SJA1110-EVMのスタート・ガイド

最終更新日時: 2020-06-18 19:19:48サポート SJA1110-EVM

このドキュメントの内容

  • 1

    使用を開始する
  • 2

    ハードウェアの入手
  • 3

    ハードウェアの構成
  • 4

    ソフトウェアの入手

1. 使用を開始する

NXP®のアナログ製品開発ボードは、NXP製品の評価を目的とした使いやすいプラットフォームです。

SJA1110-EVMは、SJA1110車載イーサネット・スイッチ用の評価ボードです。このボードには2つのSJA1110Aスイッチが搭載されており、AVB、TSN、カスケード構成の2つのスイッチの制御など、サポートされているすべての機能を評価できます。SJA1110ソフトウェア開発キット (SDK) およびオプションのAVB/gPTPミドルウェア(別売)に対応します。

このボードは13個の100BASE-T1 PHYを搭載しており、そのすべてがOPEN Alliance TC10のウェイクアップ・フォワーディング機能に対応しています。さらに、1つのBASE-TX PHYおよび1つの1000BASE-T PHY(ともにRJ45コネクタ付き)、外部マルチギガPHY用の3つの汎用SFPおよびSFP+コネクタも搭載しています。

SJA1110-EVMボードは、i.MXやS32xプロセッサ・ファミリなどのNXPのプロセッサおよびコントローラ・マザーボードへの接続に対応するSABREコネクタをサポートしています。

このページでは、SJA1110-EVM評価ボードの設定と使用について説明します。

1.1 キットの内容と同梱物一覧

SJA1110-EVMには以下のものが含まれています。

  • 組立て済み/テスト済みのSJA1110-EVM(静電気防止バッグ入り)
  • サブスクリプション・カード

注:電源アダプタはキットに含まれません。5.5 x 2.1 (mm) 出力コネクタを備えた標準AC-DC電源アダプタ 12 VDC @ 1 Aを使用することをお勧めします。詳細については、SJA1110-EVMユーザー・マニュアル (AH1901) をご覧ください。

1.2 追加ハードウェア

このキットの作業をする際は、キットの内容物のほかに以下のハードウェアが必要になるか、または使用すると役立ちます。

  • マイクロUSBケーブル
    • Pythonツールに必要
    • 別のデバッガの代替としてOpenSDAを使用する場合にSDKで必要(サポートされているデバッガのリストについては、SJA1110 SDKに関するドキュメントを参照してください)
  • T1ポートのスクリュー・ソケット用の小型スクリュー・ドライバ (1.8 mm)
  • SFP(SFPレセプタクルへの接続用):
    • 1000Base-T SFPカッパーRJ45 10Gtek ASF-GE2-T
    • Aquantia AQS-109-B0C2-CB
    • AXCEN AXGT-R1T4-05I3
  • SGMII DACケーブル(SFPレセプタクルへの接続用):
    • MikroTik SFP+ 1m S+DA0001

1.3 ソフトウェア

このボードの用途によっては、ソフトウェアのインストールが必要です。

  • スイッチの構成および内部マイクロコントローラのプログラミング用のSDK
  • スイッチ構成用のPython設定およびホスト・ツール
  • 外部マイクロコントローラを使用したスイッチ構成用のLinux®ドライバ
  • gPTPサンプル・ソフトウェア(必要な場合)

1.4 ユーザー・マニュアル

主要なコンポーネントとボード構成の詳細については、AH1901、SJA1110評価ボードを参照してください。

2. ハードウェアの入手

2.1 ボードの説明

SJA1110-EVMボードは、さまざまなユース・ケースや構成におけるNXP®車載用スイッチの導入とSJA1110チップの評価に使用できます。

このボードは、内蔵PHYですべてのPMAテストを実行することを意図したものではありません。適切な測定に必須の関連する信号は、SMAコネクタには出力されません。

2.2 ボードの特長

  • 2つのSJA1110Aカスケード・スイッチ・デバイス
  • VR5510 PMICベースの電源(単一の12 V入力を使用)
  • 各種イーサネット・ポート:
    • 100BASE-T1ポート(SJA1110A内蔵PHY)x 12
    • TJA1101 PHYを使用した100BASE-T1ポート x 1
    • AR8031 PHYを使用したギガビット・イーサネット・ポート x 1
    • 100BASE-TXポート(SJA1110A内蔵PHY)x 1
    • SFPレセプタクル x 2
    • SFP+レセプタクル x 1
  • デバッグ・ヘッダ
  • ボードの動作モード選択および特定の設定の変更用の複数のDIPスイッチ
  • 数個のプッシュ・ボタン(組込みボタンまたはSW定義の機能)
  • SPIアクセスおよびOpenSDAに対応するUSBコネクタ
  • ARMコアのデバッグ・コネクタとしてのJTAG
  • i.MX6、i.MX8、S32K1、S32K3、S32GV、S32GなどのNXPプロセッサおよびコントローラのマザー・カードに簡単に接続できるSABREコネクタ
  • ハードウェアまたはソフトウェア制御の複数のLED

2.3 ボードのコンポーネント

SJA1110-EVM評価ボードの概要

GS-SJA1110-EVM-IMG1

2.4 その他のボード・サポート

主要なコンポーネントの詳細については、AH1901、SJA1110評価ボード・ユーザー・マニュアルを参照してください。

ハードウェアの構成

SJA1110-EVMボードにサンプル・デザインを導入するシナリオとしては、S32 Design Studioを使用するか、Python SJA1110-EVMホスト・ツール・パッケージを使用するという2種類のシナリオが考えられます。

3.1 SDKの使用

このサンプルを実行するには、次のものが必要です。

  • SJA1110-EVMボード1台
  • 12 V電源アダプタ1個
  • パソコン1台
  • 以下に示すようなサポートされているデバッガ1個。
    • Arm® Cortex®デバッグ・プローブを備えたLauterbachベースのプローブ
    • Cortex-M向けLauterbach uTrace
    • Multilink Universal RevC/D
    • Multilink Universal FX RevB/C
GS-SJA1110-EVM-IMG2

ハードウェアを構成するには、以下を実施します。

  1. SJA1110をサポートしているSDKをインストールします
  2. ボードを開梱します。ジャンパ(J58接続済み)とDIPスイッチを設定します。
  3. GS-SJA1110-EVM-SDK
  4. 以下のようにPCをSJA1110-EVMに接続します。
    • a. サポートされているデバッガを「JTAG SW1」に接続します
  5. 電源をバレル・コネクタに接続し、ボードの電源を入れます。すべての電源LEDが点灯します
  6. SDKを開きます
  7. 以下の手順でサンプル・デザインをインポートします。
    • a. [New S32DS Project from Example(サンプルに基づいた新規S32DSプロジェクト)]をクリックします
    • b. switch_config_sja1110evmを選択し、[Finish(完了)]をクリックします
  8. オプション:以下の手順で構成ビューを開きます。
    • a. [Open S32 Configuration(S32の構成を開く)]をクリックします
    • b. [Peripherals(ペリフェラル)]をクリックし、スイッチ関連の設定を表示して調整します
  9. 以下の手順でプロジェクトをビルドします。
    • a. ビルド・ボタンに対応する下向き矢印を左クリックして、ビルドする構成のRAM (Debug_RAM) を選択します
    • b. ビルドの実行が完了するのを待ってから、次の手順に進みます。
  10. 以下の手順でプロジェクトを実行します。
    • a. [Run(実行)]に移動し、[Debug Configurations(デバッグの構成)]を選択します。このプロジェクト関連の4つのデバッグ構成が表示されます
    • b. 目的のデバッグ設定を選択し、[Launch(起動)]をクリックします。画面がデバッグ画面に切り替わります
    • c. コントロールを使用して、プログラムのフローを制御します
    • d. これで、スイッチやボードがサンプル・デザインに従って作動します

3.2 Pythonホスト・ツール・パッケージの使用

このサンプルを実行するには、次のものが必要です。

  • SJA1110-EVMボード1台
  • 12 V電源アダプタ1個
  • パソコン1台
  • USBケーブル1本
GS-SJA1110-EVM-IMG3

ハードウェアを構成するには、以下の手順を実施します。

  1. Pythonホスト・ツール・パッケージと必要なドライバをインストールします
  2. ボードを開梱します。ジャンパ(J58接続済み)とDIPスイッチを設定します。
  3. GS-SJA1110-EVM-SDK
  4. PCをSJA1110-EVMに接続します。
    PCに他のFTDIデバイスが接続されていないこと、およびボードを接続するときにPCの電源が入っていることを確認してください。
    MicroUSBケーブルをMicroUSBコネクタに差し込み、SJA1110-EVMをPCに接続します
  5. 電源をバレル・コネクタに接続し、ボードの電源を入れます。
    すべての電源LEDが点灯します
  6. SJA1110-EVMのサブフォルダからPythonスクリプトread_deviceid.pyを起動します。このスクリプトは両方のスイッチのデバイスIDを読み取るため、スイッチに到達できるかを確認するために使用できます。以下のメッセージが表示されます。GS-SJA1110-EVM-READ-DEVICEID
    これにより、ソフトウェアのインストールとボードのセットアップが正確であることを確認できます
  7. Pythonスクリプトsetup_sja1110evm_simple.pyを起動します。このスクリプトによって両方のスイッチが初期化され、両方のスイッチに非常に単純な静的設定が読み込まれます
  8. イーサネットのノードをポートに接続し、トラフィックの送受信を開始します

3.3 その他のボード・サポート

ハードウェアの構成の詳細については、AH1901、SJA1110評価ボード・ユーザー・マニュアルを参照してください。

4. ソフトウェアの入手

4.1 S32 Design Studio for ARMおよびSDKのインストール

  1. S32 Design Studio S32DS3.4 for ARMをダウンロードしてインストールします
    1. nxp.comにログインします。
    2. 「S32DS 3.4」を検索します(SJA1110SDKはこのバージョンv3.4.0でサポートされています)
  2. SDKのアクティベーション用のライセンス・キーは製品梱包箱に同梱されています
  3. SDKをダウンロードしてインストールします
    1. SJA1110SDKファイル(SJA1110 SDK RTM 1.0以降)をダウンロードします
    2. S32 Design Studioを開いて、[Help(ヘルプ)]>[Update Software(ソフトウェアのアップデート)]の順にクリックします
    3. [From Archive(アーカイブから)]を選択し、「SDK-zip-file」を参照します
    4. ライセンスに同意してインストールします

4.2 その他のソフトウェア・サポート

ソフトウェアに関するその他の詳細については、SJA1110評価ボードのユーザー・マニュアル (AH1901) 、ソフトウェアのユーザー・マニュアル (UM11107)、S32SDKのユーザー・マニュアルを参照してください。

4.3 使用準備完了

組込みアプリケーションの開発を開始します。

設計・リソース

製品概要ページ

SJA1110の製品概要ページはSJA1110でご覧いただけます。

ツール概要ページ

SJA110-EVMボードのツール概要ページはSJA1110-EVMでご覧いただけます。

このページには、概要の説明、技術仕様および機能仕様、注文情報、ドキュメント、ソフトウェアについて記載されています。「スタート・ガイド」では、ダウンロード可能なアセットを含む、SJA1110-EVMボードの使用に適用されるクイック・リファレンス情報を提供しています。