FRDM-HB2002ESEVMスタート・ガイド

このドキュメントの内容

  • 1

    パッケージの内容
  • 2

    ハードウェアの入手
  • 3

    ハードウェアの構成
  • 4

    ソフトウェアの入手

1. パッケージの内容

NXPのアナログ製品開発ボードは、NXP製品の評価を目的とした使いやすいプラットフォームです。さまざまなアナログ・ソリューション、ミックスド・シグナル・ソリューション、パワー・ソリューションに対応しています。実績のある大容量テクノロジを使用したモノリシック集積回路およびシステム・イン・パッケージ (SiP) デバイスを搭載しています。NXP製品は、最先端システムへの電源供給において、より長いバッテリー寿命、より小さいフォーム・ファクタ、より少ない部品数、より低いコスト、より優れたパフォーマンスを実現します。

このページでは、FRDM-HB2002ESEVM評価ボードをセットアップして使用する手順について説明します。

1.1 キットの内容と同梱物一覧

FRDM-HB2002ESEVMには次のものが含まれます。

  • 組立て済み/テスト済みのFRDM-HB2002ESEVM (静電気防止バッグ入り)
  • 標準A(オス)コネクタとminiB(オス)コネクタを備えたUSBケーブル
  • クイック・スタート・ガイド

1.2 追加ハードウェア

このキットの作業をする際は、キットの内容物のほかに以下のハードウェアが必要になるか、または使用すると役立ちます。

  • DC電源:5.0 V~40 V、モーターの要件に応じて最大20 Aの電流に対応
  • ケーブル接続用3/16インチ・ブレード・ドライバ
  • 一般的な負荷(最大で5.0 Aおよび28 Vでの動作時のブラシ付きDCモータ、電力抵抗、または誘導性負荷)
  • ファンクション・ジェネレータ (オプション)

1.3 Windows PCワークステーション

この評価ボードにはWindows PCワークステーションが必要です。この評価ボードで作業する際は、これらの最低限の仕様を満たすことで良好な結果が得られます。

  • Windows 7、Windows 8、またはWindows 10を搭載したUSB対応のコンピュータ

1.4 ソフトウェア

この評価ボードで作業するには、ソフトウェアのインストールが必要です。記載されているすべてのソフトウェアは、「FreedomのHB2002向けキット、QFNでのプログラマブル・ブラシ付きDCモータ制御」の評価ボード情報のページで入手できます。

  • SPI Generator (SPIGen) ソフトウェア、バージョン7.1.8以降、グラフィカル・ユーザ・インターフェース (GUI)

2. ハードウェアの入手

2.1 ボードの特長

  • バッテリ逆接続保護機能を内蔵
  • 信号のプロービングが可能なテスト・ポイント
  • ロジック・レベル回路に電源を供給する電圧レギュレータを内蔵
  • MCU ADCによるリアルタイム負荷電流モニタリングのための電流フィードバック・ネットワーク
  • モーターの電源供給状況と回転方向を示すLED
  • 電源のリップルを低減する低ESRキャパシタ
  • システム・レベル過渡を処理するTVS保護ダイオード

2.2 ボードの説明

FRDM-HB2002ESEVM評価キットは、MC33HB2002 Hブリッジ・デバイスのすべての機能を実行できます。汎用IOを搭載したラボ機材またはMCUでパラレル入力を制御し、入力にPWM制御を提供できます。

このボードにFRDM-KL25Zボードを組み合わせることで、PCのUSBポートに接続できます。このボードのSPI通信機能を使用して、MC33HB2002を設定、制御し、ステータスをモニタリングできます。

2.3 ボードのコンポーネント

FRDM-HB2002ESEVM評価ボードの概要

  1. MC33HB2002ES
  2. 電源コネクタ
  3. バッテリ逆接続保護
  4. 5.0 Vレギュレータ
  5. ジャンパ
  6. テスト・ポイント
  7. 出力コネクタ
GS-FRDM-HB2002ESEVM-IMG1
ラベル 名称 概要
1 MC33HB2002ES 堅牢で耐熱性に優れた28ピンHVQFN (6 × 6 mm) パッケージのモノリシックHブリッジ・モータ・ドライバIC
2 電源入力とグランド入力 バッテリ/電源をボードに接続する電源端子
3 バッテリ逆接続保護 MC33HB2002をバッテリ逆接続から保護するためのMOSFET
4 5.0 Vレギュレータ 堅牢で耐熱性に優れた28ピンHVQFN (6 × 6 mm) パッケージのモノリシックHブリッジ・モータ・ドライバIC
5 ジャンパ ボードをさまざまな動作モードに設定するためのジャンパ
6 テスト・ポイント さまざまな信号を検査するためのテスト・ポイント
7 出力端子 MC33HB2002出力に負荷を接続する出力コネクタ

3. ハードウェアの構成

FRDM-HB2002ESEVMは、Hブリッジ、パラレルおよびSPIインタフェース、パワー・コンディショニング回路、FRDM-KL25Zボードで構成されています。このボードは、FRDM-KL25Zボードまたはファンクション・ジェネレータと組み合わせて使用するように設定できます。

GS-FRDM-HB2002ESEVM-IMG2

3.1 FRDM-KL25Zで使用するハードウェアの設定

GS-FRDM-HB2002ESEVM-IMG3

FRDM-HB2002ESEVMをFRDM-KL25Zと組み合わせて使用するために設定するには、次の手順を実行します。

  1. 各ボードのArduinoコネクタを使用して、FRDM-HB2002ESEVMをFRDM-KL25Zに接続します
  2. FRDM-KL25ZボードのKL25Z USBポートとPCを、USBケーブル(キットには付属していません)で接続します
  3. 電源を切った状態で、評価ボードのVBATとGNDのネジ・コネクタ端子J20にDC電源を接続します
  4. ネジ端子J21に負荷を接続します

3.2 ファンクション・ジェネレータと組み合わせて使用する場合のハードウェアの設定

GS-FRDM-HB2002ESEVM-IMG4

ここでは、FRDM-HB2002ESEVMをファンクション・ジェネレータと組み合わせて使用するための設定方法について説明します。ファンクション・ジェネレータではなくマイクロコントローラにこのボードを接続する場合も、同じ方法を使用します。

  1. ファンクション・ジェネレータをEX_INジャンパに接続します(各ピンに1チャネルを接続します)
  2. ボードのジャンパ接続を変更します
  3. 電源を切った状態で、評価ボードのVBATとGNDのネジ・コネクタ端子J20にDC電源を接続します
  4. ネジ端子J21に負荷を接続します

4. ソフトウェアの入手

4.1 FRDM-KL25Zマイクロコードの設定

デフォルトで、このキットのFRDM-KL25ZにはFRDM-HB2002ESEVBとの通信に必要なファームウェアが搭載されています。リセット、再プログラミング、データの破損などによって機能が失われた場合は、次の手順に従ってマイクロコードを書き換えることができます。

  1. メモリを消去してボードをブートローダ・モードにするために、リセット・ボタンを押しながらUSBケーブルをOpenSDA USBポートに差し込みます
  2. ボードが「BOOTLOADER」デバイスとして表示されていることを確認したら、ステップに進みます
  3. ボードが「KL25Z」と表示されたら、ステップ6に進みます
  4. PEmicro OpenSDAのウェブページの「OpenSDA Support」で、ファームウェア・アプリの.zipアーカイブをダウンロードします。ファイルにアクセスするためのメール・アドレスを検証します
  5. 最新のMDS-DEBUG-FRDM-KL25Z_Pemicro_v***.SDAを見つけたら、それをBOOTLOADERデバイスにコピーまたはドラッグ&ドロップします
    • a. ブート・ローダーのバージョンによっては、この操作をWindows 7デバイスでしか実行できない場合があります。デバイスのHTMLページで、ブート・ローダーのバージョンを調べてください
  6. OpenSDAポートへの接続を外して再接続することで、ボードを再起動します。続行するには、デバイスが「KL25Z」デバイスとして表示されていることを確認します
  7. 次のリンクから、HB2002向けの製品固有ファームウェア「UsbSPIDongleKL25Z_HB2000_HB2001_v512.srec」をダウンロードします:FRDM-KL25Zを使用するHB2000/HB2001評価キットのファームウェア
    • a. この.srecファイルは、FRDM-KL25Z用の製品/ファミリ固有の設定ファイルであり、FRDM-HB2002ESEVBとの通信に必要なピン定義、SPI/PWM生成コード、ピン配置(割り当て)が指定されています
  8. KL25ZをOpenSDAポートに接続したままの状態で、.binファイルをKL25Zデバイス・メモリにコピーまたはドラッグ&ドロップします。それが済んだら、USBを取り外し、「KL25Z」と表記された他のUSBポートに接続します
    • a. このデバイスは、KL25Z USBポート経由で接続されている間はコンピュータに個別のデバイスとして表示されません。これは正常です
  9. これで、FRDM-KL25ZボードはFRDM-HB2002ESEVBおよびSPIGen GUIと組み合わせて動作するように完全にセットアップされました
    • a. また、ファームウェアはFRDM-HB2002ESEVBボード本体に保存されず、MCU FRDM-KL25Zにのみ保存されます

アップロードされたすべてのファームウェアは、FRDM-KL25Zでリセット・ボタンが押されるまでは不揮発性メモリに保存されます。電源を投入するたびにこのプロセスを繰り返す必要はありません。また、電源をオフにしてもデータが消失することはありません。

4.2 コンピュータへのSPIGenのインストール

  1. SPI Generator (SPIGen) ソフトウェアに移動します
  2. [Download(ダウンロード)]ボタンを選択して[Download(ダウンロード)]タブを開きます
  3. ソフトウェア・バージョンの横にある[Download(ダウンロード)]ボタンを選択します
  4. NXP Semiconductorsのソフトウェア使用許諾契約書を読み、同意すると、[SPIGen Software - Windows Application(SPIGenソフトウェア - Windowsアプリケーション)]ページが表示されます。ダウンロードが自動的に開始されます
  5. ダウンロードしたインストール・プログラムを実行し、表示されるインストール手順に従います

設計・リソース

ボード情報

主要なコンポーネントとボード構成の詳細については、UM11144、FRDM-HB2002ESEVM評価ボードを参照してください。

関連リソース

製品概要ページ

HB2002の製品概要ページは 、「SPIプログラマブル・ブラシ付きDCモータ用Hブリッジ・ドライバ」にあります。

ツール概要ページ

FRDM-HB2002ESEVMボードのツール概要ページは、「FreedomのHB2002向けキット、QFNでのプログラマブル・ブラシ付きDCモータ制御」にあります。

このページには、概要の説明、技術仕様および機能仕様、注文情報、ドキュメント、ソフトウェアについて記載されています。スタート・ガイドでは、ダウンロード可能なアセットを含む、HB2002ESEVMボードの使用に適用されるクイック・リファレンス情報を提供しています。

参考情報

「HB2002:SPIプログラマブル・ブラシ付きDCモータ用Hブリッジ・ドライバ」ページに加えて、次のページも参照してください。

製品ページ:

アプリケーション・ページ:

Freedomのページ:

ハードウェア・ページ:

ソフトウェア・ページ: