1つで対応

デジタル・ラジオ放送、V2X(車車間/路車間)および車載レーダー情報の通信が現実のものとなり、それに伴い世界中で規格の数が増加しています。NXPでは、同じシステム・アプリケーションを使用して複数の国際規格に対応するソフトウェア駆動型ICの提供に取り組んでいます。これを実現できるのは、デジタル・エレクトロニクスとNXPのソフトウェア無線 (SDR) プラットフォームの能力が急速に進化しているおかげです。

RF-CMOS SDRを使用すると、RFフロントエンドとベースバンド・ソフトウェアの緊密な連携により、複数の無線規格に対応できます。従来は、特定の各無線規格に高価なハードウェア実装で対応していました。複数の規格に対応できる柔軟性とパフォーマンスに加えて、アプリケーション固有のSDRというコンセプトがもたらすスペース、エネルギー、コストの削減は非常に大きなメリットです。

1つのソリューション、複数のアプリケーション

共通のプラットフォーム・アーキテクチャというアプローチにより、複数の市場に対応する複数の無線製品をコストとパフォーマンスの最適なバランスで実装することが、SDRによって現実のものとなりました。SDRのメリットとしては、Tier1およびOEM各社の所有コストが低いこと、新しい規格に対応した製品を市場に投入するまでの時間が短縮されることが挙げられます。また、既存のインフラに新しい機能を追加する際の物流サポートと運用コストも削減されます。さらに、SDRでは、ソフトウェアのダウンロードやOver-the-Air (OTA) アップグレードを通じて、無線の稼働中に低コストで迅速にアップデートできるため、地域ごとのバリエーションに簡単に適応させることができます。

マルチスタンダードSDRは、無線およびワイヤレス・コネクティビティ機能の爆発的な増加に対する理想的な解です。NXPのRF-CMOSに関する確かなノウハウは、最高レベルのパフォーマンスを確保したうえで、最大限の柔軟性とシステム統合の両立を保証します。

地上デジタル・ラジオ向けマルチスタンダードSDR

デジタル・ラジオ放送は世界中で広がっており、新しい放送網が敷設され、既存の放送網がアップグレードされ、リスナーの数が増えています。AM/FMラジオと比較して、局数の増加、受信感度の大幅な向上、受信エリアの拡大、ノイズのないCD音質、放送の帯域効率の向上、および移動中の受信の改善といったメリットがあります。また、オーディオ・サービスとデータ・サービス(テキスト、写真、交通情報、天気など)の両方を組み合わせることもできます。

デジタル・ラジオの台頭の1つの主要な例は、2017年にアナログ放送をデジタル (DAB) ラジオに切り替えるというノルウェーの宣言です。

デジタル・ラジオの普及により、さまざまなデジタル放送規格が市場に導入され、地域ごとに規格が異なる状況になっています。幸いなことに、SDRは、特定の規格専用のカスタマイズされたハードウェア無線ソリューションの限界を打破し、放送無線規格への対応に関して無制限の柔軟性を提供してくれます。地上波デジタル・ベースバンド信号をオーディオ信号とデジタル・データ信号に復調および処理できる単一のマルチスタンダードICベースのプラットフォームで、HD Radio、DAB、DRMなどの複数の地上デジタル・ラジオ規格に対応できます。

SDRで実現できるもの

  • HD無線システム
  • DAB/DAB+/T-DMBシステム
  • DRM30/DRM+システム
  • 新しい規格に対応するための柔軟な再プログラミング 

V2X - SDRの強み

V2X通信テクノロジはOEM展開の準備が整い、自動運転への道を開きます。SDRテクノロジにより、自動車メーカーやインフラ設備メーカー向けの柔軟でコスト効率の高いV2Xプラットフォームを構築することができます。

その基盤となるのが、V2X機能を処理するためにSDRテクノロジを組み込んだ単一のハードウェアICプラットフォームです。このプラットフォームは、Cohda Wirelessの受信性能強化アルゴリズムにも対応することで、より困難な高速移動時や見通しがない (NLOS) 状況でも高いパフォーマンスを発揮します。その結果、グローバル規格に対応し、製造ラインの最後にファームウェアをダウンロードすることで設定できる、V2VおよびV2I通信用の柔軟なSDRプロセッサが実現します。

ソフトウェア無線アプローチにより、OEM各社はグローバルなV2Xプラットフォームを展開できます。

SDRで実現できるもの

  • V2VおよびV2Iテクノロジの容易な開発
  • OTAアップデートによる新機能の追加や新しい地域規格への対応