FRDM-KE17Z512のスタート・ガイド

最終更新日時: May 9, 2024サポート FRDM-KE17Z512 | MCUXpresso開発者エクスペリエンス

このドキュメントの内容

  • 1

    接続
  • 2

    ソフトウェアの入手
  • 3

    ビルドと実行
  • 4

    作成
  • 5

    MCUXpresso開発者エクスペリエンス

1. 接続

FRDMボードを実際に使ってみましょう。ショート・ビデオで手順を視聴するか、以下に記載された詳細な手順を参考にして、作業を進めてください。

1.1 ボードの概要

FRDM-KE17Z512ボードには、LEDの点滅デモが事前にプログラム済みです。これは、開梱したデバイスが正常に動作することを検証するための動作確認用に使用できます。

GS-FRDMKE17Z512-IMG1

1.2 ボードの接続

USB micro-BケーブルをコネクタJ10からホスト・コンピュータまたは電源に接続して、ボードの電源を入れ、デモ・プログラムを実行します。この時点で、RGB LEDが一定の周期で点滅しているのが確認できるはずです。

GS-FRDMKE17Z512-IMG2

2. ソフトウェアの入手

2.1 ツールチェーンをインストールする

NXPは、MCUXpresso IDEというツールチェーンを無償で提供しています。MCUXpresso v11.8.1以上をダウンロードしてください。

どれを選べばよいのかわからない場合は、MCUXpressoスイートのソフトウェアとツールをご覧ください。

MCUXpresso IDE

MCUXpresso IDEを入手する

Visual Studio Code

MCUXpresso for VS Codeを入手する

以下のチュートリアルでは、ホストPCにVS Codeをインストールする方法を説明しています。

別のツールチェーンを使用したい場合は?

問題ありません。MCUXpresso SDKは、IAR 、KEIL 、コマンドラインGCC などの他のツールをサポートしています。

MCUXPRESSOLOGOS

2.2 MCUXpresso SDKですぐに設計を開始する

MCUXpressoソフトウェアSDKは無償で利用することができ、オープンソースのライセンスに基づいて、すべてのハードウェア抽象化およびペリフェラル・ドライバ・ソフトウェアのすべてのソース・コードが提供されます。MCUXpresso SDKは、MCUXpresso SDKのウェブサイト から直接インストールできます。下のボタンをクリックすると、このボードのSDKビルダが開きます。

MCUXPRESSO-SDK-TN

MCUXpresso SDKを入手する

2.3 MCUXpresso Config Tools

MCUXpresso Config Toolsは、ユーザーがMCUXpresso SDKプロジェクトを作成するための構成ツールの統合スイートであり、カスタム・ボード・サポート用の初期化Cコードを生成するためのピンとクロックのツールも備えています。MCUXpresso IDEの一部として完全に統合されており、別のIDEを使用する場合は独立したツールとしても使用できます。

以下の[MCUXpresso Config Toolsを入手する]をクリックして、Config Toolsインストーラを入手してください。

MCUXpresso Config Tools

MCUXpresso Config Toolsを入手する

3. ビルドと実行

興味のあるデモ・アプリケーションやドライバのサンプルがいくつかあれば、それをビルドおよびデバッグする方法を知りたくなることでしょう。MCUXpresso SDKのスタート・ガイドでは、SDKでサポートされているすべてのツールチェーンのデモを設定、ビルド、およびデバッグする方法について、わかりやすく手順に沿って解説しています。

3.1 MCUXpresso IDEを使用したアプリケーションのビルドとフラッシュ

次の手順では、Arm Cortex-M0+アプリケーション向けにMCUXpresso IDEを使用したhello_worldデモ・アプリケーションについて説明します。MCUXpresso IDEのインストール手順およびKinetis EシリーズのSDKについては、このスタート・ガイドのソフトウェアの入手セクションを参照してください。

  1. 左下隅にある「Quickstart Panel(クイックスタート・パネル)」を確認します。Building and running a demo
  2. その中の[Import SDK example(s)...(SDKサンプルのインポート)]をクリックします。GS-FRDMKE17Z512-IMG4
  3. FRDMKE17Z512ボードをクリックして、そのボードで実行できるサンプルを選択し、[Next(次へ)]をクリックします。GS-FRDMKE17Z512-IMG5
  4. 矢印ボタンを使用して[demo_apps]カテゴリを展開し、hello_worldの横にあるチェックボックスをクリックしてそのプロジェクトを選択します。出力用にデフォルトのセミホスティングではなくUARTを使用するには、[Project Options(プロジェクト・オプション)]にある[SDK Debug Console(SDKデバッグ・コンソール)]のチェック・ボックスで[UART]を選択します。[Finish(完了)]をクリックします
  5. GS-FRDMKE17Z512-IMG6
  6. プロジェクトを選択し、画面上部のショートカットにある[Build(ビルド)]アイコンをクリックするか、「Quickstart Panel(クイックスタート・パネル)」の[Build(ビルド)]をクリックして、プロジェクトをビルドします
  7. プロジェクトは、コンソールにエラーや警告が表示されることなくビルドされる必要があります GS-FRDMKE17Z512-IMG8
  8. micro USBケーブルをJ10「MCU-LINK」ポートに挿入して、ボードをコンピュータに接続します GS-FRDMKE17Z512-IMG9
  9. 画面上部の[Debug(デバッグ)]アイコンをクリックするか、「Quickstart Panel(クイックスタート・パネル)」の[Debug(デバッグ)]をクリックして、アプリケーションをボードにダウンロードします

    GS-FRDMKE17Z512-IMG10

    GS-FRDMKE17Z512-IMG10
  10. MCU-Link CMSIS-DAPデバッグ・プローブを選択します GS-FRDMKE17Z512-IMG11
  11. シリアル・ターミナルを開いて、アプリケーションの出力を確認できるようにします。[Terminal(ターミナル)]ウィンドウを選択し、[New Terminal(新規ターミナル)]アイコンをクリックします GS-FRDMKE17Z512-IMG12
  12. [Serial Terminal(シリアル・ターミナル)]を選択したら、UARTの設定をボーレート115200、データ・サイズ8ビット、パリティなし、1ストップ・ビットに設定します。[OK]をクリックします GS-FRDMKE17Z512-IMG13
  13. [Run(実行)]アイコンをクリックしてアプリケーションを実行します。ターミナルに表示される出力を確認します GS-FRDMKE17Z512-IMG14

3.2 代替ツールチェーンを使用したアプリケーションのビルドとフラッシュ

MCUXpresso for Visual Studio Code (VS Code) は、コードの編集と開発向けに最適化された組込み開発者エクスペリエンスを提供します。VS Codeでアプリケーションをビルドし、フラッシュに書き込む方法を習得しましょう。

別のツールチェーンを使用する場合:

IARおよびKEILでのデモも提供しています。

4. 作成

4.1 MCUXpresso IDEからのサンプル・プロジェクトのクローンを作成する

次の手順では、汎用出力の操作方法について説明します。この例では、LED点滅デモを設定します。

  1. 左下隅にある[Quickstart Panel(クイックスタート・パネル)]内の[Import SDK example(s)...(SDKサンプルのインポート)]をクリックします GS-FRDMKE17Z512-IMG15
  2. サンプルをインポートして実行させるボードとして「FRDMKE17Z512ボード」をクリックして選択し、[Next(次へ)]をクリックします GS-FRDMKE17Z512-IMG16
  3. 矢印ボタンを使用してdemo_appsカテゴリを展開し、led_blinkyの横にあるチェックボックスをクリックしてそれを選択します。出力用にデフォルトのセミホスティングではなくUARTを使用するには、[Project Options(プロジェクト・オプション)]にある[SDK Debug Console(SDKデバッグ・コンソール)]のチェック・ボックスで[UART]を選択します。[Finish(完了)]をクリックします
  4. GS-FRDMKE17Z512-IMG17

    GS-FRDMKE17Z512-IMG17
  5. [Project Explorer(プロジェクト・エクスプローラ)]ビューで「led_blinky」プロジェクトをクリックし、前のセクションで行ったようにデモをビルド、コンパイル、および実行します GS-FRDMKE17Z512-IMG18
  6. 赤色LEDが点滅するはずです
  7. デバッグ・セッションを終了します

4.2 サード・パーティ製IDE向けMCUXpresso Config Toolを使用してサンプル・プロジェクトのクローンを作成する

次の手順では、汎用出力の操作方法について説明します。この例では、LED点滅デモを設定します。

  1. MCUXpresso Config Toolsを開きます
  2. 表示されるウィザードで、[Create a new configuration based on an SDK example or hello world project(SDKサンプルまたはhello worldプロジェクトに基づいて構成を新規作成する)]ラジオ・ボタンを選択し、[Next(次へ)]をクリックします GS-FRDMKE17Z512-IMG19
  3. 次の画面で、MCUXpresso SDKの場所を選択します。SDKパッケージは事前に解凍しておく必要があります。次に、使用中のIDEを選択します。SDKのビルド時にオンラインのSDKビルダで選択されたIDEのみが利用可能になることに注意してください。[clone select example(選択したサンプルのクローン)]をクリックします。次に、クローンを作成するプロジェクトを選択します。この例では、gpio led outputプロジェクトを使用します。フィルタのボックスに「gpio」と入力してプロジェクトを絞り込み、「gpio/led_output」サンプル・プロジェクトを選択します。また、プロジェクトのクローンの作成先と名前を指定することもできます。その後、[Finish(完了)]をクリックします GS-FRDMKE17Z512-IMG20
  4. クローンの作成後、選択したディレクトリに移動し、IDEでプロジェクトを開きます。前のセクションで行ったように、プロジェクトをインポート、コンパイル、および実行します
  5. 赤色LEDが点灯したことが確認できるはずです
  6. デバッグ・セッションを終了します

4.3 MCUXpresso IDEのピン・ツールを使用する

  1. ファイル・エクスプローラ・ウィンドウの右上の[ConfigTools(設定ツール)]を選択し、次に[Open Pins(ピンを開く)]を選択することで、ピン・ツールを開きます GS-FRDMKE17Z512-IMG21
  2. これで、ピン・ツールにctimerプロジェクトのピン構成が表示されます GS-FRDMKE17Z512-IMG22

4.4 ピン・ツールを使用して、LEDがルーティングされたピンを変更する

  1. 以降の手順ではMCUXpresso IDEを使用しますが、サード・パーティ製IDE向け MCUXpresso Config toolsの場合も同じ手順で実行できます。[Pins(ピン)]ビューの[Show dedicated pins(専用ピンを表示)]および[Show not routed pins(ルーティングされていないピンを表示)]のチェックボックスのチェックを外し、ルーティングされているピンのみを表示させます。ルーティングされたピンには、ピンの名称の横に緑色のボックスが表示されます。ルーティングされた各ピンに選択された機能は、緑色にハイライト表示されます。GS-FRDMKE17Z512-IMG23
  2. 現在の構成では、PTD10は赤色LEDを制御するための出力としてルーティングされています。青色LEDを有効にするためにピン構成を追加しましょう
  3. [Show not routed pins(ルーティングされていないピンを表示)]を選択し、他のすべてのオプションを表示させます。青色LEDを有効にするには、GPIODを検索し、GPIO列で「GPIOD, 12」を選択します。GS-FRDMKE17Z512-IMG24
  4. 次に、[Routing Details(ルーティング詳細) ]ウィンドウでGPIOピンを出力として構成します
  5. GS-FRDMKE17Z512-IMG25
  6. 次に、ピン・ツールによって生成された、新たに更新されたpin_mux.cファイルとpin_mux.hファイルをエクスポートして、これらの変更をプロジェクトに実装します。メニューバーの[Update Project(プロジェクトの更新)]をクリックします GS-FRDMKE17Z512-IMG26
  7. ポップアップ画面に変更するファイルが表示されます。[diff]をクリックすると、現在のファイルとピン・ツールで生成された新しいファイルとの違いを確認できます。[OK]をクリックして、新しいファイルをプロジェクトに上書きします
  8. GS-FRDMKE17Z512-IMG27
  9. サンプルにいくつかコードを追加してみましょう。led_blinky.cファイルを開き、青色LEDを初期化する次のマクロを追加します GS-FRDMKE17Z512-IMG28
  10. main関数に、青色LEDを制御するためのGPIO_PortToggle関数を追加します。このデモでは、青色LEDと赤色LEDが同時に切り替わります GS-FRDMKE17Z512-IMG29
  11. 前のセクションで行ったように、プロジェクトをビルドしてダウンロードします
  12. アプリケーションを実行します。これにより、青色LEDと赤色LEDが同時に切り替わるはずです。LEDは紫色に点滅します
  13. デバッグ・セッションを終了します

5. MCUXpresso開発者エクスペリエンス

以下の各セクションで、柔軟なプロトタイピングと開発のために提供されているエコシステムについてご覧ください。以下のビデオでは、FRDMプラットフォーム、フル機能のEVK、および拡張機能向けの互換シールドをご紹介しています。さらに、NXPのGitHubを通じて多数のアプリケーション・サンプルを提供するアプリケーション・コード・ハブ・ポータルについて詳しく説明します。

5.1 FRDMプラットフォーム、フル機能のEVK、シールド

NXPでは、迅速なプロトタイピングのためのプラットフォーム向けに、低コストのFRDMプラットフォームとフル機能のEVKの両方を提供しています。

FRDM開発ボードは、標準のフォーム・ファクタとヘッダ、MCU I/Oへの簡単なアクセス、オンボードMCU-Linkデバッガ、USB micro Bケーブルを備えています。フル機能の評価キットには、I/Oおよびインターフェースへの拡張アクセス、Wi-Fi拡張機能のほか、追加のMCU-Link機能が含まれます。互換性のあるClickボードやArduinoシールドも多数あります。Open CMSIS Packでサポートされるものについては、ACHでサンプルが提供されている場合がありますが、そうでない場合でも、その多くがI2C、SPI、UARTなどのシリアル・インターフェースを利用して容易に使用でき、MCUXpresso SDKでドライバとサンプルが提供されています。

5.2 アプリケーション・コード・ハブ

アプリケーション・コード・ハブは、開発者がソフトウェアをすばやく見つけることができるインタラクティブなダッシュボードを提供することで、NXPのMCUXpressoの開発者エクスペリエンスをさらに向上させます。ACH に今すぐアクセスして、この新しいインタラクティブなアプリケーション・コード・ハブの詳細やその利点について確認しておきましょう。

アプリケーション・コード・ハブからアクセス可能なソフトウェアはNXPのGitHubリポジトリ に置かれているため、その場所に直接アクセスして簡単にクローンを作成することができます。

5.3 デモのご紹介

次のデモでは、モーター制御シールドと低コストLCDを備えた、FRDMプラットフォームを基盤とするシステムを使用して、ACHからプロジェクトをインポートする方法を示しています。評価ボードがこのシステムと異なる場合でも、以降の手順はサポート対象のすべてのプラットフォームで同じように実施できます。

システム設計ガイド

ターミナル・アプリケーション

ツールチェーン

MCUXpresso for VS Code

デバッガ・ファームウェア