ベルリンで開催されたInnovation For All (IFA) 2025は、49か国から1,900を超える出展者と22万人以上の参加者を集め、「ヨーロッパのCES」という評判に再び応えました。展示会場では、スマートホームやアプライアンス分野を中心にさまざまなテクノロジが紹介され、中でもインテリジェンス、エネルギー効率、ユーザー中心型システムなどが最も注目を集めていました。
よりスマートなアプライアンス、よりスマートな生活
アプライアンスは展示の主要テーマの1つでした。BSH、Haier、LG、Midea、Miele、Samsung、Panasonicなどの有名企業が、消費者体験を変革する基礎技術として、よりエネルギー効率が高く、静音、安全で簡単に使用でき、健康的なライフスタイルにも貢献する、AIベースの製品を展示していました。
例えば、BSHのブースでは、エネルギー効率などの日常的な課題と利便性との間でバランスを取れるよう消費者を支援することに重点を置いていました。紹介されていたMatter対応の冷蔵庫は、遠隔操作が可能で、スマートホームのプラットフォームに統合されてリアルタイムの通知を行えます。
スマートホーム:言葉よりも本質
Matterはスマートホーム関連のブースで広く取り上げられていましたが、興味深いことに、メインのテーマではありませんでした。各ブランドが焦点を当てていたのは、プロトコルそのものではなく、シームレスな制御、自動化、パーソナライズといった、スマートホームの相互運用性がもたらすメリットについてでした。
エッジでのAI
AIは、特にエッジで重視されたトレンドでした。カメラでの顔認識からインテリジェントなセンサやアプライアンスまで、AIは今やクラウドだけでなくデバイスにも組み込まれています。Aqaraは、5-in-1検出機能(PIR、ミリ波、光、温度、湿度)を備えThreadとZigBeeをサポートする、AIを活用した新しい人感センサを発表しました。
Samsungの展示「AIホーム:未来の生活が今ここに」では、AIがペットのケアからウェルネス、エンターテインメント、さらには高齢化社会への対応に至るまで、あらゆる分野で活用されていることを紹介しました。
ロボット、照明、セキュリティ
ロボティクスは、各種コンセプトや高級製品に加え、洗濯物を仕分けするヒューマノイドや、Eufyの掃除用階段昇降ロボット、Switchbotのテニス・ロボット、AIペット・ロボットなど、より親しみやすいものも含めて、未来的な雰囲気を作り出していました。
インテリジェント・ライティングの展示は、ダイナミック・ライト、プログラム可能な画像を表示するカーテン・ライト、GoveeのTV Backlight 3 Proなどの没入型システム、拡張された色範囲を備えた屋外照明など、より革新的な(そして楽しい)製品で、予想どおりの強い存在感を示していました。SignifyもPhilips Hueのラインナップを拡大し、現在はわずか15ドルからのエントリレベルの価格帯でMatterをThreadとともにサポートしています。
セキュリティとアクセスの面では、Nukiのデモで、Samsungのスマートフォンから近距離無線通信 (NFC) を介してスマートロックを解除できるAliroキーパッドがプレビューされました。スマートホームのエリアでは、セキュリティ・カメラやビデオ・ドアベルも目立っていて、いずれもインテリジェントな検出と追跡のためのオンデバイスAIの利点を強調していました。
人のつながり
いつものように、IFAの最も良い部分は、業界の専門家、イノベーター、愛好家といったさまざまな参加者が洞察を共有し、トレンドを探求しながら、コネクテッド・リビングの未来を形作っていたことでした。