NXP、未来の自動車の迅速な市場投入を可能にする新しい車載プロセッシング・プラットフォームを発表

NXP、未来の自動車の迅速な市場投入を可能にする新しい車載プロセッシング・プラットフォームを発表

トップOEM企業15社のうち8社が次世代モデル車へS32プラットフォームを採用

  • 今日の最も優れた車載安全プラットフォームに対し10倍の性能1
  • アプリケーション・ソフトウェア内で90%、複数のアプリケーション・ソフトにまたがる領域においては40%以上の開発の負荷を低減2
  • 新しいレベルの車載安全、セキュリティ、無線通信経由ソフトウェア・アップデート(OTA: Over-the-Air)機能を提供

世界最大の車載半導体サプライヤであるNXP Semiconductors N.V.3は、コネクテッド・カー、電気自動車、自動運転車向けのまったく新しい制御/コンピューティング・コンセプトを発表しました。新しいNXP S32プロセッシング・プラットフォームは世界初の完全にスケーラブルな車載コンピューティング・アーキテクチャ4です。プレミアム・カー、量産車の双方で近く採用予定のこのプラットフォームは、統一化されたアーキテクチャのマイクロコントローラ/マイクロプロセッサ(MCU/MPU)製品群と、多様なアプリケーション・プラットフォームに対応可能な単一のソフトウェア環境を提供します。NXP S32プラットフォームのアーキテクチャ面での多数の技術革新が、未来の自動車開発の技術的課題への対処を可能にし、その結果、自動車メーカーが豊かな車内体験を提供するとともに、自動運転機能の市場投入期間を大幅に短縮できるようになります。

現代の自動車はさまざまなアプリケーションと完全に異なるソフトウェア開発手法が複雑に混在しており、自動車メーカーにとってそれらの統合が大きな課題となっています。自動車業界の推定によると、先進的な自動車ではソフトウェア・コードの行数(LOC)が最新の旅客機よりも多くなります5。こうした複雑さにより、自動車メーカーと車載サプライヤにとってさらに厳しくなる市場投入期間の制約の中で、高度なエレクトロニクス機能への市場の期待に対応することが、非常に大きなプレッシャーとなっています。

NXPの新S32プラットフォームは、業界最高性能の車載MCU6、MPU製品群へのスムーズな移行手段とさまざまな車載アプリケーションにわたって対応可能な単一のソフトウェア開発環境の提供により、こうした課題に対応します。この新しいソフトウェア開発環境により、デベロッパーはコストのかかる研究開発成果のリユースが可能になり7、車載アーキテクチャの変更時や市場投入期間に対する厳しい要求に迅速に対応できるようになります。このように新S32プラットフォームはさまざまな異なるアプリケーション領域にわたって車載品質、信頼性、ASIL-D性能を提供します。

IHS Markitのオートモーティブ・エレクトロニクスおよび半導体担当上級主席アナリストのLuca DeAmbroggi氏は「Tier 1サプライヤはもちろん、伝統的な自動車メーカーや革新的な自動車メーカーも、開発期間短縮ととてつもない勢いで高騰する開発コストのコントロールを同時に実現しながら、増大する性能要求に対応するため、異なる車種領域、セグメント、地域にわたって対応可能な標準化された方法の導入に取り組んでいます」と述べ、さらに「共通アーキテクチャと広範な拡張性を持つスケーラブルなアプローチは、ハードウェアとソフトウェアの両側面から、ADAS、自動運転、コネクティビティなどの領域で極めて重要な意義を持つアプリケーションの開発期間短縮を可能にします」と語りました。

自動車開発を変革するNXP S32プロセッシング・プラットフォーム・アーキテクチャ

  • さまざまな車載機器に対応可能なスケーラビリティ: S32プラットフォームは小型低消費電力Arm® Cortex®-Mから、リアルタイム処理向けに最適化されたArm Cortex-R、最高性能のArm Cortex-Aクラスに至るまで、業界で最も広範なパフォーマンス要求をカバーしており、各性能レベルでASIL-Dを提供。

  • Over-the-Airによるアップデート: セキュアなゲートウェイ経由でS32アーキテクチャ・ベースのECUに対して、フル・ロールバック・オプション付きのゼロ・ダウンタイムOTAが可能。

  • セキュリティ: S32プラットフォームはS32ファミリで発表された新SoCすべてにわたって最高のNXPコア・セキュリティ・コンセプトを提供し、自動車業界のベンチマークとなるスケーラブルなソリューションを実現。

  • 共通のIPセット: S32 SDKとの組み合わせで、アーキテクチャで一貫性のある開発環境を提供。これにより、異なる領域のために開発した成果の共有が可能になり、ソフトウェア・モジュールの重複開発を解消。

  • 各マイクロコントローラの特定アプリケーション向けIP: セキュア・ゲートウェイ、レーダー、パワートレイン、モーター制御などのキーのアプリケーションに対し、最も適したハードウェア・アクセラレーション・サポートを提供。

  • ユニークなテクノロジー・ノード独立型アーキテクチャ: 完全に再合成可能なNXPのIPを使用したS32マイクロコントローラ・ファミリは、異なるテクノロジー・ノード上においても共通のファンクションを構築し、一貫したアーキテクチャと挙動を示すハードウェアとソフトウェアを提供。

  • 人工知能(AI): S32プラットフォームはADASアプリケーションをターゲットとした多様なAIアクセラレータをサポート。これにより、各種アルゴリズムによるビジョン、レーダー、センサ・フュージョン分野での物体の検出や分類などの機能のパフォーマンスを加速。

コメント

NXPの上席副社長 兼 車載マイクロコントローラ&プロセッサ・プロダクト・ライン/ソフトウェア担当ゼネラル・マネージャーのMatt Johnsonは「未来の自動車に対する我々の見通しから、自身のハードウェアとソフトウェア間の相互関係の再評価を行いました」と述べ、さらに「次世代のソフトウェア、すなわち未来の乗り物のためのソフトウェアには、ハードウェアを再構築する必要があるということを認識しました。我々はお客様と同じような視点から、さまざまな車載機器やアプリケーションに対応できる、同一なソフトウェア開発環境を可能にするハードウェアを構築することにより、ソフトウェア開発の負荷を大幅に軽減し、開発期間を短縮します」と語りました。

供給

主要OEM企業は現在、NXPの主要サードパーティ・パートナーから入手可能なプレシリコン・エミュレーション/開発ツールを使用しています。これらの機能に関連して、パートナーがさらなる発表を行う見通しです。

  1. 公表されている競合のロードマップ性能ステートメントに基づく
  2. 既存のお客様のアプリケーション内の既存NXPソフトウェア・コードの分析に基づき、NXPはソフトウェアのリユースにより、さまざまなアプリケーション内で最大90%、複数のアプリケーションにまたがった際に40%以上の大幅なソフトウェア開発負荷軽減が可能になると予測しています。
  3. 出典:Strategy Analytics 2016
  4. M Classプロセッサ搭載NVMの容量512kBから、DDRメモリで動作する1GHz Aクラス・プロセッサに至るまでのハードウェア/ソフトウェア・スケーラビリティ
  5. 出典:Informationisbeautiful.net
  6. 公表された情報によると、最も近い競合製品の性能は3000 ASIL-DMIPSですが、NXPは6000 ASIL-DMIPSで、より高いパフォーマンスを提供します。
  7. S32アーキテクチャ対応ソフトウェアによる互換性により、お客様は複数のプロダクト・ラインにわたって同一ソフトウェアのリユースが可能になります。

NXP Semiconductorsについて

NXP Semiconductorsは、よりスマートな世界を実現するセキュア・コネクションとセキュア・インフラを可能にし、人々の生活をより便利に、より良く、より安全にするソリューションを推進しています。組み込みアプリケーション向けのセキュアなコネクティビティ・ソリューションで世界をリードするNXPは、セキュアなコネクテッド・ビークル、エンド・ツー・エンドのセキュリティ/プライバシー、スマートなコネクテッド・ソリューションの市場における技術革新をけん引しています。60年以上にわたって蓄積した経験と技術を活かし、NXPでは世界33か国強で3万1,000名の従業員が活動しています。2016年の売上高は95億米ドルでした。詳細はWebサイトhttp://www.nxp.com/jp/ (日本語)をご覧ください。

NXPジャパンはNXP Semiconductorsが開発および製造する車載、認証、インフラ/産業機器、コンシューマ向けのハイパフォーマンス・ミックスドシグナル製品やプロセッシング・ソリューション、高出力RF製品などを日本市場に提供しています。本社は東京都渋谷区で、大阪および名古屋に営業所があります。

NXP、NXPロゴはNXP B.Vの商標です。他の製品名、サービス名は、それぞれの所有者の商標です。Arm、CortexはARM Ltd.またはEU/その他の地域における子会社の登録商標です。All rights reserved. © 2017 NXP B.V.

リリース日

2017年10月16日

お問い合わせ

増田 清美
Tel: 050-3823-7031
kiyomi.masuda@nxp.com