RDGD31603PHSEVMハーフブリッジ評価ボードのスタート・ガイド

最終更新日時: 2021-08-11 23:05:00サポート RDGD31603PHSEVM

このドキュメントの内容

  • 1

    パッケージの内容
  • 2

    ハードウェアについて
  • 3

    ソフトウェアのインストール
  • 4

    ハードウェアの構成

1. パッケージの内容

NXPのアナログ製品開発ボードは、NXP製品の評価を目的とした使いやすいプラットフォームです。さまざまなアナログ・ソリューション、ミックスド・シグナル・ソリューション、パワー・ソリューションに対応しています。実績のある大容量テクノロジを使用したモノリシック集積回路およびシステム・イン・パッケージ (SiP) デバイスを搭載しています。NXP製品は、最先端システムへの電源供給において、より長いバッテリー寿命、より小さいフォーム・ファクタ、より少ない部品数、より低いコスト、改善されたパフォーマンスを実現します。

このページでは、RDGD31603PHSEVMボードをセットアップして使用する手順について説明します。

1.1 キットの内容と同梱物一覧

RDGD31603PHSEVMには以下のものが含まれています。

  • 組立て済み/テスト済みのRDGD31603PHSEVMボード(静電気防止バッグ入り)
  • Flex GUIソフトウェア制御を備えた3.3 V/5.0 V変換器ボード (KITGD3160TREVB)、FRDM-KL25Zに接続済み
  • クイック・スタート・ガイド

1.2 追加ハードウェア

このリファレンス・ボードの作業をする際は、キットの内容物のほかに以下のハードウェアが必要になるか、または使用すると役立ちます。

  • SPI通信用マイクロコントローラ
  • 互換性のあるSiC MOSFETモジュール
  • SiC(OnSemi NVXR17S90M2SPのVE-Trac SiCまたはST SiC)MOSFETモジュールに対応するDCリンク・キャパシタ
  • 保護シールドと聴覚保護機能を備えたHV電源
  • 各相の電流のモニタリング用電流センサ
  • 12 V、1.0 A DC電源
  • 適切な絶縁プローブを備えた4チャネル・オシロスコープ

1.3 Windows PCワークステーション

このリファレンス・デザインには、Windows PCワークステーションが必要です。この評価ボードで作業する際は、これらの最低限の仕様を満たすことで良好な結果が得られます。

  • Windows 8またはWindows 10を搭載したUSB対応のコンピュータ

1.4 ソフトウェア

このリファレンス・デザインで作業するには、ソフトウェアのインストールが必要です。記載されているすべてのソフトウェアは、RDGD31603PHSEVMの情報ページから入手できます。

  • KITGD3160TREVB MCU/変換器ボードとともに使用するFlex GUIソフトウェア
  • S32S Design Studio IDE for Power Architecture
  • 車載用演算/モータ制御ライブラリ (AMMCLib)
  • FreeMASTER 2.0ランタイム・デバッグ・ツール
  • モータ制御アプリケーション・チューニング (MCAT)
  • サンプル・コード、GD3160デバイス・ドライバ・ノートおよびGD31xxデバイス・ドライバ・リファレンス

2. ハードウェアについて

2.1 ボードの特長

  • KITGD3160TREVBおよびFlexGUIを使用してU相でダブル・パルス試験または短絡試験を実行する機能。U相の回路図とFlexGUIの[パルス]タブを参照してください
  • GD3160ゲート・ドライバと保護回路用に設計および実装された評価ボード
  • 完全な三相の評価および開発のためにHybridドライブ・タイプのSiC固有モジュールに接続する機能
  • デイジー・チェーンSPI通信(3つのハイサイド・ゲート・ドライバと3つのローサイド・ゲート・ドライバ)
  • GNDリファレンスと-3.9 V VEE電源を備えた可変フライバックVCC電源
  • 電源、グランド、信号テスト・ポイントへのアクセスが容易
  • 2 x 32 PCIeソケット、MCU制御(MPC5775B/E-EVB、MPC5777C-DEVBまたはMPC57744P)のインターフェース用
  • DCバス電圧モニタリング用の接続オプション
  • 相電流フィードバック接続
  • レゾルバ信号コネクタ

2.2 ボードの説明

RDGD31603PHSEVMは、6つのGD3160ゲート・ドライバを実装し、フォルト・マネジメントとサポート回路を備えた、フル機能の三相インバーター評価ボードです。このボードは、3つのハイサイド・ゲート・ドライバと3つのローサイド・ゲート・ドライバを個別にプログラミングするためのSPIデイジー・チェーン通信をサポートします。

RDGD31603PHSEVM_BOARD_DESC

2.3 Kinetis KL25Z Freedomボード

Freedom KL25Zは、Arm® Cortex®-M0+プロセッサに基づいて構築されたKinetis® LシリーズKL1x (KL14/15) およびKL2x (KL24/25) MCU向けの超低コスト開発プラットフォームです。

RDGD31603PHSEVM_aaa-039272

2.4 3.3 Vから5.0 Vへの変換器ボード

KITGD3160TREVB変換器は、MCUの3.3Vから5.0VのSPI通信への信号レベル・シフトを可能にします。

RDGD31603PHSEVM_aaa-039273
ジャンパ 位置 機能
VCCSEL (J3) 1-2 5.0 V互換ゲート・ドライブに対して5.0 Vを選択
2-3 3.3 V互換ゲート・ドライブに対して3.3 Vを選択
PWMH_SEL (J4) 1-2 KL25Z MCUからのPWMハイサイド制御を選択
2-3 光ファイバ・レシーバ入力からのPWMハイサイド制御を選択
PWML_SEL (J5) 1-2 KL25Z MCUからのPWMローサイド制御を選択
2-3 光ファイバ・レシーバ入力からのPWMローサイド制御を選択

2.5 ボードのコンポーネント

RDGD31603PHSEVMハーフブリッジ評価ボードの概要

RDGD31603PHSEVM_aaa-041541 RDGD31603PHSEVM_aaa-041538.

3. ソフトウェアのインストール

RDGD31603PHSEVM向けのソフトウェアには、FlexGUIツールが付属しています(NXP.comから入手可能)。キット内のFRDM-KL25Zには、必要なファームウェアがインストール済みです。

他のソフトウェアやPWMを使用してテストする場合でも、このソフトウェアをバックアップ用にインストールすることをお勧めします。デバッグに役立てることもできます。

3.1 コンピュータへのFlexGUIのインストール

最新バージョンのFlexGUIは、GD3100およびGD3160をサポートしています。Windows 10またはWindows 8ベースのオペレーティング・システムで動作します。このソフトウェアをインストールするには、次の手順に従います。

  • FlexGUIにアクセスし、[ダウンロード]をクリックします。
  • FlexGUIソフトウェアのページが表示されたら、[ダウンロード]をクリックし、PCのオペレーティング・システムに対応するバージョンを選択します
  • FlexGUIウィザードによってショートカットが作成され、デスクトップにNXP FlexGUIのアイコンが表示されます。デフォルトで、FlexGUI実行ファイルはC:\flexgui-app-des-gd31xx.exeにインストールさ れます。デバイス・ドライバをインストールすると、以前にインストールしたFlexGUIが上書きされ、GD31xxドライバを含む現在のバージョンに置き換えられます。ただし、以前のバージョンの構成ファイル (.spi) はそのまま残ります

3.2 FRDM-KL25Zマイクロコードの設定

RDGD31603PHSEVM_aaa-038800

デフォルトでは、このキットに同梱されているFRDM-KL25Zは、キットで利用可能な最新のファームウェアで事前にプログラム済みです。

マイクロコードがプログラム済みでボードが正常に機能していることをすぐに確認するには、KL25Zをコンピュータに接続し、FlexGUIを開いて、下部にあるソフトウェアのバージョンが6.4以降であることを確認します。

ボードのリセット、再プログラミング、データの破損などによって機能が失われた場合は、次の手順に従ってマイクロコードを書き換えることができます。

  1. メモリを消去してボードをブートローダ・モードにするために、リセット・ボタンを押しながらUSBケーブルをOpenSDA USBポートに差し込みます
  2. ボードがBOOTLOADERデバイスとして表示されていることを確認したら、ステップ3に進みます。ボードがKL25Zと表示されている場合は、ステップ6に進むことができます
  3. PEmicro OpenSDAのウェブページからファームウェア・アプリの.zipアーカイブをダウンロードします。ファイルにアクセスするためのメール・アドレスを検証します
  4. 最新のMDS-DEBUG-FRDM-KL25Z_Pemicro_v118.SDAを見つけたら、BOOTLOADERデバイスにコピーまたはドラッグ&ドロップします
  5. OpenSDAポートへの接続を外して再接続することで、ボードを再起動します。続行するには、デバイスがKL25Zデバイスとして表示されていることを確認します
  6. 最新のKL25Zファームウェアを見つけます。これはFlexGUIパッケージの一部として配布されています
    1. FlexGUIのインストール・ディレクトリを確認します。flexgui-app-des-gd31xx\binフォルダ内にあり、「flexgui-fw-KL25Z_usb_hid_gd31xxC_vx.x.x.bin」という形式で名前が付けられています。
    2. この.binファイルは、FRDM-KL25Z用の製品/ファミリ固有の設定ファイルであり、RDGD31603PHSEVMの一部である変換器ボードとのインターフェースに必要なピン定義、SPI/PWM生成コード、ピン配置(割り当て)が含まれています
  7. KL25ZをOpenSDAポートに接続したままの状態で、.binファイルをKL25Zデバイス・メモリにコピーまたはドラッグ&ドロップします。それが済んだら、USBを取り外し、「KL25Z0」と表記された他のUSBポートに接続します
    1. ソフトウェアは、ドライバ・ボードと変換器ボードのどちらにも保存されておらず、FRDM-KL25Z MCUボードにのみ存在します

アップロードされたすべてのファームウェアは、FRDM-KL25Zでリセット・ボタンが押されるまでは不揮発性メモリに保存されます。電源を投入する度にこのプロセスを繰り返す必要はありません。また、電源プラグを抜くことでデータが消失することはありません。

4. ハードウェアの構成

4.1 ハードウェアの構成

下図に示すように、KITGD3160TREVBが取り付けられたRDGD31603PHSEVMで、WindowsベースのPCとFlexGUIソフトウェアを使用します。

テストに必要な推奨機器:

  • ロゴスキー・コイル大電流プローブ
  • 高電圧差動プローブ
  • 高サンプル・レートのデジタル・オシロスコープ(プローブ付き)
  • HybridPACKドライブ・モジュールに対応するDCリンク・キャパシタ
  • IGBTまたはSiC MOSFET HybridPACKドライブ・モジュール
  • WindowsベースのPC
  • DCリンク電圧用の高電圧DC電源
  • VSUP用の低電圧DC電源
    • +12 V DCゲート・ドライブ・ボード低電圧ドメイン
  • 高電圧DCリンク供給のモニタリング用の電圧計
  • ダブル・パルス試験および短絡試験用の負荷コイル、U相のみ
EVALUATION_SETUP_USING_KITGD3160TREVB_AND_FLEX_GUI EVLAUTION_KIT_USING_MPC577C evaluation_kit_using_MPC5744P

設計・リソース

その他の参考情報

GD3160:SiC MOSFET/IGBT用の高度なシングル・チャネル高電圧絶縁車載ゲート・ドライバのページに加えて、次のページもご覧ください。

ゲート・ドライバ・ページ

ツール・ページ

ハードウェア・ページ

サポート

フォーラム

NXPのいずれかのコミュニティ・サイトで、他のエンジニアとつながり、RDGD31603PHSEVMを使用した設計に関する専門的なアドバイスを受けることができます。

パワーマネジメント・コミュニティ