FRDM-K64Fのスタート・ガイド

最終更新日時: 2019-03-18 13:12:00サポート FRDM-K64F | K64/K63/K24 | Dev Platform

1. 接続

1.1 FRDM-K64Fの接続前の重要な情報

OpenSDAは、多くのNXP開発ボードに組み込まれているKinetis K20デバイス上で動作するシリアルおよびデバッグ・アダプタ回路です。

これにより、ユーザーはUSBケーブルを使用するだけで、ターゲットのK64Fチップにプログラムをダウンロードしてデバッグすることができます。

Windows 10ではマス・ストレージ・デバイスの扱いが変更されたため、一部のFRDM-K64Fボードに搭載されている旧版のOpenSDAファームウェアがWindows 10に対応しない場合があります。その場合、FRDM-K64Fボードに搭載されている旧版のOpenSDAファームウェアが破損するおそれがあります。

現在ディストリビュータから出荷されている大多数のFRDM-K64Fボードには、これに該当しないアップデート済みのファームウェアが既に搭載されていますが、一部の在庫品には依然として古いファームウェアが搭載されている可能性があります。

Windows 10でFRDM-K64Fを適切に動作させるために、ボードを初めて接続する前に以下の手順に従ってWindows 10のコンピュータのStorage Servicesを無効にし、必要に応じてOpenSDAファームウェアをアップデートしてください。

  1. キーボードの[Windowsロゴ]キーを押しながら[R]キーを押して、[ファイル名を指定して実行]を開きます
  2. 「services.msc」と入力し、[Ctrl]+[Alt]キーを押しながら[Enter]キーを押して、[サービス]アプリケーションを「管理者モード」で起動します
  3. GS-FRDM-K64F-MODAL10-FIG1

    GS-FRDM-K64F-MODAL10-FIG1
  4. サービスが開いたら、「Storage Services」の項目を見つけて、ダブルクリックで開きます
  5. GS-FRDM-K64F-MODAL10-FIG2

    GS-FRDM-K64F-MODAL10-FIG2
  6. プロパティ・ボックスが表示されたら、「スタートアップの種類」を[無効]に変更し、[停止]をクリックします。両方のオプションがグレーアウトされている場合は、[サービス]プログラムが「管理者モード」で起動しているか確認してください
  7. GS-FRDM-K64F-MODAL10-FIG3

    GS-FRDM-K64F-MODAL10-FIG3
  8. ここでFRDM-K64Fボードを手に取り、ボードのリセット・ボタンを長押ししながらコンピュータに接続します
  9. GS-FRDM-K64F-MODAL10-FIG4

    GS-FRDM-K64F-MODAL10-FIG4
  10. ボードが「MAINTENANCE」という名前のドライブとして列挙される場合、ボードには最新のファームウェアが搭載されているため、それ以上の処置は必要ありません。最後のステップ (#10) に進み、「Storage Services」を再度有効にします。
  11. ボードが別の名前のドライブとして列挙される場合は、この0244_k20dx_bl_0x5000.binファイルをそのドライブにドラッグ&ドロップします。これにより、OpenSDAブート・ローダが更新されます
  12. ボードが自動的に「MAINTENANCE」という名前のドライブとして再び列挙されます。このk20dx_frdmk64f_if_crc_legacy_0x5000.binファイルをその「MAINTENANCE」ドライブにドラッグ&ドロップして、OpenSDAのCMSIS-DAPアプリケーションをアップデートします
  13. ボードは自動的にFRDM-K64FDという名前のドライブとして再び列挙されます。これでOpenSDAブート・ローダとOpenSDAアプリケーションの両方が最新のものに更新され、Windows 10で正しく機能します
  14. 前と同じ手順で「Storage Services」のダイアログ・ボックスを開いて、「Storage Services」を再度有効にします。「スタートアップの種類」を[自動(遅延開始)]に戻し、[開始]をクリックします

ステップ#6でボードを接続した際にドライブが一切表示されない場合は、WindowsによってOpenSDAファームウェアが破損した可能性があります。破損したファームウェアを修復するには、外部デバッグ・ツールを使用して、OpenSDAファームウェアが実行されるK20チップを再プログラムするしかありません。このプロセスの手順については、OpenSDAコミュニティの投稿 をご覧ください。

1.2 FRDM-K64F開発ボードのスタート・ガイド

実際にFRDM-K64Fを使ってみましょう!ショート・ビデオで手順を視聴するか、以下に記載された詳細な手順を参考にして、作業を進めてください。

1.3 USBケーブルを接続する

FRDM-K64F-GS-board

FRDM-K64F-GS-board

1.4 クイック・スタート・デモを実行する

FRDM-K64Fには、オンボード加速度センサを利用した「水準器」のデモが搭載されています。ボードが水平の場合、RGB LEDはオフのままです。ボードが傾いている場合、X軸の傾きに応じて赤色のLEDが、Y軸の傾きに応じて青色のLEDが点灯します。

FRDM-K64F-DEMO

FRDM-K64F-DEMO

デモが機能しない場合

2. ソフトウェアの入手

開発方法を選択します。

2.1 FRDM-K64F用ソフトウェアをインストールする

2.2 MCUXpresso SDKですぐに設計を開始する

下のボタンをクリックして、 FRDM-K64F用に事前設定済みのSDKリリースをダウンロードしてください。SDKの詳細はこちら

MCUXpressoソフトウェアSDKは無償で利用することができ、オープンソースのライセンスに基づいて、すべてのハードウェア抽象化およびペリフェラル・ドライバ・ソフトウェアのソース・コード全体が提供されます。

MCUXPRESSO-SDK-TN

MCUXpresso SDKを入手する

2.3 ツールチェーンをインストールする

NXPは、MCUXpresso IDEというツールチェーンを無償で提供しています。

MCUXpresso IDE

MCUXpresso IDEを入手する

別のツールチェーンを使用したい場合は?

問題ありません。MCUXpresso SDKは、IARKeilコマンドラインGCCなどの他のツールをサポートしています。

GS Tool Logos

2.4 MCUXpresso Config Tools

MCUXpresso Config Toolsは、ユーザーがMCUXpresso SDKプロジェクトを新規に作成するための構成ツールの統合スイートであり、カスタム・ボード・サポート用の初期化Cコードを生成するためのピンとクロックのツールも備えています。

MCUXpresso Config Tools

MCUXpresso Config Toolsを入手する

2.5 PCの設定

サンプル・アプリケーションの多くは、マイクロコントローラのUARTを介してデータを出力します。ボードの仮想COMポート用ドライバがインストールされているか必ず確認してください。ドライバのインストーラを実行する前に、ボードをPCに接続しておく必要があります。

ドライバをダウンロード

FRDM-K64F-GS-configuration

シリアル・ポート・ドライバをインストールした状態で、お好きなターミナル・アプリケーションを実行し、マイクロコントローラのUARTからのシリアル出力を確認します。ターミナルをボーレート115,200、8データ・ビット、パリティなし、1ストップ・ビットに設定します。FRDM-K64Fの仮想COMポートのポート番号を決定するには、デバイス・マネージャを開き、「Ports(ポート)」グループを確認します。

ターミナル・アプリケーションの使用方法がわからない場合は、Tera TermチュートリアルまたはPuTTYチュートリアルのいずれかのチュートリアルをお試しください。

3. ビルドと実行

3.1 FRDM-K64Fでのデモのビルドと実行

3.2 MCUXpresso SDKサンプル・コードを確認する

MCUXpresso SDKには、サンプル・アプリケーション・コードが豊富に用意されています。利用可能なコードを確認するには、SDKをインストールしたフォルダのSDKボード・フォルダを参照し、FRDM-K64Fボードを選択します (/boards/frdmk64f)。

特定のサンプル・コードの詳細については、サンプルのディレクトリにあるreadme.txtファイルを開いてください。

3.3 MCUXpresso SDKサンプルのビルド、実行、およびデバッグ

興味のあるデモ・アプリケーションやドライバのサンプルがいくつかあれば、それをビルドおよびデバッグする方法を知りたくなることでしょう。MCUXpresso SDKのスタート・ガイドでは、SDKでサポートされているすべてのツールチェーンのデモを設定、ビルド、およびデバッグする方法について、わかりやすく手順に沿って解説しています。

以下のガイドを使用して、MCUXpresso IDEを使用してサンプル・アプリケーションを開いてビルドやデバッグを行う方法を習得してください。

別のツールチェーンを使用する場合:

セキュリティ

セキュリティ・リソース

アプリケーションに適したレベルのセキュリティをNXPおよびIAR Systemsとともに構築する。今日のIoTセキュリティ要件の基準となっている要素と、NXPが市場の要求に対応するために汎用MCUに統合している基本セキュリティ機能について説明しています。

EdgeLock® SE050とFRDM-K64Fのスタート・ガイド。OM-SE050ARDとFRDM-K64F MCUボードを使用した、EdgeLock SE050 Plug & Trustミドルウェアのスタート・ガイド。

ブート・オプション

ブート・オプション・リソース

FRDMK64F SDブート・ローダ 。このドキュメントでは、FRDM-K64Fをベースとしたシンプルなブート・ローダと、それを使用してアプリケーション・コードを更新する方法について説明します。

Tera Termチュートリアル

Tera Termチュートリアル

Tera Termは、広く利用されているオープンソースのターミナル・エミュレーション・アプリケーションです。このプログラムを使用して、NXP開発プラットフォームの仮想シリアル・ポートから送信された情報を表示できます。

  1. SourceForgeからTera Termをダウンロードします。ダウンロードしたら、インストーラを実行し、このウェブページに戻って手順を続行します
  2. ダウンロード

  3. Tera Termを起動します。初めて起動する際には、次のダイアログが表示されます。[Serial(シリアル)]オプションを選択します。ボードが接続されている場合は、COMポートが自動的にリスト内に表示されます
  4. Tera-Term-Connection
  5. 事前に確認したCOMポート番号を使用して、シリアル・ポートをボーレート115,200、8データ・ビット、パリティなし、1ストップ・ビットに設定します。この設定は[Setup(セットアップ)]>[Serial Port(シリアル・ポート)]から行うことができます
  6. 接続が確立されているか検証します。確立されている場合、Tera Termのタイトル・バーに次のように表示されます
  7. Tera-Term-Console
  8. 以上で設定は完了です

PuTTYチュートリアル

PuTTYチュートリアル

PuTTYは、広く利用されているターミナル・エミュレーション・アプリケーションです。このプログラムを使用して、NXP開発プラットフォームの仮想シリアル・ポートから送信された情報を表示できます。

  1. 下のボタンをクリックしてPuTTYをダウンロードします。ダウンロードしたら、インストーラを実行し、このウェブページに戻って手順を続行します
  2. ダウンロード

  3. 選択したダウンロードのタイプに応じて、ダウンロードした*.exeファイルをダブルクリックするか、[Start(スタート)]メニューから選択して、PuTTYを起動します
  4. 表示されたウィンドウで設定を行い、[Serial(シリアル)]ラジオ・ボタンを選択して、事前に確認したCOMポート番号を入力します。ボーレートもあわせて指定します。今回は115,200を入力します
  5. PUTTY-Configuration
  6. [Open(開く)]をクリックして、シリアル接続を確立します。ボードが接続されていて、正しいCOMポートが入力されていれば、ターミナル・ウィンドウが開きます。設定が正しくない場合は、アラートが表示されます
  7. 以上で設定は完了です

設計・リソース

ソフトウェア

サポート

トラブルシューティング

設計のヒントやトレーニング・ドキュメント、さらにNXPコミュニティを通じて、 FRDM-K64Fについての知識を深めることができます。不明な点がある場合は、NXPサポートにお問い合わせください。

お使いのボードは、下の図のような箱に入っていましたか?

FRDM BOX

問題ありません。ボードのパッケージングが古いだけで、フラッシュ・メモリには別のクイック・スタート・デモが搭載されています。

RGB LEDが、赤色、青色、緑色の3色に切り替わるはずです。他に問題がなければ、次のステップに進んでください。

まだ解決しませんか?

次のステップに進み、別のサンプル・アプリケーションを実行してみてください。それでも問題が解決しない場合は、NXPコミュニティ を通じてお問い合わせください。

トレーニング

MCUXpressoソフトウェアおよびツールの概要 。MCUXpresso SDK、IDE、およびConfig Toolsのスタート・ガイド。

フォーラム

NXPのいずれかのコミュニティ・サイトで、他のエンジニアとつながり、Kinetis K64Fを使用した設計に関する専門的なアドバイスを受けることができます。