NXPとVEPCOは互いに連携して、電気自動車 (EV) の開発を迅速化する第3世代のEVトラクション・インバーター制御リファレンス・デザインを作成しました。NXPの高度な車載半導体とVEPCOのエンジニアリングおよび製造に関するフルサイクルの専門知識を融合させ、開発時間、コスト、複雑さを削減するプラットフォームをお客様に提供します。
NXP SemiconductorsとVEPCO Technologies Inc の革新的なパートナーシップにより、NXPの半導体技術とVEPCOのエンジニアリングに関する専門知識を活用して、現在のモータ制御戦略を導入、評価、または実装したいお客様のためにトラクション・インバーターのリファレンス・デザインを構築し、開発時間の短縮につなげます。
第3世代EVトラクション・インバーターの完成モジュール。
NXPとVEPCOのパートナーシップの始まり
NXPの第3世代EVトラクション・インバーター・リファレンス・デザインは、電動化ソリューションの進化のために取り組んできたNXPの成果を示すものです。エンジニアリング・サービスと電動化の専門知識で知られるVEPCOは、このリファレンス・デザインの開発当初からNXPと連携してきました。
このパートナーシップは、現代のEVアプリケーションにおけるモータ制御の要求を満たす高性能でスケーラブルなソリューションを設計するという共通のビジョンのもとで2019年に始まりました。この関係を通じて、S32プロセッシング・デバイスや関連するセーフティ・システムベーシス・チップ (SBC) FS2x、GD316xゲート・ドライバ、各種通信ペリフェラルを含むNXPの車載ポートフォリオと、VEPCOの開発サイクルの専門知識が完璧に融合されました。NXPがリファレンス・デザイン・キット用の制御ボードとデモ・アプリケーション・ソフトウェアを作成する一方で、VEPCOは金属筐体の製造、歩留まりテストの実施、システム・フィードバックの準備、リファレンス・デザインの組み立てを担当しました。
たとえば、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ (IGBT) 用の第1世代のリファレンス・デザインでは、NXPの主な目的はシステムの専門技術の開発でした。2020年には、NXPのGD3160ゲート・ドライバとデモ・アプリケーション・ソフトウェアを使用して、400 VのDC-Link充電、IGBTおよびシリコン・カーバイド (SiC) ベースの電源モジュールのサポートなど、より多くの機能を備えた2番目のリファレンス・デザインがリリースされました。そして現在の第3世代では、VEPCOの継続的なパートナーシップによってシステムの知識が向上し、設計の迅速化、リスク回避、簡素化を目的としたリファレンス・デザインをお客様に提供できるようになりました。その結果、最適化されたハードウェア、包括的なソフトウェアに加え、システム全体のアプリケーション・ノートなどの広範なドキュメントが得られています。
第3世代EVトラクション・インバーター制御リファレンス・デザイン
第3世代のEVトラクション・インバーター制御リファレンス・デザインは、効率性と性能に優れたSiCベースの800 Vインバーター・アプリケーションをターゲットとしています。この設計は、NXPの最新世代の高性能電動化デバイスを活用し、電子制御ユニット (ECU) のプロトタイプ開発に向けた迅速な道筋を提供します。主な機能には次のようなものがあります。
第3世代EVトラクション・インバーターの全体図。
NXPとVEPCOは、さまざまなアプリケーションでリファレンス・デザインを実装する方法を紹介するアプリケーション・ノートや、車載安全統合レベルASIL Dのシステム安全コンセプトを含む安全ドキュメント、ケーシングのアウトライン、電源モジュール仕様など、広範なドキュメントを提供しています。これらのドキュメントにより、お客様はシステムのコンポーネントおよびリファレンス・デザインの統合について完全に理解できるようになります。
まとめ
NXPとVEPCOはそれぞれの強みを活かすことで、イノベーションを促進し、開発時間を短縮し、お客様の課題に対処することができるリファレンス・デザインを構築しました。車載市場が進化を続ける中、このようなコラボレーションは電動モビリティの未来を形作る上で非常に重要です。
詳細については、NXPの営業担当者までお問い合わせいただくか、NXPの第3世代EVトラクション・インバーター制御リファレンス・デザインのWebページをご覧ください。