RD-HVBMSCTBUNリファレンス・デザインのスタート・ガイド

最終更新日時: 2022-11-07 20:42:55サポート HVBMS | リファレンス・デザイン・バンドル (RD-HVBMSCTBUN)

このドキュメントの内容

  • 1

    パッケージの内容
  • 2

    ハードウェアの入手
  • 3

    ハードウェアの構成

1. パッケージの内容

NXPのアナログ製品開発ボードは、NXP製品の評価を目的とした使いやすいプラットフォームです。さまざまなアナログ・ソリューション、ミックスド・シグナル・ソリューション、パワー・ソリューションに対応しています。実績のある大容量テクノロジを使用したモノリシック集積回路およびシステム・イン・パッケージ (SiP) デバイスを搭載しています。NXP製品は、最先端システムへの電源供給において、より長いバッテリー寿命、より小さいフォーム・ファクタ、より少ない部品数、より低いコスト、より優れたパフォーマンスを実現します。

このページでは、RD-HVBMSCTBUNリファレンス・デザインをセットアップして使用する手順について説明します。

1.1 キットの内容と同梱物一覧

RD-HVBMSCTBUNには以下のものが含まれています。

  • バッテリー・マネジメント・ユニット・キット
    • RD-K344BMUボード x 1
    • 電源(12 VDC、5.0 A)x 1
    • 多目的ケーブル x 1
    • USB-TTLケーブル x 1
    • ETPLケーブル x 1
  • セル・モニタリング・ユニット・キット
  • RD33775ACNTEVBボード x 1
  • 電源ケーブル x 4
  • ETPLケーブル x 1
  • バッテリー・ジャンクション・ボックス・キット
    • RD772BJBTPLEVBボード x 1
    • 電源ケーブル x 1
    • 高電圧測定ケーブル x 3
    • サーマル・センサ・ケーブル x 1
    • ETPLケーブル x 1
  • バッテリー・エミュレーション・キット
    • BATT-14CEMULATORボード x 1
    • 電源(12 VDC、5.0 A)x 1
    • アダプタ x 1
    • BATT-14EXTENDERボード x 1
    • 電源ケーブル x 1
  • ソフトウェア・ライセンス

HVBMS起動インターフェースは初回起動時のセル電圧測定値を可視化するためのもので、HVBMSリファレンス・デザイン・バンドルのウェブサイトより入手できます。このインターフェースは、BMUにフラッシュ書き込み済みのバイナリ・ファイルと一致する、FreeMASTER(NXPランタイム・デバッグ・ツール)上で実行されるGUIです。

1.2 追加ハードウェア

このキットの作業をする際は、キットの内容物のほかに以下のハードウェアが必要になるか、または使用すると役立ちます。

  • 提供されたグラフィカル・ユーザー・インターフェース (GUI) を実行し、RD-K344BMUボードをプログラムするためのPC
  • RD-K344BMUボードをプログラムするためのJTAGデバッガ。推奨されるデバッガはPEmicro Multilink FXです。
  • BATT-14EXTENDERを分圧モードで使用するための外部電源(オプション)

1.3 ソフトウェア

このキットの作業をする際は、キットの内容物のほかに以下のハードウェアを使用すると役立ちます。

  • FreeMASTER 3.1:HVBMS起動キットを使用したセル電圧の可視化用(オプション)

2. ハードウェアの入手

2.1 説明

RD-HVBMSCTBUNは、高電圧バッテリー・マネジメント・システム (HVBMS) 用のリファレンス・デザイン・バンドルです。評価と開発を目的として開発されています。ハードウェア・キットと複数のソフトウェア・パッケージで構成されています。

2.2 バッテリー・マネジメント・ユニット

バッテリー・マネジメント・ユニット (BMU) は、バッテリー・マネジメント・システム (BMS) の制御部です。BMUはデータを処理し、判断を行い、システムに命令を出します。

RD-K344BMUは、HVBMSリファレンス・デザインのBMUです。このBMUキットには、電源のほか、HVBMSの他の部分とのインターフェースとなる3本のケーブルが含まれています。

RD-K344BMU interfaces RD-K344BMU cables

RD-K344BMUの詳細については、このリファレンス・デザインに関連するウェブサイトを参照してください。

2.3 ファームウェアのバージョン

RD-K344BMUには、起動を容易にするためにファームウェアが事前にフラッシュ書き込みされています。ファームウェア・バージョン0.9.1より、含まれるファームウェアのバージョンを記載したステッカーがRD-K344BMUボードと梱包箱に貼付されています。ボードのバージョンがステッカーに記載されていない場合は、ファームウェア・バージョン0.8.0が書き込まれています。

  • ファームウェア・バージョン0.8.0には、システム・ベーシス・チップ (SBC) のサポートが含まれていません。起動時にSW1ボタンを押して、SBCをデバッグ・モードに設定する必要があります。SBCが誤ったモードになっていると、MCUが周期的にリセットされ、LEDが点滅します。このファームウェア・バージョンは、このガイドで説明されているHVBMS起動インターフェースの最新バージョンと互換性がありません。以前のバージョンを使用するか、または最新のHVBMS起動サンプルに含まれている最新の.elf ファイルを使用してMCUを再プログラムすることができます
  • ファームウェア・バージョン0.9.1以降には、SBCのサポートが含まれています。SBCはデフォルトでノーマル・モードであり、HVBMS起動アプリケーションで動作します。ただし、MCUの再書き込みを可能にするには、パワーオン・リセット時にSW1ボタンを押してSBCをデバッグ・モードにする必要があります

2.4 セル・モニタリング・ユニット

セル・モニタリング・ユニット (CMU) は、バッテリー・マネジメント・システムのセル検出部です。CMUは、セル電圧と環境温度を精密に監視して、バッテリーの安全な動作を確保し、迅速なセル・バランシングを可能にします。

RD33775ACNTEVBは、エレクトリカル・トランスポート・プロトコル・リンク (ETPL) ベースのアーキテクチャ向けのHVBMSリファレンス・デザインCMUです。このCMUキットには、HVBMSの他の部分とのインターフェースとなる5本のケーブルが含まれています。

RD33775ACNTEVB interfaces RD33775ACNTEVB cables

2.5 バッテリー・ジャンクション・ボックス

バッテリー・ジャンクション・ボックス (BJB) は、バッテリー・マネジメント・システムのパックレベルの検出部です。BJBは高電圧を測定します。この測定により、インバーターおよびチャージャへのコンタクタの接続を監視できるようになります。また、BJBはシステムの電流を精密に測定し、バッテリーとシャーシ間の絶縁を監視します。

RD772BJBTPLEVBは、エレクトリカル・トランスポート・プロトコル・リンク (ETPL) ベースのアーキテクチャ向けのHVBMSリファレンス・デザインBJBです。このBJBキットには、HVBMSの他の部分とのインターフェースとなる6本のケーブルが含まれています。

RD772BJBTPLEVB interfaces RD772BJBTPLEVB cables

2.6 バッテリー・エミュレーション

HVBMSリファレンス・デザイン・キットには、BATT-14CEMULATORおよびBATT-14EXTENDERボードで構成されるバッテリー・エミュレーション・キットが含まれています。

BATT-14CEMULATOR interfaces BATT-14EXTENDER board and use cases

3. ハードウェアの構成

3.1 ハードウェアの構成

システムを接続してセットアップする手順は次のとおりです。

  • ボードの接続:
    1. キットからすべてのボードとケーブルを取り出します
    2. 多目的ケーブルをRD-K344BMU (J1) に接続します
    3. セル・モニタリング・ユニット (CMU) を接続します
      1. 最初のETPLケーブルをRD-K344BMU (J2) とRD33775ACNTEVB (J37) に接続します
      2. 2本目のETPLケーブルをRD-K344BMU (J3) とRD33775ACNTEVB (J30) に接続します
      3. 4本の電源ケーブルをRD33775ACNTEVB(J1J34J35J36)とBATT-14EXTENDER(J2J3J4J5)に接続します
      4. 電源ケーブルをBATT-14EXTENDER (J1) とBATT-14CEMULATOR (J1) に接続します
    4. バッテリー・ジャンクション・ボックス (BJB) を接続します。
      1. ETPLケーブルをRD-K344BMU (J5) とRD772BJBTPLEVB (J9) の間に接続します
      2. BJB電源ケーブルをRD-K344BMU(J1、4ピン・コネクタ、ピン11~14)とRD772BJBTPLEVB (J12) の間に接続します
  • RD-HVBMSCTBUN Image 9
  • ボードへの電源供給:
    1. 付属の電源とアダプタ (J6) を使用してBATT-14CEMULATORに電源を供給することで、CMUとバッテリー・エミュレーション・システムに電源を供給します
    2. 付属の電源を多目的ケーブルの端に接続することで、BMUに電源を供給します
  • HVBMS起動インターフェースを使用したシステムの監視:
    1. HVBMS起動FreeMASTERプロジェクト (HVBMS_StartUp_FreeMASTER.pmpx) を開きます
    2. 付属のUSB-TTLケーブルをRD-K344BMU (J8) に接続し、黒のワイヤがグランドに、黄色がTXに、オレンジがRXに接続されていることを確認します
    3. FreeMASTERでUSB接続を設定します。
      1. FreeMASTERのメニューで[Tools(ツール)]をクリックし、[Connection Wizard(接続ウィザード)]を選択します。
      2. 接続ウィザードのウィンドウで[Next(次へ)]をクリックします。[Use direct connection to on-board USB port(オンボードUSBポートへの直接接続を使用)]を選択し、[Next(次へ)]をクリックします
      3. 正しいUSBシリアル・ポートを選択し、プローブするボーレートとして115200を選択して、[Next(次へ)]をクリックします
      4. [Yes(はい)]を選択します。検出されたポート設定を使用し、FreeMASTERツールを用いて起動したら、[Finish(完了)]をクリックします
      5. FreeMASTERメニューで[Go!(実行)]をクリックするか、インターフェースの[Connect(接続)]をクリックします
  • RD-HVBMSCTBUN Image 10
  • システムのプログラミング:
    • 開発セットアップをインストールし、HVBMSリファレンス・デザインを使用してプログラミングを開始するには、HVBMSソフトウェア・インストール・ガイドを参照してください