電気自動車向けのAI搭載クラウド接続バッテリ・マネジメント・システムを発表

クラウド上のAI搭載デジタル・ツイン・モデルがEVバッテリの航続距離、効率、安全性、耐用年数を向上し、さまざまな新しいアプリケーションを促進


電気自動車向けのAI搭載クラウド接続バッテリ・マネジメント・システムを発表


NXP SemiconductorsはS32G GoldBox車載ネットワーキング・リファレンス・デザインを介して高電圧バッテリ・マネジメント・システム(HVBMS)をクラウドに接続し、人工知能(AI)搭載バッテリ・デジタル・ツインの活用ソリューションを開発しました。NXPはElectra Vehicles社のEVE-Ai™ 360アダプティブ・コントロール技術を使用することで、クラウド上のデジタル・ツイン・モデルの力を引き出し、物理的なBMSをリアルタイムでより適切に予測・制御し、バッテリ性能の向上、最大12%のバッテリ健全性の改善、EV車両管理などのさまざまな新しいアプリケーションの促進を実現します。NXPはミュンヘンで開催されるelectronicaでこのソリューションのデモを実施しました。

バッテリは今後も電気自動車(EV)で最もコストの高い要素になることが予想されるため、AI搭載のデジタル・ツイン・クラウド・サービスはバッテリの健全性(SOH)、充電状態(SOC)の推測精度を向上し、効率、耐用年数、コストを改善する大きな可能性を秘めています。バッテリ・デジタル・ツインは動作状況によるバッテリ健全性の継続的な変化に順応し、BMSに更新された数値を返して制御の判断を継続的に改善します。

自動車メーカーはこのテクノロジを活用して航続距離、スピードの推奨などの情報を運転手に提供することが可能です。加えて、アダプティブ・バッテリ制御により、バッテリ性能の向上と耐用年数の安全な延長が実現するため、自動車メーカーにとっては保証コストの削減につながります。また、EV車両の充電回数やバッテリ予測診断など使用状況に関する重要な情報を運行管理者に提供するなど、EV車両管理のアプリケーションとしての可能性も秘めています。さらに、バッテリ・ケア・センターがこの詳細な情報を基にクイック診断を実施してダウンタイムを削減したり、EV充電ステーションのオペレータが充電サービスとエネルギー効率を効果的に最適化したりすることも可能です。

EV市場の拡大に伴い、再利用バッテリの供給も拡大します。自動車用途の耐用年数を過ぎたバッテリにも最大80%という大きな残存容量が存在します。このバッテリの残存耐用年数(RUL)を家庭用の電力貯蔵システムに活用すれば、家庭の電気料金を削減できる可能性があります。

Electra Vehicles社のAI搭載バッテリ・デジタル・ツイン・ソリューションは高精度センサ、リアルタイム・クローズドループBMS制御、ネットワーク接続、予測アルゴリズムにより、性能面のメリットを提供します。 このソリューションは3つの要素で構成されています。1つめの要素はNXPのS32K3をベースとしたHVBMSリファレンス・デザインで、高精度な予測機能によりバッテリ駆動時間を安全に延長します。 バッテリのSOHとSOCを正確に測定してその潜在能力をフル活用し、正確な診断により航続距離を最大限に伸ばします。 2つめの要素はNXPのS32Gをベースとした車載ネットワーキング・プロセッシング・ソリューションです。 NXP GoldBoxが安全で高性能なコンピューティング能力とクラウドにセキュアに接続するリアルタイム・ネットワーク性能を発揮し、データ主導型クラウドベース車載サービスを実現します。デジタル・ツイン・ソリューションにおける3つめの要素はAIベースのオンボード・バッテリ制御、データ分析/設計の業界リーダーであるElectra Vehicles社との提携です。提携により、EVE-Aアダプティブ・デジタル・ツインを実装し、電動化ソリューションをクラウドにシームレスに接続することが可能になりました。

NXPのダイレクタ 兼 バッテリ・マネジメント・システム担当セグメント・マネージャのAndreas Schlapka博士は以下のようにコメントしています。「NXPは正確なセンサ/データ、リアルタイム・クローズドループBMS制御、高性能車内プロセッシング、保全とOTA(Over-The-Air)用途の安全なクラウド接続においてデジタル・ツイン技術を実現しています。ElectraのEVE-Aiアーキテクチャと連携することにより、私たちはデジタル・ツイン・アプローチに関連した2つの大きな課題を解決しました。1つは電動化ソリューションから発生する膨大なデータの処理であり、そのためにはデータ・クレンジングと機能の適切な選択が必要です。もう1つはユースケースの多様性であり、それにはモデルの選定とアダプティブ・トレーニングが必要になります。」

Electra Vehicles社の共同創業者でCEOのFabrizio Martini氏は次のようにコメントしています。「Electraは自動車用バッテリ業界で最も差し迫った課題である航続距離、耐用年数、安全性にまつわる懸念に対し、常にソフトウェアを中心とするアプローチで解決することに注力してきました。今回、私たちはEVE-Aiに搭載された中核技術であるAIバッテリ・アダプティブ・デジタル・ツインをNXPと共に実証する機会を得ました。NXPは最先端の結合されたハードウェアによってBMSデジタル・ツインと電動自動車用クラウド接続技術における業界リーダーとしての地位を確立しており、この事業の最適なパートナーであることが明らかです。」

ElectraのEVE-Aiアーキテクチャはデータを処理してサイクル(時系列)を特定し、バッテリと車両レベルの両方で特徴を抽出します。その上でアダプティブ・セル・モデリング・システムが特定の使用プロファイルに最も合ったモデルを動的に選択します。

NXP、electronica 2022

NXPはミュンヘンで開催されるelectronica 2022に出展し、ElectraのEVE-Aiを搭載し、クラウドを通じてAI搭載バッテリ・デジタル・ツインに接続したEVで、AIによるバッテリ性能向上デモを実施しました。


NXP Semiconductorsについて

NXP Semiconductors N.V.(NASDAQ: NXPI)はイノベーションを通じて、よりスマートな、安全で持続可能な世界を実現します。組み込みアプリケーション向けのセキュアなコネクティビティ・ソリューションで世界をリードするNXPは、オートモーティブ、インダストリアル& IoT、モバイル、通信インフラの各市場で新たな可能性を拓いています。60年以上にわたって蓄積した経験と技術を活かし、NXPは世界30か国強で約3万1,000名の従業員を擁しています。2021年の売上高は110億6,000万米ドルでした。詳細はWebサイトwww.nxp.comをご覧ください。

NXPジャパンはNXP Semiconductorsが開発および製造するプロセッシング・ソリューション、認証技術、コネクティビティ、高出力RFやアナログ製品などを日本市場に提供しています。本社は東京都渋谷区で、名古屋および大阪に営業所があります。詳細はWebサイトwww.nxp.jp(日本語)をご覧ください。

NXP、NXPロゴはNXP B.Vの商標です。他の製品名、サービス名は、それぞれの所有者に帰属します。© 2022 NXP B.V.

リリース日

2022年11月21日

お問い合わせ

増田 清美

Tel: 070-3627-6472

kiyomi.masuda@nxp.com