EVBMLC2PER評価ボードのスタート・ガイド

最終更新日時: Aug 14, 2025サポート EVBMLC2PER

このドキュメントの内容

  • 1

    パッケージの内容
  • 2

    ハードウェアについて
  • 3

    ハードウェアの構成

1. パッケージの内容

NXPのアナログ製品開発ボードは、NXP製品の評価を目的とした使いやすいプラットフォームです。さまざまなアナログ・ソリューション、ミックスド・シグナル・ソリューション、パワー・ソリューションに対応しています。実績のある大容量テクノロジを使用したモノリシック集積回路およびシステム・イン・パッケージ (SiP) デバイスを搭載しています。NXP製品は、最先端システムへの電源供給において、より長いバッテリー寿命、より小さいフォーム・ファクタ、より少ない部品数、より低いコスト、改善されたパフォーマンスを実現します。

このページでは、EVBMLC2HOSTおよびEVBMLC2PER評価ボードをセットアップして使用する手順について説明します。

1.1 キットの内容と同梱物一覧

キットには以下のものが含まれています。

  • 組立て済み/テスト済みのEVBMLC2HOST評価ボード(静電気防止バッグ入り)。ASL6112SHNとUJA1163ATKが含まれます。
  • CAN通信用の黄/緑のツイスト・ペア・ケーブルと、12 V外部電源用の赤/黒のケーブル・ペアで構成された1本のケーブル。黄/緑のケーブルの終端には、オス/メスのD-Sub 9コネクタが接続されています。赤/黒のケーブルの終端にはバナナ・ジャックが接続されています

Figure 1. Kit Including Host EVB and Cable

Figure 1. Kit Including Host EVB and Cable

1.2 追加ハードウェア

このキットの作業をする際は、以下のハードウェアを準備しておくと役立つ場合があります(中には必須のものもあります)。

  • EVBMLC2PERは、より多くのLEDを扱えるようにホストEVBの機能を拡張するペリフェラルEVBです。キットを拡張して、複数のペリフェラルEVBを追加できるようにします。複数のペリフェラルを使用する場合、接続されたホストEVBまたは隣接するペリフェラルEVBから電源が供給されるため、外部電源は必要ありません
  • LEDボード。LEDボードは必須ですが、このマニュアルで例示されているLEDボードは非売品です。このマニュアルでは、お客様が独自の要件に基づく独自のLED構成(一般的にはお客様によって異なる)を使用することを想定しているためです
  • ASL45XASLX41評価ボード。ASL4500SHNとASL3416SHNの両方の集積回路 (IC) が搭載されています。このボードを使用すると、所定の最大電流制限を維持しながら、最高60 VのDC電圧で最大6個のLEDボードに個別に電力を供給できます
  • S32K144評価ボード。このボードには、CANインターフェイス経由でEVBMLC2HOSTとEVBMLC2PERの両方を管理するためのマイクロコントローラ (MCU) が搭載されており、使用が強く推奨されます。さらにASL45XASLX41も管理します
  • 電源。EVBMLC2HOST、ASL45XASLX41、S32K144の各ボードには、複数の12 V出力を備えた1つの電源、または複数の12 V電源が必要です
  • 外部CANインターフェース。オプションです。Vector VN1630A CAN/CAN FDインターフェースなど、Vector CANoeソフトウェアで管理できるインターフェースを使用できます

Figure 2. Kit Expanded by Adding One EVBMLC2PER to the EVBMLC2HOST

Figure 2. Kit Expanded by Adding One EVBMLC2PER to the EVBMLC2HOST

Figure 3. Additional Material

Figure 3. Additional Material

Figure 4. Additional Material Adding An Optional Vector CAN Interface

Figure 4. Additional Material Adding An Optional Vector CAN Interface

1.3 最小システム要件(オプション)

この評価ボードには、OSとしてWindows 10またはWindows 11を搭載したノートパソコンが必要です。このノートパソコンには少なくとも1つ必要です。

1.4 ソフトウェア

ソフトウェアのインストール - この評価キットを使用するには、NXP MLC GUI(CANoeベースGUIで代替可)が必要です。

  • NXP MLC GUI。図3に、必要な資材とセットアップに関する情報を示しています。このオプションを使用する場合、外部CANインターフェースやCANoeソフトウェアは不要です。適用可能なファームウェアがあれば、S32K144評価ボード上のMCUのフラッシュ・メモリにダウンロードできます。Microsoft Windowsベースのノートパソコンで、グラフィカル・ユーザー・インターフェース (GUI) を実行します。ソフトウェアに加えて、インストール手順やユーザー・マニュアルなどの詳しい資料もダウンロードできます
  • MLC2 CANoeプロジェクト。図4に、必要な資材とセットアップに関する情報を示しています。このオプションを使用する場合、Vector CANインターフェースとCANoeソフトウェアが必要です。詳しい使用手順については、ASL61XXYHZ_AN - アプリケーション・ノートを参照してください。

2. ハードウェアについて

2.1 ボードの特長

EVBMLC2HOSTに搭載されたASL6112SHNには、次の機能が組み込まれています。

  • 200 MHz発振器
  • 16チャネル、4個のスイッチを含む設定可能な4ブロックに配置
  • 個別のチャネル用の柔軟なPWMドライバ
  • NTCによるLED温度測定
  • LEDのオープン/ショート検出、無機能スイッチ検出、個別チャネル電圧測定などの高度な診断機能
  • 複数のMLCデバイス使用時の周波数同期
  • CAN通信ロジック

EVBMLC2HOSTでは、5個のスイッチの位置によってCANアドレスの最下位部分を変更できます。

さらにEVBMLC2HOSTでは、UJA1163ATKシステムベーシス・チップ (SBC) に組み込まれた次の機能を使用できます。

  • 5 V低ドロップアウト・レギュレータ (LDO)
  • CANトランシーバ

EVBMLC2PERに搭載されたASL6112SHNには次の機能が組み込まれています。

  • 200 MHz発振器
  • 16チャネル、4個のスイッチを含む設定可能な4ブロックに配置
  • 個別のチャネル用の柔軟なPWMドライバ
  • NTCによるLED温度測定
  • LEDのオープン/ショート検出、無機能スイッチ検出、個別チャネル電圧測定などの高度な診断機能
  • 複数のMLCデバイス使用時の周波数同期
  • CAN通信ロジック

EVBMLC2PERは、5個のスイッチの位置によってCANアドレスの最下位部分を変更する機能を備えています。

ただし、EVBMLC2PERにはUJA1163ATK SBCが搭載されていないため、5 V LDOおよびCANトランシーバの機能がありません。その理由は、EVBMLC2PERが動作するにはEVBMLC2HOSTに接続する必要があるからです。EVBMLC2PERはこの接続によって、ホスト・ボード上の5 V LDOおよびCANトランシーバを共有ハードウェア・リソースとして利用できます。

2.2 ボードの説明

EVBMLC2HOSTの外観を図5に、回路図を図7に示します。これには次のコンポーネントが含まれています。

  • ASL6112SHNマトリクスLEDコントローラ
  • UJA1163ATKシステムベーシス・チップ (SBC) – 12 V入力電源を使用
  • J1メスDB9サブ・コネクタ – ボードに12 V電源とCANケーブルを使用した通信を提供
  • J2メス・コネクタ – EVBMLC2PERに接続

EVBMLC2PERボード付属の6ピンJ1オス・コネクタをこのコネクタに差し込みます。

  • J3オス・コネクタ – LED ボードに接続
  • J4ジャンパ – ボードへの電源供給を制御

このジャンパにショートを追加します。そうしないと、ボードに電源が供給されません。ボードに電源が供給されると、赤いLEDが点灯します。

  • LED – DB9サブ・コネクタ経由で12 Vが供給され、J4ジャンパにショートが取り付けられている場合にのみ、赤く発光します
  • S1 5スイッチ・ブロック – ボードの物理アドレスを設定します

初期アドレスは0b11111で、10進数の32に相当します。ポジション5のスイッチは最下位ビット、ポジション1のスイッチは最上位ビットを表します。スイッチ・ポジションを変更して、小さなアドレスを取得することを強く推奨します。たとえば、0b00000とします(10進数の0に相当します)。このアドレス値を取得するには、図5に示す5個のスイッチをすべて反対側に切り換えます。

ID抵抗とNTCが搭載されていないことに注意してください。この2つはLEDボードの領域に属しているため、搭載されていません。

Figure 5. Host EVB (EVBMLC2HOST)

Figure 5. Host EVB (EVBMLC2HOST)

EVBMLC2PERの外観を図6に、回路図を図8に示します。これには次のコンポーネントが含まれています。

  • ASL6112SHNマトリクスLEDコントローラ
  • J1オス・コネクタ – EVBMLC2HOSTに接続

EVBMLC2HOSTボード付属の6ソケットJ2メス・コネクタをこのコネクタに差し込みます。

  • J2メス・コネクタ – 隣接するボードの6ピンJ1オス・コネクタに接続します
  • J3オス・コネクタ – LED ボードに接続
  • S1 5スイッチ・ブロック – ASL6112SHNの物理アドレスを設定します

初期アドレスは0b11111で、10進数の32に相当します。ポジション5のスイッチは最下位ビット、ポジション1のスイッチは最上位ビットを表します。スイッチ・ポジションを変更して、小さなアドレスを取得することを強く推奨します。たとえば、0b00001とします(10進数の1)。このアドレス値を取得するには、図6に示す1~4のスイッチ4個をすべて反対側に切り換えます。ペリフェラル・ボードについては、ホスト・カード・アドレスよりも大きいアドレスを使用することをお勧めします。多数のペリフェラルが必要な場合は、アドレスを1単位ずつ増やすようにしてください。

ID抵抗とNTCが搭載されていないことに注意してください。この2つはLEDボードの領域に属しているため、搭載されていません。

Figure 6. Peripheral EVB (EVBMLC2PER)

Figure 6. Peripheral EVB (EVBMLC2PER)

3. ハードウェアの構成

3.1 ボード情報

以下にボードの回路図を示します。ボードのレイアウトとルーティングについては、セクション3.2のリファレンス 1を参照してください。

Figure 7. EVBMLC2HOST Schematics

Figure 7. EVBMLC2HOST Schematic

Figure 8. EVBMLC2PER Schematics

Figure 8. EVBMLC2PER Schematic

3.2 その他の参考情報

NXP Semiconductorsは、この評価ボードとそのサポート対象NXPデバイスに関するオンライン・リソースを提供しています。

ページを開いたら、マトリクスLEDコントローラ (MLC) に対応するGUIアプリを探してください。

  • リンク:EVBMLC2PER(キットを拡張するために購入できるオプションEVB)

CANoe環境で使用できる代替の評価用GUIは、お客様向けNXPサイトの安全な領域でダウンロードできます。ページを開いたら、検索バーに「ASL6112SHN CANoe project」と入力してください。ダウンロード・ページにリダイレクトされます。お客様がVN1630AなどのVector CANインターフェースを所有していない限り、Vector CANoeプロジェクトのみをダウンロードしても意味がありません。

設計・リソース

その他の参考情報

ASL61XXYHZに加えて、「自動車の先進的外装照明」もご覧ください。