO 13485認証取得を容易にします
医療専用のプロセッサとAI機能
- NXPのプロセッサは、最新のISOに準拠し、複数のヘルスケア・アプリケーションで使用されているAIおよび機械学習 (ML) 対応のNPUアクセラレータをサポートします
- NXPの製品は、低消費電力での動作、リアルタイム処理、高度なコネクティビティ(Wi-Fi、Bluetooth、イーサネット)などの機能を備えており、ポータブルおよび組込み医療機器に最適です
医療に関わるサイバー・セキュリティ規則(FDAおよびEU)
- I.MX 8やi.MX 9シリーズなど多くのNXPプロセッサは、NXPのEdgeLock®セキュア・エンクレーブをサポートしているため、医療機器のセキュリティを強化します。このセキュア・エンクレーブには、ハードウェアの信頼の基点、セキュア・ブート、ロールバック防止、改ざん検知および対応、暗号化アクセラレーション、鍵管理、セキュア・ストレージが搭載されています
- EdgeLock SE050および最新のEdgeLock SE052Fセキュア・エレメントは、コネクテッド医療機器にエンド・ツー・エンドのセキュリティをもたらします。これらのセキュア・エレメントは、セキュリティに関する国際標準であるFIPS 140-2およびFIPS 140-3認証を取得しているため、医療に関わるサイバーセキュリティ規則を満たすのに役立ちます
NXPとVarisciteのパートナーシップの詳細とともに、次の組込み設計に役立つSoMおよびその他のソリューションのラインアップをご覧ください。