DEVKIT-MPC5748Gのスタート・ガイド

最終更新日時: 2019-03-15 13:25:00サポート MPC5748G Secure Gateway Development Board

このドキュメントの内容

  • 1

    パッケージの内容
  • 2

    ソフトウェアの入手
  • 3

    接続
  • 4

    作成、ビルド、ロード

1. パッケージの内容

対象製品:DEVKIT-MPC5748G評価ボードREV D

DEVKIT-MPC5748G REV Dには、いくつかの改良が施されています。

  • 最新のMPC5748Gシリコンを使用(マスク・セット0N78S)
  • SDHCへのアクセス用MicroSDコネクタを追加
  • MicroUSBコネクタを、USBデバイスで簡単に使用できるフルサイズ・コネクタに置き換え
  • JTAGヘッダと電源ジャンパの代替配置により、シールド使用時のアクセスを容易に
  • DS4を赤色に、DS5をオレンジ色に変更
  • あらかじめはんだ付けされたプル抵抗をCAN0インターフェースに追加(J16で追加または除外が可能)
  • メス型ピン・ヘッダのアレイを短くし、フォーム・ファクタの小型化に対応
  • USBでの問題を修正済み

1.1 評価ボードについて

DEVKIT-MPC5748G評価ボードREV D

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-1.1a

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

DEVKIT-MPC5748G評価ボードREV B

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-1.1b

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

1.2 ヘッダ/ピン配列について

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-1.2a

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-1.2b

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-1.2c

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

1.3 インターフェースについて

DEVKIT-MPC5748G評価ボードの通信インターフェース:

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-1.3a

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-1.3b

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

DEVKIT-MPC5748G評価ボードのプログラミング・インターフェース:

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-1.3b

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

1.4 ペリフェラルについて

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-1.4

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

1.5 MPC574xG/C/B/Dファミリの相違点について

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-PT1

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

1.6 一般的な推奨事項

  • 消費電力/電流が大きい用途(外部シールド・ボードの使用など)では、「外部12 V電源」のみを使用してください
  • 外部12 V電源の仕様:
    • 完全に制御されたスイッチング電源
    • 入力電圧:100~240 V AC 50/60 Hz
    • 出力:12 V 1 A/2 A DC
    • プラグ・サイズ:5.5 mm x 2.1 mm、センター・プラス
  • デフォルトで、S32 Design Studio IDEの「新規プロジェクト」では、16 MHzの内部RC (IRC) 発振器でアプリケーションが実行されます。パフォーマンスを高速化するには、PLLを所望の周波数に設定し、クロック・ソースをPLLに切り替えてからアプリケーション・コードを実行します
  • デバッグを高速化するには、RAMからデバッグします。これにより、フラッシュ消去処理サイクルに要する時間が大幅に短縮されます。詳細については、ソフトウェア統合ガイド (SWIG) を参照してください
  • 最良の結果を得るには、S32 Design Studio IDEとOpenSDAのファームウェアをいずれも最新の状態に保ってください

2. ソフトウェアの入手

2.1 ソフトウェア・サンプルのダウンロード

ダウンロード

2.2 統合開発環境 (IDE) の入手

S32 Design Studio for Power Architecture®を使用すると、S32K144EVBのパフォーマンスが向上します。

ダウンロード

  • インストールには、Microsoft Visual C++ 2013パッケージが必要です。ライブラリが既にインストールされている場合は、[Modify Setup(セットアップの変更)]ダイアログ・ボックスが[Repair(修復)]の要求とともに表示されます
  • [Activation ID(アクティベーションID)]の入力を求められたら、[Download(ダウンロード)]ページからコピーして貼り付け、オンライン・アクティベーションを選択します
  • インストール中に、P&Eデバイス・ドライバのインストールを求められることがあります

2.3 PC設定ドライバの入手

一部のサンプル・アプリケーションは、MCUのUARTを介してデータを出力するため、ボードの仮想COMポート用のドライバがインストールされていることを必ず確認してください。

設定ドライバのダウンロード

MCUのUARTからのシリアル出力を確認するには、シリアル・ポート・ドライバをインストールしてから、任意のターミナル・アプリケーションを実行します。ターミナルをボーレート57,600、8データ・ビット、パリティなし、1ストップ・ビットに設定します。

ターミナル・アプリケーションの使用方法については、「プロジェクトとチュートリアル」のセクションを参照してください。

3. 接続

ビデオを参考に、評価ボードをセットアップしてください。ステップ・バイ・ステップ・ガイドを参考にすることもできます。

3.1 評価ボードのジャンパの設定

ジャンパはJ11のみです。以下の電源の選択に役立ちます。

  • 1-2:デフォルトの外部12 V電源
  • 2-3:OpenSDAインターフェースを介した、USBからの5 Vの給電

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-3.1a

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

OpenSDAについては、「プロジェクトとチュートリアル」のセクションを参照してください。

3.2 USBケーブルを接続する

USBケーブルの一方の端をPCに接続し、もう一方の端をDEVKIT-MPC5748Gボード上のmicro-Bコネクタに接続します。PCが自動的にUSBドライバを設定します。

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-3.2a

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

プリロードされたサンプル・プロジェクトでは、DEVKIT-MPC5748Gのユーザー用プッシュ・ボタン (SW2) とユーザー用LEDを使用しています。ボードが接続されると、LEDがデフォルトのパターンで点滅します。2つの異なるパターンを切り替えるには、プッシュ・ボタンを押します。点滅速度を変更するには、ポテンショメータを使用してください。

4. 作成、ビルド、ロード

動作テストをしてみましょう。ビデオを参考に、S32 Design Studio IDEで新規プロジェクトを作成し、サンプル・コードをロードしてください。ステップ・バイ・ステップ・ガイドを参考にすることもできます。

4.1 IDEでの新規プロジェクトの作成

  1. S32 Design for Power Architecture®を起動して、デフォルトのワークスペースを選択するか、新しいワークスペースを指定します。その後、[OK]をクリックします

  2. Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-4.1a

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  3. [File(ファイル)]>[New(新規)]>[Project(プロジェクト)]の順に選択して、新規プロジェクトを作成します
  4. Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-4.1b

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  5. プロジェクト名を選択した後、プロジェクトの種類を選択し、[Next(次へ)]をクリックします。Elf S32DS Projectを使用することをお勧めします
  6. Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-4.1c

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  7. コアとパラメータを選択し、[Finish(完了)]をクリックします。デフォルト設定を使用することをお勧めします。フラッシュとRAMのサイズを選択し、[Language(言語)]、[Library(ライブラリ)]および[Debugger(デバッガ)]も選択します
  8. Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  9. MPC5748Gの3つの異なるコアに対して、3つのプロジェクトが作成されます
  10. Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-4.1e

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

4.2 IDEでの新規プロジェクトのビルド

次のいずれかの手順に従って、新しいプロジェクトをビルドします。

  • [Project(プロジェクト)]>[Build Project(プロジェクトのビルド)]の順に選択します
  • Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-4.2a

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  • プロジェクトをビルドするには、ハンマー・アイコンをクリックします Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  • すべてのプロジェクトをビルドするには、紙と数字のアイコンをクリックします Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

プロジェクトのビルドが正常に完了すると、次のメッセージがコンソールに表示されます。

Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

4.3 IDEでのプロジェクトのデバッグ

  1. デバッガをボードとPCの両方に接続します

  2. 上部のメニューにある[Debug Configuration(デバッグの構成)]オプションを開きます
  3. Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  4. プロジェクトとインターフェースを選択し、[Debug(デバッグ)]をクリックします

    (例:「FirstProject_Z4_0_Debug」と「OpenSDA for DEVKIT-MPC5748G」)

  5. Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-4.3b

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

デバッグの基礎については、「プロジェクトとチュートリアル」のセクションを参照してください。

4.4 RAMからのプロジェクトのデバッグ

プロジェクトをRAMからのデバッグに設定するには、次の手順に従います。

  1. [Project(プロジェクト)]>[Build Configurations(ビルドの構成)]>[Set Active(アクティブに設定)]>[Debug_RAM]の順に選択します

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-4.4a

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  2. [Debug_ RAM]を選択するには、ハンマー・アイコンの近くにある矢印をクリックします Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  3. 最後に、RAMからデバッグするために、デバッグ中にRAM関連のセッションを選択します

  4. Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-4.4c

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

4.5 組込みサンプルからのプロジェクト作成

  1. S32 Design Studio for Power Architectureを起動します。例えば、[File(ファイル)]>[New(新規)]>[New S32DS Project(新規S32DSプロジェクト)]の順に選択します
  2. Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-4.5a

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  3. 任意の組込みプロジェクトを選択し、[Finish(完了)]をクリックします
  4. Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-4.5b

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  5. 選択したプロジェクトがアクティブなワークスペースにコピーされます
  6. Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  7. DEVKIT-MPC5748Gのサンプル・コードには「AN4830: MPC574xG向けQorivva Recipes」に記載のプロジェクトも含まれています

    • Hello
    • Hello + pll
    • Hello + pll + interrupts
    • eDMA + PBridge
    • セマフォ
    • 登録の保護
    • 低消費電力ストップ・モード
    • ADコンバータ (ADC)
    • タイマ付きI/O (eMIOS)
    • CAN
    • CAN + DMA
    • LIN
    • UART
    • SPI
    • SPI + DMA
    • I2C
    • イーサネット
    • ボディ・クロス・トリガ・ユニット (BCTU)
    • システム・メモリ保護ユニット (SMPU)
    • フラッシュ

4.6 IDEへのプロジェクトのインポート

  1. [File(ファイル)]>[Import(インポート)]の順に選択し、[Existing Projects into the workspace(既存のプロジェクトをワークスペースへ)]のオプションをクリックします。[Next(次へ)]をクリックします
  2. [Browse(参照)]をクリックして、サンプル・フォルダを選択します
  3. Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-4.6a

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  4. プロジェクトを選択します。ワークスペースにプロジェクトをインポートするには、[Finish(完了)]をクリックします
  5. Get Started with the DEVKIT-MPC5748G-4.6b

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

ターミナル・アプリケーションの使用

Tera Termチュートリアル

Tera Termは、広く利用されているオープン・ソースのターミナル・エミュレーション・アプリケーションです。このプログラムを使用して、NXP®開発プラットフォームの仮想シリアル・ポートから送信された情報を表示できます。

  1. SourceForgeからTera Termをダウンロードします。ダウンロードしたら、インストーラを実行し、このウェブページに戻って手順を続行します
  2. ダウンロード

  3. Tera Termを起動し、[Serial(シリアル)]オプションを選択します

  4. TERA-TERM-CONNECTION-2
  5. 事前に確認したCOMポート番号を使用して、シリアル・ポートをボーレート57,600、8データ・ビット、パリティなし、1ストップ・ビットに設定します。[Setup(セットアップ)]>[Serial Port(シリアル・ポート) ]の順に移動し、設定を更新します
  6. 接続が確立されているか検証します。接続されると、Tera Termのタイトル・バーが更新されます。
  7. TERA-TERM-CONSOLE-2
  8. 以上で設定は完了です

PuTTYチュートリアル

PuTTYは、広く利用されているターミナル・エミュレーション・アプリケーションです。このプログラムを使用して、NXP開発プラットフォームの仮想シリアル・ポートから送信された情報を表示できます。

  1. PuTTYをダウンロードし、インストーラを実行します
  2. ダウンロード

  3. PuTTYを起動します
  4. [Serial(シリアル)]ラジオ・ボタンを選択して、事前に確認したCOMポート番号を入力します。ボーレートも合わせて指定します

  5. PUTTY-CONFIGURATION-2
  6. シリアル接続を確立します

  7. 以上で設定は完了です

デバッグの基礎

デバッグの基礎

ステップ、実行、中断、再開、および終了

  • ステップ・イン (F5)

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  • ステップ・オーバー (F6)

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  • 実行

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  • 中断

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  • 再開 (F8)

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  • 終了 (Ctrl + F2)

    Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

変数の表示

  • [Variables(変数)]タブをクリックします。異なる値を入力するには、[Values(値)]フィールドをクリックします
  • Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

レジスタの表示と変更

  • CPUのレジスタを表示するには、[Registers(レジスタ)]タブをクリックします。異なる値を入力するには、[Values(値)]フィールドをクリックします
  • Get Started with the DEVKIT-MPC5748G
  • ペリフェラルのレジスタを表示するには、[EmbSysReg]タブに移動します
  • Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

メモリの表示

  • メモリ・モニタを追加するには、プラスのアイコン (+) をクリックし、ベース・アドレスを選択します
  • Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

ブレークポイント

  • ブレークポイントを追加するには、カーソルを置いてダブルクリックします
  • Get Started with the DEVKIT-MPC5748G

OpenSDAの概要

OpenSDAは、オープン・スタンダードのシリアル/デバッグ・アダプタです。USBホストと組込みターゲット・プロセッサ間のシリアル通信とデバッグ通信をブリッジします。

DEVKIT-MPC5748Gには、OpenSDAアプリケーションがプリインストールされています。次の手順に従ってOpenSDAブートローダを実行し、インストールされているOpenSDAアプリケーションをアップデートまたは変更します。

OpenSDAブートローダ・モードへの切り替え OpenSDAアプリケーションのロード
  1. USBケーブルを取り外します(接続されている場合)
  2. J1041-2の位置に取り付けます
  3. [Reset(リセット)](SW5) を押し続けます
  4. USBホストとOpenSDAのUSBコネクタ(「SDA」のラベル付き)の間にUSBケーブル(非付属品)を接続します
  5. [Reset(リセット)]を離します

「BOOTLOADER」というボリューム・ラベルのリムーバブル・ドライブがホストのファイル・システムに表示されているはずです。

これでOpenSDA Bootloaderモードになっています。

  1. OpenSDA Bootloaderモードで、BOOTLOADERドライブのSDA_INFO.HTMLファイルをダブルクリックします。Webブラウザが開き、インストールされているアプリケーションの名前とバージョンが記載されたOpenSDAホームページが表示されます。この情報は、SDA_INFO.HTMLのテキスト・データを直接読むことでも確認できます
  2. OpenSDAアプリケーションを見つけます
  3. アプリケーションをBOOTLOADERドライブにコピーして貼り付けるか、ドラッグ&ドロップします
  4. USBケーブルを取り外し、再度接続します。これで新しいOpenSDAアプリケーションが実行されています。最新バージョンを確認するには、ステップ1を繰り返します

他のOpenSDAアプリケーションをロードする際も、同じ手順を行います。

仮想シリアル・ポートの使用

  1. EVB-S32K144仮想シリアル・ポートに割り当てるシンボリック名を決定します

    Windowsでデバイス・マネージャを開き、OpenSDA-CDC Serial Portという名前のCOMポートを探します

  2. 任意のシリアル・ターミナル・エミュレーション・プログラムを開きます

  3. S32 Design Studio IDEを使用して、「コード・サンプル」の1つをプログラムします
  4. ターミナル・エミュレーション・プログラムを設定します。ほとんどの組込みサンプルでは、8データ・ビット、パリティ・ビットなし、1ストップ・ビット (8-N-1) を使用します。選択したシリアル・テスト・アプリケーションにボーレートを合わせて、ポートを開きます
  5. 任意のタイミングで[Reset(リセット)](SW1) を押して離し、サンプル・アプリケーションを再起動します。組込みアプリケーションをリセットしても、ターミナル・プログラムへの仮想シリアル・ポートの接続には影響しません

サポート

フォーラム

NXPのいずれかのコミュニティ・サイトで、他のエンジニアとつながり、DEVKIT-MPC5748Gを使用した設計に関する専門的なアドバイスを受けることができます。