EVパワー・インバーターのスタート・ガイド

このドキュメントの内容

  • 1

    使用を開始する
  • 2

    ハードウェアの入手
  • 3

    ハードウェアの構成
  • 4

    ソフトウェア・ツールのインストール

1. 使用を開始する

NXPのアナログ製品開発ボードは、NXP製品の評価を目的とした使いやすいプラットフォームです。さまざまなアナログ・ソリューション、ミックスド・シグナル・ソリューション、パワー・ソリューションに対応しています。実績のある大容量テクノロジを使用したモノリシック集積回路およびシステム・イン・パッケージ (SiP) デバイスを搭載しています。NXP製品は、最先端システムへの電源供給において、より長いバッテリー寿命、より小さいフォーム・ファクタ、より少ない部品数、より低いコスト、改善されたパフォーマンスを実現します。

このページでは、EV-INVERTERリファレンス・プラットフォームをセットアップして使用する手順について説明します。

1.1 キットの内容と同梱物一覧

EV-INVERTERキットには以下のものが含まれています。

  • ドライバ・コントロール・ボード (EV-POWEREVB)
  • MCUコントロール・ボード (EV-CONTROLEVM)
  • センサ・ボード (EV-SENSOREVB)
  • インターフェース・ボード (EV-INTERFACEVB)
  • ケーブル (EV-HW-INVERTER)
    • – ケーブル・アセンブリ、2列ワイヤ・ケーブル、ソケット、両端式、2×20、保持ラッチ付き、長さ4インチ
    • – ケーブル・アセンブリ、2列ワイヤ・ケーブル、ソケット、両端式、2×15、保持ラッチ付き、長さ5.5インチ
    • – ケーブル・アセンブリ、2列ワイヤ・ケーブル、ソケット、両端式、2×5、保持ラッチ付き、長さ4インチ
  • クイック・スタート・ガイド(HVインバーター・プラットフォーム)

1.2 追加ハードウェア

このリファレンス・プラットフォームの作業をする際は、キットの内容物のほかに以下のハードウェアが必要になるか、または使用すると役立ちます。EVインバーター・プラットフォーム一式は、NXPの開発パートナーであるVepco Technologiesからご購入いただけます。

  • Fuji IGBTM653モジュール:NXP EVインバーター・イネーブルメント・キットを正規にご購入されたお客様のみが富士電機からご購入いただけます。
  • IGBT Fuji IGBTM653モジュール用冷却プレートまたはウォーター・ジャケット:冷却プレートは、IGBTモジュールの冷却構造インターフェースとして機能し、パワー・インバーター・モジュール (PIM) の電子機器およびアクセサリ部品を機械的にサポートする役割を果たします。冷却プレートを独自に設計するか、NXPのインバーター開発パートナーであるVepco Technologiesからプラットフォーム一式をご購入ください。
  • DCリンク・キャパシタ:並列接続された4個のEZP-E50117MTA 500 V 110 μFフィルム・キャパシタがインバーターのベースライン性能測定に使用されます。選択するキャパシタは、上記のIGBTおよび想定動作電圧に対応している必要があります。
  • バスバー:独自に設計するか、Vepco Technologiesからプラットフォーム一式をご購入いただけます。
  • 高電圧ケーブル:独自にご用意いただくか、Vepco Technologiesからプラットフォーム一式をご購入いただけます
  • 23ポジション信号コネクタ:(Ampseal® PN 770680-1) TE Connectivity-770680-1
  • 取り付け金具:独自にご用意いただくか、Vepco Technologiesからプラットフォーム一式をご購入いただけます
  • 電源:最大500 V、400 A
  • CANインターフェース・リンク
  • モータ:ご自身でご用意いただくか、Vepco Technologiesからご購入いただけます

1.3 Windows PCワークステーション

このリファレンス・プラットフォームには、Windows PCワークステーションが必要です。このリファレンス・プラットフォームで作業する際は、これらの最低限の仕様を満たすことで良好な結果が得られます。

  • 利用可能なUSBポートを備えたWindows 10、8、または7対応のPC

2. ハードウェアについて

2.1 ボードの特長

    利点:
  • 開発を迅速化
  • 完全なプラットフォーム・ソリューション
  • 機能安全オプションの提供
  • 性能を最適化
    主要製品:
  • GD3100 絶縁型IGBT ASIL Dゲート・ドライバ
  • MPC5775E 高度なモータ制御ASIL D MCU
  • FS65XX 堅牢なASIL D SBC
  • TJA1042 冗長CANバス・インターフェース
  • 三相評価のためにFuji M653 IGBTモジュールに接続可能

2.2 ボードの説明

EV-INVERTERは、EV三相トラクション・モータ・インバーターを開発するための内容が含まれたNXPのリファレンス・デザイン・イネーブルメント・キットです。このシステムはFuji M653 IGBTモジュールを駆動するように設計されています。このキットには、セクション1.1「キットの内容/同梱物一覧」に記載された4つのPCB、PCB間の相互接続に使用される3本のケーブル、および基本設定/ドライブ・ソフトウェアが含まれています。PCBボードのレイアウト、回路図、およびガーバー・ファイルは、EVパワー・インバーター・プラットフォームから入手できます。

追加のインバーター・コンポーネントについては、ご自身でご用意ください。これらのコンポーネントには、IGBTモジュール、リンク・キャパシタ、バス・バー、冷却プレート、取り付け金具などが含まれます。

独自のコンポーネントを設計、選択し、組み立てて、NXPのPCBを使用してPIMを完成させることもできます。組み立て済みのリファレンスPIMプラットフォーム一式をNXPのパートナーであるVepco Technologiesからご購入いただけます。IGBTモジュールは、NXPのパートナーである富士電機からご購入いただけます。

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2.3 ボードのコンポーネント

EVパワー・インバーター制御リファレンス・プラットフォームの概要

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3. ハードウェアの構成

3.1 ハードウェアの構成

ハードウェアを構成するには、以下の手順を実施します。

  1. IGBTモジュールを冷却プレートに取り付けます
  2. DCリンク・キャパシタのプラスとマイナスの高電圧供給部を取り付けます
  3. EV-POWEREVBをIGBTモジュールに取り付けます。すべてのボード・ソケット接続ピンがIGBTピン接続部に正しく取り付けられていることを確認してください
  4. モータをIGBTモジュールに接続し、U、V、およびWの接続が一致していることを確認します
  5. モータをクローズド・ループ・モータ制御で作動させるために、EV-SENSOREVBボードをEV-CONTROLEVMに接続します
  6. EV-POWEREVBをEV-CONTROLEVMに接続します
  7. EV-INTERFACEVBをEV-CONTROLEVMに接続します
  8. 低電圧DC電源をEV-CONTROLEVMボードに接続します
  9. 高電圧/大電流DC電源のプラスとマイナスの接続部をDCリンク・キャパシタに接続し、三相モータのDCリンク電圧を供給します
  10. DC接続に高電圧 (>300 V) を印加する前に、電流制限 (1.0 A) 電源を使用してDCに15~30 Vを印加し、過度のリーク電流がないことを確認してください
  11. ハンドルのラッチを外し、ケーブル・アセンブリをヘッダに挿入して、ハンドルに再度ラッチをかけます。12. EXT_DGNDを12 Vグランドに接続します
  12. プラスチック製保護カバーを取り外して、PIMを開きます
  13. 14ピン・デバッガ・ヘッダを、ピン1のマークの位置を合わせて接続します
  14. P&E micro Multilinkの両方のLEDが点灯します
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ソフトウェア・ツールのインストール

4.1 S32S Design Studio IDE for Power Architecture

S32S Design Studio for Power Architecture IDEをWindows PCワークステーションにインストールすると、ソース・コードの設計を編集、コンパイル、デバッグできます。

インストールのリビジョン:Rev 2017.R1

4.2 ソフトウェア開発キット (SDK)

S32 SDK for Power Architecture RTM 3.0.0は、MPC577x-B-E-Cデバイスをサポートしています。

4.3 Pythonのセットアップ

  1. python.orgからPython 3.6.8をダウンロードします。
  2. インストーラを実行し、プロンプトに従ってインストールします
  3. コマンド・ウィンドウを開き、インストール・ディレクトリに移動します。ディレクトリをScriptに変更するには、cdコマンドを入力します
  4. 「pip install pyqt5」と入力し、Enterキーを押してPYQT5をインストールします
  5. 「pip install pyqtgraph」と入力し、Enterキーを押してPYQTGraphをインストールします
  6. PIM GUIをダウンロードします
  7. 実行場所としたいフォルダにc55_gui.zipを解凍します
  8. app_mpc55term.pyを右クリックし、[Open with( プログラムから開く)]を選択します
  9. [Choose another app(別のプログラムを選択)]を選択します
  10. 下にスクロールして、[More apps(その他のアプリ)]をクリックします

設計・リソース

ツール概要ページ

EV-INVERTERリファレンス・プラットフォームのツール概要ページは、EVパワー・インバーター制御リファレンス・プラットフォームにあります。

このページには、概要の説明、技術仕様および機能仕様、注文情報、ドキュメント、ソフトウェアについて記載されています。「スタート・ガイド」では、ダウンロード可能なアセットを含む、EV-INVERTERリファレンス・プラットフォームの使用に適用されるクイック・リファレンス情報を提供しています。