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消費電力を大幅に削減する新しい高集積i.MX RT700クロスオーバーMCUは NXPのeIQ® Neutronニューラル・プロセッシング・ユニット(NPU)を搭載しエッジで最大172倍のAIアクセラレーションを実現
NXP Semiconductorsはウェアラブル、民生用医療機器、スマート・ホーム機器、HMIプラットフォームなど、AI対応のスマート・エッジ機器向けの新しいi.MX RT700クロスオーバーMCUファミリを発表しました。i.MX RT700ファミリは高い性能、広範な統合、先進的な機能、電力効率を最適なバランスで兼ね備えており、エッジAIコンピューティングの新時代に対応します。
i.MX RT700は単体で最大5個の強力なコアを持ち、クロスオーバーMCUで初めてeIQ Neutron NPUを搭載。AIワークロードを最大172倍高速化し、推論あたりの消費電力を最大1/119に削減します。 また、i.MX RT700クロスオーバーMCUは最大7.5MBの超低消費電力SRAMを統合し、前世代と比較して消費電力を30~70%削減します。
AI対応のエッジ・コンピューティング機器の登場により、演算能力と新機能に対する需要はますます高まっています。 このような機器の多くはバッテリ駆動で動作するため、消費電力が大幅に小さいMCUが求められています。
i.MX RT700クロスオーバーMCUはこのようなニーズに低消費電力、マルチコア設計で対応し、強力なグラフィックス機能、AIハードウェア・アクセラレーション、先進的なセキュリティ、センス・コンピューティング・サブシステムを搭載しています。そのため、ユーザは存在検知、ジェスチャー認識、音声コントロールなどのマルチモーダル機能をすべて備えたソリューション・ファミリを単一の統一プラットフォーム上に構築することが可能です。
「クロスオーバーMCUのパイオニアとしてNXPがリリースしたi.MX RT700は単なるMCUの進化にとどまらず、エッジでの可能性を押し広げる製品です。消費電力と効率の大幅な向上により、リソースに制約のあるアプリケーションでバッテリ駆動時間の延長と信頼性確保を実現するブレークスルーを可能にします。また、NXPのeIQ Neutron NPUが統合されているため、お客様は革新的な機械学習アプリケーションを構築し、低消費電力エッジ機器のAI機能やマルチタスク機能を向上させることができます。」
NXP Semiconductors、上席副社長 兼 インダストリアル/IoT担当ゼネラル・マネージャー Charles Dachs
i.MX RT700クロスオーバーMCUファミリは最大5個の演算コアを搭載しています。プライマリ・コアには325MHzで動作するArm® Cortex®-M33を採用し、要求の厳しいDSPタスクやオーディオ処理タスク用にCadence® Tensilica® HiFi 4 DSPが統合されています。また、NXPのeIQ Neutron NPUを搭載しており、eIQ機械学習ソフトウェア開発環境で利用できます。このファミリのSRAMはクラス最高の7.5MBまで拡張でき、メモリにアクセスする際の待機時間が一切ない点が特長です。i.MX RT700には超低消費電力のセンス・コンピューティング・サブシステムとセカンド・コアのCortex-M33、統合されたCadence Tensilica HiFi 1 DSPも搭載されています。そのため、外部センサ・ハブを接続する必要がなく、システム設計の複雑さ、フットプリント、BOMコストの削減につながります。
制約のあるMCUでAIの可能性を引き出すため、eIQ Neutron NPUはCortex-M33からのワークロードをオフロードすることでAI推論を効率的に加速します。eIQ Neutron NPUにより、タスク処理が高速化されます。例えば、Cortex-M33単体でAI推論を実行する場合と比較して、異常検知速度が最大18倍、画像分類速度が最大172倍になるモデルもあります。また、i.MX RT700は7.5MBのオンボードSRAMを搭載しており、従来のマイクロコントローラでは困難だった複雑なマルチモーダルAIタスクを実行することができます。
エッジ機器では消費電力が非常に重要な要素とされています。i.MX RT700ファミリは消費電力が最適化されており、旧世代と比較して30~70%の改善を実現しています。この省電力化を実現しているのは電力アーキテクチャをめぐる一連のイノベーションです。具体的には先進的な適応型ディープ・スリープ技術、低消費電力キャッシュ・スキームを備えた最適化されたクロック・アーキテクチャ、先進的なウェイク/スリープ・サイクルなどが挙げられます。こうしたイノベーションにより、エンド機器のバッテリ駆動時間の延長やバッテリ小型化が可能になり、設計の柔軟性が向上します。
さらに、i.MX RT700ファミリは統合された高効率DC-DCコンバータ、基本メモリ管理ユニットを搭載してシステム性能と柔軟性を向上させる一方で、拡張されたアナログ・ペリフェラルもサポートしています。また、NXPのクロスオーバーMCUとして初めて新しいeUSB規格に対応し、USB 2.0インターフェースを3.3Vではなく1Vまたは1.2VのI/O電圧で動作させることができます。
スマート接続されたコンシューマ機器ではサイバーセキュリティとプライバシーがこれまで以上に重要視されています。特に、米国のトラスト・マークや欧州のサイバー・レジリエンス法などのサイバーセキュリティ関連の法規制が施行される予定となっており、この傾向が強くなっています。i.MX RT700ファミリを使用することで、これらの規制やETSI 303 645などのコンシューマ機器向けセキュリティ規格への準拠を加速できます。
サイバー・レジリエンスと消費者データの保護はi.MX RT700ファミリの設計思想の中核を構成しています。今回発表した新しいクロスオーバーMCUはEdgeLockセキュア・エンクレーブ(コア・プロファイル)を統合しており、バッテリ節約モードでのセキュア・ブート、セキュア・アップデート、シームレスなメモリ暗号化、データへのセキュア・アクセスなどの高度なセキュリティ機能をスマート機器に提供します。また、PuF(物理的に複製が困難な関数)を内蔵した強力なデバイス認証機能も備えています。
i.MX RT700クロスオーバーMCUファミリは現在、早期アクセス・カスタマーにサンプル出荷中です。 詳細については、nxp.com/RT700をご覧ください。
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タグ: インダストリアル&IoT